厚生年金の加入条件 | 加入しなかったらどうなる?

厚生年金の加入条件 | 加入しなかったらどうなる?

記事更新日: 2019/06/02

執筆: 編集部

厚生年金の加入には、事業所・労働者で加入条件や加入義務があります。そして、一定の条件を満たした場合は厚生年金に加入しなければなりません。

改正があり、適用条件が拡大されてから、パートやアルバイトでも加入対象となる人が増えてきています。従業員を雇用する側からすると、この人は加入対象?あの人は加入対象ではない?と悩んでしまいます。

本記事では、厚生年金の加入条件・加入手続きについて解説します。また加入しなかったらどうなるのかも紹介します。

厚生年金とは

厚生年金とは社会保険の一つで、企業に勤務する会社員・公務員などを対象にした年金制度です。

年金制度の全体像


日本の公的年金制度は、国内に住む全ての人が加入する国民年金を基礎としています。国民年金を1階とすると、厚生年金は2階部分となり、厚生年金は国民年金に上乗せする形で保証されます。

確定給付企業年金や確定拠出年金などの私的年金(企業年金)は3階部分に位置付けされます。

厚生年金の加入条件

 

厚生年金は会社員、公務員などであれば全員が対象になるわけではありません。厚生年金に加入できる被保険者は主に4種類に分類されます。

強制加入被保険者

厚生年金が適用されている事業所に常時雇用されている70歳未満の人は被保険者になります。

ここでいう常時雇用雇用されている70歳未満の人は、性別や国籍を問いません。外国人労働者であっても条件に当てはまる場合は、厚生年金の被保険者になります。

・常時雇用されている
・70歳未満

 

任意単独被保険者

厚生年金の適用事業所以外の事業所に雇用されている70歳未満の人は、事業主の同意を受け、厚生労働大臣から認可を受けた場合、任意で被保険者になります。

この場合の保険料は労使折半です。

・70歳未満
・適用事業所以外の事業所に雇用
・事業主の同意

 

高齢任意加入被保険者

通常は70歳を超えると厚生年金の被保険者の対象ではありません。

しかし、要件を満たせず70歳を超えても老齢年金の受給ができない場合に、受給権を取得するまでの間、厚生年金に加入することができます。

先ほどの任意単独被保険者に似ていますが、混同しないように違いをしっかりと理解しましょう。

・70歳以上
・事業所を問わない(適用事業所以外の事業所の場合、事業主の同意が必要)
・老齢年金の受給権がない人のみ

 

パート・アルバイト

パートやアルバイトであれば厚生年金の加入義務がないわけではありません。

パートやアルバイトであっても、正社員の労働時間および労働日数の3/4以上働いている場合は、厚生年金の加入義務が発生する可能性があります。

・正社員の労働時間及び労働日数の3/4以上


さらに、上記の条件を満たしていなくても、下記5つの条件を満たす場合は厚生年金の被保険者になります。

・週20時間以上勤務
・従業員501人以上の勤務先で勤務している
・年収106万円以上(月の賃金が88,000円以上)
・1年以上の勤務が見込まれる
・学生ではない

 

厚生年金の被保険者対象外

ここまで厚生年金の加入義務がある人を対象に確認しましたが、以下のケースは対象外になります。

・日雇いの場合
・雇用契約が2ヶ月以内の場合
・所在地が一定しない事業所の場合
・季節的業務、臨時的事業に勤務する場合

 

厚生年金の加入義務


厚生年金の加入は、事業所が適用事業所に該当するかが重要になります。個人、法人を問わず一定の要件を満たした事業所は、厚生年金の加入が義務付けれらています。

強制適用事業所

厚生年金の加入義務がある事業所を「強制適用事業所」といいます。

株式会社・有限会社など法人登記されている事業所は、厚生年金に加入しなければなりません。

法人の場合は、社員の人数に関係なく厚生年金に加入する必要があるため、社長が一人の法人も厚生年金の加入義務はあります。

一方、個人事業所は法人とは異なります。常時5人以上の従業員を雇用している個人事業所は、農林水産業・宗教業・士業などの一部業種を除き、厚生年金の加入が必要です。

・法人登記されている事業所
・常時5人以上の従業員を雇用している個人事業所

 

