スプレッドシートは、導入コストをかけずに手軽に採用管理を始められる便利なツールです。
しかし、運用にはいくつかのデメリットもあるため、正しい知識と効果的な活用方法を知っておくことが重要です。
本記事では、スプレッドシートで採用管理を行う具体的な方法に加え、そのメリット・デメリット、そして効率化のポイントを解説します。
また、スプレッドシートでの管理から採用管理システムへの移行を検討すべきタイミングについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
スプレッドシートで採用管理を行う際の基礎知識として、必要な項目とテンプレートを活用する方法を解説します。
採用管理に必要な項目は以下の通りです。
スプレッドシートに必要な項目を作成しておけば、採用管理における抜け漏れを防ぎ、選考状況を正確に把握できます。
上記はあくまで一例なので、自社に合わせてカスタマイズしてください。
インターネット上には、Excelのテンプレートが公開されています。
無料で公開されているものが多く、自社のニーズに合ったものを選択できるのが魅力です。GoogleスプレッドシートではExcelファイルを取り込めるので、Excelのテンプレートもそのまま使用できます。
テンプレートをもとに項目の追加や削除、色分けなどのカスタマイズを行えば、自社に合った採用管理が可能です。
一から作成する必要がないため手間がかからず、すぐに採用管理をスタートできます。

スプレッドシートを使った採用管理のメリットは、以下の3つです。
他の管理方法と比較しながら、詳しく解説します。
Excelがパソコンにインストールされていれば、無料で利用できます。
新しくMicrosoft Officeをインストールする場合でも、買い切り型なら月額料金は発生しません。
Googleスプレッドシートなら、Googleアカウントさえあれば無料で使用することが可能です。
さらにExcelやGoogleスプレッドシートは業務で広く使用されているので、多くの従業員は基本的な操作に慣れています。
導入コストや教育コストをかけることなく、手軽に採用管理を始められることがメリットです。
スプレッドシートなら、自社の採用フローに必要な項目を自由に設定できます。
運用を開始してから不都合が発生したり、採用フローが変更になったりしても、柔軟に項目を追加・削除できるところが魅力です。
シンプルな採用管理シートを作っておき、少しずつ改善していくことで、自社に最適なフォーマットを構築できます。
採用管理シートを作成しておけば、応募者のステータス変更などの情報更新がとても簡単です。
フィルター機能やソート機能で必要な情報を一目で把握できるため、採用管理業務の効率化に役立ちます。
簡単なグラフ作成なども可能なので、収集したデータをわかりやすく可視化できます。
手軽に始められるスプレッドシートでの採用管理ですが、いくつかのデメリットも考えられます。
導入後に後悔しないために、あらかじめ確認しておきましょう。
応募者数が増えるにつれて、スプレッドシートに入力する情報量も多くなります。
とくに複数職種で採用を並行している場合は、シートを分けた管理が必要です。
項目チェックや情報更新などの作業が増えるため、管理が煩雑になります。
担当者の負担が大きくなり、入力ミスや更新漏れといったヒューマンエラーが発生しやすくなるでしょう。
Excelは、バージョンや設定によっては共同編集を行えますが、更新のタイミングが重なって競合が発生したり、詳細な編集履歴が確認できなかったりと、制限があるので注意が必要です。
Googleスプレッドシートなら、リアルタイムの同時編集に対応しています。
また、アクセス権の付与も柔軟にできることがメリットです。
ただし、どちらのスプレッドシートも、採用管理システムのような柔軟な情報共有はできません。
採用管理システムと比較した場合、スプレッドシートでの管理はセキュリティ面で懸念があります。
ファイルの誤送信や設定ミスによる第三者の閲覧によって、個人情報漏洩のリスクがあるので注意が必要です。
もし応募者の情報が漏洩すれば、訴訟問題に発展したり、企業の信用を大きく失墜したりする可能性があります。
