TOP > SaaS > 人事 > 採用強化 > 【もう悩まない】中小企業の採用戦略を伝授!求職者の志向を把握し成功させるコツ
人手不足が深刻化している現代では、中小企業の採用が難しくなっています。
本記事では、中小企業になかなか人が集まらない原因、採用の現状や課題、採用で意識すべきことについて解説しています。
採用活動を成功させるためのポイント、中小企業の採用成功事例、さらには役立つ採用支援サービスについても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
このページの目次
中小企業庁が2024年5月に発表した「2024年版 中小企業白書・小規模企業白書 概要」によると、感染症の影響で落ち込んでいた売上高が回復する一方で、人手不足が深刻化しています。
人材確保のためには、経営戦略と一体化した人材戦略が必須であり、職場環境の整備・人材育成・物価に見合った賃上げ・生産性の向上が必要となります。
しかし、中小企業では、売上高・売上高営業利益率が低迷しているため、原資となる業績が厳しい中での人材戦略が求められているのです。
人材不足が深刻化している現代では、新卒採用の競争も激しくなっています。
求人総数 | 学生の就職希望者数 | |
従業員300人未満 | +1.3% | -3.6% |
従業員300~999人 | +3.7% | -26.0% |
従業員1,000~4,999人 | +7.5 | 7.6% |
従業員5,000人以上 | +4.4% | 24.3% |
参考:リクルートワークス研究所「第41回 ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)」
2025年3月に卒業予定の大学生・大学院生を対象とした求人倍率の調査によると、企業規模に限らず求人総数は前年よりも増加しているという結果が出ています。
一方で、学生の就職希望者数は、大企業が増加しているのに比べて、従業員数300人未満・300〜999人の企業は減少しています。
中小企業は、人手不足という問題を抱えながらも、新卒採用の難易度が高く、人材確保が困難であるというのが現状なのです。
採用活動には様々なコストがかかります。
内訳は企業によって異なりますが、例えば下記のような費用が発生します。
中小企業の場合、大企業よりも採用コストが確保できないことが多く、限られた予算の中で進める必要があるため、難易度が高くなるといえるでしょう。
採用コストがかけられない企業では、効率の良い採用ができるように工夫が必要です。
中小企業は、採用を担当できる人材のリソースも不足しているという問題も考えられます。
例えば、一人の採用担当者が、採用・労務・人事管理などの複数業務を兼任しているといったケースがあります。
効率的な採用活動を行う上では、採用担当者の人数を十分に確保し、応募者や人材紹介会社と迅速で丁寧なコミュニケーションを取れるようにしておくことが重要です。
中小企業は、大企業と比べて知名度が高くないため、応募者から認知されていない可能性が高いです。
知名度が低い場合、求人サイトで募集をかけても多くの求人に埋もれてしまい、応募を集めにくい可能性があります。
応募総数を増やすということだけに注力せず、自社の求める学生に会える確率を増やせるように採用活動の戦略を立て直すことも大切です。
大企業と比べて採用活動の難易度が高い中小企業では、採用を成功させるために工夫が必要です。
ここでは、中小企業が採用で成功するために意識すべきポイントについて解説します。
株式会社マイナビが2024年4月に発表した「マイナビ 2025年卒大学生就職意識調査」によると、「絶対に大手企業がよい」「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」と答えた学生は39,190人のう53.7%です。
一方で、「やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよい」または「中堅・中小企業がよい」と答えた学生は、42.9%います。
また、就業観については、楽しく働きたい(38.9%)、個人の生活と仕事を両立させたい(24.5%)、人のためになる仕事をしたい(10.9%)と続きます。
さらに、企業選択のポイントは、安定している会社(49.9%)、自分のやりたい仕事(職種)ができる会社 (28.6%)、給料の良い会社(23.6%)という結果が出ています。
そのため、中小企業では、企業や仕事の魅力・楽しさとやりがい、職場の雰囲気を学生に理解してもらう工夫をすることを意識すると良いでしょう。
転職希望者の志向についても理解する必要があります。
株式会社マイナビが2024年3月に発表した「転職動向調査2024年版(2023年実績)」によると、転職活動を始めた理由は、給与が低かった(26.1%)が最も多く、仕事内容に不満があった(25.5%)、会社の将来性・安定性に不安があった(22.5%)と続きます。
また、入社を決めた理由は、希望の勤務地である(28.9%)、給与が良い(27.9%)、休日や残業時間が適性範囲内で生活にゆとりができる(23.6%)という結果が出ています。
さらに、入社決定に強く影響したことは、威圧的でない・親しみやすい(27.4%)、質問に丁寧に答えてくれる(24.8%)、誠実・礼儀正しい(21.4%)となっています。
そのため、中小企業では、条件面の調整だけでなく、説明会やカジュアル面談などを活用して企業や社員に対して親しみを感じてもらえるような工夫をすると良いでしょう。
中小企業が採用活動を成功させるためのポイントを5つ解説します。
採用基準にブレが出ないようにするためにも、企業がどのような人物を必要としているのかを明確にしましょう。
例えば、ペルソナを設計したり、業務に必要なスキルや経験をリストアップするといった方法があります。
採用後のミスマッチや早期退職を防止するためにも、企業文化に合う人材はどのような価値観を持っているべきかという点も具体的に考えてください。
採用活動を成功させるためには、他社にはないアピールポイントを作ることが必要です。
