社会保険とは?起業家なら見逃せない、社会保険の仕組み

社会保険とは?起業家なら見逃せない、社会保険の仕組み

記事更新日: 2018/12/15

執筆: たかおみきよ

社会保険とは一体どのようなものか、あなたはどの程度、理解していますか?

会社運営と切っても切り離せない、社会保険の仕組みについて、詳しく解説します。

【図解】「社会保険」の仕組み

社会保険とは、企業(会社)に属す従業員が加入する保険制度のことを言います。

主にその種類は、5つ。

  • 健康保険
  • 厚生年金
  • 労災保険(労働災害補償保険)
  • 雇用保険
  • 介護保険(※40歳以上)

一方、企業に属さない個人も、

  • 健康保険
  • 国民年金(20歳以上)
  • 介護保険(40歳以上)

の加入が義務とされています。

そのため、健康保険・年金・介護保険に関しては、これまで個人が直接支払っていた保険料を、会社を経由して支払うようになるというイメージです。

さらに個人で国に支払う場合、それらの保険料はもちろん個人が全額負担となります。

しかし会社に入社後、社会保険に加入すると、従業員の給与から各種社会保険料の約半額を天引き、残り半額の社会保険料は会社負担となります。

また、労災保険・雇用保険」は、事業所の元で仕事をする従業員の健全な生活を保障するための制度です。そのため、一人で個人事業をしている場合には加入義務は発生しません。

もちろん、従業員を雇った際にはすべての加入義務が発生します。

尚、ここでいう従業員とは、正社員・アルバイト・パートなど、「雇用契約」を交わした場合を指します。

業務委託契約などの場合は、社会保険に加入する必要はありません。

社会保険の加入条件

近年では国も、社会保険の未加入に対して、厳しく取り締まる体制を整えています。とはいえ、すべての企業、個人事業所に社会保険の加入義務があるというわけではありません。

社会保険には、一定の加入条件があるのです。

しかし、世間では社会保険の加入条件を間違って把握している傾向があるのも、また事実。「従業員を雇っていないから」「従業員はアルバイトだから」といった理由で、社会保険に加入しない事業所も存在します。

そして社会保険の加入条件を満たしているにも関わらず、加入義務を怠っていた場合、それは当然違法に。国の取り締まり対象になる可能性が高まるというわけです。

こういったリスクを避けるためにも、加入条件をしっかり確認しておきましょう。

社会保険(健康保険・厚生年金・介護保険)の加入条件

[加入義務 対象者]

  • 会社(事業所)と継続的な雇用をしている
  • 週30時間以上勤務している


つまり、たとえ週30時間働いていたとしても、2か月未満の短期雇用を前提としている契約の場合、社会保険の加入対象にはなりません。

これを踏まえたうえで、社会保険の加入対象になる方の条件を立場別にまとめました

◆ 役員…取締役・監査役・執行役・理事など、雇用契約はないが企業のために勤務

対象者:一定の役員報酬をもらう役員

このため、たとえ社長一人で運営している企業であっても、社会保険加入の対象となります。

◆正社員…会社の規定する就労時間を、フルタイムで勤務している

対象者:すべての正社員

◆アルバイト・パート…正社員に比べ、勤務日数・時間が少ない

対象者:勤務日数・時間が正社員の 3 / 4 以上に値するアルバイト・パート社員


また平成28年10月には、社会保険に関する法が改正され、501名以上が働く事業所に属する従業員に対する加入条件が変わりました。

[改正内容]

  • 雇用期間 1年以上
  • 勤務時間 20時間以上(※残業時間は含みません)
  • 月賃金 88,000円以上


上記の条件を満たしている場合は、社会保険の加入対象です。

なお、学生(夜間・定時・通信学生以外)は対象外となります。

労災保険・雇用保険の加入義務

「労災保険」や「雇用保険」は、従業員が安定した生活を送るための制度です。

なかでも労災保険の補償対象となる、勤務中通勤中のケガや病気は、働いている限り誰しもに起こりうることなので、会社から賃金を受け取っているすべての人に加入義務があります。

一方、雇用保険は31日以上の長期雇用予定で、週20時間以上勤務していることで加入ができるといったように、健康保険・厚生年金・介護保険よりも加入条件に当てはまる方はやや多いと言えるでしょう。

社会保険料の計算方法

基本的な計算方法

健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料の金額は、被保険者に支払われた月給(報酬)から算出した「標準報酬月給」に基づき計算された金額が、年間で適応されます。

社会保険料は、月給の15~25%程度になります。

  • 基本給
  • 通勤費
  • 残業手当など各種手当
  • 賞与(※年3回以下の賞与は対象になりません)

などを足し合わせた金額が、月給(報酬)です。

なお、標準報酬月給は、基本的に4月・5月・6月の月給を参考に算出されるのですが、入社したばかりの社員の場合、その会社での給与実績がありません。

そのため、入社時の雇用条件にある基本給と見込み残業手当、交通費などを基に「見積もり」を算出したものを、標準報酬月給として活用します。

ただし、実際に働いてみると、見積もり額よりも、月の平均報酬額が高い、もしくは低いこともありますよね。その際には、毎年9月に改定され、その保険料額を1年間毎月で支払うことになります。

【注意】社会保険料は日割り計算できない!

月の途中で入社したとき、さらには退社する社員がいたとき、社会保険料はどのように徴収すればいいのか、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

結論、社会保険料は日割り計算はできません。

月の途中入社の場合、その月の初日から社会保険が適用されたことになり、月額の保険料を支払う必要があります

[入社時 例]

◆ 月初め入社

入社日:4月1日

社会保険の適用日:4月1日

社会保険料の支払い:4月分から発生

◆ 月の途中入社

入社日:4月15日

社会保険の適用日:4月1日

社会保険料の支払い:4月分から発生


一方、退社のときは、退社日の翌日が社会保険の喪失日となり、その前の月まで社会保険料がかかります。

[退社時 例]

◆ 月の途中退社

退社日:4月15日

社会保険の喪失日(退社の翌日):4月16日

社会保険料の支払い:3月分まで発生

◆ 月末の前日退社

退社日:4月29日(月末の前日)

社会保険の喪失日(退社の翌日):4月30日

社会保険料の支払い:3月分まで発生

◆ 月末退社

退社日:4月30日(月末)

社会保険の喪失日(退社の翌日):5月1日

社会保険料の支払い:4月分まで発生


つまり、入社の場合は、月初め入社が一番お得、月末入社が一番損です。

退社の場合は、月末入社が一番損です。一番お得なのは、月末の前日退社です。

まとめ 会社運営と社会保険加入は切り離せない

社会保険は、すべての会社(事業所)に加入義務がないとはいえ、ほとんどの会社に加入義務があるといっても過言ではありません。

だからこそ会社を運営する限り、社会保険と真摯に向き合う必要があるのです。そのため、起業の際には、社会保険加入は必須事項として考える必要があると言えます。

画像出典元:pixabay

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