近年、国内外で宇宙関連ビジネスが急成長し、宇宙開発に携わりたいと感じている人も多いのではないでしょうか。
宇宙開発ベンチャー企業は日本だけでも50社以上あり、アメリカでは1,000社を超える民間企業が参入するほど、注目を浴びているのです。
今回は宇宙開発ベンチャー企業国内外16社をピックアップし、事業内容について紹介します。
このページの目次
宇宙ビジネスが注目されるようになった背景は、次の3つが考えられます。
これまで宇宙開発は莫大なコストと国家安全保障上の問題で、国家主導で開発が行われていました。
2005年にアメリカ政府によって政策変更が行われ、2010年には政府の宇宙技術やインフラが商業利用できるようになり、民間企業でも開発が可能になったのです。
国内でも、新規参入事業者への支援として開発予算や技術開発の支援が行われています。
民間企業での開発が緩和されたことで、多くの企業が宇宙開発を進め、今では衛生の3分の2は民間企業のものです。
それに伴い世界的投資家も宇宙ビジネスに注目し、現在の宇宙ビジネスの規模は40兆円ほどになりました。
さらに20年後には100兆円まで伸びる急成長市場として注目されていて、これまで以上の市場活発化が期待されています。
国内のスペース・コロニー研究センターによると、2025〜2035年には食料や居住場所などのインフラを整備予定で、地球からの移住も現実味を帯びてきました。
すでに民間人の宇宙旅行も続々と実現しており、アメリカではすでに4社が宇宙旅行サービスを展開しています。
日本でも前澤友作さんが、2021年12月に12日間の宇宙旅行に行ったニュースも記憶に新しいのではないでしょうか。
2021年7月にも、Blue Origin(ブルー・オリジン)とVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)が民間人のみで旅行を成功させています。
NASAも2024年からは月軌道上への宇宙ステーションなどの開発予定を発表しており、近い将来宇宙へ移住することも可能になるでしょう。
宇宙ビジネスには、宇宙旅行事業やインフラ構築、衛星データ技術活用事業など、さまざまな種類があります。
ここで主な宇宙ビジネスの種類を6つ紹介します。
宇宙ビジネスの輸送系とは、宇宙へ物や人を輸送するビジネスです。
今後、宇宙旅行や月面探査などの活発化により、国内外問わず急成長している事業でもあります。
輸送系の開発費用や初期費用は多くの企業が開示していませんが、ロケットの開発費が2,000億以上となっているので、同等かそれ以上となるでしょう。
打ち上げた人工衛星から取得したデータを基に、さまざまなサービスを行うビジネスです。
身近な例としてはGPSなどの測位衛星、気象衛星「ひまわり」などの観測衛星、衛星を利用した通信や映像サービスなどがあります。
取得したデータは現在抱えている産業課題の解決や農機の自動運転、ドローンによる自動配達などに活用されているのです。
宇宙利用の実現に欠かせないインフラ構築・運用事業は、先に紹介した輸送系、衛星データ技術活用系を含めて4種類です。
今後発展していくであろう事業として、打ち上げた衛星の管理や操作を行う「地上システム活用系」、打ち上げた後のメンテナンスやゴミ処理を行う「宇宙軌道上サービス系」があります。
地上システム活用系は、打ち上げ後の人工衛星へ操作コマンドを送信、衛星からのデータを受信するシステム開発事業が主です。
遠隔では対応しきれない衛星の修理や部品のドッキング、打ち上げ時に発生する宇宙ゴミの処理を行う宇宙軌道上サービスは宇宙進出が進むにつれ発展していくでしょう。
宇宙旅行・移住・滞在系ビジネスはすでに海外で賑わいを見せており、2028年には140億ドル(約1.5兆円)になるとの予測です。
宇宙旅行は現在4つのサービスが展開されていて、サービスによって価格が異なります。
ヴァージン・ギャラクティック | ブルーオリジン | スペースX | スペース・アドベンチャーズ | |
旅行プラン | 宇宙空間体験旅行 (無重力 約4分) |
宇宙空間体験旅行 (無重力 約3分) |
ファルコンロケットによる国際宇宙ステーション滞在旅行 | ソユーズロケットによる国際宇宙ステーション滞在旅行 |
旅行価格 | 45万ドル | 20万ドル | 5,500万ドル | 3,700万ドル |
開発費用 | 4億ドル | 5億ドル | 3.9億ドル | 非公開 |
スペースXでは2023年に月旅行ツアーの開始が予定されているので、今後さらに宇宙旅行ビジネスは活発化していくでしょう。