任意適用事業所

強制適用事業所に該当しない事業所でも、従業員の半数以上が加入に同意した場合は、厚生年金に加入することができます。

従業員の半数以上が加入に同意した場合、厚生年金は事業所単位での加入になるため、加入に同意をしなかった人も厚生年金の加入義務があるので注意しましょう。

厚生年金に加入しなかった場合

 

厚生年金の適用事業所に該当するのに厚生年金に加入しなかった場合、年金機構から厚生年金加入に関する通知書などが届きます。さらに、罰則を受けることもあります。

最大で過去2年分の支払い

厚生年金保険法では「最大2年分まで遡及徴収できる」と記載されており、最大で過去2年分の厚生年金保険料を一括で納付することになります。

退職をした従業員分の支払い義務も発生することになります。

退職をした従業員については、本来は従業員個人が負担する厚生年金保険料を徴収することが困難です。

この場合は、事業所が個人負担分も含め全額負担することになるため、事業所の負担は大きいです。

懲役または罰金

事業所が正当な理由もなく厚生年金に加入しなかった場合は、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

厚生年金のメリット・デメリット

 

厚生年金に加入する場合のメリットとデメリットを会社側、従業員側から考えてみましょう。

会社側のメリット・デメリット

厚生年金の加入は従業員に対する福利厚生の一環です。

従業員が働きやすい労働環境整備にもつながるため、新規採用・従業員の定着・離職の防止を期待できるメリットがあります。

一方、厚生年金は労使折半のため、従業員の雇用に給料とは別に厚生年金保険料の負担が増えるデメリットがあります。

従業員側のメリット・デメリット

働いている企業が厚生年金に加入していない場合、国民年金を全額個人で負担することになります。

しかし、企業が厚生年金に加入していれば、厚生年金の保険料は会社が半分負担してくれるだけでなく、扶養となる配偶者の負担もないため、経済的に助かるメリットがあります。

一方、デメリットは厚生年金の対象となった場合、加入は強制なので手取りが少なくなることです。

特に、パートやアルバイトなど扶養の範囲内で働こうとしている人は、加入対象にならないために時間や日数が制限されてしまいます。

厚生年金の加入手続き

 

 
 

厚生年金に新規で加入する場合

事業所が新規で厚生年金に加入する場合、事業所は「新規適用届」を管轄の年金事務所に提出します。

提出方法は、電子申請・郵送・窓口持参があり、加入すべき要件を満たしてから5日以内に提出が必要です。

提出書類

・新規適用届
・法人登記簿謄本
・事業主の世帯全員の住民票(強制適用の個人事業所)

 

従業員を雇用する場合

従業員を雇用し、その従業員が厚生年金の加入対象の場合「被保険者資格取得届」を提出します。

また、加入する従業員に扶養がいる場合は「被扶養者(異動)届」のをあわせて提出しましょう。

提出書類

・被保険者資格取得届

 

従業員が退職する場合

厚生年金に加入している従業員が退職する場合「被保険者資格喪失届」を提出します。

提出書類

・被保険者資格喪失届

 

月の途中で入社・退職した場合の保険料

 

 
 

月の途中で入社した場合

保険料は月単位で計算することになるため、月の途中で入社をしても一ヶ月分の保険料を徴収することになります。

月の途中だからといって、日割りにはならないので注意しましょう。

月の途中で退職した場合

退職した場合の厚生年金の保険料は、資格喪失日の前月分までを納めます。

厚生年金は退職した日の翌日に被保険者資格が喪失されます。そのため、月の途中で退職した場合はいいのですが、月末に退職した場合は注意が必要です。

月末に退職した場合、翌月1日が資格喪失日になるため、退職した月分までの保険料を納める必要があります。

まとめ

 

厚生年金は法人の場合、強制適用事業所になり加入手続きを怠ると罰金や懲役に処せられる可能性があります。

平成28年10月からパートやアルバイトの加入対象が広がっているため、加入手続きに申請もれがないようにしましょう。

厚生年金の手続きは、従業員の入社・扶養の変更・従業員の退職など様々な場面で必要になります。

厚生年金の加入についてしっかりと理解することで、スムーズな対応ができるようになるでしょう。

画像出典元:写真AC 、O=DAN

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