起業のメリット・デメリットは?会社設立と個人事業主の違いも解説

起業のメリット・デメリットは?会社設立と個人事業主の違いも解説

記事更新日: 2024/10/01

執筆: 浜田みか

起業には、自由な働き方ができるメリットがある一方で、さまざまなリスクも伴います。

本記事では、起業のメリット・デメリットや、会社設立と個人事業主の違いを解説しますので、あなたに合った起業の方法を選びましょう。

さらに、起業を成功させるポイントも紹介しますので、起業を検討している方はぜひ参考にしてください。

起業のメリット4つ

起業には、会社員としての働き方とは異なる魅力があります。

まずは、起業によって得られる4つのメリットを紹介しましょう。

  • 会社員より高い収入が得られる可能性
  • 自由に自分のやりたい事業ができる
  • 定年がなく、働き続けられる
  • 節税ができる

会社員より高い収入が得られる可能性

起業をすれば、普通に会社員として働くのでは得られないような、大きな経済的リターンを得られる可能性があります。

会社員の場合、いくら頑張っても収入が増えない、給料が上がらないといった限界を感じることがあります。

しかし起業をすれば、事業が伸びた分だけ収入に繋がるので、報酬に上限がありません

自分のやりたい事業ができる

起業をすれば、すべてを自分の裁量で行うことができます。自分がやりたい事業に専念することができるのです。

また、就労時間や休日が会社の規定で決まっているサラリーマンとは違い、起業すれば働き方も自由になります。

好きなときに休みをとったり、自分の好きな場所で働くことができるようになります。

人間関係においても、上下関係や相性に振り回されることなく、自分が信頼できる相手とだけつきあえるようになります。

組織に属していると上下関係が生まれたり、うまの合わない相手とチームを組んだりすることがありますが、起業すればそれらとも無縁になります。

定年がなく、働き続けられる

会社員の場合、会社の規定で就労できる上限年齢が決められています。

定年退職後、嘱託として再雇用してもらえることもありますが、収入は正社員だった頃よりも下がってしまいます。

起業すれば定年は関係なくなりますので、自分の体が動く限り、働き続けることができます

節税ができる

起業すると、税金の優遇が受けられる点も会社員にはないメリットです。

例えば、確定申告前に青色申告の承認申請書を提供すれば、赤字の分を翌期に繰り越しできます。

また、所得から最大65万円の控除(青色申告特別控除)も受けられます。

 

起業のデメリット3つ

起業には、自由な働き方や高い収入が得られる可能性がある一方で、以下のようなデメリットも考慮する必要があります。

  • 収入が不安定になるリスクがある
  • 社会的信用を得る必要がある
  • 資金調達や社会保険・税金の手続きを自分で行う必要がある 

収入が不安定になるリスクがある

サラリーマンが起業するということは、それまでの安定した収入や労働環境を手放すということです。

起業してすぐに軌道に乗る人もいますが、大半は軌道に乗るまで相当な頑張りを必要とします。

この間は収入がゼロの期間が続くことも当然想定されます。

生活していけるのか、家族を養っていけるのかは真剣に考える必要があります。

やみくもな挑戦はけっしておすすめできません。

社会的信用を得る必要がある

会社員は、会社の知名度や上司の人脈など、これまで築き上げられた信用がある中で仕事を進められます。

しかし、起業する場合は、自分で一から信頼関係を築いていかなければなりません

起業して社会的信用を得るには、地道な努力を重ね、実績を上げることが重要です。

資金調達や社会保険・税金の手続きを自分で行う必要がある

日本政策金融公庫の「2023年度新規開業実態調査」によると、開業費用の平均値は1,027万円です。

自己資金だけで起業が難しい場合は、融資や補助金・助成金などを活用して資金調達する必要があります。

また、起業すると社会保険や税金関連の手続きも自分で行わなければなりません。

外部の機関からサポートを受けない限りは、知識を一つずつ身につけていくための勉強も必要になります。

 

個人か法人かでメリット・デメリットが違う

起業するには、おもに「法人として会社を設立する」ケースと「個人事業主として開業する」ケースがあります。

それぞれのメリットとデメリットを比較し、どちらが自分に合った起業のしかたかを検討しましょう。

会社設立のメリット

法人として会社を設立するには、法務局へ書類を提出して登記する必要があるため、取引先や金融機関からの信頼を得やすくなり、ビジネスの幅を広げることができます。

また、会社が負担する法人税は基本的に一定のため、収入が多くなるほど税金負担が少なくなるほか、業務に必要なさまざまな費用を経費として計上できるため、節税につながります。

