会社設立といっても株式会社や合同会社など、会社設立には種類があり、さらに手続きは細分化されてとても複雑です。
そのため、初めて会社を設立する人にとっては、とてもハードルが高く面倒に感じてしまう方が多いと思います。
今回はそんな会社設立に関する悩みを解決するために、会社設立の流れを「設立前・設立時・設立後」の3つのステップに分けて、わかりやすく説明していきます!
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一般的に「会社設立=株式会社設立」と考える方が多いですが、会社設立は株式会社のみではありません。会社の種類は大きく4つに分けることができ、中でも人気なのが株式会社と合同会社です。
ぜひ会社設立を行う前に、「あなたはどの会社が最適なのか?」を今一度確認しておきましょう!
会社設立と聞いて、多くの人が「株式会社」を思い浮かべるのではないでしょうか?
株式会社のメリットは、資金不足で事業が厳しいときは株式を用いた資金調達ができ、上場の可能性があるなど選択肢が豊富で、最もポピュラーな会社形態になります。
株式会社の次によく知られている会社が「合同会社」であり、ここ最近では株式会社ではなく、合同会社を選ぶ人も増えています。
株式会社と比べた際の合同会社のメリットは
・設立方法が簡単
・株式会社に比べて初期費用が14万円も安い
など、手続き上も費用面でもメリットが豊富です。
この他にも合名会社や合資会社がありますが、近年ではあまりメリットがないため選択する人が圧倒的に少ないです。
そのため、会社設立を選ぶ際には株式会社か合同会社で選ぶことをおすすめします。
先ほどもご説明しましたが、合同会社と合資会社を設立する人はほとんどおらず、基本的には株式会社か合同会社の2択になります。
会社の選び方については以下です。
株式会社:資金調達を視野に入れて上場を見据えている方
合同会社:費用をおさえて、とりあえず会社設立したい方
会社を大きくして稼ぎたい方は株式会社を選び、ランニングコストを抑えてとりあえず会社を作りたい方は合同会社がおすすめです。
株式会社と合同会社については以下の記事で詳しく紹介しているので、会社設立の方法で迷っている方はこちらもご覧ください!
先ほどの株式会社と合同会社の違いでもご紹介しましたが、会社によって設立費用が異なるため、ここでは株式会社と合同会社を例に設立費用を見ていきましょう。
株式会社で最もコストがかからない場合、設立手続きを自分で行うと合計で20.2万円の設立費用がかかります。
項目 | 金額 |
定款印紙代 | 0円(電子定款にした場合) |
定款認証手数料 | 5万円 |
定款の印紙代 | 約2,000円 |
登録免許税 | 15万円 |
合計 | 20.2万円 |
一方、合同会社で最もコストのかからない場合、設立手続きを自分で行うと合計で6万円の設立費用で済みます。
項目 | 金額 |
定款印紙代 | 0円(電子定款にした場合) |
定款認証手数料 | 0円 |
定款の印紙代 | 0円 |
登録免許税 | 6万円 |
合計 | 6万円 |
定款認証手数料・定款の印紙代がなくなり、登録免許税が9万円安くなっています。
合計すると株式会社よりも14万円以上お得なため、設立費用を抑えたい方は合同会社を検討してみてはいかがでしょうか?
ここまで、会社設立の種類や設立費用などをご紹介してきましたが、ここからは実際の流れをご紹介していきます。
結論から言うと、会社設立は「設立前・設立時・設立後」の3段階に分けることで流れがスムーズに行き、実際にやるべきことが理解できます。
まず設立前ですが、主にやることは以下の5つです。
1:発起人決定
2:商号決定
3:印鑑作成
4:資本金額の決定
5:所在地を決める
では、1つ1つを詳しく見ていきましょう!
