起業の際、社名と同様にじっくり考えたいのが「会社のロゴ」。ホームページに、名刺、封筒など、企業アイテムのいたるところに表記されるロゴは、まさに「会社の顔」といっても過言ではありません。
そう、会社のロゴとは、企業そのものの第一印象になります。つまり、「その存在を覚えられる」ために、重要な役割を担っているのです。
今回は記憶に残る会社ロゴの作り方、作るときのコツ・ポイントを有名企業の事例を参考にしながら解説します。
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企業が成長していく上で、最初のステップとなるのが、「認知」ではないでしょうか。もちろん、それを追い越すように「信用」も重要となってくるわけですが、人々にその名が覚えられていなければ、せっかくの信用も広がってはいきません。
たった1人の信用を、2人、10人、100人、1000人と広げていくためには、「認知=記憶に残ること」が欠かせないのです。
この点でいうと、会社の顔、トレンドマークとなるロゴは、一目で見て「あの会社のロゴだ!」と印象に残ることがロゴ作成の上で理想的とも言えます。そして、その理想を実現している企業は、私たちの身近にも多く存在することにお気づきでしょうか?
では、その代表的なロゴの数々を参考事例として、ロゴ作成のコツを探っていきましょう。
今回は、以下3社のロゴについて、その意味と現在に至るまでの認知の深さをご紹介します。
この3社のロゴに見られる共通点は、「シンプルなのに目に留まりやすい」ということ。事実、この3社のロゴが、脳裏に焼き付いている方も少なくないかと思います。
アメリカを発祥に、世界中へと広がる大手ファーストフードチェーン・McDonald(マクドナルド)のロゴマークと言えば、「金色のMマーク」。誰もが、McDonaldの頭文字の「M」からきているロゴだと想像するのではないでしょうか?
しかし実際のところ、代表的なあのマークは、「M」を表しているものではありません。
その起源は、1995年にオープンしたマクドナルド第一号店(イリノイ州・デスプレーンズ)。この店舗の屋根には、人目を引く金色の2本のアーチ(オブジェ)がかかっていました。
誰もが遠くからでも「あっ、マクドナルドだ!」とわかるような、象徴的なアーチの存在感。これをそのままロゴマークへと残したのが、現在私たちに認知が広まるMcDonald社のロゴマークです。
このロゴマークは現代でも、看板としてマクドナルドを象徴しています。趣のある京都の街中にあっても、エジプト・スフィンクスの横にあっても、パッと人々の目に留まるマクドナルドマークはまさに、高いブランド力を兼ね備えたロゴの代表なのです。
パソコンやスマホで気軽に欲しいものを購入できるインターネット通販サイト。その中でも群を抜いた知名度を掲げているのが、「amazon社」ではないでしょうか。
世界最大手と言われるamazon社のロゴマークと言えば、amazonの「a」から「z」にかけて、笑顔の口元を連想させる矢印で結ばれたもの。このロゴには、大きく2つの意味が込められていると言われています。
1つは、アルファベットの始まり「a」と終わりの「z」、すべての商品を取りそろえているという意味。2つ目は、利用者を満足させ、笑顔に導くという意味が込められたスマイルマーク。
amazon社の想いがしっかりと込められたロゴマークでありながら、「amazon」の社名がしっかり刻まれたわかりやすいシンプルな表記は、多くの人々の生活にすっかりと根付いていることでしょう。むしろ、そのわかりやすさ、覚えやすさこそが、amazonを代表するブランド力なのかもしれませんね。
今やiPhoneやMacBookなど、身近なコンピューターの代表格まで上り詰めているApple社製品。かじられたリンゴのマークはとてもかわいらしく、印象的ですよね。
そして何より、社名と会社ロゴが、見事に一致したネーミングは、何より覚えやすいものと言えます。
そもそもAppleという社名の語源は、創業者・スティーブ・ジョブズ氏自身がリンゴ農園で働いた経験から、「リンゴは完璧な食品だ」と考えていたことから。ただし、創業時のロゴデザインは、ニュートンがリンゴの木の下で涼んでいる絵画のようなデザインでした。
これをインパクトのあるシンプルなデザインに作り上げたのは、デザイナーであるロブ・ジャノフ氏。
社名であるAppleを象徴できるよう、「誰が見てもリンゴと一目でわかるようにしたい」という思いで、あえてリンゴを一口かじったデザインにしたそうです。
このシンプルなデザインは、カラーを様々に変えながら、Apple社製品の象徴としてコンピューターの黄金期を駆け上っていきました。こうして根付いたApple(アップル)マーク。シンプルの中にもリンゴをかじるという一工夫があったこそ、完成したブランド力なのかもしれませんね。
