MVPの導入で成功を勝ち取る!メリットや実践のポイントを徹底解説

MVPの導入で成功を勝ち取る!メリットや実践のポイントを徹底解説

記事更新日: 2020/12/18

執筆: 編集部

企業にとって、長期的な利益を得るための構造を築くためには、顧客が望む製品をより早く開発し、提供することが重要です。

特に、市場が進化するスピードが早い分野で成功するためには、いかに早く顧客ニーズを掴んだ製品を世に送り込むことができるかが鍵となります。

そのために有効となるアプローチとして、MVPが注目されています。しかし、このMVPとはどのようなアプローチなのでしょうか。

今回は、MVPとは何か、導入するメリットや具体的なプロセス等についても詳しく解説していきます。

MVPとは?

MVPとは「Minimum Viable Product」の略で、価値を実現するための最も小さい製品やサービス、またはそれを使用したアプローチのことを指します。

MVPを作るためのプロセスを利用すると、限られた時間において顧客のニーズに沿った商品やサービスを構築することが可能となります。

そのため、不要な時間や無駄なコストを削減できるとして、注目が集まっているのです。

MVPは、起業家のスティーブ・ブランクとエリック・リースによって提唱された概念です。

エリック・リースは、著書「リーンスタートアップ」において、スタートアップ企業が無駄のないビジネス展開をしていく中で、MVPが重要な要素となると述べています。

なぜMVPを作ると良いのか?

Webサービスやモバイルアプリといった市場では、常に新しい製品が提供され続けています。

しかし、市場に参入しやすい分、思いつきで製品を作っても市場に提供することはできますが、顧客に受け入れられるかどうかは、製品を市場に出した後の結果を見ないとわかりません。

MVPは、最初から市場に提供する正式な製品の簡易版を作らずに、そのスタートアップにおける重要な仮説を検証していくために製品を作ることが多くなっています。

最初に、提供可能なギリギリのラインで製品を提供し、実際に顧客に使用してもらって、そのフィードバックにより製品に改善・改良を加えます。

そうすることで、顧客に確実に受け入れてもらえる製品の提供が可能となり、売れる製品かどうかも確かめることができるのです。

規模の小さいスタートアップ企業が競争の激しい市場で勝ち抜くためには、MVPによるアプローチが非常に有効となります。

MVPを使用するメリットとは?

スタートアップ企業に有効なMVPですが、実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

素早く正確に顧客ニーズを把握

スタートアップ企業で制作したMVPを繰り返し市場に提供することによって、素早く正確に顧客ニーズを把握することが可能になります。

技術の進歩や、それに伴う顧客ニーズの変化が著しい市場においては、市場の反応もどんどん変化します。

そのため、まず製品を市場に提供し、反応を確認しながら製品に改良を加えるアプローチが重要となります。

MVPを利用して改良を加えることで、より早く、多くの顧客のニーズに合った製品を市場に提供することができるのです。

市場における製品の必要性を調査

MVPによるアプローチをすることで、完全な製品を開発するために無駄なコストをかけることなく、製品が必要かどうか調査することが可能になります。

市場に提供するため、完全な製品になるまで開発をし続けると、非常に多くの時間とコストがかかります。

加えて、その完成品を市場に出しても、必ずしも成功するとは限らないため、時間やコストが無駄に終わることもあります。

MVPを活用すれば、最小限のコストで、市場での製品の必要性を調査することができるのです。

開発にかかる時間を最小限に

MVPを市場に公開する時点では、最も顧客ニーズを満たす機能に対して集中して開発ができることから、開発チームが費やす無駄な時間を最小限に抑えることができます。

顧客の満足度アップのためにさまざまな機能を入れようとすると、時間的にも労力的にも限界が見えてきます。また、顧客の反応がイマイチだった時に、原因を特定することが難しくなってしまいます。

MVPによってアプローチすれば、顧客の反応を見ながら改善ポイントを特定できるようになるため、長い目で見れば、より早く正規の製品をリリースすることが可能となるのです。