宇宙進出に欠かせない探査・資源開発系ビジネスは、人が行う「有人宇宙探査」と探査機を利用する「無人宇宙探査」の2つがメインビジネスです。
宇宙旅行とは異なり、探査を行うためのビジネスには以下のようなものがあります。
探査・資源開発系は他の宇宙ビジネスと比べて、技術面での課題が多く、マネタイズが難しいといわれています。
将来的に宇宙へ移住するには見逃せないビジネスですが、投資に見合う結果が得られるのか今後に期待されている市場です。
上記の他にも宇宙ビジネスサービスは増えていて、今後ますます細分化されると予想されています。
宇宙ビジネスは世界各国で活発化していて、ビジネスモデルも未だ確立されていません。
今後も民間企業の参入は増加していくであろう分野であり、投資先としてだけでなく就職先としても注目されています。
ここで宇宙ビジネスを行っている日本のベンチャー企業を6社紹介します。
画像出典元:「株式会社アストロスケール」公式HP
株式会社アストロスケールは、宇宙ゴミ除去ビジネスを行っている世界で唯一の宇宙ベンチャー企業です。
世界で初めてスペースデブリ回収実証衛星「ELSA-d」の打ち上げに成功し、さらに疑似デブリの捕獲も成功しています。
企業名 | 株式会社アストロスケール |
本社所在地 | 東京都墨田区錦糸1-16-4 |
設立 | 2013年5月4日 |
上場 | 非上場 |
拠点 | 日本(本社)、イギリス、アメリカ、イスラエル、シンガポール |
事業内容 |
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画像出典元:「株式会社アクセルスペース」公式HP
株式会社アクセルスペースは、超小型人工衛星の開発・製造やソリューション提案を行っている宇宙ベンチャー企業です。
防災や保険、金融などリアルタイム情報を必要とする企業への衛星データの提供などを行うために、合計5基の衛星を打ち上げています。
企業名 | 株式会社アクセルスペース |
本社所在地 | 東京都中央区日本橋本町3-3-3 |
設立 | 2008年8月8日 |
上場 | 非上場 |
拠点 | 日本(東京) |
事業内容 |
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画像出典元:「ispace」公式HP
ispaceは2024年に行われるNASAの「アルテミス計画(月試料収集プロジェクト)」にも選定されている月の宇宙資源活用を行っているベンチャー企業です。
最初の出資ラウンドである、シリーズAで世界最高額の103.5億円の資金調達を達成したことでも有名なベンチャー企業でもあります。
企業名 | ispace |
本社所在地 | 東京都港区芝2-7-17 住友芝公園ビル10F |
設立 | 2010年9月 |
上場 | 非上場 |
拠点 | 日本(本社)、アメリカ、ルクセンブルク |
事業内容 |
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画像出典元:「株式会社スペースシフト」公式HP
株式会社スペースシフトは、衛星から取得したデータの解析・活用を行っている宇宙ベンチャー企業です。
「AI×宇宙で世界をひもとく」ことを目標とし、衛星から得たデータを解析して総量把握や生産量把握を可能にするソフトウェア開発が行われています。
企業名 | 株式会社スペースシフト |
本社所在地 | 東京都千代田区大手町1丁目6番1号 大手町ビル6階 |
設立 | 2009年12月 |
上場 | 非上場 |
拠点 | 日本(東京) |
事業内容 |
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画像出典元:「株式会社インフォステラ」公式HP
インフォステラは周回衛星向けのプロバイダーで、地上局ネットワークを仮想化するクラウドプラットフォーム「StellarStation」を運用しているベンチャー企業です。
StellarStationは一度のセットアップで世界中の地上局にアクセスができ、稼働時間は他の衛星運用者へ貸し出すことで収益を得ることができます。
企業名 | 株式会社インフォステラ |
本社所在地 | 東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビル32階 |
設立 | 2016年1月 |
上場 | 非上場 |
拠点 | 日本(東京)、アメリカ、イギリス |
事業内容 |
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画像出典元:スペースワン株式会社公式HP
