学生起業で成功する方法。学生起業のメリット・デメリットとは

学生起業で成功する方法。学生起業のメリット・デメリットとは

記事更新日: 2018/08/17

監修: 栗島祐介

現在は学生で起業をする人が多くなり、早い人では高校生から起業を始める人も増えています。そんな中、学生で起業を成功させた人は学生時代にどんな人物だったのか、また、どのように成功してきたのかはとても気になるところだと思います。

今回は、国内外問わずに学生で起業成功した人を紹介し、学生起業をする際のメリット・デメリットを詳細に説明していこうと思います!

日本を代表する、学生起業を経験した経営者たち

孫正義 氏

いまでは日本トップレベルの影響力をもつビジネスパーソンである孫正義氏ですが、カリフォルニア大学バークレー校在学中はひたすらに猛勉強していました。

お風呂の中でも移動中も、あらゆる時間を勉強に充てていた中で、将来の起業資金を手に入れるために1日に5分だけ自らに勉強以外に時間を割くことを許し、その時間でひとつ発明をする、という日課を続けていました。

その中から音声つき電子翻訳機を製品化し、その技術をシャープに売却。続いて、アメリカで日本製のインベーダーゲーム機を卸す事業を行った後、ソフトバンクを設立しました。

堀江貴文 氏

インターネット黎明期の1996年、東京大学在学中に有限会社オン・ザ・エッヂを設立し、ホームページ制作の受託事業などを行っていました。

有名な話ですが、ホリエモンは大学を中退しています。インタビューでも、日本の大学は実務的な教育を一切やっていないので、大学を出て即戦力で働くためにはムダだと言っています。

ちなみに、本人の2009年のブログを見ると、バイトはたくさん経験したそう。塾講師、家庭教師、企業研修手伝い、抽選会バイト、テキ屋バイト、パン工場、チラシ配り、炎天下での看板持ちなど。その後、1年ほどのニート状態を経て、コンピュータ関連でのバイトを始めたのですが、これがインターネット産業との関わりのスタートだったようです。

 リクルート 江副浩正 氏

2013年に亡くなった、リクルート創業者の江副浩正氏も、学生時代に起業しています。

東京大学新聞社で企業向けの営業を経験後、東京大学在学中の1960年に、リクルートの前身となる求人広告事業の会社を設立。62年には求人情報誌の『企業への招待』を刊行しています。

リブセンス 村上太一 氏

小学生の頃から社長になることを夢見て、高校時代には簿記の資格も取得していた村上氏は、早稲田大学在学中の2006年に、高校時代の友人とともに株式会社リブセンスを設立し、アルバイト情報サイトのジョブセンス(現・マッハバイト)を開設しました。

採用が決まったら課金される成果報酬型のビジネスモデルを採用し成長した同社は、2011年にはマザーズ上場を果たしました。村上氏は当時25歳で、史上最年少での上場でした。

ナイル 高橋飛翔 氏

東京大学在学中の2007年にヴォラーレ株式会社(現・ナイル株式会社)を設立。

初めの3年は試行錯誤の日々であったそうで、家庭教師事業、受験動画配信事業、Webマーケティング事業とピボットを繰り返し、2010年、SEOに特化したことによって収益化を達成しました。

参考:学生起業の失敗ポイントとやって良かったこと

Gunosy 福島良典 氏

東京大学大学院在学中の2011年に、同じ大学院の同級生3人でニュース配信サービスのGunosyをリリース。大学院時代にAIの研究をしていた福島氏は、SNSの情報にあふれる現代において、必要な情報が届いていない課題感を抱き、研究技術を用いたサービスを作ったのでした。

当初はこのサービスで起業するつもりはなく、データマイニングの勉強を兼ねたサービス開発という位置付けだったものの、サービスが伸び、ユーザーが増えてきたこともあり2012年に法人化しました。

当時は内定も持っており、就職と迷った結果の法人化でした。同社は2015年、法人化してから約2年半というスピードでマザーズ上場を果たしました。

参考:「失敗しても後悔しない」起業から2年半で上場

メタップス 佐藤航陽 氏

高校時代から自分で服をデザインして販売しており、早くからビジネスを経験していた佐藤氏は、早稲田大学法学部在学中の2007年にイーファクター株式会社(現・株式会社メタップス)を設立しました。

ただ実は、幼い頃から社会に対する不公平を感じていた佐藤氏は、大学に入った当初、夢であった弁護士になるべく司法試験の勉強をしていたそうです。

学費の問題もあり「2年で司法試験に合格する」という目標を立て猛勉強するものの、次第に試験の難しさを実感し、弁護士の道は諦めました。そこで、ビジネスの道で不公平を正すことを目指し、起業することを決意しました。

