TOP > ベンチャー > ベンチャー・スタートアップ > 【図説】スタートアップとは?ベンチャー・中小企業との違いも解説
スタートアップとは、革新的なビジネスモデルで短期間に急成長を目指す企業のことです。
では実際に、スタートアップ企業はベンチャー企業や中小企業とはどう違うのでしょうか。
起業家・投資家以外の方でもわかりやすいように、イラストを使って徹底解説していきます!
このページの目次
スタートアップとは、革新的でオリジナリティのあるビジネスモデルで、短期急成長を目指す企業のことです。
日本では、スタートアップの定義は曖昧で、ベンチャー企業と同義語のように使われることもしばしばあります。
スタートアップの具体例としてSpaceXやUber、Airbnbなどが挙げられます。これらは創業が2000年代でありながら今では企業価値が2兆円以上あるスタートアップの代表例とも言える存在です。
スタートアップという言葉を定義する際に、最も重要なことは短期間で急成長するということです。
「短期急成長」するために必要な要素として、
などが挙げられます。
スタートアップの大義である「短期急成長」を実現させるための要素の1つ目は、イノベーションです。
ここでいうイノベーションとは、新しい切り口で社会に革新をもたらすビジネスモデルを創造するという意味です。
スタートアップを短期間で成長させるためには、先行投資のための資金調達は重要な要素です。
資金調達には、融資を受けたり、資産の売却益を利用したり様々ありますが、株式を発行し、VC(ベンチャーキャピタル)やエンジェル投資家に支援してもらうケースもよく行われています。
VCや投資家たちから資金調達するためには、彼らに出口戦略(利潤を得るための投資回収プラン)を明確に示す必要があります。
その為の方法として、M&A(株や会社を売却する)やIPO(株式公開)などのプランをあらかじめ設定し、最終的にいかに利益を得ることができるのかをシミュレーションしておく必要があります。
「スタートアップ」とよく混同される言葉に「ベンチャー企業」があります。
同じような意味で捉えられていますが、いったい何が違うのでしょうか?
ベンチャー企業もベンチャービジネスも、実は和製英語で日本で作られた言葉です。
アメリカでベンチャーというと、ベンチャーキャピタルを指すことが多いのですが、日本では「新しい事業を立ち上げ、その成長過程にある企業」という意味合いで使われています。
日本では「ベンチャー企業」も「スタートアップ」もどちらも、「新しく立ち上げた企業」という意味で使われることが多く、明確な定義の違いはありません。
「成長」を目指して新しいビジネスモデルやイノベーションで市場を切り開いたり、資金調達を行う企業のことを元々ベンチャー企業と呼称する傾向がありました。
日本ですでに普及していたベンチャーという言葉と混同される形で、スタートアップという言葉が広がっていき今に至るのが、現状のベンチャーとスタートアップの関係ともいえます。
とはいえそれぞれまったく一緒なのかと言うと、そんなことはありません。
強いて言えば、
ベンチャー=
「中長期的な成長を目指して、既存ビジネスモデルの改善やイノベーションの活用などで市場を切り開く手段などをとる企業」
スタートアップ=
「ベンチャー以上の短期急成長を目指して、新規ビジネスモデルやイノベーションを活用した市場開拓や資金調達などを積極的に行う企業」
とわけることができます。
中長期的にゴールを設定しているか、それとも短期的な急成長を目指しているかの違いにより、前者がベンチャー企業、後者がスタートアップと区別することができるのです。
次に、中小企業とスタートアップ企業は何が違うのでしょうか?
中小企業は、「中小企業基本法」によって、業種ごとに、資本金や従業員数などが決められています。
その定義に該当する企業で、なおかつ経営規模が比較的小さい中程度の企業のことを、中小企業といいます。
中小企業とスタートアップ企業の違いは、「成長スピード」です
中小企業=漸近的成長(少しづつ成長)
スタートアップ企業=指数関数的成長(急成長)
と特徴付けられます。
ベンチャー企業もスタートアップも、広い意味では中小企業という企業区分に含まれます。
また厳密には、それぞれの企業が中小企業であるかどうかの判断は、資本金や従業員数が定義に当てはるかどうかで決まるのです。
結局のところ、新しいビジネスモデルで短期間での急成長を目指すというのがスタートアップの最大の特徴です。
まずは誰もが知っているアメリカ発の企業、 Google、Facebook、Amazonは、代表的なスタートアップ企業です。
このように今では誰もが知る巨大な企業も、スタートアップとして創業した企業なのです。
また、カーシェアリングサービスの Uber、空き部屋のシェアサービスを展開している Airbnb も、最近有名になったスタートアップです。
中国のスタートアップとしては、通販サイトのアリババ、インターネット関連会社のテンセント、中国最大手の検索サイトの百度などが挙げられます。
他にも Dropbox や Evernote などの企業もスタートアップ企業だといえます。
日本でのスタートアップ企業の代表は、やはりフリマアプリのメルカリでしょう。
そして、かつてメルカリもそうであったように、ユニコーン企業=評価額が10億ドル(約1040億円)を超える未上場のスタートアップ企業と呼ばれる企業が、日本にも存在し市場を盛り上げています。
国内最大級の成長産業に特化した情報プラットフォームのSTARTUP DBによると、以下の企業が現状日本に存在しているユニコーン企業とのことです。
国内スタートアップ評価額ランキング最新版 ( 画像出典元「STARUP DB 公式HP」)
注目すべきは、他社よりも群を抜いて時価総額の高い、AI企業のPrefferd Networks(プリファードネットワークス)です。
主にディープラーニングやロボティクスなどの最先端技術を活かし、あらゆる分野でイノベーションを起こすことを目標としています。
GoogleやAppleの出身者やプログラミング世界大会の入賞者などの超優秀エンジニアを抱えており、トヨタなど大企業からの出資も受け、今後の動向に注目が集まっています。
また、2位のSmartNews (スマートニュース)は、日本郵政キャピタルをリード投資家とした総額31億円の資金調達を実施し、ユニコーン入りしたニュースアプリを開発する企業です。
同社は、日本国内だけでなく、米国でのニュースの信頼性が高く評価され、英語圏のメディアへの総客元としては、Yahooを抜いています。
今後スタートアップとして期待ができるのは、前述のユニコーンやネクストユニコーンと呼ばれる企業でしょう。
IT業界だけでなく、AIやロボット、loTの分野、自動運転車や電気自動車の分野、フィンテックの分野の中にも、ユニコーンやネクストユニコーンと呼ばれる企業が出てきています。
一方これまでの日本は、欧米諸国や中国と比べVC(ベンチャーキャピタル)の投資額が圧倒的に少なく、ユニコーン企業台頭のハードルになっていました。
岸田総理は2021年9月に放送されたテレビ東京の『ワールドビジネスサテライト』内で、「ひとつの産業に絞ることなくスタートアップが成長の鍵」とコメントし、12月にはスタートアップ創出支援強化のため経済産業省内に「スタートアップ創出推進室」を設けました。
今後、政府からの積極的な後押しと共に、短期急成長を実現できるスタートアップ企業が増えることで、日本経済に活気が戻ることに期待したいところです。
今回は、スタートアップとは何か、ベンチャーや中小企業との違いについてご紹介しました。
ベンチャー企業は中長期的な視点で事業を行っているのに対し、スタートアップは新しいビジネスモデルで短期間での急成長を狙っているという部分に違いがあるということを覚えておきましょう。
なお、スタートアップの短期急成長のカギとなる、資金調達の際に登場するVC(ベンチャーキャピタル)については、以下の記事でも詳しく説明していますので、あわせてご覧ください。
画像出典元:burst
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