SNSコンサルとは?仕事内容と運用代行の違い・費用相場や会社の選び方など解説

SNSコンサルとは?仕事内容と運用代行の違い・費用相場や会社の選び方など解説

記事更新日: 2024/04/15

執筆: 遠藤亜美

SNSを使ったビジネス戦略を効果的に展開したいなら「SNSコンサル」がおすすめです。

SNSは場当たり的な使い方をしても、なかなか思ったような結果が得られません。

明確な目標設定のもと、緻密な戦略を立てて実践してこそ効果が高まるものです。

とはいえ、トレンドが目まぐるしく変化するSNSの世界は、素人が頑張ったところで簡単に結果を出せるほど甘くはありません。

そこでSNSコンサルの出番です。

SNSコンサルを活用すると、正当なセオリーに裏付けられた施策により確実なマーケティング効果が得られると期待できます

今回は、そんなSNSコンサルの業務範囲や費用相場、選定のポイントやメリットについて詳しく解説します。

SNSコンサルとは

SNSコンサルとは、企業や自治体などが運用するSNSに対して、戦略や運用方針を提案のうえ、運用効果を高めるさまざまな支援を行う専門家のことです。

効果を検証しながら改善点を追求し、さらに上回る施策を打ち続けるのも重要な役割です。

企業や自治体のマーケティングにおけるSNSの重要度は増す一方のため、上手く活用できれば絶大な効果が得られます。

しかし、適切な施策が打てなければ思うような結果が得られないのも現実です。

そこで、確実な業績アップを狙う目的で、SNSコンサルの専門的知見とスキルを活かす動きが活発化しているのです。

SNSコンサルとSNS運用代行の違い

名称 役割 費用相場 依頼ケース
SNSコンサル 戦略や運用方針を提案のうえ、運用効果を高めるさまざまな支援を行う 月額:10万円〜25万円 SNS運用の運営戦略・方針の支援をして欲しい人
SNS運用代行 SNSにおける投稿コンテンツの作成や投稿業務、ユーザーとのコミュニケーションを行う 月額:20万円〜30万円 SNSに関する知識がなく代わりに運用してほしい人

SNSコンサルに似た言葉に、「SNS運用代行」があります。

SNS運用代行とは、SNSにおける投稿コンテンツの作成や投稿業務、ユーザーとのコミュニケーションを図るのが役割です。

戦略的な支援を行うのがSNSコンサルで、実務面でのサポートを行うのが、SNS運用代行と考えるとわかりやすいでしょう。

SNS運用代行についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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SNSコンサルの仕事内容


SNSコンサルの業務内容一覧

SNS戦略立案・目的の明確化

SNSコンサルの最重要ともいえる業務は、SNS戦略を打ち立て、運用する目的を明確にすることです。

どのようなコンテンツを、どんなタイミングや方法で、だれに、どれくらい発信していくのか、それによってどのような効果を狙うのかということをはっきりさせます。

目的を明確にすると、それを基準に結果を検証することができ、期待した効果が得られなければ戦略を練り直すという次のステップに進むことが可能になります。

PDCAサイクルを回すことでSNSのマーケティング効果を高めていくことが、SNSコンサルに欠かせない役割なのです。

運用方針・投稿の提案

ターゲットユーザーの求める情報を発信したり、自社の製品やサービスに魅力を感じてもらうための仕掛け作りを周到に行って潜在顧客を掘り起こしたりすることが、SNSの重要な役割です。

