「起業したい!だけど、種類が多過ぎて何を選べばいいか分からない…」そんな悩みを抱えている方のために、今回は起業の種類を【人のタイプ】【始め方】【事業内容】【資金調達法】【事業形態】に分けて徹底解説します。
混乱してしまうのは、決めなくてはいけないことが多過ぎて頭の中で整理しきれないからです。ひとつずつ種類を決めていけば、あなたにぴったりな起業の仕方が分かりますよ。
また、「起業を成功させるためのポイント」についてもお話します。積極的にチャレンジして、起業家としての第一歩を踏み出しましょう!
このページの目次
起業の種類を決める前に押さえておくべきなのは、「そもそも起業ってなに?」という大前提です。起業の意味を文字通りに捉えると、新しく業を起こすこと。色々な場面で使われていることからも分かる通り、非常に幅広い意味を持ちます。
使用範囲が広い理由は、事業の種類は何でも良いからです。業は仕事、職業全般を指すため、大企業を立ち上げる事業も1人で行う事業もどちらも「起業」です。
そのため、会社設立の有無に関係なく営利を目的とした経済活動をしていれば、それは「起業した」と言えます。大々的な経済活動だけでなくお小遣い稼ぎでも立派な起業。そう考えると、起業は私たちに非常に近い存在です。
起業と似ている言葉に「創業」があります。創業の意味は起業と同じですが、創業は「2010年創業」など過去を表す際に使われ、未来の出来事には使えません。「これから起業する予定」など未来を表す時には起業を用います。
また、起業の特徴は「スタートアップ」「ベンチャー企業」などと近いイメージで使われていること。
スタートアップとは?
ベンチャー企業は大企業とは違った新規事業をしている小・中規模の会社を指すので、「ベンチャー企業=新しい技術やノウハウを使って事業を拡大している中小企業」と言えるでしょう。
起業という言葉には、大企業が参入しない分野で革新的な事業を行い社会問題を解決するというイメージがあるようです。でも、「世の中を変えるだなんて私には無理…」なんて思わなくて大丈夫!今は誰もが起業家になれる時代です。
次は、どんな人が起業しているかを見ていきましょう。
かつては「特別な能力のあるスーパーマン」もしくは「脱サラした人」が起業するのが一般的でした。しかし、昨今はあらゆる種類の起業家が次々と誕生しています。
副業が当たり前になった現代では、会社員という本業を続けながら起業家として活躍する人が増加中。生活を大きく変えることなく起業できるのが最大のメリットで、リスクを最小限に抑えられます。
副業として起業する会社員は退社後や休日が主な作業時間。上手に時間をやりくりすることが事業を成功させるコツです。また、副業として起業する会社員だけでなく、先に会社を退職し本腰を入れて起業する人もいます。
これまでは女性起業家になるには数多くのハードルがありましたが、性別に関係なく活躍できる社会になりつつあります。バリバリ稼ぐ女性起業家からマイペースに事業展開する女性起業家まで様々です。
女ならではの視点で社会問題を解決していくのが女性起業家の特徴。社会貢献に重きを置いたNPO法人を立ち上げる女性起業家が目立ちます。他にも、専業主婦が在宅ワークで起業したり、ノマドワーカーとして活躍する女性起業家もいます。
年々、社会人デビューする前の学生起業家の数がうなぎ上りに増えています。大学生はもちろん高校生や中学生まで!大学側が起業する学生を応援するなど、社会の価値観の変化も学生起業家を後押ししています。
人生100年時代を迎えた現代は、シニア起業家も活躍する時代。定年後だけでなく早期退職して起業を志す人もいます。新しい考えを柔軟に取り入れられれば、シニア世代でも起業家として成功できるでしょう。
東京や大阪など大都市に住んでいないと起業は難しい…なんて問題は過去のもの。東京一極集中を食い止めるために自治体が起業家支援を行っているので、地方在住の起業成功者が続々と誕生しています。
地方で起業するメリット
地方在住者が起業するパターンだけでなく、都市部在住の人が地方に移住して起業するパターンも。地方で起業するメリットがたくさんあるので狙い目です。
起業の始め方は、本業で起業する方法と副業で起業する方法の2種類。どちらにもメリット、デメリットがあるので、あなたにとってより良い方法で事業をスタートさせましょう。
本業で起業する場合には新規事業で出た利益だけが主な収入源になるため、相応の覚悟が必要です。それに事前準備に時間も手間もかかります。しかし、新規事業だけに100%の力を注げるのは大きなメリット。事業内容によっては、本業として打ち込まないと成功させることが難しいものもあるでしょう。
本業で起業する際の事前準備
本業での起業は規模が大きくなることが多いので、充分な準備をしてリスクをできる限り排除することが大切。入念な長期計画を立ててから起業しましょう。
