個人事業主と法人の違いとは?税金やメリット・デメリットを徹底解説!

個人事業主と法人の違いとは?税金やメリット・デメリットを徹底解説!

記事更新日: 2018/09/23

執筆: 編集部

自身の力でビジネスをおこなっていく、いわゆる独立・起業。「いつかは自分で会社を設立したい」「ビジネスを自ら展開していきたい」なんて考えている人も少なくないでしょう。

とは言え、はじめて独立・起業をする際、多くの人が「個人事業主か、それとも法人か」で迷います。そこで今回は、個人事業主と法人との違いについて詳しく解説していきます。

税金の面での違い、メリット・デメリットなどを紹介していくので、起業する際の参考にしていただければと思います!

なお、これから起業するわけではなく、すでに個人事業主として活動していて、法人化(法人成り)を検討しているという方は以下の記事を参考にしてください。

個人事業主とは

株式会社などの会社(法人)を設立せず個人で事業を営むことを個人事業主と言い、この個人事業の「事業」とは営む事業が繰り返し行われことを指します。

例えばお酒屋さんなどの小売店の場合、商品を仕入れてお客さんに販売し、そしてまた仕入れをおこない販売する。このように繰り返し継続してビジネスをおこなうことが事業です。

なお、使わなくなった物を売ったりするフリーマーケットやオークションなどは、繰り返しおこなわれるものではないため事業とは言わないので個人事業主ではありません。

ちなみに、個人事業主と聞くと1人で事業をおこなっていくというイメージがあるかと思いますが、必ずしもそうではなく、従業員などを雇ってビジネスを展開していくことも可能です。

要するに、個人事業主は会社組織というカタチをとっていないだけだと理解しておけば良いでしょう。

個人事業主として開業するのは0円

では、実際個人事業主として開業するになるにはどうしたら良いのでしょうか?

実は個人事業主は0円で開業することができ、手続きも1日で終わります。開業の手続きは非常に簡単で、税務署に行って「開業届」を提出するだけです。

このように、個人事業主の場合は手続きも簡単でなおかつ費用も一切かかることはありませんので、最初は個人事業主からスタートさせるのがベストです。

個人事業主にかかる税金

個人事業主の税金は、大きく4種類あり「所得税」「消費税」「住民税」「個人事業税」がかかります。

それぞれは納付期限や税率も異なるため、個人事業主の方は必ず覚えておきましょう。



1. 所得税

所得税とは1年間の「儲けた額」に対して課せられる税金のことです。

この「儲けた額」とは1月1日から12月31日までの売上の合計金額から、必要経費を除いた金額のことを言います。必要経費以外にも、配偶者排除や扶養排除、青色申告特別排除などの所得排除額を売上の合計金額から差し引くことが可能です。



2. 消費税

消費税は売上と一緒に預かった消費税を全て納税するわけではなく、自分が経費や仕入れで支払った消費税を差し引いて納税します。

ただ、開業から2年間は基本的に免税事業者になりますので消費税を納税する必要がありません。また、3年目以降も納税する必要がない場合があります。

 

3. 住民税

住民税には「均等割」と「所得割」の2つがあり、「均等割」は全ての人に均等にかかる税金で年/5,000円ほどです。

一方「所得割」は納税者の所得に応じて金額が決められ、標準は所得の10%とされています。

4. 個人事業税

個人事業税は個人で事業を行なっている人に課せられる地方税のことです。納付する時期が一番遅く、納付する必要がある方にだけ納税通知書が郵送されます。

しかし、1年間の事業につき一律290万が控除されるため、収入から経費と各種排除を差し引いた金額が290万円以下である場合、個人事業税を払う必要がありません。

個人事業主のメリット・デメリット

では、個人事業主になった場合どのようなメリット・デメリットがあるのか?ここからは個人事業主のメリット・デメリットについてそれぞれご紹介していきます。

メリット

  • すべて自分で考え、自分のやりたいように行動することができる
  • 頑張れば頑張った分だけ結果や成果として反映される
  • 会社組織に属している場合は人間関係がつきものですが、そういう人間関係からも解放される
  • 開業届を提出するだけなので、法人に比べて手続きが非常に簡単
  • 万が一赤字の場合は税金がかからない。

