法人とは?法人の種類、法人と個人事業主との違いも紹介

法人とは?法人の種類、法人と個人事業主との違いも紹介

記事更新日: 2019/09/09

執筆: 編集部

独立開業をするなら会社を起こして法人化するか、個人事業主として事業を始めるかの2種類のうちどれかを選択することになります。

とはいえ、言葉の意味や個人事業主との違いなども理解しておかなければ、どちらを選べばいいのか迷うことになります。

この記事では、まず法人とは何か、法人に含まれるものには何があるのか、法人と個人事業主の違いを説明します。

あらためて「法人」とは?

起業する際の選択肢は、会社法人を設立するか、個人事業主としてスタートするかになります。

まずは、あらためて「法人」という言葉の意味から説明します。

法人の定義

法律用語辞典などの定義によると「法人」とは

「自然人以外で、法律上の権利義務の主体なることを認められているもの」

となっています。

まず「自然人」とは権利義務の主体となる個人のことです。

ですから法人の定義を分かりやすくすると

「人と同じように法的権利や義務が認められている団体」

という事になります。

例を挙げるなら、個人は法的権利を行使して、商品を売買したリ、不動産を所有したリします。

何か問題を起こした場合は法的に訴えられることもあり、判決に基づいて弁済義務を負うこともあります。

権利義務を持つ法人団体も、個人と同じように売買・所有・契約・裁判などの分野で法的権利を行使したリ、義務を負うことが法的に認められています。団体名義で様々な活動が行えるようになるわけです。

企業・会社との違い

後で説明しますが、会社も法人のひとつです。

ですからここで先に企業と会社の違いについて触れておきます。

会社は

「会社法に基づいて設立された法人」

を指します。

法人となっている点がポイントです。

会社には株式会社・合同会社・合資会社が含まれます。

企業は

「営利を目的として継続的に経済活動を営む組織体」

を意味します。

法人として登録されているかどうかは問われていません。

ですから個人事業主も企業であり、もちろん法人登録されている会社も企業です。

そのため会社よりも企業の方が定義に含まれるものが多く、企業の定義の中に会社も含まれているということになります。

法人は大きく分けると2種類

法人はまず大きく2つに分けることができます。

法人の種類

1. 私法人
2. 公的法人

さらに私法人は営利法人と非営利法人に分けることができます。

それぞれの意味と違いを次に説明します。

1. 私法人とは?

私法人は民間法人とも呼ばれています。

国家や公共団体の権力の影響を受けない法人のことです。

この私法人もさらに2つに分けることができます。

私法人(民間法人)の種類

1. 営利法人

2. 非営利法人

 

1. 営利法人とは?

私法人は国や公共団体の権力から強制的に影響を受けることのない法人でした。

その中の「営利法人」は経済的利益を得ることを目的とした法人のことです。

代表的な例は株式会社です。

事業から得た利益を、株主や社員など株式会社という方位人を構成する構成員に分配するのが目的だからです。

外にも合同会社や合資会社などが営利法人に含まれます。

2. 非営利法人とは?

営利法人が経済的利益を得るのが目的の法人でしたから、「非営利法人」は反対の意味の経済的利益を得ることを目的としない法人を指します。

ちなみに非営利法人も2種類に分けられます。

非営利法人の種類

1. 中間法人

2. 公益法人

 

1. 中間法人とは?

中間法人とは、会社のような営利目的の法人でもなく、公益を求めている公益法人でもない、その中間のような法人のことを指します。

その法人団体を構成する構成員に共通する利益を求めることが目的です。

代表的な例は同業者団体、管理組合、県人会、互助会などです。

ただし中間法人設立の基礎となっていた中間法人方が平成20年に廃止されたので、これまでの中間法人は一般社団法人に移行しています。

2. 公益法人とは?

「公益法人」とは公共の利益を図ることを目的とし、営利を目的とはしていない法人のことです。

公益法人の代表的な例には以下のものがあります。

公益法人の代表的な例

  • 財団法人
  • 社団法人
  • 社会福祉法人
  • NPO法人

 

