本記事では、採用戦略とは何か、成功する採用戦略の立案フロー5ステップについて解説します。
採用戦略を実行する際にやるべきことや成功した企業の事例なども紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次

採用戦略とは、企業が目的とする人材を効果的に獲得するための計画のことです。
人材は、企業にとって重要な資産の一つであり、優秀な人材を確保し、育成することは、企業の成長に欠かせません。
人材の争奪戦が激化する中、ただ求人を出すだけでは、優秀な人材を確保することは難しくなっています。
そのため、企業は採用戦略を立て、中期経営計画や事業計画など踏まえた長期的な目線での人材確保が求められているのです。
近年、企業にとって採用戦略がますます重要視される背景には、「労働人口の減少に伴う人手不足」と「求人倍率の上昇」といった大きく2つの要因が挙げられます。
パーソル総合研究所が発表した「労働市場の未来推計2035」によると、2035年には761万人もの人手不足になるといわれています。
日本は今後ますます深刻な人手不足に直面することが予測され、より戦略的な人材確保を行うことが求められます。
労働人口の減少が続いていく中で、有効求人倍率は上昇し、企業間の採用競争はますます激化しています。
東京労働局の「一般職業紹介状況(令和6年7月分)」によると、東京の有効求人倍率(季節調整値)は1.84倍となり、前月より0.02ポイント上昇しています。
企業が競争の激しい採用市場で優位に立ち、人材を確保するには、効果的かつ戦略的に採用活動を進めなくてはなりません。

採用戦略を立案する際は、フローに従って進めていきましょう。
ここでは、5つのステップについて、具体的な内容と注意点を解説します。
採用戦略は、企業の中長期的な事業計画に基づき、採用プロセスを進めることが求められます。
まずは、中長期的な企業の方針を把握するために、経営・事業計画を確認しましょう。
特に、主要な目標や成長分野、新規事業の推進計画を確認することで、自社のビジョンに合わせて必要なスキル・ポジション・社員数といった採用戦略を立てることが可能になります。
採用戦略を成功させるためには、自社の強み・弱み、競合の状況、業界トレンドなどを正確に理解することが重要です。
SWOT分析・PEST分析・3C分析などのフレームワークを活用すると、複雑な情報を体系的に整理できます。
採用戦略に役立つフレームワークはこちらの記事で詳しく紹介しています。
どのポジションに、どのような人材が何人くらい必要か、明確なビジョンを持つために人員計画を立てましょう。
必要な人材は、新卒採用・中途採用だけでなく、内部調達やアウトソーシングなどを活用して確保することもできます。
予算や人材の最適な配分を行うために、事業計画で確認した内容やフレームワークを用いて分析した結果を基に人員を策定してください。
採用したい理想の人物像を価値観・働き方などのパーソナリティまで細かく設定した採用ペルソナを設計しましょう。
採用したい人物像を明確化させることで、社内での共通認識が持てるようになり、採用活動の最適化やミスマッチの防止につながります。
採用計画を立て、関係者との共通認識を持つために採用戦略を共有しましょう。
必要に応じて、採用計画に必要な人材を社内や社外から確保し、人事体制を整えておく必要もあります。
実行後は、PDCAサイクルを回し続け、継続的に効果検証や改善を行うことで、採用活動の質の向上に努めてください。

採用戦略を実行する際には、やるべき4つのポイントがあります。
採用活動は、人事部だけでなく、営業部や開発部など、さまざまな部門の協力が不可欠です。
採用戦略が完成したら、担当者や関係者だけでなく、社内全体に共有しましょう。
採用戦略を社内全体で共有することで、採用に対する理解が深まり、各部門からのサポートも受けやすくなります。
人事戦略とは、経営戦略の実現に必要な人材を計画的に配置・育成するための事業戦略であり、整合性を持たせることが重要です。
人事戦略と採用戦略が一致していない場合、本来必要である人材が確保できず、新規事業・成長計画の達成に支障をきたす可能性があります。
採用戦略は、一度立てたら終わりではありません。
採用活動は、外部環境の変化や、自社の事業状況の変化などに合わせて採用戦略も柔軟に修正していく必要があります。
定期的に振り返りと改善・実行を行い、採用戦略の精度を高めて行くようにしましょう。
精度の高い採用戦略を立てても、実行する担当者や関係者にスキル・知識不足があった場合、効果を最大限に引き出せません。
専門的な人事チームを配置し、十分なリソースを確保したうえで、スキルアップのための研修機会を提供してください。
競争優位性を高めるために、常に採用トレンドやテクノロジー情報を収集し、採用戦略に取り入れる努力をし続けることも大切です。
実際に採用戦略を立案・実行し、成功した企業の例を見ていきましょう。
全国約16万人のクルーを抱える日本マクドナルド株式会社では、採用戦略の中心に「EVP(Employee Value Propositionの略、日本語訳:企業が従業員に与える価値)」を掲げています。
EVPを通じて、「柔軟な働き方」「チームの一員としてポジティブな雰囲気の中で働ける」「個人が成長できるスキルを学ぶ機会の提供」という3点を重視しているのです。
具体的には、希望シフトの柔軟性や定期的な勤務評価、永年勤続表彰などを導入し、働きやすい環境づくりを推進しています。
また、クルー経験者によるリファラル採用や、成長実感を提供するトレーニング制度を整備しており、多様な人材の確保にも成功しています。
参考:従業員の働く価値とは?日本マクドナルドの人材採用戦略【会える人事Premiumレポート】
2019年3月に設立したスタートアップ企業の株式会社IVRyは、採用戦略において独自の企業文化とオフィス環境を強みとしています。
社員全員が採用に積極的に関わるリファラル採用を活用し、社員自身が推薦する形で優秀な人材を紹介する仕組みを取り入れているのです。
また、出社したくなるような活気あふれるオフィス環境を活かし、毎月オフィスイベントを開催することで、候補者にオフィスの雰囲気を体感してもらう機会を提供をしています。
参考:急成長するテック組織の秘訣とは?IVRyとSODAのリーダーシップと採用戦略
参考:T2D3超えスタートアップの採用戦略。IVRy、SalesMarkerの急成長期との向き合い方

採用戦略とは何か、成功する立案フローについて解説してきました。
人事戦略と採用戦略の整合性を持たせたうえで、必要な人員の確保や研修機会の提供を行い、実行後もPDCAを回し続けることが大切です。
企業が成長し続けるためにも、自社にあった採用戦略を立ててください。
画像出典元:O-DAN
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