Webページの制作には、内製と外注の2つの方法があります。前者の場合、コストは抑えられますが、HTMLなどの制作スキルが必要になるためこれまでは敬遠されてきました。
しかし、専門的な知識がなくてもテンプレートに文字や画像を入れるだけで簡単に・無料もしくは低価格でWebページを作成できるツール、CMS(コンテンツ管理システム)が増えてきています。
この記事では15種類のCMSを徹底比較し、編集部のおすすめを紹介します。
CMSを選ぶ時に重要なポイントは2つ、操作性とデザイン性です。
・専門的な知識がなくてもサイトを作成できますが、手をかければかけるほどページのオリジナリティが上がります。どこまでデザインにこだわりたいのかをまず明確にしましょう。
・サイトのPV数を保つためには頻繁な更新がかかせません。操作性はページ制作時だけでなく、その後の更新作業にも関わる大事な部分なので、慎重に検討してください。
各CMSツールに備わっているテンプレート数はこのようになっています。
デザイン性と操作性のどちらをより重視するのか、制作に関わるスタッフのスキルと投入できる時間はどれくらいかを総合的に判断し、更新作業も含めた長い目線でツールを選びましょう。
今回はCMSの中から厳選した15選をご紹介します。ぜひツール選びの参考にしてください。
このページの目次
CMSはContent Management Systemの略で、「コンテンツ管理システム」と訳されます。
専門の知識がない人でも簡単にホームページを構築・更新・運営できるソフトです。難しいプログラムを組まなくても気軽にHPを更新・運用できるため、今とても注目されています。
オウンドメディアを持っている企業なら、必須のシステムだと言えます。
画像出典元:「 WordPress」公式HP
SEOに関しての設定がしやすく、プラグインも充実しているのでSEO的に有利なWebサイトを作ることができます。オープンソースのためカスタマイズの自由度が高く、テンプレートが豊富なのも魅力です。
一方でオープンソースかつ非常に普及しているツールであるため、攻撃を受けやすいという面があります。
サーバーとドメインを自分で用意しなければならないという不便さもありますが、より本格的なサイトを作りたいと考えている人にはお勧めのツールです。
・数多くのプラグインによってWebサイトの機能を拡張できる
・テンプレートの編集が可能で、コンテンツの表示内容を制御できる
・複数デバイスでの閲覧に自動対応
無料 | パーソナル | プレミアム | ビジネス | eコマース | |
月額費用 | 0円 | 500円 | 900円 | 2,900円 | 5,220円 |
ジンドゥーは、レスポンシブWEBデザインに対応したテンプレートの選択と、文字・写真の挿入のみで簡単にWebサイトを制作できるCMSです。
無料のプランがあり、メールアドレスとパスワードのみの簡単登録で導入できます。インターネット接続があればスマホでも編集が可能なので更新のしやすさが魅力です。
ただし、テンプレートのデザインが少ない(40種類)ことや、電話サポートがないため早急に問題を解決できないというデメリットもあります。また、無料版では埋め込み広告が消せないなどの問題もあるので有料版(月額965円~)の利用がおすすめでしょう。
・テンプレートがレスポンシブWEBデザインに対応
・スマホからでも編集可能
・簡単にSEO設定できる、ただし機能には制約あり
FREE | PRO | BUSINESS | |
月額費用 | 0円 | 965円 | 2,460円 |
画像出典元:「Adobe Dreamweaver」公式HP
「Adobe DreamWeaver」は、デザイン性の高いホームページを自由に構築できるWebサイト制作ソフトです。
デザインに関する技術はもちろんのこと、Web構築を素早く行うための編集作業にも様々な機能が詰まったソフトです。本格的なWebサイトを手早く制作したい人におすすめです。
複数のAdobeシリーズを網羅したコンプリートプランなら、かなりお得に利用できます。
・ライブビューでの編集が可能
・日本語版では新しい既定フォントを設定可能
・コードヒントの検索精度が向上
単体 | コンプリート | 学生教職員向け | 法人向け | |
月額費用 | 2,480円 | 5,680円 | 1,980円 | 3,780円 |
画像出典元:「EC-CUBE」公式HP
「EC-CUBE」はサーバーにダウンロードするだけでサイトを開設できるシステムです。ネットショップを構築した事例が多く、機能も豊富なのでECサイトを開設するなら圧倒的におすすめ。
豊富なテンプレートで自社のカラーを大事にしたECサイトを作成でき、必要となった機能は後から拡張することも可能です。
・マルチメディア対応で使い勝手の良いECサイトを開設可能
・請求書や納品書など帳票のカスタマイズも可能
・期間別、商品別、年代別などの集計結果を表示
オープンソース版 | クラウド版 | |
月額費用 | 0円 | 7,800円~ |
圧倒的に簡単でスピーディに作成可能!
