会社設立の費用が外注した方が安くなるからくり。賢く会社設立しましょう

会社設立の費用が外注した方が安くなるからくり。賢く会社設立しましょう

記事更新日: 2023/08/20

執筆: 編集部

ひとくちに会社設立をすると言っても、実際は様々な手続きが必要となり、それらには費用が発生します。

自分が会社を設立するにあたってどんな準備が求められ、それぞれいくらかかるのかを把握していることは、会社設立をスムーズに行う上で最低限必要なことです。

そこで本記事では、会社設立にかかる費用を様々な場合・方法に分けて解説します。

面倒な手続きが多い会社設立は、司法書士、税理士などの専門家に依頼するケースが多いですが、実は全て自分でやるときよりも安い場合があるんです!

ただこれにはちょっとしたビジネス上のからくりがあります。

このからくりも後でしっかりご説明するとして、まずは会社設立に最低限必要な費用をざっと見ていきましょう。

最低費用は株式会社なら20万円、合同会社なら6万円

まず、会社設立に最低限必要な手続きにかかる最低費用はいくらでしょうか。これは会社の形態によって異なり、

株式会社:約20万円
合同会社:約6万円

となっています。以下の表は、その内訳です。

法人印

登記申請に必要な書類には、法人印を押印する必要があります。設立時には基本的に実印、銀行印、角印の3種類の法人印が必要となり、素材にもよりますが、最も安いものだと合計3,000円程度から購入することができるようです。

ただせっかくの法人印ですので、無理にチープな素材を選んで価格を抑えなくてもよいかもしれませんね。

以下の記事では、おすすめの印鑑業者を紹介していますので、ぜひ確認してみてください!


参考までに、このメディアを運営しているプロトスター社は、3本セットで約2万円のものを購入しています。

収入印紙代

紙の定款で申請する際には、4万円の収入印紙を貼る必要があります。しかし、電子定款を用いれば、印紙代をまるまるカットすることができます。

定款を作る際、紙ではなく電子定款にすることで、印紙税がかからなくなるため、収入印紙代の4万円を節約できます。

ただ、電子定款を作るためには別途ソフトウェア等(※1)が必要となり、全て自分でやろうとすると用意が大変なうえ、費用も紙の場合とほとんど変わらなくなることに注意してください。

※1 自分で電子定款を作成するための費用

Adebe Acrobat:約34,000円

電子カードリーダー:約2,000円


電子定款の作成は、司法書士等の専門家に依頼するか、「会社設立 freee」などのツールを用いることで、費用を抑えることができます。

会社設立freeeを用いると、作成代行費用5,000円で電子定款を作成することができます。また年間契約をすることで、その5,000円が無料になるキャンペーンも実施されています。


電子定款の作成については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

定款の謄本手数料(株式会社のみ、合同会社は不要)

定款の認証を受ける際、謄本(原本の内容を写した文書)を、通常2本取得します。その際にかかる手数料が約2,000円ほどです。

公証人手数料

作成した定款は、その正当性を「公証人」に証明してもらう必要があるのですが、その公証人に支払う手数料として5万円かかります。

登録免許税

法務局にて行う登記申請の際に、登録免許税を納入する必要があります。

その費用は、株式会社・合同会社ともに資本金の額×0.7%です。

ただし最低金額が設けられていて、株式会社は15万円、合同会社は6万円です。よほど資本金が多いことがない限り、基本的にこの金額がかかります。

登録免許税は、収入印紙または領収証書で納入します。

 

ここまでが主な費用ですが、その他にも、以下のように細かな費用が発生します。

書類の請求費用

登記事項証明書(書面請求で600円)や印鑑証明書(書面請求で450円)など、設立に必要な書類を請求するために少額の費用が発生します。

交通費

定款認証の際には公証役場、登記申請の際には法務局など、手続きの際には特定の場所に訪れる必要があります。

交通費を抑えるために、予め手続きの全体像や必要な書類をしっかり把握し、無駄足を踏まないようにすることも重要ですね。

合同会社の方が安い!ただしデメリットも…

さきほどの図を見ても明らかなように、株式会社よりも合同会社の方が設立にかかる費用は圧倒的に安いです。

ただもちろん、株式会社と合同会社では、設立時だけではなく、その後の会社運営においても様々な違いがあるため、そうした違いを比較してから、どちらの形態で設立するかを決めましょう。

簡潔に言うと、会社を大規模に成長させていきたいのなら株式会社を選択すべきですが、スモールビジネスのまま続けていくことを前提としていれば合同会社でも良いでしょう。

合同会社は株式による資金調達ができず、上場という概念もないので、大規模化していくことは困難です。

株式会社と合同会社のメリット・デメリットは以下の記事でより詳細に解説しています。迷っている方はぜひ参考にしてください。

 

自分でやらずに外注した方が安くなる!?

会社設立には多くの手続きが必要となり、全て自分でやろうとすると、上記で説明した金銭的コストに加え、膨大な時間的コストがかかってしまいます。

また、これは実際に自分で会社を設立した人の経験談ですが、自分でやると多くの書類の整理に苦労し、何年も経ってから再度必要となった時にほしい書類が見つからなくなってしまうリスクもあります。

そこで、事業立ち上げに集中するためにも、実際は司法書士、行政書士、社労士、税理士などの専門家に依頼するケースが一般的となっています。

ただ、専門家に依頼するとさらに高い費用が発生するので避けたい、と思う方も多いでしょう。しかし、冒頭にも述べたとおり、自分で全てやるよりもむしろ安くなる可能性があります

一体なぜでしょう?

順を追ってご説明しますね。

多くは電子定款作成に対応している

まず、こうした専門家に依頼する場合、多くの場合は電子定款に対応しているので、定款認証における収入印紙代4万円を抑えることができます。

依頼手数料の相場は?

