企業規模を表す言葉はたくさんありますが、その中でも「中小企業」とはどのような企業なのでしょうか?
法人税の軽減や補助金が受けられるといった大企業にはない特徴が中小企業にはあります。中小企業の特徴を理解し、経営に活かしていきましょう。
この記事では中小企業の具体的な定義や業種の分類方法、中小企業と小規模企業との違い、みなし大企業のほか、中小企業のメリットを解説します。
このページの目次
まずは中小企業の定義について解説します。
中小企業庁では中小企業を以下の表の定義で定めています。
この条件に当てはまる企業が「中小企業」と呼ばれます。
中小企業かどうかを判断する上で重要なのは資本金と従業員数です。
それぞれの業種で上記の表に照らし合わせて判断する必要があります。
「資本金と従業員数の両方が上記の表に当てはまっていなければならない」というわけではないので注意が必要です。
どちらかを満たしていれば中小企業と見なされるということを忘れないようにしましょう。
ただし、中小企業関連立法では、
・一部を除いたゴム製品製造業は資本金3億円以下または従業員900人以下
・旅館業は資本金5千万円以下または従業員200人以下
・ソフトウェア業・情報処理サービス業は資本金3億円以下または従業員300人以下
を中小企業とする場合があります。
上記の業種に当てはまる企業で、中小企業かどうかがはっきりと分からない場合は法令所管課に問い合わせましょう。
現在日本には421万社の企業が存在しますが、その中の99.7%を占める420万社が中小企業です。
大企業はたったの0.3%しか存在しません。
そのため日本では中小企業の活性化が経済の鍵を握ります。
大多数を占める中小企業が活性化することで、日本経済は安定するのです。
中小企業の他にも小規模企業という言葉も存在します。
この2つは明確に分けられているので、小規模企業に関する理解も深めましょう。
中小企業か小規模企業かは従業員の数で分かれます。
上記の表に当てはまる場合小規模企業に分類されます。
「商業」とは卸業・小売業のことです。
また、サービス業とは客の要望に直接答える業務のことを意味しています。
具体的にどのようなサービスかは定められておらず、物だけでなく体験や知識などを提供することもサービス業です。
商工会および商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律(小規模事業者支援法)、中小企業信用保険法、小規模企業共済法の3法では、宿泊業及び娯楽業は従業員が20人以下である場合は小規模企業と定めています。
零細企業とはとても小さな企業のことを指していますが、法律上に明確な定義があるわけではありません。
そのため中小企業や小規模企業のことを零細企業と呼ぶことがあります。
「従業員数が少なく、設備も少ない企業」というイメージを表す言葉です。
企業規模を表す言葉の中には「みなし大企業」というものも存在します。
みなし大企業は果たして中小企業なのでしょうか?どのような企業なのかを以下では解説します。
みなし大企業は大企業の傘下に入っている中小企業のことを指します。
親会社が自社の株式を保有しているなど、実質的に経営を大企業に握られている中小企業です。
みなし大企業は中小企業に分類されます。
企業規模が大企業というわけではありません。
しかしみなし大企業は通常の中小企業とは異なる扱いを受けます。
国や自治体による制度が適用されないことがあるのです。
中小企業支援の補助金や法人税の軽減措置などがみなし大企業は受けられない可能性があります。
2019年にみなし大企業の範囲の見直しがなされました。
その見直しによって、
・発行済株式の総数又は出資金額の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している中小企業
・発行済株式の総数又は出資金額の総額の3分の2以上を大企業が所有している中小企業
・大企業の役員又は職員を兼ねている者が、役員総数の2分の1以上を占めている中小企業
(引用:中小企業庁)
と定められました。
これによって税制上での扱いが変わった企業も存在します。
中小企業と対義語のような言葉である大企業。
実際に大企業にはどのような定義があるのかを説明しましょう。
大企業の辞書的な意味は、
多額の資本金を有し、多数の従業員を雇用する大規模な企業。
(引用元:デジタル大辞泉)
となっています。
法律的に大企業が定義されているわけではありません。
そのため慣例的に中小企業に当てはまらない企業を大企業と呼んでいます。
上記で解説した中小企業の定義を裏返すと以下の表のようになります。
この条件を満たしている企業が大企業として扱われます。
つまり一定以上の資本金と従業員数を満たしている企業が大企業なのです。
上場企業とは一定の基準を満たしており、その上で証券取引所で株式取引が行われている企業のことを指します。
企業規模は関係ありません。
中小企業でも上場企業になることはできると同時に、「大企業=上場企業というわけでもないのです。
中小企業では自社がどの業種に当てはまるのかを明確にしなければなりません。
業種の分類を調べる方法を紹介します。
業種の分類は総務省のホームページで調べられます。
https://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/sangyo/02toukatsu01_03000023.html
上記のサイトでどの業種にあてはまるかが調べられます。
さらに下記のサイトを見ると中分類・小分類のコードが確認できます。
https://www.chusho.meti.go.jp/soshiki/kaitei_13.pdf
中小企業の定義は業種ごとに資本金の額や従業員数が異なります。
自社が中小企業かどうかを調べる上では業種を明らかにしなければなりません。
総務省のサイトを使って業種を明確にしましょう。
また、政府統計の総合窓口であるe-Statでもコードは検索できます。
https://www.e-stat.go.jp/classifications/terms/10
中小企業には大企業と異なるメリットが存在します。
メリットを理解した上で会社運営に生かしていきましょう。
多くの設備や従業員を抱える大企業とは異なり、中小企業の方が身軽に動けます。
社会情勢などにも柔軟な対応が可能です。
オーナー経営であることが多い中小企業では、迅速な意思決定が行われます。
大企業とは異なり中小企業は政府や自治体からの補助金や助成金が受けられる場面が多いです。
経済の大きな流れや、経営面での支援が中小企業は受けられます。
中小企業庁では中小企業に向けた補助金や助成金の公募も行なっています。
昨今の新型コロナ禍の中でも中小企業に対する対策がなされています。
大企業に比べて中小企業の方が法人税が安いという特徴があります。
現在法人税は23.4%ですが、中小企業の場合15%にまで軽減されることがあるのです。
中小企業は法律で明確に定義がされています。
大企業とは異なり、中小企業は補助金や法人税の軽減措置などが受けられるというメリットがあります。
中小企業への理解を深め、経営に活かしていきましょう。
画像出典元:Pixabay
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