採用管理システムとは?導入メリットや応募者管理方法・主な機能についても解説

採用管理システムとは?導入メリットや応募者管理方法・主な機能についても解説

記事更新日: 2024/11/28

執筆: Mai Nemoto

採用活動は、企業の成長にとっても重要な業務であり、応募者の獲得や管理・優秀な人材の選定など限られた時間の中で進める必要があります。

本記事では、採用管理システム(ATS)とは何か、管理できる項目やメリットについて解説します。

選定時のチェックポイントや代表的な採用管理システム3選なども紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

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採用管理システム(ATS)とは?

採用管理システムとは、Applicant Tracking Systemの略である「ATS」とも呼ばれ、企業の採用プロセスを一元管理し、業務効率化をサポートしてくれるシステムを指します。

主に、求人情報管理・応募者情報管理・選考管理・内定者管理・データ分析といった機能があります。

日本における普及状況は?

デロイトトーマツミック経済研究所が2024年2月に発表した「HR Techクラウド市場の実態と展望 2023年度版」によると、HR Techクラウド市場は、2022年の804億円から、2024年には1,442億円へと大きく成長すると予測されています。

同社は、HRTechクラウド市場を「採用管理クラウド」「人事・配置クラウド」「労務管理クラウド」「育成・定着クラウド」の4つに分け、ベンダー47社を対象に調査を実施。

採用管理クラウド分野では、コロナ禍で中断していたシステム投資が再開の兆しを見せるほか、Web面接ツールとの連携強化や有効求人倍率の上昇といった要因が重なり、採用管理クラウドの普及が促進されていると考えられます。

参考:HRTechクラウド市場の実態と展望 2023年度版 | デロイト トーマツ ミック経済研究所

採用管理システムが注目される背景理由

近年、日本では少子高齢化に伴い、労働人口の減少が問題となっています。

限られた労働人口の中で業務の質を保つ必要があるため、長時間労働が増加し、さらに状況の深刻化が進みました。

これを受け、日本政府は、労働環境の向上や生産性の向上を目的とする働き方改革を推進しています。

また、厚生労働省が2024年10月に発表した「一般職業紹介状況(令和6年8月分)について」によると有効求人倍率は1.23倍となっており、優秀な人材を確保するには、採用活動にこれまで以上のスピード感ときめ細やかな働きかけが求められます。

これらの問題を限られた人的リソースで解決するには限界がありますが、採用管理システムであれば、限られた人材の中で業務効率化が期待でき、戦略的な採用活動につなげられるため、注目が集まっています。

