会社設立の際に必要な「登録免許税」とは?半額にできる制度もある!

会社設立の際に必要な「登録免許税」とは?半額にできる制度もある!

記事更新日: 2023/09/03

執筆: 小石原誠

初めて会社を設立しようとするときに一番気になるのは、どのくらいの費用がかかるかという点でしょう。

会社法の改正により資本金1円からでも株式会社を作れるようになった、とはいいますが、実際には様々な行政手続きがあるために、会社設立には決して安くはないお金がかかります。

中でも大きなウェイトを占めるのが法務局での会社登記の際に必要な「登録免許税」です。

今回は「登録免許税」を含めた会社設立の際に必要となる費用について解説するとともに、登録免許税を半額にしてもらえる「創業支援事業」についてご紹介していきます。

会社設立に必要な費用を確認

まずは、会社を設立する際に必要となる費用について確認しておきましょう。なお、今回は株式会社を設立する場合を想定してご説明します。

(合同会社について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください)

公証役場での定款認証の手続きを行う際に「用紙定款」を使用するか「電子定款」を使用するかで、収入印紙代40,000円の有無が変わります。

しかし、基本的に株式会社の設立にはおよそ20万円以上の費用が必要となると認識しておけば間違いありません。

また、これらはあくまで手数料などの必要最低限の費用なので、実際には公証役場や法務局などへの交通費も必要になりますし、電子定款を用いる場合にはそれ用のソフトやデバイスを用意しなければならないのでその分のお金もかかります。

もちろん資本金も実際には1円で設立することはあまりないので、会社設立には余裕を持って資金を準備しておく必要があります。

登録免許税とは

会社登記を行う際に法務局に支払うお金

「登録免許税って何?」という疑問に対して一言で答えるならば「会社登記を行う際に法務局に支払うお金」ということができます。

「税」と名がついているとおり登録免許税法という法律で定められている「国税」です。法務局での申請に先立ち金額分の収入印紙を購入するか、もしくは金融機関や税務署で現金納付を行う形で支払うことになります。

登録免許税の費用計算方法 | 基本は15万円

株式会社の場合は、登録免許税として15万円、もしくは資本金額の0.7%が15万円を超えればその金額を支払う必要があります。

ただし、資本金額の0.7%が15万円を超えるのは、資本金額が2,143万円以上になってからです。特に初めて会社設立する場合には資本金額がここまで高額になることはあまりないでしょうから、登録免許税は15万円と覚えておけばよいでしょう。

登録免許税が半額になる?「創業支援事業」とは

これまでご説明してきたとおり、会社を設立する際には行政手続きに関する費用だけでも最低で約20万円ほどのお金が必要になります。

もちろん会社は設立だけではなく運営にもお金が必要となるために十分な金額の資金を用意して設立に臨むべきですが、とはいえ会社設立時の費用などはできるだけ最低限に抑えたい、というのも起業家の本音でしょう。

実は、平成26年1月に施行された産業競争力強化法という法律により、国から認定を受けた市区町村が「創業支援事業」を行っています。

この創業支援事業に申し込み会社設立を行うと、法務局への登録免許税15万円が半額の7.5万円に軽減してもらえる特例措置を受けられます。

ほかにも自治体や日本政策投資銀行の創業融資を受ける際の優遇措置や、自治体からの補助金などにも申請ができるようになります。

もちろん全ての会社設立が創業支援事業を活用できるわけではなく、自治体内に本社を置くことなど自治体が条件を設定していることがあります。

創業支援事業は市区町村ごとにホームページなどで情報を公開しているので、会社設立の際には創業支援事業についてよく調べて活用できるか検討してみるとよいでしょう。

税理士事務所などに代行を依頼すると会社設立費用が安くなる?

本来であれば約20万円ないしは約24万円必要となる会社設立の費用。

ところで、この会社設立費用を自分で設立するよりも安い値段で代行をする、という旨の広告を行っている税理士事務所などを目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

安くはない会社設立費用を少しでも削減できるならしたい!と思い、税理士事務所などを頼ってみようとする方もいるかもしれません。

ですが、こういった会社設立代行は会社設立後の顧問契約が必須条件となっていることがほとんどであり、中にはその顧問契約が高額なものになっていたり、何年間かは顧問契約を打ち切ることができない契約内容となっているような事務所もあります。

もちろん、会社設立は費用だけではなく手間もかかるものなので、税理士事務所などに代行を依頼するのは手間を省くという意味では有効な手段です。

もし代行を検討する際には、会社設立だけではなく顧問契約などの内容も含めて慎重に吟味することを強くオススメします。

まとめ

会社設立の際には行政機関への申請などのために最低でもおよそ20万円のお金がかかります。

うち15万円は法務局に会社登記を行う際の登録免許税という費用ですが、この登録免許税は自治体が行っている創業支援事業を活用すれば半額の7.5万円まで削減することが可能となります。

自治体ごとに条件や受けられる特例措置が異なるので、創業支援事業を活用したい場合には事前によく調べて検討しましょう。

また、格安で会社設立を代行するという税理士事務所などもありますが、利用を検討する場合は会社設立後の顧問契約も含めてよく吟味することをオススメします。


なお、会社設立の流れについては以下の記事で解説しています。

画像出典元:Photo-AC, pexels

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