スペースワンは宇宙宅配便の事業化を目指し、世界最短と世界最高頻度の小型ロケット打ち上げサービスを行っているベンチャー企業です。
キヤノン電子株式会社や清水建設株式会社など大手企業が出資しているベンチャー企業であり、2021年にロケット射場の建設にも着手されています。
企業名 | スペースワン株式会社 |
本社所在地 | 東京都港区芝公園3丁目5番10号 |
設立 | 2018年7月 |
上場 | 非上場 |
拠点 | 日本(東京) |
事業内容 |
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海外の宇宙ビジネスは、日本以上に発展を遂げていて、多くのベンチャー企業が存在します。
ここで海外を拠点にしている宇宙ビジネスのベンチャー企業10社を紹介します。
画像出典元:「Virgin Galactic」公式HP
Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)は、アメリカで宇宙旅行ビジネスを行っているベンチャー企業です。
宇宙旅行会社として初の上場企業であり、かつては衛星打ち上げビジネスも行われていました。
拠点はアメリカのみですが、Virgin Galactic主催の宇宙旅行はクラブツーリズム宇宙旅行クラブにて購入することができます。
企業名 | Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック) |
本社所在地 | アメリカニューメキシコ州 |
設立 | 2004年 |
上場 | 上場(2019年10月) |
拠点 | アメリカ |
事業内容 |
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画像出典元:「Rocket Lab」公式HP
Rocket Lab(ロケット・ラボ)は小型ロケットの開発だけでなく、人工衛星の軌道上にロケットを複数回打ち上げているアメリカのベンチャー企業です。
ニュージーランドに打ち上げ射場を持っていますが、NASAの所有している打ち上げ施設の利用契約も行っているため、場所にこだわらずロケットを打ち上げられます。
日本に拠点はありませんが、日本企業である株式会社Synspectiveと衛星打ち上げ契約を締結しているので、今後日本企業との提携も増えるかもしれません。
企業名 | Rocket Lab(ロケット・ラボ) |
本社所在地 | アメリカカリフォルニア州ロサンゼルス |
設立 | 2007年 |
上場 | 上場(2021年8月) |
拠点 | アメリカ、ニュージーランド |
事業内容 |
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画像出典元:「Spire Global」公式HP
Spire Global(スパイアグローバル)は、超小型人工衛星から取得したデータをアナリティクス分析とともにSaaSとして提供しているベンチャー企業です。
衛星の数は宇宙ビジネス企業の中で第3位となっていて、電波観測をメインとしたサービス展開が行われています。
アメリカ以外にヨーロッパで2拠点、アジアではシンガポールに拠点を置いていますが、日本に拠点はありません。
企業名 | Spire Global(スパイアグローバル) |
本社所在地 | アメリカカリフォルニア州サンフランシスコ |
設立 | 2012年 |
上場 | 上場 |
拠点 | アメリカ、ルクセンブルク、グラスゴー、シンガポール |
事業内容 | 衛星取得データアナリティクス分析・データ提供 |
画像出典元:「Planet Labs」公式HP
Planet Labs(プラネットラボ)は、民間企業最多の衛星数150個を運用している地球観測、衛星画像の提供を行っているアメリカのベンチャー企業です。
1日300万枚以上の画像からデータを取得、解析し、世界各国の農業、林業、金融、政府機関など多くの顧客へソリューションを提供しています。
シンガポールにアジアとして拠点を置き、過去には日本語を話せる営業職を募集していたこともあるので、日本へ進出してくる可能性も高いです。
企業名 | Planet Labs(プラネットラボ) |
本社所在地 | アメリカカリフォルニア州サンフランシスコ |
設立 | 2010年 |
上場 | 上場(2021年12月) |
拠点 | アメリカ、カナダ、ドイツ、シンガポール |
事業内容 |