素早い収益化を実現

MVPで市場にアプローチすることにより、早く製品を提供できるようになれば、理論的にも販売収益を獲得できる時期が早くなります。

企業として収益を得ることができれば、その分を新たな製品改良にも使うことが可能となるため、市場成長が早い分野においてはさらに有利になります。

市場における競争優位を獲得

ビジネス市場においては、素早く顧客ニーズを掴んで、先行者利益を獲得した企業が圧倒的に優位に立つことになります。

そして、そのまま競争優位の獲得につながるため、後々その市場に競合企業が参入しようとしていても、製品の認知度と開発のスピードにおいて差を広げることが可能です。

MVPの具体的プロセス

従来型のプロセスでは、企業は製品を市場に提供するため、完成した製品を作ることをゴールと設定して、計画どおりに実行することを重視しています。

一方、MVPは、開発の早い段階で市場に製品を投入し、顧客からのフィードバックを反映させながら改善・改良を加えて、製品を完成させているのです。

ここでは、MVPにおける具体的なプロセスについて解説していきます。

必要最小限の機能を備えた製品を市場に出す

MVPのプロセスでは、製品開発のプロジェクトを立ち上げた後、必要最小限の機能のみを実装した製品を作って、市場に出します。

ここには、最も顧客ニーズを反映していると見当をつけた特徴を反映させます。

限られた機能だけを備えた製品であるため、コストを安く上げることができます。また、製品を市場に出してから市場や顧客の反応を見ることとなるため、容易に製品の改良ができるのです。

顧客からのフィードバックを得る

早い段階で市場に製品を出すことから、初期のうちにフィードバックを得ることが可能となります。

そのフィードバックを製品に反映させたり、機能そのものを見直したりすることで、顧客ニーズに沿って製品開発ができるのです。

初期の段階で分析を重ねて、さまざまな仮説を検証するというアプローチもありますが、圧倒的にMVPの方が開発スピードを速くすることが可能です。

顧客ニーズに沿った機能等の検討を行う

顧客からのヒアリングやアンケートによって集めた顧客の生の声を基に、顧客ニーズに沿った機能は何なのか、しっかり検討を行います。

市場から得たフィードバックから、製品の機能等の改善・改良を行うためです。

検討の過程で、状況によっては新機能を付け加えたり、不要な機能を排除したりすることもあります。

上記プロセスを繰り返す

より多くの顧客ニーズに応える製品を作り上げるため、製品の改善・改良と顧客からのフィードバックを繰り返し行います。この繰り返しによって、より良質な製品へと進化させるためです。

確実に顧客ニーズを知るためには、顧客に聞くのが一番です。顧客ニーズに応える製品を提供できれば、顧客満足度アップにもつながります。そのためには、MVPによるプロセスが重要となるのです。

MVPを実践するためのポイント

では、効果的にMVPのプロセスを進めるには、どんな点に気をつければよいのでしょうか。ここでは、MVPを実践するための大事なポイントについて解説します。

顧客が理解できる製品を投入

MVPを市場に提供して、適切なフィードバックを得るためには、顧客本人が理解可能な製品を作って提供しなければなりません。

MVPは、市場への試金石として提供することから、特に流行に敏感で他の顧客にも大きな影響を与えるアーリーアダプターのニーズを汲み取る必要があります。

そのため、開発の初期段階において、さまざまなニーズに対応する製品の提供を目指すことはせず、アーリーアダプターに特化したニーズを探るようにしてください。

MVPを製品ではなく手段として考える

MVPは、市場の反応を見ながら製品をブラッシュアップさせていきます。そのため、MVPは製品ではなく、最終的に市場に提供する製品を進化させるための手段として考える必要があります。