まとまった資金が必要な事業や高収入を見込める事業には、会社設立がおすすめの起業方法です。

会社設立のデメリット

会社設立の手続きには最短でも2週間程度かかり、株式会社では約24万円、合同会社でも約10万円の費用が発生します。

また、会社運営には、確定申告など複雑な手続きや、社会保険への加入義務が伴い、事務負担が大きくなります。

特に従業員数が4人以下の会社では、個人事業主と比べて人件費の負担が大きくなりやすいので注意しましょう。

個人事業主のメリット

個人事業主の開業手続きは、法人として会社を設立するよりも簡単で、基本的に0円で起業できます。

個人事業主は国民年金と国民健康保険に加入することが多く、手続きや事務の負担はさほどありません。

また、所得が低い間は税金も少なく済むため、初期投資を抑えながら事業をスタートできます。

特に、副業として事業を始めたい方や、まずは少額の資金で事業のアイデアを試してみたい方におすすめの起業方法です。

個人事業主のデメリット

個人事業主は、銀行からの融資を受けにくいだけでなく、取引先との契約で不利になる場合があります。

また、個人事業主の所得税は、課税される所得が高いほど税率が高くなる「累進課税」のため、収入によっては法人税よりも税金が高くなるケースがあります。

所得税の代わりに払う法人税は、年間800万円を超えると税率が一律になるので、年収が800万円以上になった場合は、法人化を検討しましょう。

  会社設立 個人事業主
手続き 複雑、費用高め 簡単、費用少め
税金 法人税は基本的に一定 所得が低い場合は有利
累進課税
保険料の負担割合 会社と折半 全額自己負担
資金調達 比較的容易 難しい
社会的信用度 高い 低い

 

 

起業を成功させるポイント

起業するなら、成功確率をできるだけ高めたいものです。

こうすれば成功する!というのは一概にいえることではありませんが、成功を目指すうえで最低限押さえておきたいことを紹介します。

本気じゃないとかならず失敗する

最低限必要なのは、本気でコミットすること。

起業直後は失敗が当たり前とはいえ、「失敗しても大丈夫だから」という心持ちでやっていては、成功するものも絶対に成功しません。

さらに言えば、失敗を次に活かすためにも本気で挑戦することは不可欠です。

本気でやればやるほど、経験から得られる学びも比例して多くなりますし、成功確度もあがります。

実際、今成功していると言われる経営者も、言うまでもなく何度も失敗を繰り返しています

それでも成功できたのは、失敗から誰よりも多くの学びを得て次のチャレンジにつなげることができたからなのです。

勝負する場所を見極める

やりたいことをやる、というのが一番だとは思いますが、自分の強みを活かせる領域を選ぶようにしましょう。

例えば、学生であれば、大学生のキャリア支援事業などは、同じ学生だからこそ問題意識を高く持ってできますし、ユーザーとなる学生との接点を持ちやすいため勝負しやすいと考えることができます。

「PoL」という会社は、東大生の加茂氏が立ち上げた会社ですが、理系学生の就活支援など、研究室にまつわる問題を解決する事業を展開しています。

全国的に多くの学生インターンを組織して、研究室に直接サービスを紹介しに行くという、学生ならではの方法でユーザーを一気に集めることに成功しています。

リスクを最小化する

多くの人の誤解は、最初から正解を見つけないといけないと考えていることです。

最初から成功するということはありえません。起業当初は失敗が当たり前です。

だからこそ何回も失敗を重ねて、成功へと近づけていく必要があります。

よって、何回も失敗できる状況を作る必要があります。

よく準備した資金を最初のチャレンジで使い果たしてしまう人がいますが、このようなミスは決してすべきではありません。

アイディアの検証はお金をかけずともできます。最小限のリスクとコストで、何度も試行錯誤を続けましょう。

仮説を立てて、検証するのが試行錯誤です。試行錯誤の方法は以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。

 

まとめ

多くの選択と同様、起業にはメリットとデメリットがあります。また、人それぞれ置かれている環境によって、その重みは変わってきます。

メリットとデメリットを徹底的に検証・比較することで、自分で納得できる判断を下しましょう。

また起業するからには、つまらないミスで失敗しないよう、成功するための最低限のポイントは抑えておきましょう。


以下の記事では、成功しやすいビジネス・失敗しやすいビジネスについて解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。


画像出典元:ペイレスイメージズ

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