このようにメリットをいくつか挙げてみましたが、開業するのも非常に簡単な事や事業を自分の思ったように展開していけるというところが大きなメリットです。

また、煩わしい人間関係で悩まされることもなく、事業が軌道に乗れば充実感や達成感なども得られるので、仕事に対するやりがいが感じられることも大きなメリットです。

 デメリット

  • 特に開業当初は収入が安定しない
  • 確定申告を自分で行う必要がある
  • 企業のように厚生年金などがないので、将来もらえる年金額が少なくなる
  • 赤字の場合、繰り越しできるのが3年まで(法人は7年)
  • ある程度売上があがってくると法人よりも税金の支払い額が多くなる。

個人事業主にはメリットもあれば、当然このようなデメリットもあります。

特に青色申告をするには複式簿記帳簿を行う必要があり、税金面で苦労することも多々あります。

こういったメリット・デメリットをしっかり把握しながら自分のビジネスを展開していっていただければと思います。

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さて、ここまで個人事業主について解説してきましたが、続いては「法人」について解説していきます。法人も起業のカタチを決めるうえでの選択肢に含まれますのでしっかり覚えておくと良いでしょう。

法人とは

法人とは何か?というところですが、法人というのは「自然人以外が法律上の規定により、人と同じような権利・義務を認められた主体組織(法人格)」のことです。

ちなみに、法によって人と同じように扱われているので「法人」と呼ばれているのです。

このように、法人は個人とはまた別な人として扱われるため、例えば事業で必要な資金を借り入れし、その後返済することができなくなってしまった場合、負債の全責任を法人、つまりは会社が負うことになります。

ちなみに個人事業で同じようなケースの場合、事業主本人が全責任を負うことになります。要するに法人の場合、事業主の上にもう一人存在しているようなイメージだと考えてもらえればわかりやすいかと思います。

法人は株式会社だけではない

法人といえば「株式会社」だと考えている方が多いですが、法人には株式会社だけではなく様々な種類があり、一般的に「株式会社」「合同会社」「一般社団法人」「社会福祉法人」「NPO法人」などがあります。

また、それぞれ法人形態も異なりますので、会社を設立する際は自分がおこなう事業内容にあった法人格を選ぶようにしましょう。

ちなみに、法人には様々な種類がありますが起業して会社を設立するうえで一般的に多く選ばれるのは「株式会社」です。

 

会社設立にかかる最低限の費用

会社設立にかかる最低限の費用はいくらなのかご存知でしょうか?一般的な株式会社と合同会社だと

株式会社:約20万円
合同会社:約6万円

となります。以下はその内訳です。

「会社は1円で作れる」と言った情報が出回っていますが、本来数万円〜数十万円の費用がかかることを覚えておきましょう。

 

法人にかかる税金

以下のように、法人にかかる税金は最低でも6種類あります。

法人にかかる税金

  • 法人税
  • 地方法人特別税
  • 法人住民税
  • 法人事業税
  • 所得税
  • 住民税

それぞれについて、説明していきます。

1. 法人税

法人の所得に対して課せられる税金のことです。年間800万円以下の所得であれば、税率は15%となり、800万円以上で23.9%になります。

2. 地方法人特別税

法人税が国税であるのに対して、地方法人特別税は都道府県に対して支払う地方税になります。

3. 法人住民税

法人住民税も個人事業主の住民税同様、「均等割」と「法人税割」があります。「均等割」では一律5万円がかかり、「法人税割」では地方によってそれぞれの税金が課されます。

4. 法人事業税

法人事業税とは登記している都道府県に対して支払い税金のことです。

具体例として東京都の法人事業税は年間所得別に3段階に分かれていて、年400万円以下の所得は3.4%、年400万円〜800万円以下の所得は5.1%、年800万円を超える所得は6.7%となります。