副業で起業する場合には、新規事業以外の収入源が確保されているので、本業で起業する場合ほどの準備は必要ありません。
副業で起業するメリット
このように副業での起業にはたくさんのメリットがあります。デメリットは本業が疎かになる恐れがあることと、時間的な制約があるため新規事業に集中できないこと。場合によっては、睡眠時間が削られて身体的な負担が増えるかもしれません。
いくつかのデメリットはあるとはいえ、リスクが圧倒的に少ない副業での起業がおすすめです。「新規事業一本に集中して絶対に成し遂げたいことがある!」という方以外は、副業でプチ起業から始めましょう。
新規事業の成否を決定づける要因のひとつは、どんな事業を選択するか。世の中で求められているニーズを汲み取って事業に活かすのが成功の秘訣です。様々なアイデアを紹介するので、あなたに合った種類を選んでくださいね。
1人で始められる事業を大きく分けると、雑貨作成のように初期費用が必要になるものと、アフィリエイターのように初期費用がほとんどかからないものとに分かれます。
リスクを最小限にしたいのであれば、初期費用が少ないものを選びましょう。
プチ起業に最適なのがアプリを利用する方法。「まさかこれがお金になるなんて…!」と思える意外な分野で起業家デビューできるので、アプリを上手に活用してください。
起業できるアプリの例
オリジナル雑貨の作成・販売をする主婦起業家が増えています。販売方法は、ハンドメイドフェスタ、ハンドメイド作品の販売サイト、レンタルスペース、ヤフオクなどです。
ハンドメイド作品のオンラインマーケット「minne」(ミンネ)では、雑貨、アクセサリー、家具、ファッションなどなど様々なジャンルの作家が活躍しています。
画像出典元:「minne」公式HP
登録は無料で、決済もminneが代行するのでどなたでも安心してお取引いただけます。
「自分で作った作品をまずは販売してみたい!」という方にもおすすめです。
特定分野に関する知識があれば、塾や個人宅で勉強を教える事業で起業できます。単価が高く短時間でかなり稼げるのが魅力です。
今は素人の撮った写真やイラストでも買い取ってもらえる時代。委託販売をしてくれるサイトを使えば、作品を提出するだけで起業できます。
起業できる委託販売サイトの例
代行業は家事代行、飲酒時の運転代行、披露宴出席代行(ゲストのかさ増し)、退職代行まで多種多様。高齢者向けの買い物代行など、今後さらに需要が高まる事業がおすすめです。
家事代行ですと、「タスカジ」がおすすめです。
画像出典元:「タスカジ」公式サイト
普段家で何気なくやっている家事が仕事になり、手が空いた時間に働くことが可能です。
便利屋は何でも屋さんのことで、高齢者の増加と共に便利屋を使う人が増えています。不用品処分、家具移動、雑草取り、ペットシッターなどが事業内容です。
専用の機材や洗剤を使ってお家をピカピカにするのがハウスクリーニング事業。浴室・キッチン・エアコンの掃除、ワックスがけなどを行います。
普通のサラリーマンでもコツコツと動画投稿を続ければ、人気YouTuberになれる可能性があります。動画配信による広告収入、投げ銭、企業タイアップが主な収入源です。
アフィリエイトは、成果報酬型の広告収入を得る方法。作成したサイトを訪問した人が商品やサービスを購入すると報酬が支払われる仕組みで、収入額は月に1,000円以下~100万円以上と幅があります。
アフィリエイト運用がしやすいブログの始め方はこちらの記事で解説しているので興味のある方はご覧ください。
記事作成で収入を得るのがWebライターの仕事。コラム記事、商品紹介記事、ブログ記事、メールマガジンなど色々な分野の依頼があります。
LINEスタンプデザイナーは、クリエイターズマーケットに登録するだけで起業できます。ライバルの多さが難点ですが、イラストスキルを活かせる仕事です。
ポイントサイトは、貯まったポイントやマイルを現金化できる仕組み。お気に入り案件がたくさんあるポイントサイトを選んでくださいね。
ポイントの貯め方
プログラミングの知識があれば、アプリ開発事業で起業することも可能。有料アプリ販売、広告収入、アプリ内課金、定額課金などで稼げます。
コンサルタントは、依頼者の問題解決をお手伝いする仕事です。経営コンサル、ITコンサル、キャリアコンサルなどがあり、特定の専門分野に長けている人に向いています。
不動産売買、家賃収入、アパート経営などで稼ぐ不動産投資家もいます。ローンを組んで手持ち資金よりも多額の投資をするサラリーマンから、自宅の2階を貸して家賃収入を得る人まで様々です。
株の売買、FX、仮想通貨投資などのデイトレードは大きなリターンが期待できる反面、損をするリスクもあります。初心者のうちは余剰資金で投資する程度にしたほうが安全です。
