個人事業主の開業って何からしたらいいの?どんな書類を届けなければいけないの?
難しい書類を書いて提出したり大変そう…
実は、開業に必要な書類は1つだけなんです。とはいえ初めての開業。わからないことだらけですよね。
開業初期にやるべきことや開業時に必要な書類について、実際に個人事業主として開業した筆者がわかりやすく解説していきます。
このページの目次
個人事業主として開業する前に、そもそも個人事業主として開業することはどのようなことを意味するのか確認しておきましょう。
個人事業主とは「個人」で「事業」を行っている人のことを指します。
「個人」とは「法人」の対義として区別された言葉で、会社として起業の手続きをして事業を行っていれば「法人」、法人でない個々の人を「個人」といいます。
つまり法人化の手続きをせずに、個人で開業し、収入を得ている場合、個人事業主ということになります。
個人事業主でも従業員を雇うことはできますので、飲食店や小売店といった店舗型のものから、パソコンでの在宅ワークやアクセサリーのネット販売など幅広い業種の個人事業主がいます。
売上が大きくなってくると法人の方が節税になるので、個人事業から始めて、売上が安定して大きくなって方から法人化するというパターンもよく見かけられます。
個人事業主として開業するとは、税務署に行って開業に必要な手続きをとることを指します。そして開業に必要な手続きは一つだけ、「開業届」の提出です。
開業届は正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」というもので、分かりやすく説明するならば「事業の戸籍」をイメージしてもらえば良いかと思います。
「子供が生まれたり、引っ越ししたら必ず届け出を出しましょう」ということです。
ただ実態として「開業届」を出さなくとも事業をおこなうことはできてしまうため、開業届を出していないままの人はけっこういます。
しかし、開業届はなるべく早く提出すべきです。それは出すことで大きなメリットがあるからです。
開業届を出す最大のメリットが「青色申告」ができるようになるという点です。
ここでは細かい説明を省きますが、ある程度利益が出ている個人事業主の方であれば、青色申告ができることで10万円〜15万円程度の節税効果があります。
これだけでも十分開業届を出す理由になりますが、他にも家族への給与を経費として扱うことができるようになるなど、開業届を出すメリットは非常に大きいです。
これから説明するように、開業届の提出手続きは難しいものではないですし、思い立ったときにパパっと提出してしまうのがベストです。
なお、開業届を出すメリットについては以下の記事で詳しく解説しています。
最寄りの税務署の窓口で「個人事業主として開業したいです」と言うと開業届をもらえます。必要最低限の書類はこの一つだけです。
税務署の窓口に印鑑(シャチハタ以外)をもっていくと、書き方もやさしく教えてくれ、ものの5分〜10分程度で完了です。複写式になっているので控えを大切にとっておきましょう。後に必要になってくる場合があります。
なお、開業届は国税庁のホームページからもダウンロードすることができます。
ダウンロードし、印刷記入捺印してから税務署の窓口で提出、もしくは郵送でも提出できます。郵送の場合は提出する前にコピーを取っておきましょう。
事業をスタートしてから原則1ヶ月以内に開業届を提出します。
1ヶ月を過ぎた場合でも提出できないことはないので、諦めずになるべく早く提出しましょう。
具体的にはネットショップなどの場合は売り上げがあった日から、などでよいです。自宅でネット環境だけでサービスを提供したり、商品を販売する場合は自宅の住所で届け出をします。
アルバイトや社員がいない場合は従事員数は0人と記載します。
先ほど開業届を出すメリットとして「青色申告ができる」ことをあげましたが、実は青色申告をするためには「所得税の青色申告承認申請書」を提出しておく必要があります。
青色申告承認申請書は、開業届と同じ税務署での提出なので、必ず開業届と一緒に提出しておくようにしましょう。
青色申告承認申請書も、開業届と同じく税務署の窓口で受け取って、必要事項を記載しします。
簡易簿記か複式簿記を選ぶところは、複式簿記がお勧め。複式簿記にしないと青色申告の節税メリットを十分に受けることができないからです。
備付帳簿名のところには、現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳・預金出納帳・総勘定元帳・仕訳帳に丸をしておきます。
この複式簿記や備付帳簿については、これから説明します。
青色申告で節税メリットを受けるためには、帳簿をつける必要があります。
帳簿をつけるとは、決められたルールにしたがって、日々の売上や経費を記録することです。
そして青色申告の節税メリットを最大化するためには、青色申告承認申請書に記入した「複式簿記」という形式で、備付帳簿すべてを用意する必要があるのです。
とはいえ、いきなり帳簿をつけろと言われても普通は困りますよね。実は筆者も会計事務作業がとっても苦手でした。
そんな人におすすめなのが、会計ソフトの活用です。
今は初心者でも使いやすく、無料でも使える会計ソフトが充実しています。特に下の3つの会計ソフトは圧倒的な知名度があり、おすすめです。
上記の3つはアプリもあり、スマホからも操作できるので便利です。無料でお試し利用もできるので、自分に合うソフトを見つけてみましょう。
会計ソフトの活用以外に、開業直後にやっておくとぐんと会計が楽になるのが、個人事業主専用の銀行口座開設とクレジットカード申込。
最近はクレジットカードや電子マネーなどが使えるお店がほとんどだと思います。仕入れや消耗品の購入などの経費も専用のクレジットカードを作っておくことでポイントも貯まり、会計処理も楽になります。
そのカードの引き落とし先の口座として個人事業主の専用の口座を新規開設し、事業資金を入れます。日々の売上を決まった日に入金するようにしておくと、収支を管理しやすくなります。
なお、個人事業主が口座開設するのにおすすめの銀行を以下の記事でまとめているので、ぜひ参考にしてください。
クレジットカードは、筆者は楽天ビジネスカードを楽天ゴールドカードと一緒に申込みした。審査はありますので、ご注意ください。
やはり楽天で仕入れや消耗品も購入できますし、年会費は12,960円と安くはありませんが、比較的楽天カードは審査が通りやすくPriorityPassという空港ラウンジサービスが受けられるカードなどの特典もあります。
また、suicaなどの電子マネーもビジネス用で作っておくと便利ですね。
■ オリコ・エグゼクティブ ゴールド フォービズ
年会費が2,000円と安く、さらに初年度は無料。国内外旅行傷害保険、VISAビジネスオファー、福利厚生サービスなどが付帯しるのも嬉しい。「代表者の本人確認書類」だけで申請できます。
■ 三井住友ビジネスカード for Owners
ブランド力と知名度で安定感のある定番人気のカードです。年会費が1,250円税別なので、お得です。
個人事業主の開業の手続きと必要書類について解説してきました。
ネット環境やサービスの充実により、個人事業主として開業することのハードルはかなり下がりました。ネットショップやフリマサービスの存在で、個人でも簡単に仕入れと販売ができるようになったのです。
もちろんお店や事務所の開業も、事業資本はある程度必要ですが、シェアオフィスや軒先ビジネスの制度を利用すると始めやすいです。個人事業主の必要書類は開業届だけなんです。簡単だとおもいませんか?
何より、まずは行動してみましょう。今は若い方でも独立する方が多いですし、定年後に始める方もいます。
どんな企業でも先はわからない時代です。行動はどんな結果になっても経験という糧になります。やりたいこと、まずはやってみましょう!
画像出典元:pixabay、photo AC
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