採用管理システム(ATS)は、「採用業務の工数・コストを大幅に削減できる」「採用担当者の負担を軽減できる」「選考状況を可視化・共有できる」などがメリットです。
採用力の強化に貢献することから注目を集めていますが、企業の状況や求めるものによって最適なシステムは異なります。
採用管理システムの導入を考えている担当者は、「どのメリットを重視すべきか」を明確にした上で、自社に合ったシステムを選択しましょう。
本記事では採用管理システムのメリットや注意点を詳しくまとめました。
費用相場や選び方も紹介しているので、導入メリットが最も大きいシステムを見極めてください。
目次
採用管理システムとは、企業の採用活動に付随するさまざまな業務を効率化し、必要な情報を一元管理できるシステムです。
導入のメリットは、主に「採用業務の効率化とコスト削減」「採用の質向上」「データに基づく意思決定の実現」です。
それぞれのメリットについて、6つのポイントから詳しくご紹介します。
採用管理システムは、応募者情報や選考状況をシステム内に蓄積することにより、採用業務全体を効率化できます。
| 応募者情報の一元管理に役立つ機能 |
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応募者情報が分散していると、過去の応募者データを活用できません。
「候補者ごとの選考状況が不明確になる」「効果的な採用チャネルを把握しづらくなる」などにより、採用の非効率化や機会損失が発生しやすくなります。
応募者の個人情報や採用選考の進捗・評価などの情報を正確かつ安全に一元管理することは、採用活動全体のスピードアップと、採用の質向上に有益です。
採用管理システムを導入すれば、応募者ごとの評価や選考状況を一元的に管理して、グラフや数値で表示することが可能です。
| 選考状況を可視化できる機能 |
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全ての関係者はシステム上で選考状況を把握できるため、採用における透明性が大幅に向上します。
「採用プロセスにおける無駄を省きやすくなる」「正確な情報に基づいた判断が可能になる」などのメリットがあり、企業はより高精度な採用戦略を立てることが可能です。
採用管理システムは、候補者への連絡漏れや対応漏れを防ぐためのさまざまな機能を搭載しています。
| 候補者との連絡がスムーズになる機能 |
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採用プロセスをスムーズに進めやすくなり、候補者の離脱を防いだり入社へのモチベーションを高めたりすることが可能です。
また採用管理システムの機能をフル活用すれば、担当者は単純な連絡業務に余計な手間や時間を取られることがありません。
その分のリソースをより重要な業務に回せるため、採用活動の質が高まります。
採用管理システムは、採用活動で得られるさまざまなデータを詳細に分析する機能を備えています。
| 採用データの分析に役立つ機能 |
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選考フローごとの進捗や通過率、面接日程などを分析すれば、どの工程に無駄な時間や工数が発生しているのか・どこで応募者が離脱しているのかが明確になります。
採用課題の発見・改善をスムーズに行うことで、選考全体のスピードアップと効率化が可能です。
また採用データを入社後の活躍度などと合わせて分析すれば、自社に合う人材イメージを明確化できます。
分析データに基づいて採用基準を最適化することで、採用のミスマッチを抑制できるのもメリットです。
採用管理システムで収集・管理している情報は、複数の担当者が同時にアクセスしたり編集したりできます。
| 情報共有に役立つ機能 |
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チーム間・部門間での無駄な確認や伝達の手間が減り、採用活動のスピードアップや、採用トラブルの早期発見・迅速な対応が可能です。
採用に関するあらゆる情報をオープンにできれば、特定の担当者に依存しない体制を構築できます。
業務の属人化を防止でき、急な担当変更があっても業務品質が低下する心配はありません。
採用管理システムは、採用活動における定型業務を自動で処理することが可能です。
| 業務の自動化に役立つ機能 |
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人の手が入るフェーズが減り、入力ミス、コピペミス、確認漏れなどのヒューマンエラーを大幅に減少できます。
さらに採用管理システムの多くは、データに変更や修正を加えると、関連する全ての情報も自動で変更・修正される仕組みです。
担当者は複数の場所に同じ情報を入力したり、手動で情報を更新したりする必要がありません。
情報の一貫性を保ちやすく、データ間の不一致や情報更新の漏れによるミスを抑制できるのもメリットです。

採用管理システムの導入に当たっては、以下の注意点があることも理解しておく必要があります。
それぞれの項目について、詳しくご紹介します。
採用管理システムの導入・運用においては、初期費用と月額費用が発生します。
初期費用と月額費用に含まれる主な項目は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 | |
| 初期費用 | 導入設定・初期アカウント発行・初期データ移行 | システム導入時の設定作業、初期アカウント作成、既存データのインポートなど |
| マニュアル作成・初期研修 | システム利用開始時の操作説明や教育用資料の作成費用 | |
| 月額費用 | システム利用料 | 応募者管理、選考進捗管理、メール配信などの基本機能の利用料 |
| サーバー運用・保守 | サーバー維持、セキュリティ、システムのメンテナンス費用 | |
| サポート・問い合わせ対応 | 日常的な運用サポートやトラブル対応費用 |
このほか必要な機能や特別な事情がある場合は、別途オプション料金が追加されます。
採用規模が小さい企業やスタートアップにとっては、業務効率化のメリットよりも費用負担のデメリットの方が大きく感じられるかもしれません。
採用管理システムの導入に当たっては、得られる効果と費用を精査し、費用対効果を慎重に見極めることが重要です。
