起業をしたいと考えている方の多くは、「誰もが考えたことのない、独創的なアイデアが必要だ」と思っている方が多いのではないでしょうか?
しかし、実際には独創的、斬新的なアイデアは必要ありません。それにも関わらず、多くの人はアイデアに固執したり、考えついたアイデアを過信しすぎてしまい失敗してしまいます。
ではどのようにしたら、起業アイデアを上手く見つけられるのでしょうか?
今回はそんな悩みを解決するために、誰にでもできる探し方のコツや参考例を解説します。
「起業したいけど、アイデアがない!」と立ち止まっている方にもうってつけです。
また、これまで多くの起業家へ取材を行ってきた起業ログだからこそ集められた、実際に成功した起業家の例もあわせて紹介しますので、ぜひご参考ください。
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成功している起業家の多くは、実はアイデアマンではありません。
マネジメントが得意だったり、金融知識が豊富、ビジョンや方向性に向かって走っていける方...。
もちろんアイデアマンの起業家もいますが、そういう人ばかりじゃないんです。
ですが、起業を試みる方の多くは「起業アイデアは誰もが思いつかないような、独創的なものでなくてはならない」と思い込みがちです。
しかし、自分が考えたアイデアは誰かが思いついている可能性が高く、むしろ既に失敗していることもあります。
それよりも、既に成功しているアイデアに改善を加えたり、出てきたアイデアを組み合わせたりしたほうが、よっぽど成功率が高いです。
そこで、真似して改善するにしても、かけあわせるネタを見つけるにしても、まずはアイデア探しが重要なはじめの一歩です。
これから起業を志すのであれば、斬新なアイデアにあまり固執せず、幅広くヒントを探しましょう。
次の章からは、どんな人にでも簡単にできる、アイデアの見つけ方のコツを紹介していきます。
起業したくてもアイデアがない!とお悩みの方は多いと思いますが、実はアイデア探しに能力やセンスは不要です。
シンプルなアイデア出しのコツをいくつか試しながら、タネを見つけていきましょう。
何より大切なのは、まずは少しづつ、気軽にでよいので、多くのアイデアを出してみることです。
「起業アイデア3.0」の著者として有名な村田 茂雄氏も、自身のプロフィールに ”起業アイデアを考えることが趣味。これまで1万個以上のアイデアを発想した” と記しています。
また、ソフトバンクグループの孫正義氏も、学生時代から毎日15分はアイデアを考える時間を作っていたというのも有名な話です。
似たようなアイデアばかり出てしまっても、それらの組み合わせで新しいものが生まれる可能性もあるので、質にこだわらず、まずは出してみることが重要です。
一人の頭の中から出てくるアイデアには、どうしても偏りや限界があります。
企業内で新規事業や新商品を作る際もブレストを行うように、他人と意見を出し合うことで新たな気づきや相乗効果が生まれるでしょう。
机を囲んであらたまって話すよりも、雑談のような形で普段から、他人に「こんなことどう思う?」と聞いてみるのも一つの手です。
思いついたアイデアは、すぐに書き溜めましょう。
忘れてしまうことの防止だけでなく、書き出したものを客観的に見ることで、組み合わせや足し引きの追加アイデアが浮かぶこともあります。
常にメモ帳を持ち歩くのでもよいですし、スマホのメモ機能に書き溜めるのでも十分です。
また、Nortionのようなクラウドメモアプリケーションを利用して、メモだけでなく気になる情報をデータベース化してまとめることも有効です。
ネットサーフィン?それなら誰でもできる、とお思いかもしれませんが、現在は多種多様なSNSが台頭しており、ここが重要な情報源にもなります。
TwitterやInstagramのトレンド、ランキングは常に変化しており今一番注目されていることを簡単に知ることができます。
Facebookも新規事業のPRによく使われますので、気になった方をたどっていけば、自分が改良できそうないいアイデアの種に出会えるかもしれません。
今いる場所や通勤・通学圏で出会える情報や人脈の中から出てくるアイデアに詰まってしまったら、新たな出会いを見つけましょう。
起業家向けのイベントでもいいですし、興味のある分野のセミナーや交流会に出席することでも人脈や知見が深まります。
具体的に起業プランがまだなくても、その探し方からサポートしてくれるプログラムや、オンラインで気軽に参加できるイベントなども増えているのでぜひ活用しましょう。
この章では、アイデアを考える際に役立つ視点について紹介します。
発想ポイントに加え、いくつかの成功パターン例もあわせて紹介しますので、アイデアだけでなくその後の具体的なイメージも参考にしてみてください。
成功している起業家の中には「これがないと不便だから自分で作ろうと思った」という動機からスタートした方も多くいます。
また、新サービスが成功するということは「これ欲しかった!」と世の人が思うということです。
まずは自分が日常の生活の中で、困った・不便だと感じていることにアンテナを張りましょう。
