企業が優秀な人材を獲得するためには、いくつもの段階を経ることになります。さらに、それぞれの段階でやるべきこともあり、採用コストがかかることを避けることができません。
しかし、採用管理システム(ATS)を導入すれば、人材獲得へのフローを少なくし、採用にかかるコストを削減することが可能になります。
そんな採用管理システムとは、いったいどのようなものなのか。導入すればどんなメリットを享受でき、どのようなデメリットがあるのかについて徹底的に解説します。
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採用管理システムとは、採用活動を効率的に支援するためのサポートシステムのことです。
採用プロセスをシステム上で一元管理できるようになっています。
たとえば、求人情報や選考の進捗、採用担当者ごとの評価にくわえて、各応募者の個人情報までひとつのシステム上で管理できるのです。
採用までの状況を応募者ごとに追跡することができることから、採用管理システムは「Applicant Tracking System(略してATS)」とも呼ばれています。
これを和訳すると、「応募者追跡システム」になります。
採用管理システムには、インターネット上で利用する「クラウド」タイプと、自社内の設備にインストールするなどして運用する「オンプレミス」タイプがあります。
どちらがいいかは、システムの運用・管理にどれくらいのリソースが割けるのか、どの程度コストをかけられるのかを基準に判断するのがいいでしょう。
クラウドタイプでは、オンプレミスタイプに比べて、導入費用が安く済みます。
これは、オンプレミスタイプでは設備費やソフトウェアに費用がかかるためです。
一方で、クラウドタイプはサービス提供事業者に毎月利用料を支払う必要があります。
オンプレミスタイプでは、毎月の利用料が不要になりますが、社内業務が増えることになるため、どちらも一長一短があるといえます。
導入のスムーズさで見れば、新たな設備やリソースを必要としないクラウドタイプが優勢でしょう。
採用プロセスを見てみると求人公開から始まり、内定した応募者情報の管理まで、多段階を踏むことになります。
求人をする際も、その媒体にはさまざまなものが利用されます。また、応募者が増えれば、選考業務や管理負荷が増えます。
さらにこれが途中で、応募者が何らかの理由もしくは不採用によって採用ルートから外れる場合、別途業務が発生します。
自社システムで管理する場合、これらを想定したシステム設計が必要です。
しかし、採用管理システムを導入すれば、これらの多岐にわたるプロセスをひとつのシステムで管理できるようになります。
応募者や内定者情報の管理から進捗管理など、採用プロセス全般をシステム化できるようになるのです。
その結果、採用までのプロセスをスムーズにし、優秀な人材の取り逃がしを防ぐことが可能になります。
採用管理システムの最たるメリットは、採用活動における効率化です。
多岐にわたるプロセスには、工数を要する工程もあります。
しかし、採用管理システムを利用することによって、その工程や手順を簡略化することが可能になります。
工程が少なくなれば、必然的に作業効率が上がり、採用にかかるスピード化を図れます。
たとえば、次の工程を簡略化することができます。
・求人案件の管理
・応募者情報の管理
・選考の進行状況の管理
・内定者の管理
求人情報に対して求職者からの問い合わせや、応募、内定通知などに対して、返信忘れといった対応の抜けや漏れを防げます。
レスポンスが遅いと、その間に求職者は他の企業にいってしまうことがあります。
内定しても、入社するまでは気を抜くことはできません。
応募者は人為的ミスを起こす企業に対して、大変シビアです。
スムーズで迅速なやり取りは、そのまま企業への信頼感にも繋がります。
採用管理システムでは、応募者とのやり取りも管理機能に含まれています。
求人情報から内定者情報まで、採用プロセスに関する情報は全て一元管理できるのが採用管理システムの魅力の一つです。
情報がひとつのシステム上に保存されるため、他の人員と共有できます。
これにより属人化を防ぐことができ、採用担当者が選考に集中できる環境の整備に役立ちます。
クラウドタイプの採用管理システムの場合、月額または年額の利用料が必要です。システム導入にあたっては、損益分岐点から考慮してコストパフォーマンスに見合うものを選びましょう。
提供されるシステムを利用することになるため、なかには自社のプロセスにマッチする機能がなかったということもあります。
検討段階で、自社が解決したい課題に対して、どんな機能がほしいのか、どんな機能で対応できるのかを確認しておきましょう。
既存の採用管理システムから新たに移行する場合は、操作性が大きく変わることがあります。
それによって、一時的に作業工数がかかってしまったり、採用担当者の業務負荷が高まることもあります。
しかし、操作は使えば慣れていくものです。
フォローアップ体制を用意するなどして、運用を継続できる環境づくりをしましょう。
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それによって、採用担当者ごとにかかっていた作業負荷が軽減されます。
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画像出典元:Unsplash、O-DAN