画像出典元:「ペライチ 」公式HP
ペライチは他ツールに比べて初心者でも簡単にホームページ作成ができること、またアクセス解析ができるのでSEO対策がしやすいことが大きなメリットです。
サイト運営の経験者はページや閲覧数に制限がかかっている点を不便に感じるかもしれませんが、サイトの構築に慣れておらず短時間で作成したい方にはおすすめです。
スタート | ライト | レギュラー | ビジネス | |
月額費用 | 0円 | 980円 | 1,980円 | 2,980円 |
ZOZOTOWNとの連携が可能!
画像出典元:「STORES.jp」公式HP
簡単にECサイトを作れるツールです。これまでに70万件以上のストアが誕生しており、この数字からもSTORES.jpのサービスがいかに優れているかがわかります。
ZOZOTOWNと連携していることもあり、人気を高めればZOZOTOWNでの出品も可能になるのは大きな強みと言えます。
無料プラン | 有料プラン | |
月額費用 | 0円 | 300円 |
画像出典元:「Wix 」公式HP
編集操作だけでなく、Webサイトの機能拡張・アプリの追加も簡単です。
テンプレートの数も500種類とかなり豊富で、日本語に対応したものも増えてきています。
サーバーのアップデートやその他のセキュリティ更新はすべてWixの管理下で行われるので安心して利用できます。
無料版から利用できますが、「独自ドメインが利用できない」「オンラインショップが開設できない」などの多くの制約があります。まずは無料プランを使い、14日間の返金保障システムを利用した後に有料版に切り替えるのがおすすめです。
ドメイン接続 | 無料 | ベーシック | アドバンス | VIP | |
月額費用 | 500円 | 0円 | 900円 | 1,300円 | 2,500円 |
Web知識がなくても無料で簡単に作成できる!
画像出典元:「Webnode」公式HP
Webnodeはテンプレートが用意されているので、HTMLやCSSの知識がない方でも簡単にウェブサイトを作成できます。
無料で始められるので、初心者の方におすすめのツールです。世界規模ではかなり多くのユーザーに利用されています。
無料 | LIMITED | MINI | STANDARD | PRO | |
月額費用 | 0円 | 378円 | 629円 | 1,299円 | 2,099円 |
期待の次世代デザインツール!
画像出典元:「STUDIO 」公式HP
STUDIOは直感的にWebデザインを行うことができ、おしゃれなサイトを簡単に作れます。無料でここまでのレベルのサイトを作れるサービスはあまりなく、将来性も非常に高いWeb制作サービスです。
日本国内だけではなく、世界中をターゲットとした商品・サービスを持つ企業や個人事業主におすすめです。
FREE | BASIC | PRO | |
月額費用 | 0円 | 980円 | 2,980円 |
個人のブログやサイト作成におすすめ!
画像出典元:「FC2ホームページ 」公式HP
FC2ホームページは企業での使用よりは、個人使用に向いています。個人でブログやウェブサイトを始めようと考えている方にはおすすめのツールです。
独自ドメインにも対応してもらえます。
フリープラン | スタンダードプラン | |
月額費用 | 0円 | 1,980円 |
サーバーエージェントが提供するWeb制作ソフト!
画像出典元:「Ameba Ownd」公式HP
Ameba Owndは無料でWeb制作できるだけでなく、ネットショップとして利用する際にも追加の料金が必要ありません。
スマートフォンからの投稿や編集が簡単にできるため、場所を選ばず使用でき、利便性の高いツールです。
ベーシック | プレミアム | |
月額費用 | 0円 | 960円 |
おしゃれなテンプレートが豊富!
画像出典元:「Strikingly」公式HP
Strikinglyはシグナルページを作成、50種類の動画を埋め込むことができるなど、おしゃれで使いやすいテンプレートが数多くあります。
特に企業のホームページやキャンペーンを促進するサイト、または1つの商品に特化した商品紹介サイトを作りたい場合に優れています。
Limited版 | Pro版 | VIP版 | |
月額費用 | 8ドル | 16ドル | 49ドル |
スマートフォンサイトに特化!
画像出典元:「Mobify 」公式HP
Mobifyはモバイルサイトのリニューアル・サイト表示の高速化のどちらも実現する優れたツールです。
アプリ無しのプッシュ通知機能もあるので、アクセス数が伸びるサイトを作れます。100サイト以上の実績があるので、安心です。
プロ | ビジネス | エンタープライズ | |
月額費用 | 140,000円 | 220,000円 | 要問合せ |
ワイヤーフレームを簡単に作成!
画像出典元:「Moqups 」公式HP
Moqupsは無料でワイヤーフレームを使用でき、ドラッグ&ドロップで初心者の方でも簡単に操作可能です。
スマートフォン画面も同様に扱えるので、非常に使い勝手が良いです。ただし、公式HPが英語で、翻訳しても分かりにくいのが難点です。
クリエイティブチーム | パーソナル | 企業 | |
月額費用 | 7ドル | 13ドル | 要問合せ |
ランディングページの最適化を可能に!