発起人とは会社設立をする際に、資本金の出資・定款の作成など会社設立の手続きを行う人です。
また、発起人は取締役など会社の責任を負う人とは異なり、会社設立時のみ出資や会社手続きの責任を負う人になります。
商号とは「自身の会社名」のことです。名前は自由に決めることができますが、ルールがいくつか設けられているので、しっかりと調べた上で決めるようにしましょう。
まだ会社名が決まっていない方は、以下の記事を参考にしてください。
印鑑は登記手続きの際に会社の代表印を押す必要があり、さらに代表印は登記申請を行う時に一緒に提出する必要があります。印鑑はすぐに用意できるわけではないので、あらかじめ用意しておく準備が必要です。
代表印以外にも銀行印や各印などが後々必要になってくるので、始めにまとめて買っておくと後々困ることがありません。
現在では株式会社の資本金は、最低1円からでもよいことになっています。
しかし、資本金の額は会社の信用や税金・事業計画書等などに関わってくるので、しっかりと運営できるだけの資本金を設定することをおすすめします。
最後に、定款を作るまでに会社の本店所在地を定める必要があります。これは法人の住民票である「登記事項証明書」を発行し、類似商号がないかを調査する際に必要になるためです。
さて、設立前の準備ができたところで次は、実際に会社設立時にやっておくべきことについて詳しく説明していきます。
会社設立時に必ず作成しなくてはならないのが「定款」です。
定款とは、法人の名称や事業内容・事業目的・本社の所在地など、根本的なルールを定めたものであり、会社にとっての法律ともいえるでしょう。
また、定款に記載すべき項目は以下になります。
定款についてもう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
資本金払込とは、会社設立時の資本金を発起人名義の銀行口座に振り込むことです。登記前には会社専用の法人口座を作ることはできないため、発起人の誰かの個人口座へ払い込みを行います。
資本金払込の大まかな流れは以下です。
1:発起人の銀行口座を用意
2:資本金を口座へ振り込む
3:発起人の通帳をコピーする
4:払込証明書を作成する
5:通帳のコピーと払込証明書を1冊にまとめる
資本金払込はさほど難しくはありませんが、意外と間違えてしまう人が多いので、下記の記事で詳しい流れや注意点などを確認しておくと良いでしう。
定款認証の手続きと資本金払込が無事に終わったら、次は法務局での法人登記の手続きに移ります。
会社の種類や形態によって必要な書類や用意すべき枚数は異なりますが、主に必要となる書類は以下です。
登記書類は製本を用意し、印鑑証明書以外の書類を重ねて、左側をホチキスで留めるだけで完了します。
登記書類は法務局に申請した日が会社設立日となりますので、とても重要な段階になります。手順はとても簡単で、書類や手続きに誤りがなければ、提出して最短10日ほどで受領されます。
登記申請方法は「実際に法務局へ行く方法」と「郵送で送る方法」の2つの方法があります。
流れとしては以下になります。
1:登記申請書を「商業登記」窓口に提出
2:登記官が登記申請書をチェック
3:不備がない場合は登記完了
法務局の「商業登記」という窓口で、申請書を入れるための箱があるので、そこに申請書を入れるだけです。間違いがあってはいけないので、その前に申請書に間違いがないかを職員の方に見てもらうと良いでしょう。
時間がない方におすすめしたいのが郵送での登記申請です。登記は郵送でも行うことができ、流れとしては法務局での申請と変わりません。
封筒に「登記申請書在中」と書き、管轄の法務局宛に郵送しましょう。郵便の種類に指定はなく、普通便でも受理されるので安心です。
設立登記を無事行っても会社設立はまだ終わっていません。
では次に、会社設立後に必ずやっておくべきことを詳しく説明していきます。
税務署に提出する書類は以下の6つになります。
1. 法人設立届出書
2. 青色申告の承認申請書
3. 源泉所得税の納金の特例の承認に関する申請書
4. 給与支払事務所等の開設届出書
5. 棚卸資産の評価方法の届出書(必要であれば)
6. 減価償却資産の償却方法の届出書(必要であれば)
書類は管轄の税務署に提出しましょう。書類には提出の期限が決まっているので、早めに提出することをおすすめします。
また、書類は原本とは別にコピーをとっておきましょう。理由は提出する際に原本とは別にそれぞれのコピーを一緒に持って行き、原本は提出用として、コピーは保管用として受付印を貰う必要があるからです。
税務署以外にも地方税を払う必要があるため、都道府県や市区町村に届出を出さなければなりません。
地方税は都道府県、市区町村それぞれに事業開始の届出(法律設立届出)と同じ内容のものを提出すれば完了です。
社会保険への加入は法律によって義務付けられているため、役員や従業員の数に関係なく、社長1人の会社でも加入しなければなりません。
社会保険とは「健康保険」「厚生年金」「雇用保険」「労災保険」の総称で、「雇用保険」「労災保険」は従業員を雇う場合のみ必要となります。
先ほども説明いたしましたが、健康保険と厚生年金の加入は法律で義務付けられており、会社在地を所轄する年金事務所で行います。
また、会社設立5日以内に年金事務所に申請する必要があるので気をつけましょう。
雇用保険・労災保険はどちらも従業員を雇った場合のみ加入する必要があります。
そのため、会社設立時に従業員を雇っている経営者の方はこちらの保険への加入もしなければなりません。
社会保険への未加入は法に基づく罰則を受けてしまうリスクがあるため、会社設立後は必ず加入するようにしましょう。
「自分は加入条件を満たしているのか?」「必要な書類はどうやって集めるの?」と不安な方はこちらの記事を参考にしてください!