これら3社の代表的なロゴからは、ロゴ作成で大事に考えるべき3つのポイントが隠されています。
1. 表記
→ロゴをどのように表現すべきか
2. ブランド力
→ロゴそのものがステータスになるような存在感をどのように演出すべきか
3. 親しみやすさ
→この会社と言えば、このロゴ!という親しみやすさをどのように表すべきか
この3つのポイントが、どのように成功するロゴ作成へとつながっていくのか、一つずつ考えていきましょう。
まず考えるべきは、社名をどのような表記でロゴに残すのか。ここでは三社三様、3つの表記方法を知ることができました。
マクドナルド社:建物の象徴と社名(頭文字)をリンクさせて印象に残す
amazon社:社名のすべてをロゴに反映する
Apple社:社名を象徴するアイテムを明瞭な形に作り上げる
どの場合においても、ロゴ作成のヒントはすべて、会社にとって身近な場所にありますよね。それでいて、シンプルな表記に仕上げる。
これがロゴ作成における重要なポイントと言えるのではないでしょうか。
例えば、マクドナルド社のロゴについて。これは色にも、そのブランド力が隠されています。それは、マクドナルドのトレンドカラーが、アーチの黄色(金色)と赤、この2色だというポイントです。
黄色と赤と言えば、信号にも使われていますよね。そう、この2色は「目を引く色」なのです。この目に留まりやすい黄色と赤を、レンドカラーに取り入れてロゴが構成されていることこそが、マクドナルド社のロゴにおける成功の秘訣ではないでしょうか。
成功するロゴは、なんといってもその圧倒的存在感が重要です。
その点においてApple社のリンゴマークは、ロゴそのものがAppleというブランドを象徴する存在になっています。そのため、単にApple製品を購入するだけではなく、Appleのステッカーやアイテムを購入したり、あえてリンゴマークが目立つようにアイテムを持ち運んだりと、「Apple」というブランドそのものが、このマークによって確立しているようにも思えますよね。
そう、ブランドとしての「価値」を生みだすデザインこそが、ロゴの存在意義ともなるのです。
これら3社のロゴは、あらゆるツールに自然と溶け込んでいます。広告やWEBはもちろん、包装紙 / 段ボール / アプリ / おもちゃ など、各社に関連するアイテムの数々に、当たり前のごとく、ロゴが刻まれているのです。
逆を返せば、ロゴはあらゆるアイテムに刻まれても、馴染みやすいものでなければなりません。それによって「この会社のものだ」という安心感につながり、長年続く信頼となっていくのでしょう。
これについては、amazon社を例に挙げたいと思います。
amazon社の製品は、ロゴが入った袋で届くことが多くあります。この際、「amazonからの届け物だ」とホッとできる方も少なくはないのでは?つまり、一目みて「いつものこのロゴ」という親しみやすさが、会社の印象となり、認知につながるのです。
さて、代表的な3社のロゴについて、しっかりと考えてみると、いずれもロゴを見るだけで、社名やブランドが思い浮かぶデザインになっています。
そして、それを作り出すための3つの要素、「表記」「ブランド力」「親しみやすさ」を忘れずに、会社やブランドとの「繋がり」を表現することが、ロゴ制作における大事なコツと言えるのです。
デザインは極力シンプルにするべきです。
理想は1ロゴにつき1色、モノクロでも映えるデザインにすることを心がけましょう。
複雑な形やカラフルな色彩にしても、いい印象は残りづらく、逆にごちゃごちゃした印象を与えてしまう可能性もあります。
企業ロゴとなると、封筒・名刺だけではなくポスター・ノベルティなど様々な場所に使われます。
そのため、縮小・拡大、どのような場所に使われても、そして色弱の人でもロゴを認識できることが重要です。
ロゴはその会社のシンボルとなるもので、基本的には10年単位で使用することになります。
そのため、一時の流行に沿ったデザインでロゴを作ることはおすすめできません。
ロゴをブランドとして認知してもらうためにも、流行にとらわれないシンプルかつ親しみやすいデザインになるよう注意しましょう。
ロゴには著作物性が認めらない場合もありますが、著作権違反については状況によって異なることが多いため判断が非常に難しいです。
自社のブランディングという面からも、既存のロゴやデザインに似通ったものは避けるべきです。
また、著作権以上に考慮すべき点として商標権が挙げられます。
ロゴは商標登録を行えるため、自社で採用しようとしているロゴに似ているデザインが先に商標登録されている可能性もありえます。
無用なトラブルを避けるためにも、事前の調査は必須と言えます。
「どこかで見たことがあるような」デザインを使用することは今の時代は特にハイリスクな選択と言えます。
会社のロゴを作成する上で大事な秘訣を見たところで、いざ!会社のロゴを考えてみましょう!