5. 所得税

ここでいう所得税とは「源泉徴収をした所得税」になります。

役員や従業員の毎月の給料に対してかかる所得税で、毎月の給料から天引きして、翌月10日に納付します。

6. 住民税

住民税も同様に「源泉徴収した住民税」です。これも役員や従業員の毎月の給料に対してかかる住民税で、毎月の給料から天引きして、翌月10日に納付します。


なお、会社の税金についてより詳しくは以下の記事を参考にしてください。

 

法人のメリット・デメリット

では続いて、法人となることで生じるメリットとデメリットをそれぞれ挙げていきますので、参考にしてみてください。

メリット

  • 個人事業主に比べて取引先や金融機関からの信用度が圧倒的に高まる
  • ある程度売上があがれば個人事業主に比べて税金面での負担が減る
  • 会社から給与を受け取ることになるので、給与控除を活用することができまる。

法人として会社を設立することによって、このようにいくつかのメリットが受けられ、そのうち大きなメリットとしては社会的信頼度が上がる、税制上有利ということがいえます。

デメリット

  • 会社が赤字でも、法人税や法人住民税など必ず支払わなければならない(小規模法人で約7万円)
  • 設立する際の費用が6万円~30万円ほど必要となる(収入印紙代や登録免許税など)
  • 法人設立時は多くの手続きをしなければならないため、準備だけでも時間がかかる
  • 確定申告など申告の際、個人事業に比べて提出する書類も圧倒的に多く手間がかかる

法人によって生じるデメリットをいくつか挙げてみましたが、おおよそはこのような感じです。

個人事業主でも法人でも、いずれもメリット・デメリットはありますので、その中でもメリットを最大限有効に使える方を選択するようにしてください。

 個人事業主と法人との違い

設立時の手続き・費用

個人事業主の場合は税務署に行って開業届に必要事項を記入して提出するだけで終わりですが、法人の場合は登記手続きなど様々な手続きが必要で、株式会社なら約30万円、合同会社なら約6万円の費用が最低でもかかります。

帳簿付けなどの事務作業

個人事業主の場合でも青色申告をする場合はある程度の簿記知識が必要ですが、それほど難しいものではありません。一方法人になると財務会計と税務会計など専門的な知識が必要なので、税理士に依頼することが多くなります。

社会保険

厚生年金や健康保険料など社会保険への加入について、個人事業では雇用人数が5名以下の場合なら任意ですが、法人の場合は人数に関係なく設立した時点で社会保険への加入が義務づけられています。

信頼性

個人事業主と法人を比べると、お客さんなどの信頼を得やすいのは法人で、企業によっては法人との取引しか認めないところもあるぐらいです。さらに資金調達などでも法人の方が有利だと言えるでしょう。

とは言え個人事業主だからといって信頼性がないというわけではありません。あくまで個人事業主と法人と比較した際の一般的評価です。

税金

最も大きな違いは所得税と法人税に違いです、個人事業主では所得税が累進課税でかかるので、ある程度、売り上げが大きくなる場合には法人の方が税制が有利になります。

目安としては1,000万円近く利益がある場合には法人の方が有利でしょう。また、法人の方が経費計上できる品目が多いなどの違いもあります。

まとめ:結局どっちがいいか

今回は個人事業主と法人との違いを中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

今後起業しようと検討している方は、開業後にどれだけの売上が見込めるのか?ということを重点的に考え、法人か個人事業主かを決めれば良いかと思います。

たとえば、開業後の売上があまり多く見込めないという場合には個人事業主から。そうではなく、開業後に年商1,000万円近くが見込めるという場合なら最初から法人を設立した方が良いでしょう。

いずれにせよ、個人事業主と法人との違いはあっても、自らビジネスを展開していくという根本的なことは双方とも変わりありません。

せっかく起業するのですから、事業が大きく発展していけるように頑張ってください。


なお、会社設立の手続き・手順については以下の記事で解説しています。法人として起業することを決めた方は、ぜひ参考にしてください。

 

個人事業主として開業する場合には、以下の記事を参考にしてください。

画像出典元:Unsplash

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