起業初心者必見!なぜ会社設立には司法書士や行政書士、税理士の力が必要か?

起業初心者必見!なぜ会社設立には司法書士や行政書士、税理士の力が必要か?

記事更新日: 2018/10/20

執筆: 小石原誠

司法書士・行政書士・税理士などの士業はそれぞれどう違うか知っていますか?

初めて起業をする方が最初に乗り越えなければならないハードルが「会社設立の手続き」です。会社設立の手続きは複雑で作業量も多いために、専門家である税理士や司法書士の力を借りて手続きを行う場合が多いです。

では、いったいどの士業事務所を選ぶのが良いのでしょうか?

今回は会社設立時に必要となる手続きと、司法書士・行政書士・税理士の役割や特徴の違いについて解説していきます。

会社設立の際に必要となる手続き

まずは、会社を設立する際に必要となる手続きを確認しましょう。大きく分けて以下の4つの手続きがあります。

1. 会社の基本事項の決定・印鑑の作成

2. 定款の作成・認証

3. 資本金の払い込み

4. 登記書類の作成・申請

1. 会社の基本事項の決定

まず初めに、設立する会社について「会社名(商号)」「本店所在地」「事業の目的」「資本金の額」「事業年度」などの基本事項を決める必要があります。

ここで決めた基本事項は次に作成する定款にも記載することになり、かつ定款は簡単に修正できるものではありませんから、事前によく検討して決めなければいけません。

このうち資本金額は税制に大きく影響します。また、関係事業計画や初期費用を念入りに相談して決めるべきですから、税理士に相談することが望ましいです。

2. 定款の作成・認証

会社に関する基本事項が決まったら、定款の作成・認証に移ります。この段階ではじめて「公証役場」という公の機関に書類を提出することになるのですが、ここで活用したいのが、官公署等に提出する書類の作成を行ってくれる行政書士司法書士の力です。

個人でも定款の作成・認証はできるのですが、よりスムーズかつ確実に定款などの書類作成と行政機関への提出を行いたいのであれば、行政書士や司法書士の力を借りると良いでしょう。

3. 資本金の払い込み

定款の作成と公証役場での認証が終わった後、会社の資本金の払い込みを行います。会社設立の発起人が自分一人であれば自分の銀行口座に、発起人が複数であれば代表(発起人総代)の人物の口座に発起人全員が、それぞれ資本金を払い込みます。

4. 登記書類の作成・申請

資本金の払い込みまでが終わったら、いよいよ会社を登記(法人登記)します。

法人登記とは、設立した会社に関する概要を一般に公表することをいうのですが、そのための書類を提出するのは会社の本店所在地を管轄する「法務局」となります。

ここで力を借りたいのが司法書士です。先述とおり定款の作成については司法書士と行政書士のどちらも行うことができるのですが、登記書類の作成及び法務局への申請は司法書士の独占業務となっており、司法書士であれば書類の作成だけではなく申請手続きそのものの面倒も見てくれます。

 

会社設立後の諸手続き

法的には法人登記が終了した段階で会社が設立されたことになりますが、会社設立後にも行わなければならない手続きがあります。

これらの手続きは所管(業務を管轄する行政機関)がそれぞれ異なり、かつ仕事を担当する士業も異なります。

税務署への各種届出

本店所在地を管轄する税務署で行う手続きです。

「法人設立届出書」「青色申告の承認申請書」「給与支払事務所等の開設届出書」「源泉所得税の納金の特例の承認に関する申請書」などの書類を作成・提出しなければならないのでやや面倒ですが、税務に関する手続きなので税理士に依頼するとスムーズに手続きが行えます。

都道府県や市町村への開業の届出

都道府県や市町村の役所・役場で行う手続きです。「法人設立届出書」という書類を作成し定款のコピーや登記事項証明書などを添付して提出するだけなので、自力でやってしまう場合も多いです。

年金事務所で社会保険加入の手続き

本店所在地を管轄する年金事務所で行う手続きです。雇用している従業員の社会保険加入を行うものですが、会社にいるのが自分一人の場合でも手続きは必要なので、忘れず行いましょう。税理士や社労士などに相談すると安心です。

労働保険の加入手続きの届出

ハローワークで行う手続きであり、従業員を雇用する場合に必要となります。労働保険の加入手続きの届出のみ、士業の力を借りたい場合はこれまで説明してきた3つの士業ではなく、社労士に依頼することになります。

サービス展開に係る許認可の取得

会社が行うサービスの中には許認可を取得しなければならないものもあります。

例えば飲食店の場合には「飲食店営業許可」や「深夜酒類提供飲食店営業開始届出」、理容室や美容室の場合には「美容室開設届出」などです。

これらの手続きは行政機関に対して書類等を提出することで行うので、官公署等に提出する書類の専門家である行政書士の出番です。

司法書士・行政書士・税理士に依頼するメリット

創業に関わる手続きは複雑

法人登記には「定款」の他にも、「登記申請書」「発起人の決定書」「取締役の就任承諾書」「払込を証する書面」「印鑑届出書」などの複数の書類が必要になります。それぞれの書類には記載方法や押印箇所などが細かくルール付けされています。

また、会社設立後にも各種届出が必要であり、その届出先はそれぞれ異なります。創業に関わる手続きがいかに複雑であるか理解していただけたのではないでしょうか。

時間の節約をしよう

高い報酬を払ってまで司法書士・行政書士・税理士に業務を依頼するメリットは何なのでしょうか?