高校時代と同じくアパレルの分野で起業しようとしましたが、大きなイニシャルコストがかかることから、全くの未経験分野であったインターネットで起業します。まだ何もできない状態にもかかわらず仕事を受注し、また猛勉強しながら、仕事をこなしていったそうです。

海外における偉大な学生起業出身経営者

マーク・ザッカーバーグ 氏

Facebook創業者である彼の創業エピソードは、映画化もされておりすでに多くのところで語られているところです。ハーバード大学在学中に、女子学生の容姿を格付けするサイトを立ち上げると、すぐに大学内で問題となり、そのサイトは閉鎖されました。大学から保護観察処分を受けつつも、彼は新たにFacebookを立ち上げるのでした。

ビル・ゲイツ 氏

マイクロソフト創業者のビル・ゲイツの創業エピソードは、『帝王の誕生』に詳しく書かれています。中学時代にコンピュータに興味を持ったビル・ゲイツは、高校時代の1970年ごろにマイクロソフト共同創業者になるポール・アレンとともに、トラフォデータという名の交通量計測プログラムを開発するなど、コンピュータへの知識を深めていきました。そして、ハーバード大学入学後に、ポール・アレンとパートナーシップによる経営をスタートさせ、これが後のマイクロソフト社となりました。

現役の学生起業家まとめ

また、現役の学生ながら、すでに多くの人に利用されるサービスを作っている経営者もいます。インターネットが普及して以来、大規模なイニシャルコストが不要なWebサービスにっよる起業が可能になったため、学生による起業のハードルが下がっているとも言えるでしょう。

2017年の「Startup Times」の調査によれば、早慶大、東大などを中心に、100社以上の現役学生起業家がいるようです。

画像出典元:Startup Times

学生起業のメリット

失敗しても立ち直りやすい

一般的に、学生であれば、家族を養っているケースはかなり少ないはずです。いわゆる「背負っているもの」がまだ多くない状態でチャレンジすることは、リスクや障壁が少ないため失敗してもダメージは少ないです。

また、学生には就職活動という選択肢も残っていますから、もし失敗しても、一度就職を目指すことができます。

さらに一度本気で起業した経験を持っていると、社会やビジネスについて間違いなく周りの学生よりも詳しくなっていますから、企業からも高く評価される可能性は上がるでしょう

同世代の優秀な仲間を集めやすい

社会人で起業しようとすると、周りの仲間を集めようと思っても、みんなすでに社会人として働いていますし、家族を持っている人も増えてきますから、巻き込むのは困難を要します。一方学生であれば、周りの学生の仲間を比較的巻き込みやすいです。

例えば、英語学習アプリの中で評価の高い「mikan」は、代表の宇佐見氏が、同期の学生を巻き込んで作ったサービスとして知られています。

人件費を始めとした固定費が少ない場合が多い

自身も学生ですし、仲間も学生であれば、長年の社会人経験を積んでいる人ほどには給与を支払うことはあまりないです。

まだ社会に出る前で市場価値がはっきりついていない学生の時期だからこそ、優秀な仲間を高くない報酬で巻き込むことが出来る可能性が高いです。もちろん、成果に対しては相応の報酬を支払うべきですし、報酬については本人同士の合意が必要ですので、しっかり互いに相談して決める必要があります。

応援してくれやすい

若いうちからチャレンジする学生を見ると、心打たれる大人は多いものです。最近では、学生起業家を主な投資対象としているVC(ベンチャーキャピタル)のコロプラネクストや、「フライングで投資する」を掲げ、学生にバンバン投資しているスカイランドベンチャーズなど、支援環境も整ってきています。

学生起業家は大人の起業家に比べ、支援者側がそのチャレンジ自体に評価をして、リスクを背負う側面が大きいと感じます。資金面以外でも、学生は事業推進するために有効な人を紹介してもらったり、事業自体のアドバイスをしてもらいやすい立場にいると言えるでしょう。

学生起業家のデメリット

経験不足のため、経験によって防げる失敗を犯す可能性がある

すでにスタートアップやベンチャー企業でインターンの経験があったとしても、大人の起業家に比べて、ビジネスの経験が少ないのは間違いありません。

ビジネスの世界にかぎらずですが、実際に経験しないと気付けない難しさは確実に、それもかなり多く存在します。一度社会人としてそうした困難を経験していれば防げる失敗も、学生だとはじめて直面するケースがどうしても多くなってしまいます。

例えば組織の問題。プライベートでは仲が良かった友人と起業したとしても、実際ビジネスを進めるとなるとどうしても利害が絡んでくるので、思わぬ亀裂が生まれることもあります。それに雇ったメンバーをどうマネジメントしていくかということも、失敗を避けて通るのは非常に困難です。

他にも、数字を見る力や、社外の人間と物事を進めるリーダーシップなど、経営者には本当に多くの力が求められます。右も左も分からず、試行錯誤しながらもがいていくことになるでしょう。

失敗をできるだけ防ぎ、成功確率をあげるには?