検証から得られるデータの分析

MVPのプロセスにより、ダイレクトに顧客の生の声を聞くことが可能となるため、できるだけ顧客ニーズを反映させて、忠実に製品に改善・改良を加えなければなりません。

そのためには、企業の開発チームの主観を極力排除し、科学的に検証を行うことで、客観的に市場データの分析を行う必要があります。

その分析結果によって、より顧客ニーズに沿った製品開発が可能となります。

完璧志向からの脱却が重要

MVPを有効にするには、最初から完璧なものを作り上げようという、完璧志向からの脱却が重要です。

失敗作となった製品の特徴に多いのは、必要な機能が足りないというよりも、顧客に不要な機能が多すぎることなのです。そのため、顧客に製品の強みが伝わりにくくなるのです。

しっかりと製品の良さを伝えるためにも、完璧志向からの脱却を図り、市場の反応を見ながら顧客が必要とする機能を備えた製品を提供することが重要となります。

MVPの種類と成功事例

MVPを作るための手法には、いくつかタイプがあります。

ここでは、その手法のうち「プロトタイプ」「カスタマーリサーチ」「スモークテスト」「オズの魔法使い」「コンシェルジュ」の5つについて紹介していきます。

プロトタイプ

MVPを行うために、試験やデモ用に作られた実験用の製品をプロトタイプといいます。有形の製品を指すケースが多く、MVPの中でもコストがかかる手法となります。

現在、世界中で利用されている「Twitter」は、元々「Odel1」という社内でのメッセージやグループチャットで利用するためのツールとして開発されました。

社内でテストをして、フィードバックを踏まえて改善されたものが、誰もが知っているTwitterなのです。

「Instagram」は、元々「Burbn」という位置情報アプリとして開発され、リリースされていました。しかし、なかなか人気が出なかったためMVPを繰り返し行い、写真投稿をメインにしたSNSとして提供されるようになりました。

カスタマーリサーチ

カスタマーリサーチは、アイデアが固まっていない状態でも実践できるMVPのアプローチです。特に製品を準備せずに、紙一枚の顧客調査によってニーズを掴む手法になります。

グロースハックの一般化を目指す「AppSocially」は、タイトル・タブライン・機能説明・連絡先などを載せた一枚のPDFをディベロッパーに見せて、ニーズを探りました。

見込み客の直の声によってPDFを毎晩更新し、製品の機能の詳細を詰めていったところ、コードを一行も書くことなく、いくつか契約を取りつけることができました。

スモークテスト

スモークテストとは、顧客が製品・サービスのアイデアに興味があるかどうかを調査するMVP手法となります。この手法には、サービス紹介ビデオとプレオーダーの2つがあります。

ファイル共有ツールとして利用されている「Dropbox」は、サービス開始前に3分ほどのビデオを公表したことで有名です。

このビデオは大きな反響があり、βテストの希望者が、一晩で5,000人から75,000になったと言われています。

オズの魔法使い

このMVP手法は、映画「オズの魔法使い」から名付けられており、開発初期に大掛かりにシステム化を行うリスクを避けるために、Webサイトなどを人力で操ることで顧客ニーズを探り、製品の構築を図るものです。

「食べログ」は、元々グルメ本の情報を基に、手打ちでデータベース化されていました。改善要望などのフィードバックにできる限り対応して、現在ある形へと改善されたのです。

コンシェルジュ

コンシェルジュは、あらゆるものをマニュアルにより行い、顧客の意見を直接吸い上げて、その場で改善するというMPV手法です。

「Food on the table」は、近所のセール情報と顧客の好みを基に、献立を考えてくれるサービスです。

Webサイトの立ち上げ前に、実際に直接スーパーで主婦に声をかけてサービス内容を見てもらって、直接フィードバックをもらったことにより成功しています。

まとめ

製品開発のためには、仮説と検証の繰り返しが重要です。

MVPでは、その初期段階において市場に製品を投入して、顧客から得たフィードバックを反映させながら製品の完成を行います。

MVPは、どのようなビジネスにも有効なアプローチであり、特に、製品の開発スピードが要求される分野において非常に効果的であると言えます。

自社製品を開発する際には、ぜひともMVPのプロセスを導入して、顧客ニーズをしっかりと反映させた製品を作り上げることを目指してください。

画像出典元:Pixabay、Unsplash

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