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人手不足の深刻化により、第二新卒に注目する企業が増えています。
本記事では、第二新卒採用のメリットとデメリットをまとめました。
優秀な第二新卒者を見極めるポイントや募集方法、注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
このページの目次
第二新卒とは、「学校を卒業したあと3年未満で転職を志す求職者」のことです。
年齢は4年制大学を卒業しているなら25歳前後、高校卒であれば20歳前後となるでしょう。
明確な定義がないため、企業によって基準が異なる可能性があります。
ここ数年で離職する新卒者の割合は年々増加しています。
厚生労働省が発表した「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)」によると、新規大学卒就職者の就職後3年以内離職率は32.3%です。
不況による求人の減少や早期・短期化した就職活動によって、適した就職先に就くことが難しくなったことが、第二新卒が生まれる背景にあると考えられます。
株式会社UZUZが実施した「20代若者の転職活動に関する実態調査」によると、転職を考えている理由の1〜3位までがキャリア・仕事内容に関する不満でした。
これは全体の約半数(48.7%)を占めていることになります。
将来のキャリアを考えたうえで、第二新卒としての転職を考えていることがわかるでしょう。
応募条件に第二新卒を含む求人は、年々増加している傾向があります。
以下の表は、2023年5月からの1年間で、第二新卒の求人数が増加した職種トップ3です。
職種 | 2023/5/29 | 2024/5/27 | 増加数 |
営業・事務・企画・管理 | 6,152件 | 9,189件 | +3,037件 |
運輸・物流・配送・警備・作業・調査 | 1,901件 | 2,914件 | +1,013件 |
ITエンジニア・IT系専門職 | 1,233件 | 1,831件 | +598件 |
また、都道府県別の増加数は、東京が最も多く、ついで神奈川県、大阪府、愛知県と続きます。
このことから、もともと募集が多い地域で、さらに求人数が増加していることがわかります。
採用要件を緩和する動きが活発化していることから、第二新卒の市場はさらに拡大していくでしょう。
第二新卒と中途・新卒の違いをそれぞれ解説します。
自社が求める人材を採用するための基礎知識として、チェックしておきましょう。
「中途」と「中途(既卒)」は混同しがちですが、定義が異なります。
中途とは社会人経験がある人材のことです。
一定以上のキャリアや実績をもっていて、即戦力になることを期待されて採用されます。
人材が必要なタイミングで求人募集をするため、明確な採用時期は決まっていません。
中途採用は経験者採用が基本ですが、第二新卒採用はスキルや経験をそれほど重視しないことが主な違いです。
ただし、第二新卒は中途採用に含まれているので、明確に区別していない企業もあります。
中途(既卒)とは、学校を卒業後に正社員として勤務経験がない人のことです。
中途採用に含まれていますが明確な定義がなく、新卒扱いで採用する企業もあるようです。
中途(既卒)は正社員としての職務経験がない人、第二新卒は職務経験がある人を指すと考えればわかりやすいでしょう。
新卒とは、今年度中に卒業する見込みのある学生のことを指します。
在学中の学生が新卒、卒業後に就職し3年内に転職活動をする人が第二新卒です。
ただし、厚生労働省による「青少年雇用機会確保指針」では、既卒であっても3年以内なら新卒と同じ立場で求人に応募できるとしています。
第二新卒を採用するメリットは以下の通りです。
採用を検討している方は、ぜひチェックしてください。
第二新卒は就業経験があるため、社会人の基礎やビジネスマナーが身についています。
一から育成する必要がなく、新入社員研修にコストと手間がかかりません。
育成コストを抑えつつ、新卒より短期間で戦力となる人材に育てられます。
第二新卒は前職の在籍期間が短いので、仕事に対する価値観が定まっていません。
新しい社風や文化を受け入れやすく、企業に馴染みやすいことがメリットです。
自社の企業風土に好感をもってもらえれば、入社したあとより意欲的に働いてもらえるでしょう。
第二新卒では、採用の時期や期間を限定せずに採用活動をおこなえます。
人材が必要となったタイミングで開始でき、採用活動時期や入社時期を調整できるところが魅力です。
また、新卒と比較した場合、採用までのプロセスが少なくすみます。
情報解禁や選考など就活スケジュールにあわせる必要がなく、柔軟な採用活動が可能です。
第二新卒の雇用で後悔しないために、デメリットもあらかじめチェックしておきましょう。
第二新卒は職務経験が浅く、即戦力になるような経験やスキルはあまり備わっていません。
潜在能力や将来の可能性を評価基準とするポテンシャル採用が前提なので、自社で育成する必要があります。
中途のように即戦力として期待すると、ミスマッチが発生する可能性があるので注意しましょう。
第二新卒は、自己や業界の分析をしたうえで転職活動をしている人が多いので、入社後のミスマッチは発生しにくいと考えられますが、可能性はゼロではありません。