その中軸となるのが、投稿するコンテンツと運用方針です。

コンテンツの内容や表現方法により、企業やブランドのイメージは大きく違ってくるため、運用方針を明確に打ち立てることもSNS戦略では非常に大切な要素となります。

​​SNSアカウントの構築・運用支援

SNSコンサルによっては、SNSの運用代行を並行して行うケースがあります

SNSのアカウントを構築し、具体的な運用も依頼主に代わって行います。

企業や自治体によっては、SNSを適切に運用することができる人材が不足していることがあり、その状態ではせっかくの戦略が無駄になります。

確実な効果を得るためにも、運用そのものを代行することは非常に有効といえるのです。

SNS運用のみを支援して欲しいという方は、SNS運用代行を検討してみてください。

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レポーティング

SNSの戦略に本当に効果があるかどうかを明確にするには、きちんと検証を行う必要があります。

そのためには、

  • リーチ数
  • インプレッション数
  • リンクのアクセス件数
  • いいね数
  • フォロワー数
  • クリック単価

といった重要業績評価指標(KPI)の具体的なデータをつぶさにチェックし、効果を分析することが大切で、そのレポーティングもSNSコンサルの業務になります。

レポーティングの精度が高ければ、より効果的な次の一手が打てるので、依頼側としては重視すべきポイントともいえるでしょう。

広告運用の提案

SNSによってユーザー属性やターゲティングの特徴はさまざまです。

そのため、自社のイメージやブランドの傾向に合致したSNSを選択し、そこで適切な広告を配信することが非常に重要となります。

その提案を行うのもSNSコンサルの役割です。

広告運用が成功すると、潜在顧客を顕在顧客や顧客へとシフトさせることが可能となるので、SNS施策の効果を高める大切な業務となります。

インフルエンサー活用支援

製品やブランドの認知度を高めるには、適切なインフルエンサーの起用が非常に有効です。

しかし、だれにどのようにアプローチすれば良いかは、なかなか判断が難しいところです。

そこで、どのインフルエンサーをどのようなタイミングで起用するのかを考え、本人への交渉から拡散方法の決定とその実行に至るまでをサポートするのもSNSコンサルです。

SNSでの集客についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

 SNSコンサルの費用相場と業務範囲

SNSコンサルの費用は、サービス内容に応じて変動します。

そこで価格帯別の大まかな業務内容について解説します。依頼する際の参考にしてみてください。

月3万〜5万円でSNSコンサルに依頼した場合

フリーランスの方にSNSコンサルティングを頼むと、一般的には月に3万円〜5万円の相場がかかります。

この価格帯では、主に1日に2〜3回ほどのシンプルなコンテンツ投稿が一般的です。また、月に1回の月次レポートが含まれることもありますが、深い課題分析が期待できるわけではないようです。

月10万〜25万円でSNSコンサルに依頼した場合

企業にSNSコンサルを依頼する場合、月額10万円〜25万円が相場です。この価格帯では、基本的なコンサル業務が提供され、アドバイスや提案や成果検証などのレポーティングが含まれます。

この価格帯のSNSコンサルには、施策の提案や一部SNSの運用代行、SNSマーケティング調査、月次レポートが含まれ、より角度の高い戦略的なコンサルティングを提供してくれるでしょう。

また、この価格帯のSNSコンサルは主に企業が提供しており、一部フリーランスも存在します。サービス内容には戦略的な意思決定や投稿内容のディレクションなどが含まれることが一般的です。

月30万円〜でSNSコンサルに依頼した場合

月30万円以上のSNSコンサルタントの多くは、企業をクライアントとしています。

この価格帯のコンサルタントは、SNSコンサルに加えて運用代行が含まれることが一般的で、SNS運用の全般を委託できるでしょう。

上流工程では戦略立案、マーケティング、改善策の提案、プランニングなどを行い、日々の投稿やフォロワーとのコミュニケーションも管理できるのが特徴です。

SNSコンサル会社を選ぶポイント

SNSコンサルタント会社を選ぶ際のポイントを紹介します。具体的には、以下の4点になります。

  • 過去の実績・実力を確認する
  • 内容に見合った予算範囲か
  • 目的値の決定と検証を行ってくれるか
  • コンプライアンスにおいて信頼できるか

過去の実績・実力を確認する

SNS戦略は実績が全てです。

いくら理屈が立派に聞こえても、実際に効果が見られなければ意味がありません。

よって、過去の実績と具体的な実力を詳しく確認するようにしてください。

施策前後の変化が明確で、その具体的プロセスを詳しく教えてくれる会社は信頼できるでしょう

ただし、「絶対に成果が出る」「すぐに成果が出ます」と軽々に口にする業者は警戒してください。

SNSの世界は、そんなに安易で単純ではないからです。

その辺りの難しさについて正直に語る業者は、信頼がおけます。

内容に見合った予算範囲か

SNSコンサルの業務内容に対して提示された見積もりが適切かどうかも、しっかりと精査する必要があります。

例えば運用に関するアドバイスと月次レポート程度の場合と、リサーチや運用代行、インフルエンサーの活用支援、広告運用の提案といった業務内容とでは、その金額に相当の開きがあります

正式に契約する前に、とくに少ない業務範囲に対して予算が高すぎるようなことがないかを厳しくチェックするようにしてください。

KPIの設定と検証を行ってくれるか

SNSコンサルのクオリティは、適切なKPIの設定と、それに対する達成基準を明確にしてくれるか、さらにそのためにどのような施策を提示できるかにかかっています。

これらが曖昧な場合は要注意です。

過去の実績をヒアリングする際も、このKPIの設定と結果の検証をどのように行ったのかを詳しく確認するようにしてください。

コンプライアンスにおいて信頼できるか

SNSは上手くいけば効果がてき面に現れますが、一つ間違えば大炎上の末、社を揺るがす深刻な問題に発展しかねません。

そのような事態を回避するためにも、コンプライアンスを遵守しているのかについてしっかりと精査する必要があるでしょう。

単に口頭で確認するだけでは不十分です。

実際に運用しているSNSの投稿に細かく目を通し、過激な発言やユーザー心理を無視した表現、常識を著しく逸脱した物言いがないかをしっかりとチェックするようにしてください。

フリーランスのSNSコンサルに依頼しても大丈夫?