あなたが男性であっても、奥様や子供の生活で「どうしてこれを使わないのだろう」と思うことをヒントにしたり、これから増えるシニア世代の不便も重要なマーケットとなるでしょう。
同じ業界の中でも成功するビジネスパターンが幾つもあるのは、それぞれが異なった強みをもっているからです。
すでに出来上がっているビジネスに入る隙がなさそうでも、特定のターゲットに絞ったものを提供したり、機能をそぎ落としてシンプルさで勝負すれば、新たな価値筋が見つかることもあります。
アイデアは足し合わせたり、掛け合わせることで新たな価値を生むこともあります。
かけあわせるものも、技術、ターゲット、手法など色々な組み合わせが考えられます。
「寿司」×「ベルトコンベア技術」=回転寿司
「寿司」×「観光客」=外国人向け寿司店
「寿司」×「手法」=板前出張サービス
起業するには「これをしたい!」という情熱も一つの要素なので、自分が好きなことからスタートするのも一案です。
SNSなどから生まれた○○専門家、○○アドバイザーも、好きを仕事に繋げていった方の例です。
ただし、好きなことが仕事になると、経営上で思い切った判断がしづらくなる、うまくいかなかった際に精神的負担が大きくなる、など、一定のデメリットもあるため、領域は慎重に選びましょう。
これからのビジネスを考えるのであれば、DX、IoT、メタバースなど、新時代のキーワードを軸に考えることも必要です。
また、昨今の一番重要な価値の転換点「コロナ禍」も、新ビジネスを考えるうえでのポイントです。
起業ログの独自取材でも、チャットボットツールsincloなどを提供するメディアリンク株式会社 代表取締役社長 松本 淳志氏が次のように述べています。
メディアリンク株式会社 松本氏
コロナ禍を経験したことによって、意思決定がしやすくなったと思います。ニューノーマルな時代でも必要とされるものとそうじゃないものの区別が明確になって、「アイディアが今後も伸びるか」がわかりやすくなりました。
コロナ禍を過ぎてもなお、必要とされる価値をもったサービスかどうかという視点でアイデアを考えるのも重要です。
「ココナラ」「クラウドワークス」など、副業やギグワークの紹介サイトを見て、今注目を浴びているビジネスの種を探すのも一つの手です。
新しいサービスは、ここ数年で流行り出したものなので、古くから行っている競合他社がいません。
強力な競合に立ち向かうのか、新しい市場で戦うのかでは大きな違いがあります。
例をあげると下記のようなサービスになります。
昨今起業のスピードは早いのでそうはいってもすでに参入している企業が多くいる場合もあります。
それでも、例えばこういったサービスを紹介して広告収入を得る方法や、サービスのサポート的なツールを作ってお金をもらう方法であれば、後発でも参入可能です。
新規市場とそこで起業している会社をみて、入り込みやすいビジネスチャンスを探しましょう。
ニッチなビジネスとは大企業がターゲットにしないような小さな市場、まだビジネスとして開拓されていないような分野のことです。
メリットとしては、競合他社が少ないので市場を独占することができます。デメリットとしては、参入が難しい分野なので失敗確率が高いことです。
しかし、ベンチャーやスタートアップであればリスクを取れるので、上手くいけば市場を独占することができ、揺るぎない地位を確立することが可能です。
次に実際に成功した例を紹介します!
画像出典元:Cerebo公式HP
Cerevoは当時「IoT」という言葉がなかった2008年から、IoTのスタートアップを始めました。
この会社の特徴は「グローバルニッチ」という特殊な戦略にあります。
通常はより多くの人に買ってもらう商品を作ることが、ビジネスとしては当たり前です。
しかしCerevoは、顧客は少なくても良いから普遍的に売れるようなものを作ろう、というスタンスをとっているので、多く売れることを中心にしていません。
わかりやすく言うと、1万人の顧客を得るよりも、コアなファンを100人取りにいく戦略です。
Cerevoはあえてその分野に入り、良い商品を提供し続けることでニッチビジネスを成功させました。
画像出典元:aperzaホームページ
Aperzaはインターネットを活用し、工場で使われる設備を作るメーカー・商社側と買い手である工場がつながる場を提供しています。
Apelzaのすごいところは、複雑で手のつけずらいBtoBの「設備産業」サービスに着手したことです。
BtoBサービスは複雑に絡み合っており、課題があったとしても解決することが難しい分野でもあります。Aperzaはこの難しい問題に着手し、ITを用いて解決しようとしています。
現在は、台湾でも同時展開しており、アメリカにもリサーチラボを開設しています。
「設備産業」というニッチなビジネスに着手し、進化を続けてきたApelzaは今後も大きく成長することが期待されています。
海外で流行しているサービスをベースにして自国で展開するのも一つの成功パターンです。
例えばメルカリが過去にリリースしたサービスの「メルチャリ」などは、中国の「モバイク」というサービスをベースに作られたものです。