また、スプレッドシートで採用管理を行う際に気をつけたいのが属人化です。
担当者1人に任せきりにした場合、他の従業員にはわからない部分や触れられない部分が発生することがあります。
担当者が不在の際に誰も編集できなくなり、採用管理業務に支障が出る可能性も考えられます。

スプレッドシートを使いこなすことで、採用管理業務は大幅に効率化できます。
4つの効果的な方法を紹介するので、ぜひ役立ててください。
関数とは、特定の計算を行うために用意された数式です。
これを活用することで、採用管理業務のデータ集計や分析を効率化できます。
ここでは、とくに採用業務に役立つ基本の関数を紹介します。
COUNTAは、指定した範囲内にある要素の個数を数えるための関数です。
応募者の総数などを計算するときなどに役立ちます。
指定した範囲内で条件に一致する要素の個数を数える場合は、COUNTIFを使用します。
たとえば「選考ステータス」の列の中から「内定」となっている応募者の数を数えることができます。
SUMIFは、指定した範囲内から条件に一致するセルの値を合計する関数です。
たとえば「部署別」や「職種別」に内定者数を合計するなど、特定の条件に基づいたデータの集計に活用できます。
VLOOKUPを使えば指定した範囲内からデータを検索し、条件に該当する情報を表示できます。
特定の応募者を指定して、選考ステータスや連絡先などをピックアップしたい場合に非常に有効です。
プルダウンリストを活用すれば、あらかじめ設定したリストから項目を選択できるようになります。
たとえば選考ステータスを「選考中」「内定」「不採用」といった形で設定すれば、いちいち文字を入力する必要がありません。
入力者ごとの表記揺れが発生しないのもメリットです。
スプレッドシートの条件付き書式を活用すると、設定した条件に基づいてセルの書式(フォントや背景色など)を自動で変更できます。
たとえば、選考ステータスごとに色分けをすれば、選考状況を一目で把握できるようになり、視認性が大幅に向上します。
さらに、「結果通知日を入力したら色を変更する」というように設定すれば、入力漏れも防止できます。
スプレッドシートには、以下のような機能が備わっています。
| フィルタ機能 | 特定の条件を満たすデータだけを抽出する |
| ソート機能 | 入力したデータを指定した条件で順番に並べ替える |
これらの機能を活用すれば、必要な情報を素早く抽出・整理できます。
スプレッドシートでの採用管理は手軽に始められますが、より効率的に採用活動を進めるなら、採用管理システムの導入がおすすめです。
ここでは、スプレッドシート管理から採用管理システムへの移行を検討すべきタイミングについて、解説します。
スプレッドシートは、応募者の人数が増えるほど作業負担も大きくなります。
情報の入力やダブルチェックに手間がかかり、日々の業務が圧迫されてきていると感じたら、それは採用管理システムの導入を検討する明確なサインです。
スプレッドシートを複数人で利用する場合、情報共有が上手くいかない可能性があります。
たとえば、「同じ応募者に対して複数人から連絡してしまった」「更新漏れで古い情報に基づいて対応してしまった」といった状況です。
情報共有におけるミスや重複作業が頻発するなら、スプレッドシートからの脱却を考えましょう。
スプレッドシートは、応募者情報の管理には役立つものの、応募者とのメールのやり取りや選考ステータスの自動更新など、一部の採用業務には対応できません。
採用活動全体の一元管理はできないため、応募者の人数が増えるにつれて、状況把握が困難になる可能性があります。
採用活動全体を適切かつ効率的に管理したいなら、採用管理システムがおすすめです。
スプレッドシートには、高度な採用データ分析機能は備わっていません。
ピボットテーブルや関数を使えばある程度の分析は可能ですが、できることには限界があります。
特に、データ量が増えるほど、採用データ分析に膨大な時間がかかってしまうでしょう。
採用データを素早く分析し、リアルタイムで採用活動に活かしたい場合は、採用管理システムの導入を検討してください。