例えば、中小企業であれば、一人一人が幅広い業務に携わることができ、成長機会が大企業よりも多いということを強調できるかもしれません。
そのほかにも、社長や経営陣との距離が近くて社内の風通しが良いという点や、有給制度やリモートワークの推奨といった企業独自の福利厚生も魅力の1つになりえます。
SNSなどを使用した積極的な広報活動も有効な方法です。
基本的にSNSは無料で始められるものが多いため、コストを抑えながら幅広い層に認知を広げることができます。
各SNSによってユーザー層やアピールの仕方が異なるので、自社のターゲットにマッチしたSNSを選定するようにしましょう。
実際に働いている雰囲気や社員へのインタビュー、企業のビジョンなどを発信することで、応募者に企業文化を伝えることもできるでしょう。
採用方法が効果的かを定期的に見直し、改善することも重要です。
例えば、既存社員に人材を紹介してもらうリファラル採用や、応募者へ直接アプローチをするダイレクトリクルーティングなどの方法があります。
そのほかにも、採用計画の見直し・採用代行の利用検討・競合他社の分析などを行い、時代や企業の状況にあった採用方法に定期的にアップデートすると良いでしょう。
応募者や採用者に対して誠実であることは、長期的な採用活動の成功に欠かせません。
迅速で丁寧なコミュニケーションを心掛け、応募者・採用者一人一人に対して不安や疑問点などを解消するためのフォローアップをしていくことは、企業の印象にも繋がります。
そのほかにも、採用プロセスや条件を事前に明確に説明し、透明性を確保することで、ミスマッチを防ぎ、信頼関係を築くことが可能です。
採用難易度が高い中小企業ですが、工夫をしたことで採用に成功している企業も多くいます。
ここでは、実際に採用が成功している企業3社を紹介します。
従業員数:52名
事業内容:鉄鋼・非鉄金属の加工成形、映像等制作事業、海洋・水産に関する研究など
早い段階でテレワークを導入し、働きやすさを向上させ、全国の優秀な人材を採用できるようにしました。
さらに、社内のネット・予定表共有・チャット機能などを活用することで、テレワークでも円滑な情報共有やコミュニケーションが取れるようにしています。
従業員数:60名
事業内容:システムコンサルティング、システム開発、ニアショア開発、Webシステム・アプリ開発、Webサイト制作
スキルのある中途人材は採用競争率が高い業界であるという理由から、新卒を中心とした採用体制を取り入れています。
最終選考では、数日間の職場体験を実施することでミスマッチを防止し、毎年数名の採用を実現しています。
そのほかにも、アスリートと会社員を両立する契約で雇用するアスリート採用や、都心から地方への移住を促進するUIJターン採用を取り入れ、多様性のある職場になりました。
従業員数:138名
事業内容:紙容器・ウッド容器製造販売、包装資材販売
SNS運用をゼロから始め、営業担当者などの従業員が全員で協力し合うことで毎日更新を実行し、求人資料にSNSのQRコードを掲載するなど徹底しています。
結果的に、高校生の就職希望者から注目を集め、認知拡大や応募者の増加に繋がっています。
参考:厚生労働省 地域で活躍する中小企業の採用と定着 成功事例集
人材不足が深刻な現代で、人材を確保するためには、自社の採用戦略にマッチした採用支援サービスの活用が有効です。
ここでは、中小企業の採用に役立つ支援サービスは何があるのか解説します。
就職サイトとは、企業が求人情報を掲載し、求職者が閲覧して自分で応募するプラットフォームを指します。
全国にいる多くの求職者に求人を見てもらえるだけでなく、サイト上で応募者の情報を簡単に管理できるというメリットがあります。
一方で、大企業の求人に埋もれてしまう可能性や、掲載料などコストがかかるという点はデメリットといえます。
ダイレクトリクルーティングサービスとは、企業が求職者のデータベースやSNSなどを通じて直接候補者にアプローチをする採用方法です。
自社が求めるスキルや経験を持つ候補者に直接コンタクトを取ってアプローチができるため、即戦力となり得る人材の採用やミスマッチ防止に繋がります。
仲介役がいないため、日程調整なども含めた全てのコミュニケーションや管理を企業側が行う必要があるという点には注意が必要です。
エージェントサービスとは、採用コンサルタントが企業の採用要件や経営戦略に合った人材を紹介してくれるサービスです。
応募者の転職理由や希望条件などをヒアリングした上で、最適な人材をマッチングしてくれるだけでなく、面接の日程調整などのコミュニケーションも代行してくれます。
成果報酬・固定費型・リテーナー契約型など、契約に応じて費用が発生するため、採用コストが高くなる可能性があります。
採用代行とは、企業の採用プロセス全体もしくは一部を外部の専門業者に委託するサービスを指します。
一連の採用プロセスを委託できるため、採用担当者のリソースを確保し、他の業務に時間を使うことができます。
コストが高いというデメリットに加えて、社内に採用活動におけるナレッジが蓄積できないという点は注意すべきポイントです。
リファラル採用支援サービスとは、従業員の紹介を通じて新しい人材を採用する方法を指します。
従業員が自分の知り合いを紹介するため、転職活動をしていない潜在層に会える可能性があります。
また、媒体に対しての掲載料やエージェントへのコミッションなどが不要であるため、採用コストが削減できるメリットがあります。
紹介者の従業員が自社の求める人材について正しく把握していない場合、ミスマッチが生じたり、性格・特性・能力などが偏る可能性があります。
中小企業が抱える採用の現状や課題、中小企業が採用で意識すべきことについて解説してきました。
中小企業が採用活動を成功させるには、求める人物像の明確化・他社にないアピールポイントの確立・SNSの活用などが有効です。
自社にマッチした人材を採用できるように、最適な採用支援サービスを活用してください。
画像出典元:O-DAN
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