参考:一般職業紹介状況(令和6年8月分)について

採用管理システムの費用相場

採用管理システムは、基本的に初期費用+月額費用+オプション費用で構成されていることが一般的です。

初期費用はクラウド版であれば無料の場合もあり、月額費用は無料〜月額20,000円程度が相場です。

オンプレミス版の場合は、ソフトやサーバーなど物理的な費用が必要であるため、クラウド版よりも高いことが多く、初期費用やオプション費用は問い合わせが必要となります。

採用管理システムで管理できる項目

採用管理システムでは、どのような管理ができるのでしょうか。

ここでは基本的な5つの機能について解説します。

  • 求人情報の管理
  • 応募者情報の管理
  • 選考スケジュールの管理
  • 内定者情報の管理
  • 採用分析機能

求人情報の管理

採用管理システムでは、募集している求人情報を一元管理することが可能です。

募集職種・仕事内容・応募条件などの職種や仕事内容、各求人における募集状況の管理、求人情報の更新といった作業を効率的に行えます。

システムによっては、求人サイトや自社の採用ページと連携し、簡単に情報を公開できるようになります。

応募者情報の管理

採用管理システムを使えば、応募者の個人情報や履歴書、職務経歴書などを一元的に管理できます。

また、閲覧者の制限機能があるため、個人情報や選考状況も安全に保護して管理することが可能です。

選考スケジュールの管理

応募者の選考スケジュールを一元管理することが可能です。

面接の日時調整がシステム上で簡単に行えるだけでなく、リマインダーの自動送信機能もあるため、スケジュール調整をスムーズに進められます。

また、進捗状況の管理・適性検査の結果・面接での評価などをシステム内で共有できるため、社内での情報共有が効率化されます。

内定者情報の管理

採用管理システムでは、内定通知の送信有無・内定における承諾情報の追跡やフォローなどの管理が可能です。

内定者の入社後辞退を防止するためにも、内定後はしっかりフォローを行うことが求められます。

また、そのほかにも入社日や雇用条件の確認といった入社までに必要な一連の手続きを管理することもできます。

採用分析機能

採用管理システムにある膨大な情報を活用して、採用における課題を分析・可視化し、採用戦略に役立てることができます。

応募者数・選考通過率・内定率などのデータ分析を活用し、自社の採用プロセスを改善したり、求人媒体や求人情報の最適化につなげられるでしょう。

採用管理システム導入で得られるメリット

採用管理システムを導入することで、得られる5つのメリットをご紹介します。

  • 採用業務の効率化
  • 正確な情報の共有
  • ヒューマンエラーの防止
  • 採用活動の費用対効果向上
  • 採用管理システム導入のデメリットはある?

採用業務の効率化

採用までの期間やコミュニケーションが遅れてしまうと、応募者が辞退してしまうリスクが高まります。

採用管理システムを導入すると、今まで時間がかかっていた採用業務を効率的に進められるようになり、優秀な人材の取りこぼしを防止できます。

さらに、システムで日程の調整や情報の共有が効率化できることによって、応募者をじっくり見極めたい面接などに時間を活用できるようになるという点もポイントです。

正確な情報の共有

採用管理システムを活用すれば、応募者に関する情報や進捗状況をリアルタイムで共有できるようになり、情報の属人化を防止にもつながります。

また、採用に携わるほかの社員もアクセスできるようにすれば、情報の共有がスムーズに行え、採用担当者の負担を減らせます

ヒューマンエラーの防止

面談スケジュールの重複や応募者への連絡漏れなど、ヒューマンエラーは優秀な人材を逃す致命的なトラブルにもつながりかねません。

採用管理システムを使えば、アラート機能や面接日時の調整や連絡などを自動で行うシステムで、ヒューマンエラーを防止できます。

採用活動の費用対効果向上

採用管理システムの分析機能を活用すれば、求人媒体や人材紹介サービスごとの応募者数・面接率・内定率などのデータを集約し、可視化することが可能です。

データの分析によって、求人票の見直しや修正、面接や採用方法の改善など、さまざまな採用課題を早期発見できるようになるため、結果的に採用コストの削減にもつながります。

採用管理システム導入のデメリットはある?

採用管理システムを導入する際は、導入費やランニングコストが発生したり、従来の採用プロセスを見直したりする点がデメリットです。

インターネットを介して利用できるクラウド版であれば、ほとんどが月額費用で利用できる一方で、物理的なソフトやサーバーが必要なオンプレミス版の場合は数百万の導入コストが発生します。

また、従来の採用プロセスを見直して新しい方法を確立する必要や、社内でのフォローアップ体制を整える必要もあります。

採用管理システムの導入前に、自社の課題を明確にし、システムの機能やコストを比較検討するなど、デメリットを最小限に抑える対策を講じて採用管理の効率化とスムーズな運用を目指しましょう。

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採用管理システム選びで失敗しないためのチェックポイント

人材の確保は、企業の将来につながる重要な業務であり、効率的で精度の高い採用活動が求められます。

ここでは、採用管理システムを選ぶ際に失敗しないためのチェックポイントを5つご紹介します。

  • 雇用形態をカバーしているか
  • 自社の規模に機能がマッチするか
  • 使いやすさ
  • 必要な機能が備わっているか
  • セキュリティ対策が整っているか