採用管理システムの導入に当たっては「関係者全員に操作を習得させる」「採用業務フローやルールを見直す」などの課題が発生するため、導入から定着までに時間がかかります。
特に紙やExcelで採用管理を行っていた場合、従業員が新しいシステムへの移行に強い抵抗感を持つことが少なくありません。
変化への不安・業務負担の増加を懸念する声が現場から上がりやすく、導入ハードルが高まる傾向にあります。
採用管理システムのスムーズな定着を目指すなら、以下のような対策が必須です。
特に初めて採用管理システムを導入する場合は、現場の納得感と協力意識の醸成が何よりも重要です。
導入は段階的に進め、従業員へのフォローを丁寧に行いましょう。
採用管理システムに過度に依存しすぎてしまうと、「障害やサービス終了時に、業務がストップしてしまう」「他のシステムへの乗り換えが難しくなる」などのデメリットがあります。
採用管理システムへの依存を防止するためには、柔軟性の高いサービスを選択することが必要です。
具体的には、以下のポイントを意識してシステムを選択してください。
採用管理システムは、あくまでも採用管理業務の支援ツールに過ぎません。
過度な依存を招くことなく、人の判断に基づく柔軟な対応を実現できるシステムを選択しましょう。
採用管理システムの初期費用・月額費用は、サービスによって異なります。
一概にはいえませんが、以下の料金を目安としてください。
| 初期費用 | 無料~20万円程度 |
| 月額費用 | 2万円~10万円程度 |
採用管理システムの多くは、年間契約型を採用しています。
採用活動を行わない月であっても、料金が発生する点に注意してください。
また採用管理システムの料金に差があるのは、以下の要素が影響しているためです。
| 費用に影響を与える要素 | 内容 |
| システムの種類 (クラウド型 / オンプレミス型) |
|
| 導入規模 (ユーザー数・候補者数) |
利用するアカウント数や登録候補者数が増えるほど、月額費用が高くなる |
| 搭載機能の範囲・グレード | 求人媒体連携・データ分析・適性検査などの高度な機能を含むと、費用が高額になる |
| 課金方式 (定額 / 従量 / オプション) |
|
| カスタマイズや初期設定の有無 | 自社専用のカスタマイズや特別な初期設定を行うと、料金が高額になる |
| サポート体制・運用サポート | サポート内容や範囲(問い合わせ対応、トラブル対応など)が充実しているほど、費用が高くなる |
| 追加オプションの利用 | 基本プラン外の機能やサポートを追加すると、別料金が発生する |
費用対効果の高い採用管理システムを導入するには、自社の採用規模・必要機能・運用体制に合ったシステムを選ぶことが必要です。

自社に合った採用管理システムを選ぶため、重視すべきポイントをご紹介します。
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
採用管理システムを選ぶときは、自社の業務フローや採用スタイルにしっかりフィットしているかどうかをチェックしてください。
具体的には、以下のポイントの確認が必須です。
システムが現行の採用業務フローに合わない場合、手間が増えたりトラブルが多発したりするリスクがあります。
自社の採用プロセスを整理し、どの部分を効率化したいのかを明確にすることが必要です。
また、採用対象によって適した採用管理システムは異なります。
| 採用対象 | システムの特徴 |
| 新卒 |
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| 中途 |
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| 新卒・中途 |
|
| アルバイト・パート |
|
採用対象にマッチしたシステムを選択することで、採用の精度向上や採用プロセスのスピードアップを実現できます。
採用管理システムには、応募者管理、選考進捗管理、面接日程調整、求人媒体連携、データ分析などの多彩な機能があります。
まずは現状の採用課題を洗い出し、必要な機能を具体的にリストアップしましょう。
このとき注意したいのは、「必須機能」「あれば便利な機能」を明確に区分し、優先順位を付けて検討することです。
不要な機能が多いとシステムの操作が複雑になり、従業員の混乱を招きます。
今後必要になるかもしれない機能が多い場合は、カスタマイズ性・拡張性に優れた採用管理システムを検討しましょう。
従業員がストレスなく使えるシステムを導入することは、業務効率の向上と採用活動のスピードアップを実現するために必須です。
採用管理システムの使いやすさ・操作性を測るときは、以下のような機能や特徴を備えているかを確認しましょう。
ただし、使いやすさ・操作性は、実際に手を動かしてみないことには判断できません。
本格的な導入の前にデモや無料トライアルを活用して、自社との相性を見極めてください。
採用管理システムでは、応募者の個人情報や選考に関する機密情報を扱います。
以下のポイントをチェックして、セキュリティ対策が十分に施されているシステムを選択しましょう。
万が一情報漏えいが発生すると、企業の信頼性低下や法的トラブルの発生が懸念されます。
採用管理システムを選ぶときは、ベンダーの認証取得状況や具体的なセキュリティ対策について必ず確認しましょう。
採用管理システムの選定では、「必要なときに迅速かつ的確なサポートが受けられるか」が非常に重要です。
特に初めて採用管理システムを導入する企業は、充実したサポート体制が必要です。
以下の点について着目し、サポートの充実度を測りましょう。
ただしサービスによっては、サポートサービスは有料オプション扱いとなります。
必要なサポートが標準で含まれているか・追加費用が発生するかについて、事前に確認してください。
採用管理システムのメリットは、採用の質が向上し、本当に自社に必要な人材を採用しやすくなることです。
企業間の人材獲得競争が激化している今、人材採用プロセスの質を高めること・スピード感のある採用を実現することが求められます。
採用のミスマッチが多発している企業、採用活動に十分なリソースを充てられない企業は、自社の採用課題を明確化しましょう。
必要な機能を見極めて自社に合った採用管理システムを導入すれば、採用戦略の改善やミスマッチの抑制を期待できます。
画像出典元:O-DAN
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