もしミスマッチが発生した場合は、前職同様に早期離職する可能性も十分に考えられます。
早期離職のリスクを避けるために、人柄や自社との相性を慎重に見極める必要があります。
第二新卒採用を成功させるためには、優秀な人材を見極める必要があります。
以下のポイントを把握したうえで、採用活動をおこなってください。
前職での位置づけを踏まえたうえで、どのようなキャリアプランを立てているのか確認しましょう。
希望する働き方を深堀りして、仕事に対する姿勢や熱意をチェックすることが大切です。
自己PRも同様に、前職で努力した点や評価された部分、課題に対する対処を深堀りすることで、どのような人材なのか明らかにできます。
これらの質問について、しっかり言語化して答えられるかという点に注目してください。
前職の退職理由を確認することで、ミスマッチや早期離職を防止できます。
給与や人事制度、労働環境など、退職した理由を明確にすることが重要です。
たとえば「どのような経験をつみたい?」「転職して何がしたい?」といった質問から、前職に感じていた不満を探ることができます。
合理的な理由がなく前職を否定したり、退職した理由が曖昧だったりする場合は注意が必要です。
第二新卒者を評価するうえで重要なのは、前職における成功体験・失敗体験のプロセスです。
目標を設定した理由や達成までのプロセス、経験を通して得た気づきについてヒアリングします。
失敗体験についても聞くことで、問題解決能力や失敗を学びに変えられる能力を見極められるでしょう。
前職での取り組み方が見えてくるため、仕事に向き合う姿勢を知ることにもつながります。
第二新卒の募集方法をまとめました。
それぞれの特徴をチェックして、自社の採用活動に適した方法を選択してください。
求人サイトに第二新卒の求人を掲載する方法です。
幅広い業界・職種に対応した総合型サイトから、特定の分野に特化したサイトまで、種類が豊富です。
応募の受付や履歴書の確認、メールの送受信など、採用活動に役立つ機能が備わっているので、採用プロセスの効率化に役立ちます。
ダイレクトリクルーティングとは、企業が直接求職者にアプローチをする方法です。
専用サービスのデータベースから優秀だと思う第二新卒者を探し出し、スカウトを送信します。
自社にあった人材に絞って効率的な採用活動ができ、さらに転職の潜在層にもアプローチできることがメリットです。
あらゆる業界・職種の求職者情報を網羅した独自のデータベースから、企業の採用要件にあった人材を紹介してもらえます。
求職者のスキルや人間性、チームでの働き方をスクリーニングしたうえでマッチングするため、紹介される人材の質が高いことが魅力です。
書類選考の手間を省けるので、採用業務の負担を軽減することにもつながります。
採用代行サービスとは、採用業務の一部もしくはすべてを外部に委託できるサービスです。
プロの知識やノウハウを用いながら、採用トレンドにそった採用活動をおこなってもらえます。
委託する範囲によりますが、業務負担の軽減や採用プロセスの最適化などさまざまな効果が期待できるでしょう。
SNSで公式アカウントを開設して、求職者に直接アプローチをおこないます。
認知拡大や応募獲得、コミュニケーション手段、情報発信など活動目的はさまざまです。
第二新卒を含む若年層の多くはSNSを利用しているため、自然な形で企業情報に触れてもらえます。
採用イベントとは、求職者と企業が対面やオンラインで接する機会を設けるためのイベントです。
求職者とコミュニケーションをとりながら、自社の魅力や仕事のやりがいを直接アピールできます。
転職を考えていない転職潜在層も参加しているため、より幅広い層にアプローチできるでしょう。
第二新卒を採用するためには、以下のような注意点を把握しておくことが重要です。
失敗しないために、あらかじめチェックしておきましょう。
新卒や中途とは別に、第二新卒独自の採用基準を設けることが大事です。
第二新卒は中途採用に分類されますが、ポテンシャル面が重視される新卒に近い基準で評価する必要があるでしょう。
どのような人物を採用したいのか採用要件を明確にしたうえで、採用基準を設定してください。
第二新卒者を適切に評価するためには、積極的なコミュニケーションが求められます。
表面的な質問から内面的な質問に徐々に話を広げていくことで、その人の本質を見極めやすくなります。
自社に必要な人材か判断でき、ミスマッチや早期離職の防止にもつながるでしょう。
第二新卒はそれぞれ異なるタイミングで募集することが多く、同期がいないケースがあります。
相談相手となる人がいないため、入社後の丁寧なフォローが重要です。
先輩社員が気にかけたり、定期的な面談をおこなったりすることで、職場環境に馴染みやすくなります。
第二新卒の採用には、「育成コストが抑えられる」「企業風土に馴染みやすい」などのメリットがあります。
人手不足の深刻化に対応するためにも、第二新卒の採用を検討してください。
ただし、「早期離職のリスクがある」「即戦力になることは難しい」など、デメリットもあります。
自社に適した優秀な人材を採用するために、見極めるポイントや注意点を確認しておくことが重要です。
画像出典元:O-DAN
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