SNSコンサルは小規模なものであれば、ノウハウさえあれば個人でもできるものがあるのは間違いありません。

しかし、「コンサルタント」を名乗るのにはなんの資格も要らず、時々詐欺師のようなことをしている自称SNSコンサルがいるのも間違いありません。

そうした自称SNSコンサルはもちろんSNSで集客しているので、接点は持ちやすい一方で重要書類を開示しなかったり、過去の実績が本物なのか判断しずいらいなどの懸念点もあります。

SNSで集客をしているSNSコンサルの中には本当に優秀な人がいるのも事実ですが、最初に依頼するのであれば、SNS経由での依頼は避けるのが無難です。

フリーランスに依頼する場合は知人や友人からの紹介や、口コミで明確な高評価を得ている人に依頼しましょう。

SNSコンサルを個人に依頼する場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。

 

SNSコンサルタントに依頼した時の流れ

SNSコンサルタントに依頼した時の流れは大まかに以下の3STEPです。


SNSコンサルに依頼した時の流れ

1.会社に問い合わせ・ヒアリング

SNSコンサルティング会社の比較を行い、希望に沿った企業を選定しましょう。その後、メールフォームや電話を利用して問い合わせします。

一般的な流れは、コンサルタントから対面やビデオ通話を通じて詳細な打ち合わせが行われます。

SNS運用において達成したい目標や現在の運用状況、商品やサービスの特徴などを丁寧に説明します。

2.提案・打ち合わせ

ヒアリングが終わったら、企画や戦略の提案を受けます。

過去の運用実績だけでなく、競合に関するデータ収集や分析が行われ、SNSマーケティングで目標を達成するプランが提案されます。

現在のSNSアカウントの状況も考慮しつつ、具体的な提案をもとに打ち合わせが進めて、納得できる戦略や戦術が選定され、方針が明確になっていくのです。

3.契約・コンサルティング

納得のいく提案があれば、見積もりを取りや費用やスケジュール・KPIを確認します。この段階で料金体系を確認し、マイルストーンを設定するなど、費用と成果のバランスを調整。

双方が納得できる条件が整ったら契約を締結し、SNSコンサルティング開始です。実務の一部を自社で行うか、SNSコンサルに委託するかを選択できるでしょう。

コンサルティングには効果測定や結果のレポートが含まれるので、詳細を確認して、自社にとって最も有益な形で契約を進めましょう。

SNSコンサルで成功した事例3選

CAPCOM

参考URL:https://www.comnico.jp/clients/capcom

「バイオハザード」や「モンスターハンター」で有名なゲーム制作会社のCAPCOMはSNSコンサルを使ってTwitter(現X)のフォロワーを7万人以上増加させることに成功しています。

また、それにSNSだけでなく同社が独自に行ったアンケート調査では「このブランドのファンである」との回答がSNSコンサル利用前に比べて増加するなどの成果も獲得しています。

森ビル

参考URL:https://www.comnico.jp/clients/moribuilding

年間4000万人が訪れる複合施設「六本木ヒルズ」などを手掛ける国内デベロッパー大手の「森ビル」もSNSコンサルを利用して成果を挙げています。

森ビルは、六本木ヒルズを中心とする都心の複合施設にて、インバウンド需要を取り込むためにInstagramを活用しており、そこにSNSコンサルの手を借りることで1万5000人以上の新規フォロワーを獲得するなどSNSを活用したマーケティングにも力を入れています。

POLA

参考URL:https://www.comnico.jp/clients/pola-bidish

主に女性向けのコスメや小物などを展開するポーラは、新規事業である「BIDISH」リリース当初からInstagramを活用したマーケティングに注力しておりSNSコンサルを利用しています。

ポーラでは、Instagramを活用することでサンプリングキャンペーンの応募者を募集の10倍以上集めるなどSNSを通じた顧客関係を着実なものにしています。

まとめ

今や企業や自治体にとってSNSはマーケティングに必須のツールとなりました。

しかし専門的な知識やスキルがなければ、十分な成果を獲得することは難しいでしょう。

そこでSNSコンサルを上手く活用すると、トレンドをキャッチした適切な施策が可能となります。

KPIの検証や分析によってPDCAサイクルを回せば、継続的にSNS戦略の精度を高めることもできるでしょう。

SNSコンサルを利用したことがないという経営者や企業担当者の皆様は、これを機会にぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

画像出典元:Unsplash+、Pixabay

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