eBay輸出は転売ビジネス。海外オークションサイトeBayは世界最大級規模で、会員数は2億人を超えています。国内転売よりも稼げる可能性があるのがメリットです。
noteなど有料記事を掲載できるプラットフォームを利用すれば、読者の課金による収入を得られます。SNSで宣伝活動をしてたくさんの人に読んでもらいましょう。
お店・コミュニティ系は、実店舗を構える事業とオンラインサービスを使った事業の2種類。物や情報を売るだけのサービスなら実店舗なしで起業できます。
実店舗が必要な事業でも、自宅の一室を使うなどの工夫をすれば初期費用の大幅な節約が可能。雑貨屋などはネットショップと実店舗の両方で同時進行する方法もあります。
storesや楽天などでネットショップを開設すれば、誰でもショップオーナーになれます。初期費用を抑えたいのなら、無料でショップ開設できるサービスを使いましょう。
マッサージや整体を行うサービスは「柔道整復師」「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格があればベストですが、資格がなくても保険適応外のサービスなら提供可能です。
ネイルサロンの開業は、実店舗以外に自宅の一室を使ってオープンしてもOK。また、ネイリストを雇ってサロンオーナーとして起業する人もいます。
美容業界で起業家デビューする方法は、美容師資格を持つスタイリストが独立して自分のお店を持つ、業務委託サロンで個人事業主として働く、美容室経営を手掛ける、などがあります。
女性起業家に人気があるのが、ハンドメイド作品や海外の蚤の市などで仕入れた雑貨を売るお店。センスが認められれば、リピーターが増えて規模を拡大できます。
服屋をオープンさせるなら、一点物のハンドメイド商品を売る、B級品を安く仕入れて販売する、厳選した商品を扱うセレクトショップにする、など他店と差別化できるビジネスモデルを考えましょう。
子育てサロンの収入源は、参加者からの会費収入、ベビーマッサージ教室の受講料など。育児相談会や子供服交換会で、育児中のパパ・ママの支援もできる仕事です。
オンラインサロンは、会員制の有料ファンクラブビジネス。SNSでファンによるコミュニティを作り、オンラインサロンで情報発信して稼ぐサラリーマンもいます。
まだ馴染みの薄い事業内容ですが、既存の会社を買って事業を継続したり、販売権を獲得して商品を売る事業で起業する人もいます。購入する会社の規模は、30万円程度の有限会社から億単位の企業まで様々です。
2025年に6割以上の経営者が70歳を超えるが、経済産業省の分析では現状で中小127万社で後継者不在の状態にある。
後継者難で会社をたたむケースが増えているので、今後は既存会社を買って起業する人が増えるかもしれません。ゼロから事業を立ち上げる自信がないという方に向いている方法です。
参考:会社売買ねっと.biz
特定の分野に関するスキルがあれば、新規事業に活かせます。生徒さんや依頼人を募集してレクチャーするのがスキルを売る事業の特徴です。定期レッスンを開催できれば安定した収入源となるでしょう。
スキルを売る系の事業例
起業と言うよりも独立に近いのが、本格的な資格を使って起業する方法。保有資格に関する事業で起業する人もいれば、実務経験を元に新規事業を立ち上げる人も。
例えば弁護士資格を取得した経験を元に、難関国家資格に挑む人向けの「オンライン資格試験予備校」を手がけるなど。専門的な知識を活用できれば新しい事業を成功させられるでしょう。
本格的な資格の例
本格的な資格があれば、本業を続けながら副業として執筆業をしたり、講演家やコメンテーターとして活動することもできます。
新しい起業の形と言えるのが、賞金で稼ぐ系です。eスポーツなどでプロゲーマーとして稼ぐ、バグハンターとして稼ぐなどの方法があります。
eスポーツとはエレクトロニック・スポーツの略称で、簡単に言うと複数人のプレイヤーで対戦するゲームのこと。eスポーツの賞金総額は数億単位なので、強いプロゲーマーになったら一夜で億万長者になれる可能性があります。
ソニー生命の「中高生が思い描く将来の意識調査」では、男子中学生の将来なりたい職業の第2位は「プロeスポーツプレイヤー」(第1位は「YouTuber」)です。
若い世代から絶大な人気を誇る職業なので、これから日本でもeスポーツプレイヤーが増えるかもしれません。早めにeスポーツプレイヤーデビューしておけば、他の人よりも一歩先を行けますよ。
参考:ソニー生命「中高生が思い描く将来についての意識調査2019」
バグハンターとは、Webサイトやスマホアプリのバグを探す人のこと。バグを1つ発見するごとに企業から報奨金がもらえる仕組みです。1件で100万円以上の報奨金がもらえるバグもあるので、活動6ヵ月で500万円の報酬を得た人もいるのだとか。