会社設立の手続きが終わったら、必ず法人口座を作成しましょう。法人口座は取引先とのお金のやり取りや、融資や助成金を得る際に必要になります。
また、法人口座の開設は個人口座とは異なり審査が厳しいため、できるだけ早く着手しましょう。
顧客目線でのサービス展開に注力している、おすすめの法人口座を以下にご紹介します。
画像出典元:GMOあおぞらネット銀行公式HP
GMOあおぞらネット銀行は、設立1年未満であれば他行宛振込手数料が月20回無料になります。
また、条件を満たせば、即日口座開設可能。バーチャルオフィス並びに携帯電話でも申し込み可能。決算を迎えていなくても口座開設可能であるため、創業期の起業家の方にはぴったりの口座といえるでしょう。
2023年1月よりペイジーの対応も可能となったため、ネット銀行のデメリットであった税金の支払いも可能となります。
●最短即日開設の場合
●最短4営業日〜開設の場合
●最短即日開設の場合
*書類は郵送よりアップロードの方が、審査がスピーディーです。
●最短4営業日〜開設の場合
*期限内に手続き完了がされない場合、申し込み取り消しとなります。
GMOあおぞらネット銀行は、顧客目線でのサービス展開に注力している為、手数料を節約したい経営者、業務の効率をアップさせたい経理担当者に優しいサービスとなっています。
これから法人口座開設を検討している方に、おすすめのネットバンキングとなっています。
開設する際に必要な書類・審査基準、他おすすめの法人口座などは下記の記事で詳しく記載しているので、こちらを参考にしてください。
法人口座を作成したら同時に、法人用クレジットカードも作成しましょう。
法人用クレジットカードを作る主なメリットとしては「経費申請が楽になること」です。
例えば、個人用のクレジットカードのみで経費を管理することもできますが、どの出費がプライベートなのかビジネスなのかが混乱し、経費申請が非常にめんどくさくなります。
そのため、法人用とプライベート用でクレジットカードを分けることにより、出費の仕分けが簡単になるのです。
ただ、クレジットカードはカード会社によって審査の通りやすさやポイント還元率などが異なるため、カード作成に悩む方はこちらの記事がおすすめです。
会社設立後にすぐにしなければならないならない手続きについては、以下の記事でより詳しく解説しています。
会社設立の際は、手続きのほとんどを簡略化してくれる会社設立サービスの活用がおすすめです。
必要事項を入力するだけで定礎などの書類が簡単に作成できます。
紙であれば4万円かかる印紙代も電子で作成するため、0円で作ることができます。
「会社設立freee」、「マネーフォワード会社設立」であれば電子定款を手数料5,000円※で利用することができます。
※会社設立freeeの場合、「freee年間特典」を利用することで電子定款手数料が0円になります。
また、会社設立freeeのオプションサービスである登記お任せプランを利用すれば、相場の1/3の価格で登記に関する手続きを一任できます。
本社所在地が変わったり、事業の目的が変わったり、あるいは取締役などの役員に関して変更があった場合など、会社・法人の登記変更は様々な場面で必要となります。
特にスタートアップ企業の場合には本店所在地や目的、資本金の額、あるいは役員に関する事項は変更する可能性が大いにあるので注意が必要です。
煩雑な作業のため、司法書士に外注することもできますが、オンライン登記書類作成サービスを使うと安く簡単に登記変更することができます。
例えば「GVA 法人登記」のようなサービスであれば最短7分程で書類を作成することも可能です。
本店移転や役員変更、商号変更など9種類の登記に対応しており、費用も司法書士に依頼する場合の1/4と、安く・早く・簡単に登記書類を作成できます。
アカウント作成・登記情報の取得代行サービスを無料で利用できるため、ご興味のある方はご確認ください。
以上が「会社設立は3ステップで完了する!流れや手続きを徹底解説!」についてでした。
会社設立は手間がかかり複雑ですが、流れさえしっかりと抑えることができれば、安心して会社設立を行うことができます。
設立の際に記載する書類内容は設立後にとても重要になってくるので、いい加減に記載せず、しっかりと準備した上で記載するようにしましょう!
画像出典元:Pexels
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