画像出典元:「DLPO 」公式HP
DLPOは国内トップレベルの売り上げと高い実績を誇るLPOツールです。
訪問者のニーズにあった細かい設定や、Web解析ツールなどの多くのマーケティングプラットフォームとの連携も可能なので、ランディングページの最適化を効率的に行えます。
詳細はお問合せをする必要があります。
一般的にCMSを利用したWebサイトは HTMLを利用して作ったものよりもデザイン性が劣るというデメリットがあります。
デザイン性にこだわって作りたい方は 搭載されているテンプレートの数やカスタマイズの自由度に注意してツールを選びましょう。
Web初心者で専門的な知識が無くても使えるのがCMSの良いところ。JimdoやWixのようにドラッグ&ドロップといった簡単な操作だけでWebサイトを作れるものもあります。
それでも操作性の良さは相性もあるので、事前に必ず試しておきたいところです。
海外製のツールも多いので、サポート体制の充実度や日本語対応の有無も大事な選定ポイントです。
やはり気になるのはコストでしょう。無料で利用可能なWeb制作ソフトもありますが、有料版の方が機能性が高いので将来的な運用を考えるとおすすめです。
返金保障やお試し運用サービスなど気軽に有料版を利用できるツールもありますので、使用感を試してから導入するのがベストです。
CMSを利用して作成したサイトを標的としたハッキング等の攻撃が起きています。特にオープンソースのCMSはソースコードを公開しているため狙われやすいと言われています。
自分で対策を行うのが不安な場合は、セキュリティ管理が行われているツールを選ぶようにしましょう。
現在の国内シェアトップ3位はこちら。
依然WordPressが断トツのシェアを誇っているのが現状です。
しかし以前と比較すると、セキュリティ意識の高まりから、大手企業では特に国産CMSを選ぶ企業が多い傾向になってきました。
国産CMSは、その手厚いサポートも支持されています。
HPは作成後も継続的にアップデートしていくものなので、導入後のサポートは他ツールと比べても重要です。サポート内容を意識してツールを選ぶことをおすすめします。
専門的な知識なくHPを作成できることは大きな魅力です。インターネット環境さえあれば良いので、誰でも気軽に始められます。
専門家を対象としていないため、操作も簡単なものがほとんど。クリックやドラッグなど簡単な操作で直感的にページ作成を進められるのでストレスがありません。
自分で1からページを作る時のような自由さはありませんが、その代わり最終的に統一感のある見やすいページに仕上がるでしょう。
専門の知識をもった人を雇用する必要がないので人件費を抑えられ、その分の費用をコンテンツに回せます。
webページは作ることがゴールではありません。そこからの運用や更新が非常に大事になります。
ホームページ作成機能のみのソフトを利用してサイトを作った場合、公開した後の更新やセキュリティ管理は自分でやらなければなりません。
その点、CMSを導入すれば簡単にアップデートができるようになります。こちらについても専門的な知識は要りません。
誰でも簡単に更新できるので、例えばアルバイトの人に更新作業を頼むことも可能。結果的に常に動きのあるユーザーにとって使いやすいページを実現できるでしょう。
CMSを利用して作成したページは一般的にSEOが強いと言われています。CMSで作ったページはサイトに統一感が生まれるため、googleがユーザーにとって良いページであると判断するためです。
そのため、自分で作成するよりも効率的に検索画面で上位表示させられるようになり、PV数の増加に直結します。
CMSを利用して作成されたサイトが攻撃されるケースが相次いでいます。特にWordPressを始めとしたオープンソースはターゲットにされやすい傾向にあります。
ツールを選ぶ前にセキュリティ対策についてきちんと確認しておきましょう。オープンソースの場合は、提供してくれる企業からのサポートを受けられないので、その点も注意が必要です。
簡単に作成できる反面、オリジナリティあるページを作りにくいことがCMSの弱み。
デザイン面でのオリジナリティにこだわりたい場合にはツールを選ぶ必要があります。
すでにCMSを利用して作成した既存のサイトとは別に、全く雰囲気の違う別のページを作りたい場合にも不向きです。
通常のページはCMSで作成、一時的なキャンペーン訴求などの特別なページは外注するもしくは別のCMSを利用するなど使い分けると良いでしょう。
この記事ではおすすめのCMS15選を比較紹介しました。
CMSには無料で必要最低限の機能を備えているものからコストは高いけれどおしゃれなサイトを作れるものまで、多種多様なサービスがあります。
一方で、運営したいサイトも、継続的に情報発信するもの・キャンペーン期間だけ訴求したいもの・自社情報を正確に伝えることを目的とするもの・インパクトを狙うものなど様々でしょう。
「導入するCMSはこれ」と決めつけず、サイトの目的ごとにCMSを使い分けることも1案です。
自社でWebサイトやブログを運営したいと考えている方は、CMSの導入検討にぜひこの記事を参考にしてください。
画像出典元:Pixabay