ユニコーン企業とは?世界ランキングと国内スタートアップについて解説!

ユニコーン企業とは?世界ランキングと国内スタートアップについて解説!

記事更新日: 2021/04/15

執筆: 編集部

昨今「ユニコーン企業」という言葉を聞く機会も増えてきました。

ユニコーン企業になることは世界中のスタートアップの一つの目標とも言えます。

アメリカ・中国の印象がとても強いユニコーン企業ですが、日本でも状況は変化し新しい企業が続々と出てきています。

今回の記事では、「ユニコーン企業は何か」と言う基本的な部分から、ユニコーン企業の世界ランキング、国内のユニコーン企業についてまとめて紹介します。

ユニコーン企業とは

ユニコーン企業とは、起業してから年数が浅いにも関わらず市場から高く評価されている企業のことを指します。

ユニコーン企業という言葉は、ベンチャーキャピタリストのアイリーン・リーが2013年に発案しました。

大成功したベンチャー企業は希少なため、希少性を表すために神話出てくる伝説上の生き物であるユニコーンという言葉を頭につけたのです。

ユニコーン企業の条件

ユニコーン企業はよく聞く言葉ではありますがどんな企業を指すのでしょうか。

ユニコーン企業の条件について説明します。

創業10年以内

ユニコーン企業の条件の1つは企業してから10年以内ということです。

そのためかつてユニコーン企業であっても、数年するとユニコーン企業に該当しなくなる場合も多いのです。

現在は世界を代表する企業であるフェイスブックやツイッターもかつてはユニコーン企業でした。

元々ベンチャー投資の世界で生まれた言葉であり、10年を超えるとベンチャー企業という枠組みから離れると考えられることから10年が一つの基準となっています。

評価額10億ドル以上

評価額が10億ドル以上という点も条件です。

日本円に換算すると少なくとも1000億円以上の評価額となります。

1000億以上でユニコーン企業と称されますが、さらに評価額が高い場合は別の表現で表されます。
評価額が100億ドル以上の場合は、デカコーン企業、1000億ドル以上の場合はヘクトコーン企業と言います。

「デカ」というのは、「deca」という10個単位を表す言葉であり、ユニコーンの10倍という意味から10億ドルの10倍で100億、「ヘクト」は「hecto」という100倍を意味する言葉なのでユニコーンの100倍の1000億以上の企業を表すのです。

ユニコーンは一角獣であり、単一を意味する「uni」が踏まれているため、10倍や100倍を意味する造語が生まれたと考えられます。

非上場である

非上場もユニコーン企業の条件です。

例え他の条件が満たされていても上場すればユニコーン企業ではなくなります。

これも上場する際に大きなリターンを得ることができる、ベンチャー投資の世界から生じた言葉だと考えると納得できます。

日本ではかつてフリマアプリで有名なメルカリもユニコーン企業の1つでしたが、2018年6月に東証マザーズに上場したためユニコーン企業の条件に当てはまらなくなりました。

テクノロジー企業であることが条件となる場合もある

最後の項目は必須条件ではありませんが、テクノロジー関連企業であることが条件となる場合もあります。

実際にユニコーン企業のほとんどがテクノロジー関連企業であるという事実があります。

世界のユニコーン企業ランキング

ユニコーン企業の条件について説明してきましたが、ユニコーン企業の数は国によって大きく違います。

国別のユニコーン企業輩出ランキングと世界のユニコーン企業の企業価値ランキングについて紹介します。

国別ユニコーン企業輩出ランキング

世界各国で生まれた企業がユニコーン企業として成長していますが、アメリカと中国が圧倒的にユニコーン企業が多くなっています。

CB Insightによる2019年9月時点の報告では、トップのアメリカが151社、2位の中国が82社です。3位のイギリスの16社、インドの13社と比べるとアメリカと中国が圧倒的に強いことがわかります。

アメリカと中国だけで全世界の50パーセント以上のユニコーン企業を輩出しています。

国別ランキング(2019年9月)

1位:アメリカ(151社)

2位:中国(82社)

3位:イギリス(16社)

4位:インド(13社)

 

