開業届を出さないままでも大丈夫?開業した場合のメリットを徹底解説!

開業届を出さないままでも大丈夫?開業した場合のメリットを徹底解説!

記事更新日: 2023/09/05

執筆: 編集部

個人事業主として仕事を始めようとする人なら「開業届」の名前を聞いたことはあるでしょうか。中には開業届を出さずに事業を始めた方、フリーランスでのお仕事を考えつつもまだ書類については全くご存知ない方もいらっしゃるかもしれません。

結論から書くと、開業届は出さなくても違法ではありませんが、出すとメリットがたくさんあるので出すべき書類だと言えます。

この記事では、開業届を出すメリットと注意点について解説していきます。

開業届けとは

開業届は、正しくは「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、税務署に新しく個人事業をスタートさせたことを知らせる書類です。

用紙は最寄りの税務署で入手でき、国税庁のホームページからダウンロードすることも可能です。

提出は納税地を管轄する税務署長宛となっていますので、まずはご自身の管轄の税務署を確認しましょう。

編集部

とは言え、開業届ってなんだか難しそう・・・

税務署に聞きに行く暇もない!

 「freee開業」なら、開業届や青色申告申請書などの正式書類を簡単に一括作成できます!

画像出典元:「freee開業」公式サイト

書類作成から提出までスマホからできるので、開業準備で忙しい中でも開業届を提出できますよ。

 

開業届を出さないままで大丈夫?

開業届は出さなくても問題はありません。しかし出すことでメリットを享受できます

法律上だと「事業の開始等の事実があった日から1月以内に提出」となっていますが、出さないことで罪に問われたり、開業届を出すよう催促されることはありません。

筆者の家族などは開業届を出さずにそのまま確定申告(白色)だけしていましたが出さなかったからといって税務署から注意を受けるようなこともありませんでした。

出さないことで後述のメリットを享受できない点以外では困ることはないので、開業したけど開業届を出していない!と焦ることもないでしょう。

開業届を出すメリットとは

開業届を出すことで大きく4つのメリットがあります。ここでは開業届を出すことでどんな良いことがあるのか確認していきましょう。

開業前の費用を経費として計上できる

開業準備などでお金がかかる場合もあるかと思います。

「開業する前のお金だから経費にできない」と勘違いしがちですが、実は開業前の費用は開業費として経費扱いができます。

開業費は、開業前の費用であればどの時期であっても計上できます。

極論を言えば10年前の出費も経費として計上できますが、あまりに開業と関連がないものを経費として扱うと、脱税行為とみなされてしまう場合がありますので気を付けましょう。

青色申告ができる

確定申告には簡易的な「白色申告」と節税効果の高い「青色申告」がありますが、青色申告をする為には原則開業届の提出が必要です

青色申告の節税効果のうち大きいものをざっくりあげると、

  • 所得から最大で65万円を特別控除できる
  • 家族に給与を払うことで経費を増やせる(専従者給与)
  • 赤字を繰り越すことができる

・・・など、節税に関する様々なメリットがあります。

青色申告は白色申告より手続きが複雑な面もありますが、かかる手間以上の価値があります。ぜひ開業届を出して青色申告で確定申告することを検討してみてはいかがでしょうか。

また、開業届を出した2ヶ月以内に青色申告の申請届を出せばその年から青色で申告ができます。(その他のタイミングだと青色申告をしたい年の3月15日までに要提出。適用は次年度からになります。)

開業届を出すタイミングで青色申告もあわせて申請手続きするとスムーズにできるためおすすめです。

開業した過去のタイミングで開業届を出すことは出来ないので、事業を開始した年から青色申告で確定申告をしたい場合は必ず開業届と青色申告の届出をお忘れなく。

万が一開業届を出し忘れてしまった場合に青色申告を希望される場合は、お近くの税務署に相談されることをおすすめします。

青色申告について詳しくは、以下の記事で紹介しています。白色申告と青色申告の違いやメリット、デメリットなども含めてチェックしてみてください。

 

屋号で銀行口座開設できる

個人事業主の「屋号」とは、法人における会社名に当たるもので、お店や事務所の名前、ペンネームなども含みます。

開業届を出す際に屋号を登録しておけば、屋号で事業用の銀行口座を開設することができます。プライベート用と事業用で銀行口座を分けておけば、確定申告の時もお金の出入りを整理しやすく、普段から収支の管理もしやすくなるでしょう。

開業届で屋号を登録すること自体にもメリットがあり、公式に自分の所属を名乗れるようになります。

個人で事業を営むより、屋号を持っていた方が信用度アップに繋がりますので、開業届を出す際は屋号も登録することをお勧めします。(屋号の登録は義務ではありません。変更も可能です。)

 

損益通算

事業所得として申告している場合には損益通算をすることができます。

つまり、例えばA(本業)とB(副業)という事業をしていてBで赤字が出た場合に、赤字分をAの所得から引くことができるということです。すでに支払済みの所得税が減額になるため、税金の還付を受けることが可能です。

例えば、サラリーマンとして300万円の年収がある人が、事業で100万円の赤字を出したとします。

この場合、損益通算を行うことで、すでに支払ってある税金のうち、100万円分の還付を受けることができます。

このように開業届は出すメリットがたくさんあります。

以下の記事で、開業届を出すメリットのより詳しい説明をしているので、こちらもぜひ参考にしてください。

 

開業届のデメリットとは

開業届は出すべき書類ではありますが、出すことがデメリットに繋がる点もありますのでご紹介します。

届出のタイミングによっては失業保険がもらえない

サラリーマンから個人事業主に転向する際に、前職を失った理由によっては失業保険(雇用保険の基本手当)を受けることが出来ます。

しかし、開業届を出すタイミングによっては、再就職をする意思がないと見なされ、失業保険を受給出来ない可能性があります。

失業保険の受給を希望される方は届け出のタイミングに気をつけましょう。

業種に注意する

開業届の提出の際に業種を書く欄があります。それは事業所得が290万を超える場合に個人事業税がかかりますが、その税率が業種によって違うからです。

業種によって支払う税額が変わってきます。例えば水産に特化したコンサルタント職の人が「コンサルタント業 (第3種)」のジャンルで登録するか、「水産業(第2種)」のジャンルで登録するかによって1%ほど税率に差が出てきます。

法定業種の中で多くが5%の税率ですが、該当する分野によっては3〜4%の税率に抑えられるので、ご自分がどの業種に該当するのかよく調べてから届けを出すよう注意しましょう。

絶対に開業届を出すべき人!

副業として事業をしている人

給与をもらっていれば受けられる65万円の給与所得控除と、青色申告をすることで受けられる65万円の青色控除は両方適用されます。

給与控除があるから青色申告はやっても無駄、ということはないので、なるべく早く開業届を提出し、青色申告者になりましょう。

青色申告の申請は、時期を逃すと来年の3月までできなくなるので、開業のタイミングで同時に申告をするのがおすすめです。

freee開業」なら、開業届と青色申告の申請もスマホから簡単に行えますよ。

 

まとめ

開業届を出すのは簡単な上、出すとお得な点もたくさんありますが、よく考えずに提出してしまうと損をしてしまう点など注意点もありますね。特に業種の設定に関しては注意が必要ですので、ご自身の該当する業種の税率などをしっかり確認してください。

開業届を出さないことで罰則はありませんが、提出することでたくさんのメリットがあります。個人事業で開業される際は、ぜひ開業届を出しましょう

無料オンラインサービス「freee開業」なら、必要事項をフォームに入力するだけで開業届を自動で作成してくれますよ。

 


画像出典元:Pexels

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