財団法人

財団法人は一定の目的を持って拠出された「財産」の運用を目的とした法人です。

例えば奨学金や研究開発費などの運用を行うための法人団体がこれに含まれます。

財団法人には、公益財団法人と一般財団法人の2種類があります。

公益財団法人を名乗るには、内閣総理大臣もしくは都道府県知事によって認定される必要があります。

そのためには「公益認定基準」で要求されている資格を欠くことなく、基準を満たしていなければなりません。

一般財団法人に関しては平成20年に施行された新公益法人制度により登記のみで設立が認められています。

社団法人

社団法人は共通の目的をもった「人」が集まった非営利目的の団体です。

社団法人にも公益社団法人と一般社団法人の2種類があります。

公益社団法人は非営利性かつ公益性のある事業内容であることが認められた法人団体で、税制上の優遇措置を受けることができます。

公益社団法人の認定を受けるには、まず一般社団法人を設立する必要があります。

有名は公益社団法人には日本医師会があります。

一般社団法人は2名以上の構成員がいれば登記のみで設立できます。

有名な一般社団法人としては一般社団法日本レコード協会があります。

社会福祉法人

社会福祉事業などに携わる法人です。

社会福祉事業には、特別養護老人ホーム・児童養護施設・障碍者施設・救護施設・保育所・訪問介護・デイサービス・ショートステイなどの事業が含まれます。

社会福祉法人は、先ほど紹介した社会福祉事業に加えて、子育て支援・介護支援・人材教育・行政や事業者間の連絡調整事業などの公共事業が行えます。

それらに加えて収益事業として、貸しビルや駐車場、公共的な施設内の売店の経営も認められています。

NPO法人

行政や企業とは別に公益につながる社会活動を行う法人がNPO法人です。

NPO法人制度が制定されたことで、市民がボランティアなどで社会貢献活動を自由に行えるようになりました。

有名なNPO法人として国境なき医師団日本(MSF Japan)があります。

2. 公的法人とは?

公的法人はその名の通り、公の業務を行うことを目的とした法人です。

公的法人に含まれるものとしては以下のものがあります。

公的法人の代表的な例

  • 地方公共団体
  • 独立行政法人
  • 特殊法人

 

地方公共団体

地方公共団体もしくは地方自治体もひとつの公的法人です。

都道府県、市町村ごとの地方公共団体があります。

独立行政法人

独立行政法人とは、各府省が政策を実施するために設けている部門から特定の事務・事業を分離し、その業務を担当する機関に法人格を与えたものです。

代表的な独立行政法人としては、国民生活センター国際協力機構、造幣局、国立がん研究センターなどがあります。

特殊法人

特殊法人は政府がその事業を行うよりも、企業的経営で行う方が良いと判断したものに対し、特別な法律により独立の法人を設け、国が特別の監督を行いながら、経営の自主性を認め能率的な経営を行なわせている法人を指します。

特殊法人の代表的な例は、日本放送協会(NHK)、日本年金機構、日本たばこ産業株式会社(JT)、、日本郵便株式会社などです。

法人の種類のまとめ

法人には私法人・公的法人の2種類があり、ぞれぞれにさらに細かな種類の法人がありました。

それらを表にまとめると次のようになります。

 

法人と個人事業主の違いとは?

法人の意味と種類を説明しました。会社は法人に含まれる種類のひとつでした。

では、起業する際に、法人と個人事業主ではどんな点が違ってくるのでしょうか。

起業して会社を設立したとき・廃業したときの費用や手間、会計処理の2つの面でそれぞれの違いを説明します。

設立の時・廃業の時にかかる費用や手間

法人と個人事業主で、起業時・廃業時にかかる費用と手間を比較しました。

  会社を設立した時とき 会社を設立した時とき
  費用 手間
法人 6万円から25万円程度

定款の作成
定款の認証
会社登記が必要

個人事業主 0円 開業届提出のみ

 

  廃業したとき 廃業したとき
  費用 手間
法人 数万円

解散登記
公告などが必要

個人事業主 0円 廃業届出提出のみ

 

法人と個人事業主の会計処理の比較

法人と個人事業主では会計処理の点でどんな違いがあるのか比較してみました。

  法人 個人事業主
経費 経費にできる範囲が広い 経費にできる範囲が狭い
生命保険 全額経費 所得控除
社会保険 会社負担分あり 会社負担分なし(従業員5人未満の場合)
赤字の繰越 9年 3年(青色申告の場合のみ)
会計・経理

財務諸表を作成する必要がある
税理士などのサポートがいる場合がある

個人で確定申告するので比較的簡単

 

法人と個人事業主では社会的信用度も違う

こうした表を参考にすると、個人事業主として起業する方は気楽に始められる気がします。

しかし、腰を据えてビジネスを始めたい、経営を軌道に乗せてしっかり儲けられるビジネスプランがあるといった場合は、税制面などで優遇措置を受けられる会社を設立するのがおすすめです。

企業の中には、個人事業主とは取引するのを渋るところもあります。

しかし会社として事業を行っているなら信用度が上がるので取引しやすいというメリットがあります。

株式発行による資金調達も個人事業主はできません。

さらに会社ならば、個人事業主と比べると求人の際に人を集めやすいというメリットも生まれます。

まとめ

法人とは、「自然人以外で、法律上の権利義務の主体なることを認められているもの」つまり「人と同じように法的権利や義務が認められている団体」という意味でした。

法人は、私法人と公的法人の2種類に大きく分けることができます。

株式会社や合同会社も私法人の中の営利法人に含まれる法人のひとつでした。

起業する際には、会社という法人となるか、それとも個人事業主としてスタートするかを選びます。

個人事業主として起業するなら、開業時は経費を抑えて気軽に開業できます。

会社設立をするなら登記などで経費がかかりますが、税金面・資金調達・信用面でより有利な立場に立てます。

法人の意味、個人事業主との違いをしっかり理解して、起業するなら会社か個人事業主かどちらが自分のビジネスモデルに向いているのかしっかり見極めましょう。

画像出典元:pixabay、burst

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