雇用形態をカバーしているか

正社員・契約社員・パート・アルバイト・新卒採用・中途採用・リファラル採用など、自社が採用したい雇用形態に対応できる採用システムを選びましょう。

雇用形態によって、採用プロセスやコミュニケーション方法が異なり、必要な機能も変わる可能性があります。

成果につながる採用活動を行うためにも、システムがどの雇用形態に特化しているかをあらかじめ確認することが重要です。

自社の規模に機能がマッチするか

採用管理システムが、自社の規模に合っているか確認しておきましょう。

小規模な企業であれば、シンプルで低コストなシステムが適していることが多く、大規模な企業では高度な機能やカスタマイズ性に優れているシステムが必要となります。

クラウド版の場合は無料で使えるシステムもあるため、採用人数や事業規模に合わせて選びましょう。

使いやすさ

採用管理システムが見やすいか、操作しやすいか、といった使いやすさという観点は大切です。

せっかく高度な機能のシステムを導入しても、採用に携わる全ての社員が使えるようにならないと業務に支障が出てしまいます。

誰でも簡単に操作ができるのか、導入後のトレーニングやサポートは充実しているかなどを確認しておくと良いでしょう。

必要な機能が備わっているか

自社が必要とする機能が採用管理システムに備わっているか、予め確認しておきましょう。

例えば、求人情報の管理・応募者情報の管理・選考スケジュールの管理・面接のフィードバック・採用分析など、必要な機能が使いやすい形で提供されているかという点はチェックしてください。

また、現状は不要でも将来的に必要となった際に機能の追加ができるのかというカスタマイズ性についても選定時のポイントです。

セキュリティ対策が整っているか

採用管理システムは、応募者の個人情報を管理するため、セキュリティ対策が整っているかという点が重要です。

データの暗号化・アクセス権限の管理・定期的なセキュリティアップデートの有無・プライバシーマークなどの法規制に対応しているかというポイントは確認しておきましょう。

そのほかにも、サーバーの安全性やバックアップ機能、障害発生時のサポート体制なども大切です。

代表的な採用管理システム3選を紹介!

HRMOS採用

画像出典元:「HRMOS採用」公式HP

ツール紹介

HRMOS採用は、ダイレクトリクルーティングサービスを提供するビズリーチが開発した採用管理システムです。

応募者とのやりとりや、面接日程の調整・評価連絡が可能であり、さらに人材紹介会社への一斉連絡機能があります。

採用経路や辞退・内定理由といったさまざまなレポートを自動で作成してくれるだけでなく、カレンダーやオンライン面談など外部サービスとの連携も豊富です。

料金

詳細についてはお問い合わせが必要です。

 

ジョブカン採用管理

画像出典元:「ジョブカン採用管理」公式HP

ツール紹介

ジョブカン採用管理では、応募者の獲得・候補者の管理・成功の実施・採用活動の進捗把握・効果分析まで一気通貫で管理が可能です。

10種類以上の採用媒体と連携しているため、応募が合った際に応募者情報を自動で登録してくれる機能があります。

ジョブカン労務HRを使用していれば、内定承諾者の入社日・履歴書・職務経歴書などをワンクリックで同期させることも可能です。

料金

  無料プラン LITEプラン STANDARDプラン
初期費用 無料
月額費用
〜30名
0円/月
〜50名 8,500円/月 30,000円/月
51〜150名 30,000円/月
151〜300名 70,000円/月
301〜1,000名 120,000円/月

(税抜)
※無料プランは機能制限あり

 

 

i-web

画像出典元:「i-web」公式HP

ツール紹介

i-webは、Webセミナー・オンライン面接・応募者と企業側のコミュニケーションが可能で、会社説明の申し込みやエントリーシートの応募受付などもできます。

新卒採用・キャリア採用・グループ採用・グローバル採用という4つのモデルがあり、自社にあった採用管理システムを選択できるという点も特徴です。

CMS機能が標準搭載されているため、採用広報活動まで一元管理を実現します。

料金

詳細についてはお問い合わせが必要です。

 

 

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まとめ

採用管理システム(ATS)とは何か、採用管理システムで管理できる項目やメリットについて解説してきました。

採用管理を効率化することで、社内で正確な情報を共有できるようになり、ヒューマンエラーの防止や費用対効果の高い採用活動を実施できるようになります。

自社に合った雇用形態や機能があるか確認したうえで、採用管理システムを活用してください。

画像出典元:O-DAN

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