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画像出典元:「SpaceX」公式HP
宇宙ビジネスのベンチャー企業の中でもひときわ話題になっているのが、SpaceX(スペースエックス)。
Twitter買収で話題になったイーロン・マスク氏によって設立されたベンチャー企業で、民間企業で初めて有人宇宙飛行を成功させた企業として有名です。
日本に拠点はなく、事業内容に応じてアメリカ内の10拠点で各種開発・打ち上げを行っており、今後も拠点の増加や拡大が予想されています。
企業名 | SpaceX(スペースエックス) |
本社所在地 | アメリカカリフォルニア州ホーソーン |
設立 | 2002年 |
上場 | 非上場 |
拠点 | アメリカに複数拠点 |
事業内容 |
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画像出典元:「Axiom Space」公式HP
Axiom Space(アクシアム・スペース)は、宇宙ステーションの開発や運用を行っているベンチャー企業です。
2022年4月に有人宇宙船「クルードラゴン」を用いて、民間人のみで国際宇宙ステーションに滞在するAx-1ミッションを成功させました。
Axiom Spaceの本社所在地はアメリカで、日本に拠点はありません。
企業名 | Axiom Space(アクシアム・スペース) |
本社所在地 | アメリカテキサス州 |
設立 | 2016年 |
上場 | 非上場 |
拠点 | アメリカ |
事業内容 |
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画像出典元:「Astrobotic」公式HP
Astrobotic(アストロボティック・テクノロジー)は、惑星探査ミッションのために宇宙ロボット技術を開発・製造しているアメリカのベンチャー企業です。
2021年秋に民間企業として初めて月面探査を行うプロジェクトが発足され、2022年後半には宇宙船の打ち上げが予定されています。
日本に拠点はありませんが、今回月面探査を行うのは、株式会社ダイモン(日本企業)が製造した世界最小最軽量の月面探査車「YAOKI」です。
企業名 | Astrobotic(アストロボティック・テクノロジー) |
本社所在地 | アメリカペンシルべニア州ピッツバーグ |
設立 | 2007年 |
上場 | 非上場 |
拠点 | アメリカ |
事業内容 |
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画像出典元:「OneWeb」公式HP
OneWeb(ワンウェブ)はソフトバンクが10億ドルの出資を行い、衛星通信サービスの協業が決定されている衛星通信サービスベンチャー企業です。
ソフトバンクの他にも、エアバスやコカ・コーラなど多くの企業から出資を受け、これまでに182基の衛星打ち上げに成功しています。
地球規模でインターネット環境を提供することを目標としていて、低軌道衛星によるコンステレーションを実現することでIoTが発展、5G通信も強化されるかもしれません。
企業名 | OneWeb(ワンウェブ) |
本社所在地 | アメリカ |
設立 | 2012年 |
上場 | 非上場 |
拠点 | アメリカ |
事業内容 | 衛星通信サービスの展開 |
画像出典元:「Blue Origin」公式HP
民間向けに安価で宇宙旅行サービスを展開しているBlue Origin(ブルーオリジン)は、Amazonの創業者ジェフ・ベゾス氏が率いるベンチャー企業です。
宇宙旅行サービス企業の中では破格の値段でサービス提供されていて、宇宙輸送事業も行っています。
現在拠点はアメリカのみとなっていて、日本の拠点開設予定はありません。
企業名 | Blue Origin(ブルーオリジン) |
本社所在地 | アメリカワシントン州ケント |
設立 | 2000年 |
上場 | 非上場 |
拠点 | アメリカ |
事業内容 |
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画像出典元:Orbital Insightn公式HP
Orbital Insightn(オービタルインサイト)は、衛星やドローン、気球などで取得した画像の分析サービスを提供している地理空間分析ベンチャー企業です。
取得したデータは人工知能(AI)と機械学習(ML)を組み合わせて、石油タンクの石油量の推定や特定店舗の売上予測などに貢献しています。