その上で、別途依頼手数料が発生しますが、その相場は数万円ほど。中には1万円以下で代行を依頼できる業者も存在します。

全て自分でやる場合には、上記の収入印紙代4万円が余計にかかってしまうので、依頼してもそこまで費用に差がなく、むしろ安くなる可能性もあることが分かります。

せっかくの機会だからすべて自分でやってみたい、手続きがどういう流れになっているのか自ら体験することで理解したいといった思いが強くなければ、専門家に依頼してしまった方が、時間的コストも鑑みるとはるかに効率的でしょう。

専門家への依頼手数料が安い理由

では、なぜ専門家への依頼手数料が安いのでしょうか?それは、彼らのビジネスモデルに理由があります。

実はこうした設立手数料が安い専門家は、会社設立の受託だけで売上を立てているのではありません

下の図のように、会社設立にかかる手数料を値引きすることで多くの顧客を獲得し、会社設立後に税理士等を紹介して、顧問契約を結ぶことでメインの売上である契約料を得る、というのが彼らの主なビジネスモデルになっているのです。(※ もちろん全てにあてはまるわけではありません)

実際に行政書士に依頼して会社を設立した方も、設立後に顧問契約へ誘導する電話がかかってきたそうです

もちろん、信頼できる優秀な専門家であれば、そのまま顧問契約をしても問題はないでしょう。ただ、契約料が相場より多額になっていれば、勿体無い支出が発生してしまいます。また、しつこく電話してくる業者も存在するようです。

以上の点から、会社設立を依頼する際は、

  • 設立後にこのような誘導があるかどうか
  • 誘導がある場合契約を避けられるか
    (設立代行の際に抱き合わせの販売をされていないかどうか?)

を確認した方がよいでしょう。

書類の作成だけを依頼し、申請は自分で行くことで安く抑えることもできる

また、設立の手続き全てではなく、書類作成だけなど一部の工程のみを依頼する方法もあります

例えば「会社格安センター」では、設立の手数料が7,600円と非常に安くなっています。

それは、サイトに「書類作成手数料」と書いてある通り、定款等書類の作成のみを依頼し、公証役場や法務局への手続きには自分で行く必要がある分、安く抑えられているのです。

自分で行った方が、会社を作った実感が湧いて気合いが入るかもしれませんし、こちらの方法も検討してみてはいかがでしょうか。

出典元:会社格安センター公式HP



その他の会社設立時の費用

ここまでは会社設立の際に直接発生する費用です。

ただ、設立したタイミングでは、ほとんど場合で以下の費用も発生するので知っておきましょう。

資本金の払込

費用として発生するわけではありませんが、会社設立時に資本金を代表者の口座に振り込まなければならないため、準備しておく必要があります。

 

ドメインの取得

会社のホームページを作成する際などに、自分でドメインを取得する必要があります。

ドメインの種類にもよりますが、たとえば最も有名な「お名前ドットコム」で「.jp」ドメインを取得する場合、1年契約で2,840円(税抜)がかかります。

ドメインは、メールアドレスを作成する際にも必要となるので、会社名が決まったら早めに取得した方がよいでしょう。

「gmail.com」を無料で使い続けることも可能ですが、一般的に個人が使うものなので、会社として認識されにくい上、信用もされにくいです。

なお、会社のドメインは圧倒的に「.co.jp」がおすすめです。その理由は以下の記事で解説していますので、ドメイン取得の前に読むようにしてください。

 

 

ホームページ・ロゴの作成

デザイナー等に作成を依頼するのであれば、費用が発生することになります。しかし、現代はこうしたものも全て自分で無料で作れる時代です。

ホームページはWordPressStrikinglyペライチなどの無料ツールで作成することが可能です。弊社プロトスターも、Strikinglyを用いてHPを自分で作りました。

自社ホームページの作り方は、以下の記事で紹介しています。

 

ロゴも、シンプルなものは自分で作ることができますが、おすすめはランサーズなどのサービスを使ってコンペを行う方法。

2万円〜5万円程度の予算感でロゴデザインを募集でき、複数の提案から気に入ったロゴを採用することができます。

実際ランサーズの公式HPでは、2万円で37件のロゴ提案を集めた例などが紹介されています。

デザイン会社を頑張って探して、高い費用を払って作ってもらっても納得いかない出来の場合もあります。複数の人に作ってもらい、その中から良いものを選ぶほうが失敗がありません。

画像出典元:ランサーズ公式HP

 

 

なお、自分でロゴを考えてみたいという方は、以下の記事でロゴの発想法について紹介しているので参考にしてください。

 

名刺

まだ売るものができていなかったとしても、会社を設立して事業を行う際には、色んな人からの情報を得ることは重要になってきます。そのため、名刺は早めに準備すべきです。

ひとまず名刺を作りたい場合は、ラクスルを使うのがおすすめです。

理由は圧倒的な安さ。100枚 500円(税込)から購入できます。

しかも無料のデザインテンプレートが使えるので、デザインで悩む必要もありません。

のちのち名刺のデザインにこだわりたい場合でも、一旦ラクスルで300枚ほど名刺を用意しておくとよいです。

出典元:ラクスル公式HP

 

 

会社設立後におすすめの名刺作成サービスについては、以下の記事でも紹介しています。

 

まとめ

よく「1円で会社が作れる時代になった」と言われることがありますが、実際は以上で説明したように、手続きの上で様々な費用が発生します。

最低限発生する費用は避けられないものの、出来る限り安くする方法もあるので、設立に必要な手続きの流れと費用をしっかり把握し、スムーズな会社設立ができるように備えておきましょう。

設立前の準備から設立後の手続きまで、会社設立全体の流れについては以下の記事で解説しています。

画像出展元:Burst

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