報酬が高い理由は、バグを放置したままにしておくと顧客の個人情報流出につながる恐れがあるからです。高い費用をかけてでもバグを早く発見しトラブルを予防したいと企業は考えています。
世界的にバグハンターの数は増えており、今後日本でも報奨金を出す企業が増えると予測されます。IT系企業のエンジニアが副業でバグハンターをしているケースが多く、趣味と実益を兼ねた副業として人気急上昇中です。
eスポーツプレイヤーやバグハンターはトップレベルにならないと本業にするのは難しそうですが、楽しみながら起業できるのは大きな魅力です。
起業を志す方に共通する思いは「事業を成功させたい!」ですよね。次は、起業を成功させるためのポイントについて説明します。
「起業=イチかバチかの賭け」と誤解されがちですが、起業は博打ではないので運に頼るのではなく堅実な計画を立てて地道な努力をすることが大切です。
起業する目的、新規事業に対する需要の有無、ライバルの数、ビジネスモデル、資金計画など、熟考することはたくさんあります。それに、事業開始後に上手くいかなかった時の対策法もシミュレーションしておくべき。
「そこまで詳細な計画を立てるのは難しい…」そんな方は、無理のない範囲で小さな事業からスタートさせましょう。本業として起業では隙のない準備が必須ですが、先行投資が必要ない事業を副業として始めるだけなら最小限のリスクで起業できます。
小さく始めて徐々に事業を大きくしていくマネジメント手法を「リーンスタートアップ」と言います。
リーンスタートアップとは?
リーン・スタートアップは、事業家の思い込みで顧客にとって無価値な製品やサービスと開発してしまうことに伴う、時間、労力、資源、情報のムダをなくすための方法論。最低限のコストと短いサイクルで仮説の構築と検証を繰り返しながら、市場やユーザーのニーズを探り当てていくのが特徴です。
引用:Weblio辞書
充分な資金や時間、事業計画が揃っていない場合には、リーンスタートアップにしたほうが安全です。
起業する時に悩むのが「どんな事業内容にするか?」ですよね。事業内容を決める際に重視して欲しいのは、得意分野で勝負すること。「これからの時代は〇〇が流行るから!」「儲かりそうな事業だから!」という基準で事業内容を決めると、失敗するリスクが高いです。
元々興味がある分野は、その人の最大の強みであることがほとんど。でも、自分自身の持つ魅力は当人には見えにくいので、「これくらいの知識や経験では起業に役立たないし…」と思いがち。
自分では当たり前だと思っている能力が他人から見たら物凄い価値がある…そんなことがよくあります。あなたが実力を発揮できるのは、すでに興味があって詳しくなっているフィールド。
得意分野に関する知識や経験を深めて事業に活かせば、起業家として成功する可能性が上がります。
どれだけ高い能力を持つ人でも学ぶ姿勢のない人は起業家として成功できません。市場は常に変化しているので、最新情報や新しい知識を学ぶ姿勢を持ち続けてください。
いま成功している起業家は、見えないところで人並外れた努力をしている人ばかり。貪欲に新しい知識を吸収し、それを事業に役立てています。
勉強の仕方は、新規事業に関することは徹底的に深く学び、事業以外の分野も広く浅く学ぶのがおすすめです。なぜなら、意外なところにビジネスチャンスが転がっているからです。未知の世界にも関心を持ってアンテナを張り巡らせておきましょう。
学んだことがすぐに収益に結びつかなくても、その経験も起業家としてのキャリアの一環。蓄積された経験や知識がいずれあなたを助けてくれるはずです。
それに、学び続けているうちに起業家としての勝負勘が冴えてきて、間違いのない判断がくだせるようになりますよ。
次は資金調達法の種類について説明します。起業と資金調達は切っても切れない関係。無理のない資金計画を立てておきましょう。
資金調達の基本は貯金する方法。起業するまでにできるだけ貯金額を増やしておきましょう。必要となる創業資金を調べれば、貯金目標額を決められます。
起業する時の資金調達法で最もメジャーなのが融資を受ける方法。銀行など民間金融機関よりも日本金融公庫などの公的金融機関を使う起業家が多いです。新たに事業を始める人が無担保・無保証人で利用できる「新創業融資制度」などがあります。
新規創業や起業家支援は、国が力を入れている政策のひとつ。起業家向け融資はますます活況を呈し、起業しやすい時代を迎えています。
国や自治体から起業家向けに色々な支援策(補助金)が設けられています。非常にたくさんの種類があるので、自治体名で検索して受けられる補助金を調べてみてください。もしくは役所に直接出向いて情報収集するのもおすすめです。
広告活動と資金調達を同時に行えるのが、クラウドファンディングの特徴。クラウドファンディングとは、インターネットで事業内容を発表し賛同した人から寄付や投資を受ける方法です。近年では、クラウドファンディングで資金調達する起業家が増えています。