日本の拠点は千代田区丸の内にあり、船舶自動識別装置(AIS)を使って大井埠頭で停泊中の船を解析した結果などが発表されました。
企業名 | Orbital Insightn(オービタルインサイト) |
本社所在地 | アメリカカリフォルニア州パロアルト |
設立 | 2013年 |
上場 | 非上場 |
拠点 | アメリカ、イギリス、日本(東京) |
事業内容 | 衛星取得画像による画像分析・解析 |
衛星は毎年1,000個以上のペースで打ち上げられていて、1957年に打ち上げられたスプートニク1号から現在まで、数多くの衛星が打ち上げられています。
ここで、現在打ち上げられている衛星の数について確認してみましょう。
2021年12月時点で打ち上げられている人工衛星の数は約12,000個です。
近年は小型衛星化に伴い打上数も増加傾向にあり、打ち上げられる人工衛星の3分の2は民間企業が打ち上げています。
全世界をカバーできるグローバルサービスの展開を目的として、小型衛星を打ち上げている企業が多い傾向です。
サービスの発展につながる人工衛星ですが、宇宙に人工衛星が増えすぎると衛星同士が衝突事故を起こしてしまう危険性があります。
人工衛星同士が事故を起こしてしまうと、遠隔操作ができずそのまま宇宙空間のゴミ(スペースデブリ)になってしまうかもしれないのです。
スペースデブリが増えると人工衛星同士だけでなく、人間が搭乗している宇宙船との事故も起こるかもしれません。
利便性を高めるために打ち上げた人工衛星ですが、それが原因で宇宙開発が滞る可能性もあるため、現在スペースデブリの除去方法について議論されています。
宇宙開発ベンチャー企業の採用方法は企業によって異なります。
理系出身の職員が多いと思われがちですが、特定の専攻でないと採用されないということはありません。
特別な資格や免許がなくても、宇宙開発ベンチャー企業に就職することはできます。
たとえば、ロケット開発なら、宇宙工学・航空工学・機械工学などの知識が必要です。
天体をはじめ衛星の軌道を計算する「軌道力学」、ロケットや衛星をコントロールするために必要な「制御力学」など
物体が浮遊するときの空気の働きについて学ぶ「空気力学」、飛行物体を安定させコントロールできるようにするための「飛行力学」など
数学・物理の基礎知識を身につけ、情報処理分野を学び電子回路の理解を深める
部品提供をしている企業もあれば、企画から打ち上げまで行う企業もあります。
企業によってはインターンを導入している場合があるので、採用情報を確認してみましょう。
久留米工業大学では、民間ベンチャーの宇宙開発関与について次のように紹介しています。
国産のH3ロケットでも、機体を構成する100万点以上の部品の多くは民間企業から調達されています。また、開発素材や製造工程を工夫する事で民間企業がロケットを打ち上げるためのコストは大きく抑えられているため、ノウハウを蓄えた民間ベンチャーが宇宙開発の分野で急成長を遂げているケースも多い……。
引用元:久留米工業大学「宇宙開発技術者として民間企業に就職する」
将来100兆円にもなるといわれている宇宙ビジネスは、今後さらに活発化するでしょう。
民間企業の参入がしやすくなったことで、さまざまなビジネスモデルの確立が期待できます。
人類の宇宙進出は夢だといわれてきましたが、今では民間人のみで宇宙旅行の実現も叶う時代になってきました。
衛星インターネットサービスを中心とした「宇宙利用」、宇宙旅行など輸送、地上システムとの連携を行う「宇宙インフラ」は宇宙進出のためにより活発化すると予想されています。
月や火星探査を目的とする「宇宙探査」も高度化が進むとされていて、月面の資源開発では人が居住するためのインフラ整備が進行中です。
日本でも政府が民間企業支援のために、政府の衛星データのオープン化や異業種企業からの宇宙ビジネス参入促進など、多くの施策を行っています。
民間企業の参入が多くなれば、技術力の競争やイノベーションも起きやすくなるので、宇宙ビジネスもさらに発展していくでしょう。
専門性の高い宇宙開発事業ですが、特別な資格や免許がなくても働くことができるため、宇宙への憧れや壮大な仕事をしたいと感じている人に向いています。
夢とされていた宇宙旅行も民間人飛行が可能になったことで、近い将来一般人でも気軽に宇宙旅行に行けるかもしれません。
これから宇宙ビジネスに携わりたいと考えているなら、「どんなアプローチで宇宙開発に関わりたいのかを明確にする」ことがいちばんの近道となりそうです。
画像出典元:o-dan
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