近年スタートアップ企業の年収が上昇し続けています。
年収が高いスタートアップ企業は一般企業と比べてどんな違いがあるのでしょうか?
業績好調のスタートアップ企業も業種別にご紹介します。
このページの目次
スタートアップ企業は大手企業や中小企業にくらべて年収が低く、ボーナスなども出ないことが多いと思われがちです。
しかし、スタートアップ企業の年収は一般的な企業に比べて高い!という調査結果が出ています。
詳しく見ていきましょう。
日本経済新聞のNEXTユニコーンによると、2021年のスタートアップ企業の平均年収は650万という調査結果が出ています。
これに対して東京商工リサーチの調査では一般上場企業の年収は605万!
2020年時点ではほぼ変わらない水準だったスタートアップ企業の年収と一般上場企業の年収の差が開いたということです。
年収の高い業種は
が勢いがあり年収が高いといわれています。
順位 | 社名 | 平均年収 |
1 | Zホールディンクス | 1080万 |
2 | リクルートホールディンクス | 844万 |
3 | DeNA | 771万 |
IT業界はスタートアップ企業のなかでも高年収な企業が多いです。
順位 | 社名 | 平均年収 |
1 | サイバーエージェント | 734万 |
2 | デジタルホールディングス | 693万 |
3 | テーオーダブリュー | 655万 |
インターネット広告業はそれほど高年収というわけではありませんが、就活生などからは人気がある業種です。
順位 | 社名 | 平均年収 |
1 | PFDeNA | 920万 |
2 | エムスリー | 822万 |
3 | サイシード | 625万 |
近年コロナの影響もあり医療系スタートアップ企業の需要も増えて年収が上がっているので今後の動向に注目です。
スタートアップ企業の年収と大手企業の年収を単純に比較することはあまり役に立ちません。
なぜなら大手企業の社員は年齢の幅も大きく、50代〜60代になってくると役職がつく人が多く、年収も大幅に上昇することが多いようです。
一方スタートアップ企業で働く社員の平均年齢は20代〜30代と若く、大手企業よりも年収が低く出てしまう場合も多いのです。
一般企業と違い、スタートアップ企業は新卒者の採用が多くはありません。
大手企業は新卒から雇用し、育てていく環境があるために新卒者の年収が低く、20代〜30代の若い世代では年代平均が低くなりがちです。
企業により資金の使い方に違いがありますが、資金の多くないスタートアップ企業は人件費を削減したいと考えている企業が多いのです。
一般的に2人で行う業務を優秀な人材1人で処理できれば人件費は少なくて済みます。
優秀な人材を通常よりも少し高い年収で雇うほうが効率が良いということです。
スタートアップ企業にはIT企業が多いため、勢いがあり成長スピードが早い企業が多いということです。
併せて製造業などとくらべると、利益率が高い傾向にあります。
そして、その利益を優秀な人材の獲得に投資する傾向にある企業が多いので、必然的に年収が高い人が多いというわけです。
ストックオプション制度とは、会社が定めた価格で自社の株式を社員が購入できる仕組みのことです。
自社の株価が上昇すると自分の収入にもつながってくるので、社員のモチベーションアップにもつながる傾向が高い制度になります。
少数精鋭のスタートアップ企業は一般企業よりも実力や実績が年収に反映されるスピードが早い傾向にあります。
大手企業では毎年新卒者を雇用して、一から時間とお金をかけて育てていく環境にあります。
しかし自己資金などが少ないスタートアップ企業では人材育成にお金を投資できません。
自分の持っているスキルに応じて年収が決まり、優秀な人材を逃さないために実績をあげれば年収に反映されやすい企業が多くなります。
一般的な上場企業の昇給のタイミングは年1回、基本給の2%程度アップするという企業が多いようです。
一方スタートアップ企業では、毎年一定額の昇給の仕組みを取っている企業はほどんどありません。
スタートアップ企業での昇給を望む時は、実績を残す必要があり、それが即昇給へとつながるケースが多くあります。
自分のスキルの上昇が年収アップに繋がるという事ですね。
スタートアップ企業は年収も高く、実力も評価されやすい。
良い事だらけのようにも見えます。
しかし一概に提示される年収だけでは判断できないこともあります。
固定労働時間以上に働いたら残業代が支給されるのが当然と思いますが、残業代にも様々な種類があるので注意が必要です。
スタートアップ企業でよく使われる残業時間ルール
あらかじめ会社側と協定などで決めた時間を労働時間とみなす制度になります。
取り決めた時間より長時間でも、短時間でも労働時間は同じ扱いになる制度です。
あらかじめ一定時間分の残業代を給与に含めて払っておく制度です。
給与が高く感じますが、残業代込みなのでどのくらいの残業代が含まれているのかの確認をしておきたいですね。
スタートアップ企業では福利厚生制度が大手企業ほど充実していないケースがほとんどです。
社会保険各種をはじめ、住宅手当や家族手当、提携施設の利用など、福利厚生制度が充実しているのは資金面に余裕がある大手企業が多いのです。
スタートアップ企業は設立後の日が浅いので、一般企業にくらべると経営が不安定というデメリットがあります。
突然の経営方針の変更や業績不振による減俸などが起こりやすい環境にあると言えるでしょう。
目先の年収だけでは判断できない不測の事態が起こることも頭の片隅に置いておきたいですね。
今回はスタートアップ企業の年収にスポットをあててご紹介してきました。
自分のスキルや実力を試したい!
と考えている方にはスタートアップ企業は年収も含め、とても魅力的に映るのではないでしょうか。
一般企業では手に入らないものがスタートアップ企業にはあり、またその逆もあります。
自分に合っているのはどちらなのか検討してみるといいでしょう。
画像出典元:o-dan
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