時間のかかった会社設立が終わりやっと一息つきたいところですが、実は会社設立後にしなければいけない手続きがまだ残っています。
各役所に直接出向く必要がありますので、時間も手間もかかってしまいます。
本記事では、会社設立後すぐにしなければならない4つの手続きについてまとめています。
このページの目次
大きく分けると4つの役所で手続きをする必要があります。
それぞれ手続きはひとつではないので最低限どこで何をするのか以下のリストで確認してください。
またひとりでできないものではありませんが、それなりに大変な作業であり、時間もかかるものです。会社の代表として知識は入れておき、実務の部分は税理士や社労士にお願いするのもひとつの手です。
1. 法人設立届出書(会社設立から2ヶ月以内)
2. 青色申告の承認申請書(会社を設立してから3ヶ月以内)
3. 給与支払事務所等の開設届出書
4. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
法人設立届出
1. 健康保険・厚生年金保険新規適用届(事実発生から5日以内)
2. 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
1. 労働保険 保険関係成立届(保険関係が成立した日から10日以内)
2. 労働保険 概算保険料申告書(保険関係が成立した日から500日以内)
3. 雇用保険 適用事業所設置届(設置の日から10日以内)
4. 雇用保険 被保険者資格取得届(資格取得の事実があった日の翌月10日まで)
当然ながら納税は会社の義務であり、「忘れていた」「わからなかった」で済まされるものではありません。大きな問題になりかねないので必ず先に済ませましょう。
以下の必要な書類を記入・押印したらコピーをとって、2部ずつ税務署に持参しましょう。一部は税務署、一部は自社の控えとなります。
また管轄の税務署はこちらから確認できます。
法人設立届出書は、設立した会社の概要を税務署に知らせるための書類となり、税務署内の戸籍のような役割になります。税金関係の書類のやりとりの土台となる大切な書類です。
下記、国税庁のHPから書式がダウンロードできます。
書き方に難しいところはありませんが「実印」が必要となりますので、抜けのないよう気をつけてください。
青色申告とは、複式簿記による会計処理を行う代わりに税務上赤字の繰越が認められる等の特典が与えられる制度で、設立した会社が青色申告で法人税を納めるために必要なものです。
会社にとって必須の制度なので必ず申請しましょう。
下記、国税庁のHPから書式がダウンロードできます。
株式会社では、代表取締役などの役員、一般の従業員の給与も会社の支出として扱われます。
これは節税にもつながる大きなポイントとなりますので、仮に代表ひとりの会社だったとしても必ず提出しましょう。
下記、国税庁のHPから書式がダウンロードできます。
給与支給者が常時10人以内の会社の場合、源泉徴収の納付を半年に1回にまとめることができるのがこの申請です。
創業間もない会社には非常に助かる制度になりますので従業員10人以内の会社の場合は忘れずに申請しましょう。
下記、国税庁のHPから書式がダウンロードできます。
最初の確定申告の提出期限までに提出する必要があります。
それまでに提出しなければ、自動的に「最終仕入原価法」という評価方法を取らなければいけなくなってしまいます。事前に在庫管理・運用が決まっている場合は届出をしておきましょう。
減価償却も経費になりますので、税金のコントロールする上では重要なポイントになります。この届出書を提出しなければ、自動的に定率法を適用しなければいけなくなります。税理士と相談の上申請するか検討しましょう。
税務署に提出する法人設立届出書と同じ内容のものを都道府県と市町村にも提出します。
これは国税の他に地方税を収めるために必要なものとなります。税務署で使用したものの複写で良い場合が多いですが必ず各都道府県、市町村のHPで確認をとりましょう。
どこの地方自治体でも
が必要になりますので忘れず用意しましょう。
北海道 | 北海道 |
東北 | 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 |
関東 | 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 |
中部 | 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 |
近畿 | 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 |
中国 | 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 |
四国 | 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 |
九州沖縄 | 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 |
年金事務所では社会保険の加入手続きを行います。
社会保険とは、「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」の3つのことを指し、株式会社では、半分を会社負担としなければいけません。
実態として小さな会社の場合、負担が大きく加入していない法人も見受けられますが、社会保険の加入は義務です。
情報社会となった現代では思わぬところから大きなトラブルになります。事前に予算を立て、しっかりと加入しましょう。
最寄りの窓口はこちらからご確認ください。
その名の通りの健康保険・厚生年金の「新規適用届」になります。厚生年金保険及び健康保険の加入が法律で義務づけられていますので必ず提出しましょう。
日本年金機構のHPより詳細な手続き・申請方法が確認できます。
こちらは簡単に言えば健康保険及び厚生年金保険に加入すべき従業員のリストの提出ということになります。設立直後の他にも従業員を雇用するたびに届け出が必要になります。
日本年金機構のHPより詳細な手続き・申請方法が確認できます。
会社設立してから従業員を雇った場合には、労働保険の加入手続きもしなければなりません。
労働基準監督署とハローワーク(公共職業安定所)でそれぞれ手続きをします。従業員を雇わない場合にはここは不要になります。
労働基準監督署では「労働保険」に関する手続きを行います。
「労働保険」とは従業員が業務上や通勤上で怪我や病気などの労働災害を受けた時に被災した従業員や家族を保護するために必要な保険給付を行うものです。
上記2つの届け出が必要になります。
加入の手続きは、総務省が運営するe-GovからWEBで行うことができます。
不安な場合には窓口でも届け出が可能です。
ハローワークでは「雇用保険」に関する手続きを行います。
「雇用保険とは」従業員が失業したり休業したりした場合に、その労働者の雇用と生活を守るために給付を行うものです。
上記2つの届け出が必要になります。
上記のものを揃えて窓口まで行けばどちらの書類もその場で完成させることができます。
会社設立後すぐにしなければならない4つの手続きについて解説してきました。
見慣れない言葉や、普段行くことも少ない役所ばかりが登場し、難しさを感じてしまうかもしれませんが、内容としては当然のものばかりです。
会社を設立したことを税務局と自治体に届け、年金・保険の加入をするということだけです。
ここでやらずに放置すると法律違反となり会社の信用にも関わります。やることをリスト化して効率よく済ませてしまいましょう。
会社設立後の手続きが終わったあとに済ませておきたいのが、法人口座の開設と法人クレジットカードの作成です。
どちらも審査があるため、ある程度が時間がかかります。必要になったときに困らないように、なるべく早めに着手しておきましょう。
会社設立後にも急いでやることは色々あることがおわかりいただけたかと思います。
会社を立ち上げるにもなかなか一筋縄ではいかないですね。
会社設立時に必要な登記手続きをはじめ、手続きに関する手間はなるべく省きたいところ。
手続きに時間も労力も割けない方におすすめなのが、会社設立freee・マネーフォワード会社設立をはじめとしたクラウドサービスの活用です。
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