クラウドファンディングのメリット
これだけたくさんのメリットがあるので、クラウドファンディングは起業家に最適な資金調達法だと言えるでしょう。
ベンチャーキャピタルからの投資を受けて資金を集める方法は、株式会社を立ち上げる方に向いています。大企業が新しい起業家に注目し始めたので、起業家に投資するファンドが増加中。多額の資金調達も可能です。
銀行などからの融資とベンチャーキャピタルからの投資の違いは、返済義務の有無。投資は将来の成長を見込んで「融資」ではなく「出資」する形となり返済義務はありません。ベンチャーキャピタルは、企業が成長した後に株式を売却して出資した資金を回収します。
どうしても資金が調達できない場合には親兄弟に借りる方法もありますが、お金の貸し借りはトラブルの元になる危険があります。親兄弟から借金するのは最後の手段にしましょう。
起業形態は、会社を設立するかしないかが分かれ目となります。事業内容や事業規模に応じて、適切な起業形態を決めてください。
起業家が設立できる会社は「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」の4種類。合資会社と合名会社はデメリットが大きくメリットがさほどないので、株式会社か合同会社が良いでしょう。合同会社と株式会社のどちらにするかは、違いを吟味して決めてください。
会社を設立すると信頼性がアップするのが最大の利点。銀行からの借り入れがスムーズに行えるでしょう。また、専門知識を持つ経理担当者が必要になりますが、節税対策の面でも優れています。
しかし、会社を設立するのは少し大変です。定款作成と登記以外に各種行政への手続きがあり、法務局だけでなく公証役場、税務署、年金事務所、健康保険組合、労働基準監督署、公共職業安定所などに出向かなくてはいけません。
また、法人設立には、株式会社、合同会社以外に社団法人(一般、公益)、財団法人(一般、公益)、NPO法人もあります。前者2つは利益を追求する営利団体、後者3つは営利を目的としない団体なのが違いです。
個人事業主は、法人設立よりも気軽に起業できるのが良さ。開業届けを税務署に出すだけなので費用も手間もかかりません。税金の計算も法人よりも簡単です。デメリットは、法人に比べて社会的信用が低いこと。取引に制限が出る可能性があります。
事業形態に関しては、最初は個人事業主として起業し、事業が軌道に乗ってから法人を設立する「法人成り」がオススメです。
所得が一定額を超えると法人のほうが節税効果が大きくなります。それに、資金調達の面から見ても法人のほうが有利です。事業規模が大きくなってきたら、法人設立を検討しましょう。
その他の種類の事業形態としては、フランチャイズとM&Aがあります。
フランチャイズは、加盟店が本部から商品を販売する権利をもらいロイヤリティを支払う形式。起業初日からノウハウやブランド力を活用できるのがメリット。ロイヤリティの負担があるため純利益が少なくなるのがデメリットです。
M&Aは、起業の種類【事業内容】で「会社を買う系」と紹介した方法。M&Aのメリットは、既存の事業を受け継ぐので起業当初から利益が期待できること。デメリットは、新しい事業にアレンジするのは難しいことです。
ここまで起業の種類を様々な視点で紹介してきましたが、次は起業の流れを整理しましょう。
起業の流れ
(1) 起業の種類を決めたら準備開始
(2) 資金を調達する
(3) 必要な資材・道具などを揃える
(4) 登記申請書 or 開業届を提出
(5) 事業スタート
(6) 確定申告
起業の始め方(本業 or 副業)、事業内容、資金調達法、事業形態の種類を決めたら、本格的に準備を開始しましょう。中には、スクールに通って資格を取得しないと起業できない事業もあります。
それに、専門的な知識を持つ協力者、助けてくれる仲間、お店を開く場所が必要になるかもしれません。用意すべき創業資金の計算もして、起業までに必要なものを全て洗い出してください。
起業の準備が整ってきたら、資金を調達します。自己資金だけで賄うのが理想ですが、足りない場合には、融資や補助金、クラファンなどで不足金額を補いましょう。
また、創業準備資金だけでなく、事業スタート後の資金計画まで立てておいてください。しばらくは収支が不安定になるので、少し余裕を持たせておくと安心です。
起業準備の第三段階は、必要な資材や道具を集めること。立ち上げる事業で必要になる資材や道具、スペースなどをリサーチして購入・契約してください。
パソコンひとつあれば起業できる事業もあれば、高額な機材、テナント、事務所が必要となる事業まで様々。また、法人を設立する場合には、事業に必要な物品だけでなく申請に必要な法人実印などの準備もお忘れなく!