流用するメリットとしては1からアイデアを作る必要がないことです。すでに成功しているビジネスモデルなので、ノウハウや仕組みが既に確立されています。
このような流用ビジネスで成功した企業例を紹介します。
画像出典元:WIKIMEDIA COMMONT
ドイツのベンチャー企業「ロケット・インターネット」は、海外で成功したビジネスモデルをコピーしてまだそれが立ち上がっていない国で創業することで急成長を遂げました。
一つ成功した例をあげると「Zalando(ザランド)」というサービスです。このサービスはアメリカの「ザッポス」というアパレルインターネット通販サービスを真似たもので、年間売上は一時約2,600億円に達しました。
他にも「Airbnb」のクローン「Wimdu」、「Amazon.com」のクローンは東南アジアで展開している「Lazada」、中東では「Mizado」など、多数のクローン企業を輩出し、成功させてきました。
このロケット・インターネットはやや飛躍した例ではありますが、海外のビジネスを真似て自国で展開する成功確率は高いです。
自国にだけ向けていた視野を海外に向けて、海外からヒントを得てみてはいかがでしょうか。
起業ログでは、年間を通じ数々の起業家に成功の秘訣や体験談などについて取材を行っています。
ここでは、アイデアの視点で参考になる起業家を紹介します。詳細のインタビューは関連記事から読むこともできます。
自身のアイデアづくりにぜひ参考にしてみてください。
ネクストミーツ株式会社は、日本国内でいち早く代替肉に目をつけた企業です。
添加物が入っていることもある海外の代替肉に比べ、安心で安全な「無添加代替肉」の開発に成功。
創業から史上最速で時価総額約4,400億円を記録した(※2021年1月時点)注目のユニコーン企業でもあります。
株式会社SpinLife代表 中村恒星氏は、医師・研究者・起業家の3つの顔を持ちます。
皮膚難病の患者会に出会ったことをきっかけに、「食べることに障害がある患者さん」に新しい栄養摂取の形を提供するため、完全栄養チョコレート「andew」を開発し起業しました。
株式会社PacPort 沈燁氏は、再配達いらずの自動受取型IoT宅配ボックスを提供しています。
WEB通販の普及率、共働きや独身世帯の増加や、QRコードやオンライン決済の広まりを受けて、非対面/非接触での受け取りに目をつけました。
GEパートナーズ株式会社 木本佑史氏は、外国人が日本人と会話レッスンができるオンラインサービス「日本語.COM」を提供しています。
外国人の日本語コミュニケーション能力が課題となり、外国人の雇用やキャリアアップの障壁となっている点を解決するべく、同事業を立ち上げました。
アイデアを探している人は数多くいるはずなのに、本当に起業できる人、そこから成功できる人の数が限られてしまうのはなぜでしょうか。
それはアイデア探しの段階で、陥りやすい失敗ポイントにはまってしまう人が多いことも一因です。
アイデアそのものが新しい、斬新であったとしても、それを求める人がいなければ意味がないです。
また、その事業を動かす経営者である自分自身が、困難であってもずっと続けられる熱意をもって取り組めるものでなければ、あなたの会社のビジネスが『それ』である必要はありません。
アイデア出しに固執するあまり、上記のパターンにはまっていないかぜひチェックしてみてください。
そうはいっても、まずは自分のビジネスを立ち上げて向き不向きを知りたい方もいるかと思います。
そんな方はまず低リスク、ノーリスクの起業パターンから試してみるのもおすすめです。
「起業するならリスクは当たり前だ!」と言う人もいますが、実際にはそんなことはありません。
素人がリスクを取って起業しようとすると、資金調達や融資などのお金関係の問題で失敗します。
以下に挙げるようなインターネットビジネスや、個人事業主からでもはじめやすい代行ビジネスなどから検討してみましょう。
低リスク・ノーリスク起業の例
など
アフィリエイト運用しやすいブログの始め方を解説している記事があるので興味のある方はご覧ください。
成功している起業家はアイデアマンではなく、他のサービスからヒントを得たり、既存のビジネスモデルを分析することにより成功することができる、ということがお分かりいただけたかと思います。
多くの起業家はアイデアに固執をしたり、自分のアイデアを過信して分析を怠ってしまうことで失敗してしまうのです。
また、本記事に限らず、ネットで調べて出てくる起業アイデアは数多くあり、何を選んだらいいのかわからなくなる方もいるかもしれません。
多くの方が勘違いしがちですが、起業で成功する上で重要なことは、具体的なアイデアを探すことだけではなく、自分ができそうな、やりたい「成功パターン」を探すことです。
アイデアに時間を割くことも重要ですが、成功しているビジネスモデルをしっかりと分析し、自身にぴったりなビジネスモデルを探していきましょう。
画像出典元:Burst、o-dan
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