単刀直入にいうと「時間の節約」です。会社設立の手続きを一人でやろうとすると、膨大な数の書類について一つ一つ記入の方法やルールを調べながら作成をしなければいけないのでとても時間がかかります。

更に、もし記入の方法が間違っていれば行政機関に書類を受理してもらえず、作成し直して再提出しなければなりません。書類を作成し直すのにまた時間がかかる上に、行政機関の窓口は24時間365日オープンしているわけではないので、再提出のためだけに1日2日余計に時間を費やしてしまうなんてこともあり得るのです。

起業に際しては様々な手続きに振り回されます。特に初めて一人で起業する場合には、お金を払って士業の先生方に依頼して節約できる時間は節約しましょう。

司法書士・行政書士・税理士の違い

士業の先生に仕事を依頼する場合には、それぞれの職域や特徴を把握してから依頼することで、よりスムーズで確実に手続きを進めることができます。ここで、各士業の特徴について抑えておきましょう。

司法書士の特徴

司法書士の特徴は、3つの士業の中で唯一、法人登記の代理申請ができる点です。

特に法人登記の際に難しい内容の書類を複数作成する必要があるため、専門家である司法書士に代理申請を依頼すれば大幅に時間を節約できます。

加えて司法書士は会社の所在地や事業内容・役員などの変更など登記に関する手続きも行えます。会社設立後も司法書士の力を活用できるので、会社設立の段階でお世話になる司法書士を見つけておくと良いでしょう。

行政書士の特徴

行政書士の特徴は許認可などの行政手続きを行える点です。公証役場や市町村の役所・役場といった行政機関へ提出する書類の作成を依頼することができます。

特に先述のとおり飲食店営業など各種許認可が必要な場合には、行政書士の力を借りる場面がグッと増えることになるので、仕事を依頼できる懇意の行政書士を味方につけておくと便利です。

税理士の特徴

会社設立に際して税理士にお願いできる業務は「法人設立届出書」の作成など主に税務に関する諸手続きです。

これらの手続きは独力でやろうと思えばできなくもないですが、特に税理士の場合は会社設立時よりも、会社の会計記帳や決算・申告などの会社設立後の税務でその真価を発揮する士業ということができます。

一度提出さえしてしまえばそれで終わることがほとんどの会社設立の手続きとは異なり、会社の会計記帳は常に行わなければなりませんし、決算や申告は毎年必ずやってきます。

設立する会社に十分なノウハウを持った税務担当の人材がいるならばよいですが、特に一人で独立する形で起業する場合には、煩雑な税務作業を一任できる税理士を見つけておくことはほぼマストといえるでしょう。

司法書士・行政書士・税理士の比較

これまでご説明してきた司法書士・行政書士・税理士の特徴を比較表にまとめます。

実際に依頼する場合には

司法書士・行政書士・税理士はそれぞれ得意分野が異なります。各手続きを別々の士業事務所に依頼するのは手間ですので、実際に依頼する場合は各士業の方が全て在籍している事務所に依頼するのがおすすめです。

中心とする士業はどれでも構いませんが、自分のニーズに合った士業を選びましょう。

例えば定款作成時の資本金の相談や初期投資にかかる費用の会計処理など、金銭的な相談もしたいのであれば税理士事務所への依頼がおすすめですし、飲食店などの行政機関への許可申請でも頼りたいのであれば行政書士事務所に依頼するのが良いでしょう。

まとめ

今回は会社設立に際して必要となる手続きを説明するとともに、書類作成や申請などの作業を代行してくれる司法書士・行政書士・税理士の仕事の特徴や利用するメリットをご紹介してきました。

士業の力を借りる場面は会社設立だけではなく、会社を運営していく中でも多く訪れます。

全てを自力でやることも可能ではありますが、煩雑な手続きにムダに時間をとられるくらいなら報酬を支払って士業の先生方に仕事を依頼することも選択肢に入れておいた方がよいでしょう。

加えて会社設立後のことも考えれば、会社設立の段階で力となってくれる司法書士・行政書士・税理士の先生を見つけておくとには大きなメリットがあります。

画像出典元:photoAC

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