起業してから「あれが足りない!これもない!」とバタバタすると本来やるべき作業が手薄になり、事業失敗の要因になる恐れがあります。そのため、必要なものは起業前に揃えておきましょう。
起業準備の第四段階は書類の提出です。会社を設立する人は登記申請書、個人事業主になる方は開業届けを提出します。法人の場合には手続きがたくさんあるので、漏れがないよう確認しておいてください。
会社設立に必要な書類
また、個人で起業する場合には開業届が必須というわけではありません。事業に影響がなければ開業届を出さなくても確定申告だけを行えばOK。副業として試しにプチ起業した人、扶養内で活動する主婦起業家などは開業届を出していないことが多いです。
起業後に売上が増えて稼げる金額が一定以上になったら開業届を出す、という順番でも問題ないでしょう。ただし、税制上の特典が受けられる青色申告の承認申請書を提出する場合には開業届が必要になります。
開業届を出す場合には国税庁のサイトからダウンロードできる「個人事業の開業・廃業等届出書」に記入して、事業を運営する所在地(または自宅)の管轄の税務署に提出します。
書類提出を終えたら、次はいよいよ事業をスタートさせます。事業を軌道に乗せるまでは、広告活動に力を入れて顧客獲得のための努力も必要。無理のない資金繰りを心がけて、ライバルに負けない戦略を立てましょう。
起業1年後に存続している事業は72.8%。つまり、3割弱は廃業しているということ。しかし、会社事業所では3~4年で生存率が安定、個人事業主では5~7年で生存率が安定してくるようです。
最初の数年間は起業家の踏ん張りどころです。出だしでつまづかないようにして、なんとか事業を継続させれば次第に楽になってくるはず!
2018年度の調査では「開業率は上昇、廃業率は減少傾向」というデータが出ているので、起業家としての明るい未来が期待できる時代です。あなたも事業を成功させてくださいね。(参考:中小企業庁)
事業開始後は確定申告も忘れてはいけません。法人設立の場合は決算を行って確定申告を行いますが、手続きが非常に複雑なので顧問税理士に依頼するのが一般的です。
個人事業主で事業からの収入だけの方は、年収から経費を引いた所得金額が38万円以下の場合には確定申告なしでもOK。でも、赤字になっている場合は、青色申告済みなら損失の繰り越しができるので、確定申告をしたほうがお得です。
会社員で給与収入がある方が起業した場合には、副業の所得金額が20万円を超えるなら確定申告が必要です。
また、会社員を退職して起業した人は、起業初年度に会社員時代に払った所得税が戻ってくる可能性があります。会社員時代よりも収入が減った場合には還付を受けられるので確定申告しましょう。
事業開始後の明暗を分けるのは、起業する目的だと言われています。「今の会社を辞めたいから…」「社長になってみたいから…」「楽して儲けたいから…」そんな曖昧な目的でスタートした人は失敗する可能性が高いです。
逆に「自分はこの事業を通して、こんなことを実現させたい!」とビジョンがはっきりしている人は苦境を乗り越えられるので成功を収めます。
起業の種類を選ぶ際には、「自分はなぜ起業したいのか?」をもう一度考え直してみましょう。起業家として活躍して、世の中を変える立役者になってくださいね。
画像出典元:O-DAN
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