企業価値別企業ランキング

企業価値別のランキングも見ていきましょう。

1位のバイトダンスは、Tick Tockを運営する企業でありその企業価値は実に750億ドルです。

2位はライドシェアで世界的にも有名なuberで720億ドル、3位は中国でライドシェアサービスを展開するディディチューシンとなっています。

4位はコワーキングスペース事業を展開するウィーワーク、5位は日本でも有名な民泊サービスのエアビーアンドビーがランクインしており、1位〜5位までをアメリカと中国で独占しています。

企業価値ランキング(2019年9月)

1位: バイトダンス(Bytedance) 企業価値:750億ドル(中国)

2位:ウーバー(Uber)企業価値:720億ドル (アメリカ)

3位:ディディチューシン滴滴出行(Didi Chuxing)企業価値:560億ドル(中国)

4位:ウィーワーク(We Company)企業価値:470億ドル(アメリカ)

5位:エアビーアンドビー(Airbnb)企業価値:293億ドル(アメリカ)

 

日本発!ユニコーン企業に成長したスタートアップ

国別ランキングや企業価値ランキングに日本や日本の企業はランクインしていませんでしたが、日本にもユニコーン企業は存在します。

2020年3月時点で、日本のユニコーン企業は7社存在しています(参考:「国内スタートアップ想定時価総額ランキング最新版(2020年3月」)。

ユニコーン企業に成長した日本のスタートアップ7社について紹介します。

Preferred Networks

Preferred Networks(プリファードネットワークス)は、ディープラーニングをはじめとする機械学習の研究と開発を行うスタートアップです。

Preferred Infrastructure からスピンアウトする形で2014年に創業されました。

2020年3月時点の想定時価総額では国内スタートアップの中で断トツの1位であり、2位以下を倍以上の差を付けています。

IoTとディープラーニングを掛け合わせる技術力を武器に快進撃を続けています。

クリーンプラネット

クリーンプラネットは、新水素エネルギーを研究開発するスタートアップです。

東北大学との産学連携による「量子水素融合を用いた量子水素エネルギー」の実用化研究に取り組んでいます。

実用化にはまだ時間がかかるものの、技術力を期待され、三菱地所をはじめ様々な企業が出資しています。

持続可能な社会の実現を目指した取り組みが必要とされる現代において、価値が高まっている企業です。

スマートニュース

スマートニュースは2012年に創業されたニュースアプリを開発・運営を行うスタートアップです。

CMも多数放映されており、一般の認知度も高いサービスです。日本だけでなくアメリカでも急速に利用者数を増やしています。

TBM

TBMは2011年に創業した新素材メーカです。

石灰石を原料とする紙とプラスチックの代替素材である「LIMEX(ライメックス)」を開発しています。

LIMEXはリサイクルして継続的に使えるものを生み出す素材であり、サスタナビリティが求められる現代の問題を解決し得る可能性のある素材です。

リキッドグループ

リキッドグループは、仮想通貨取引所事業を展開しているスタートアップです。

仮想通貨取引所「Liquid by Quoine(リキットバイコイン)」を運営するQUOINEをグループに持っています。

2014年に創業し、日本だけでなく、シンガポール、ベトナム、フィリピンで事業を拡大させています。

TRIPLE-1

TRIPLE-1は国内唯一のブロックチェーンの技術開発会社です。

ブロックチェーン技術の1つであるマイニングの専用チップ「KAMIKAZE」や「KAMIKAZE2」、ディープラーニング向けAIプロセッサの「GOKU」を開発しています。

ブロックチェーン技術の1つであるマイニングを中心にイノベーションを起こしています。

Spiber

Spiber(スパイバー)は、新素材である「QMONOS(クモノス)」の開発を手掛けているスタートアップです。

QMONOSはクモの糸の遺伝子を解析し、人工タンパク質から作られた繊維です。

石油を使わずに、現在の主流である合成繊維やプラスチックと同様の性能を持つ素材を作ることができることから、環境に優しく世界的にも注目されています。

まとめ

これからの世界を変える可能性に満ちたユニコーン企業。

ユニコーンの輩出国というとアメリカ・中国が非常に強いですが、日本発のユニコーン企業が世界を代表する企業になり、世界の枠組みを変える日もそう遠くはありません。

日本発のユニコーン企業7社の今後の動向をぜひチェックしてみてください。

画像出典元:Unsplash、Pixabay、Preferred Networks、クリーンプラネット、スマートニュース、TBM、リキットグループ、TRIPLE-1、Spider

最新の記事

ページトップへ