では、なぜスプレッドシートよりも、採用管理システムがおすすめなのでしょうか。
採用管理システムを導入する5つのメリットを解説します。
採用管理システムなら、基本情報、応募経路、やりとりの内容など、応募者に関する情報を1つのプラットホームで管理できます。
選考が進むと情報はリアルタイムで更新されるので、選考ステータスの可視化が可能です。
必要な情報をいつでも検索・参照できるため、採用業務の効率化にもつながります。
採用管理システムでは、応募者に関する情報がリアルタイムで共有されます。
さらに、面接日程のスケジュール調整などもシステム上で行えるため、タイムラグが発生しません。
さまざまな無駄を省くことで、選考プロセスを最適化できることがメリットです。
応募から採用までの期間が短縮され、優秀な人材をより確実に確保できるようになります。
多くの採用管理システムでは、応募者とのやりとりを専用のマイページで行います。
LINE連携機能を備えている採用管理システムなら、よりスムーズに連絡が取れるでしょう。
応募者とのコミュニケーションが円滑になるだけでなく、やりとりの内容もシステム内で一元管理できます。
メッセージを一斉送信できる機能もあるので、連絡漏れなどのミスも発生しません。
多くの採用管理システムには、蓄積した採用データを可視化・分析する機能が備わっています。
たとえば、求人媒体ごとの応募状況や内定率を可視化すれば、自社に最適な媒体を判断しやすくなります。
このように、データをさまざまな切り口から分析することで、採用成果に直結する採用戦略を策定できるのです。
これは、採用プロセスの最適化や優秀な人材の確保につながり、より高い成果を生み出すでしょう。
採用管理システムには、情報漏洩のリスクを軽減するための多様なセキュリティ機能が備わっています。
たとえば、データベースや通信の暗号化、アクセスログの記録などが挙げられます。
ただし、搭載されているセキュリティ機能はシステムによって異なるため、導入を検討する際は、事前にどのような機能があるかを確認しておくことが重要です。
スプレッドシートから採用管理システムへの移行は、ただシステムを導入するだけでなく、成功させるためのコツがあります。
スムーズな採用フローへの変更と定着のためにも、以下の3つのポイントをチェックしておきましょう。
まず、現在の採用業務、特に採用フローやスプレッドシートで管理している内容を整理しましょう。
この整理を通じて、システム化したい業務や改善すべき課題を明確にしていきます。
これにより、自社に最適な採用管理システムを選定するための具体的な基準が定まります。
採用管理システムは、機能が豊富になるほど費用が高額になる傾向があります。
そのため、自社の採用業務に必要な機能をリストアップし、優先順位をつけることが重要です。
本当に必要な機能に絞り込むことで、費用対効果に優れた採用管理システムを選定できます。
採用管理システムを導入する際は、従業員の理解と協力が不可欠です。
導入時のトラブルを防ぎ、スムーズな運用を始めるためには、まず詳細な運用ルールやマニュアルを作成しましょう。
必要に応じてシステム利用のトレーニングを実施すれば、さらに円滑な導入が可能です。
これらの情報をあらかじめチーム全体に周知徹底することで、採用フローの変更による混乱を最小限に抑え、採用管理システムの効果を最大限に引き出せます。
スプレッドシートを活用すれば、導入コストをかけずに採用管理を始められます。
無料で使えるテンプレートも豊富で、自社に合わせて自由にカスタマイズできるのも魅力です。
ただし、スプレッドシートによる採用管理にはデメリットも存在します。
特に、応募者数が増えるにつれて、管理業務の負担が増し、応募者対応に支障が出る可能性も否定できません。
採用管理をより効率的に進めたいのであれば、採用管理システムの導入を検討しましょう。
採用管理システムの導入メリットや、スプレッドシートからの移行を成功させるためのポイントを参考に、自社の採用活動をさらに最適化してください。
画像出典元:O-DAN
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