勝負できる業界を見極める

やりたいことをやる、というのが一番だとは思いますが、学生だからこそ成功しやすい業界もあるでしょう。

例えば大学生のキャリア支援は、同じ学生だからこそ問題意識を高く持ってできますし、ユーザーとなる学生との接点を持ちやすいため勝負しやすいと考えることができます。

「PoL」という会社は、東大生の加茂氏が立ち上げた会社ですが、理系学生の就活支援など、研究室にまつわる問題を解決する事業を展開しています。全国的に多くの学生インターンを組織して、研究室に直接サービスを紹介しに行くという、学生ならではの方法でユーザーを一気に集めることに成功しています。

また、Web業界も学生が勝負しやすい領域でしょう。PC1台でも起業できますから、初期に多くの費用を必要としないからです。

本気じゃないとかならず失敗する

最低限必要なのは、本気でコミットすること。失敗しても立ち直りやすいとはいえ、「失敗しても大丈夫だから」という心持ちでやっていては、成功するものも絶対に成功しません。

さらに言えば、その失敗も次に活きるものではなくなってしまいます。本気でやればやるほど、経験から得られる学びも比例して多くなりますし、成功確度もあがります。よく「1.01の力で1年間続けるのと、0.99の力で1年間続けるのでは1年後に極めて大きな差がつく」という話を耳にしますが、これは本当にそうだと思います。

実際、今成功していると言われる経営者も、言うまでもなく何度も失敗を繰り返しています。それでも成功できたのは、失敗から誰よりも多くの学びを得て次のチャレンジにつなげることはできたからなのです。

目線を上げ続ける

どうしても経験が少ない状態だと、大きな絵を描いて、高い視座で物事に取り組むのが難しいと思います。

ただ、目線を下げてはインパクトの小さい事業になってしまいます。そのため、多くの経験を積んできた百戦錬磨の大人の近くで学ぶことは学生にとって非常に意義の大きいことです。

大局観をもって生きている人とコミュニケーションをとる機会を持ち続けることで、自らの視座も大いに上がることでしょう。

たくさん発信して大人を巻き込む

とはいえ、そういった大人に会うのは学生だと難しい場合も多いですよね。そこで、自ら発信し続けることも大切です。

情報というのは、発信すればするほど集まってきます。現代のソーシャルな世界ではFacebookやTwitter、ブログなどで情報を発信することで、思わぬ出会いにつながることが多いです。

ただし変な大人に捕まらないように

信頼できる大人を見極めることも同時に重要です。残念なことですが、学生をカモにしてお金を稼ごうとする大人はどうしても一定数存在します(例えば、チャレンジを後押しするといって過半数の株を取得して、実質的に会社を乗っ取られてしまうケースなど)。

やはりこれは騙される側の自己責任でもありますし、最悪の場合後戻りできなくなってしまうこともあるので注意が必要です。

まとめ

世間的には天才という一言で片付けられてしまいがちな彼らの若き成功は、むしろ圧倒的な行動量に裏打ちされているものなのです。経験不足という学生のハンデをものともしないほどの行動量が、学生起業を志す人に求められる要素なのだと思います。

そして、事業を成功させるために大切なのは、想いの強さと、それを体現するべく思考と行動を高いレベルでし続けることであり、それは学生だろうが大人だろうが関係ありません。とはいえ、これまでご説明したように学生だからこそのメリットもあるので、それはそれで戦略のひとつとして活かす、くらいのスタンスでチャレンジするのが良いのではと思います。

監修者プロフィール

栗島祐介

プロトスター株式会社代表取締役CCO (Chief Community Officer) 早稲田大学商学部卒。アジア・ヨーロッパにおいて教育領域特化型のシード投資を行う株式会社VilingベンチャーパートーナーズCEOを経て、当社を設立。HardTech領域の起業家支援コミュニティ「StarBurst」の運営総括、起業家・投資家の情報検索サービス「StartupList」の運営を行う。

画像出典元:Burst

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