一般的に、会社のロゴを制作する方法としては、次のような選択肢が考えられます。
大部分の方はロゴ作成は依頼することになると思います。
以下から詳しく解説していきます。
まず思い浮かぶ選択肢は、「ロゴ作成のプロであるデザイナーさんに依頼する」ということ。
近年では、手頃な価格でロゴ制作をしてくれる、デザイン制作会社も多く存在します。また数あるプロデザイナーが、コンペ形式であなたの会社のロゴを提案してくれるというWEBサービスもあります。
どこの会社に頼めばいいかわからないという方は、デザイン重視でこのようなサービスを活用してみてはいかがでしょうか?
コクリロゴは完全オーダーメイドのロゴデザイン制作サービスです。
使いやすいピクチャーロゴデザインを、お手頃価格で要望をもとに作り上げてもらえる点が特徴です。
お申込み・お問い合わせから依頼を行いますが、サイトのつくりもシンプルなので迷うことなく依頼を行うことができます。
納品までのフローもしっかり説明されているため、はじめての方でも安心して依頼することができます。
画像引用元:コクリロゴ公式HP
通常30,000円 → 特別価格15,000円(5/1〜5/31まで)
Logasterはウクライナ発祥のロゴ・デザイン作成のオンラインサービスです。
ひじょうに簡単な手順でロゴを作成でき、その制作実績は950万ロゴ(2020/5現在)に及びます。
小さいサイズのロゴであれば無料、高解像度版のロゴは約20ドル(2000円超)からと非常にお手頃な価格で購入可能です。
画像引用元:Logaster公式HP
ロゴ
製品用追加料金
修正2回まで、その後修正1回につき追加料金3,000円
ASOBO DESIGNはロゴ作成に留まらない各種デザイン・広告物作成を依頼できるオンラインサービスです。
ロゴデザインはもちろんのこと、
様々なデザイン制作を依頼できることがわかります。
また、制作依頼はHP上のお問い合わせフォームから行えるため、非常に簡単です。
ロゴデザインの料金体系を記載しています。
トレースプラン | セミオーダープラン | フルオーダープラン |
完成図案のデータ化 | 手書き原稿を元に作成 | 要望に基づき作成 |
¥9,800 | ¥29,800 | ¥238,000 |
デザイン案:1つ | デザイン案:2つ | デザイン案:5つ |
※すべて税別料金
さらに、プロへの簡単な依頼方法として挙げることができるのが、クラウドソーシングや個人のスキルを売り買いするサイトの活用です。
法人ではなく、デザイナー個人とWEB上のみで作り上げていくことができます。
また、特定のフリーランサーに発注するほか、コンペ形式を利用することも可能な点が特徴的です。
「クラウドワークス」はユーザー数300万人を誇る日本最大規模のクラウドソーシングサービスです。
特定の条件を満たすと認定される「プロクラウドワーカー」への依頼することはもちろんのこと、コンペを利用して高いクオリティのロゴをゲットすることも可能です。
行政から大企業をはじめとした70万社以上に利用されていることから、安心して始められるクラウドサービスと言えます。
安定した品質と充実したサポートの元でロゴ作成をしたい人におすすめです。
システム利用料 0円(別途有料オプションが2,000円〜利用可能)
「ランサーズ」はクラウドワークスに比肩するクラウドソーシングサービスです。
ランサーズがスキルを認めた「認定ランサー」に依頼をできるほか、コンペ形式によるロゴ作成外注も可能です。
また、はじめての方でも安心して外注が行えるような仕組みが整っている点が特徴的です。
クラウドソーシングの利用ははじめてだけど、専門性の高い人に依頼したいという人におすすめです。
成約時のシステム手数料は 0円です(時間報酬制の場合は 3%の手数料が発生)
「ココナラ」は知識・スキルを売り買いできるオンラインマーケットサービスとして有名です。
上記2つのサービスは企業側からの依頼がメインですが、ココナラでは「提案されているサービスの中から選んでいく」という形がメインになります。
C2Cがメインのサービスであるため、廉価な価格設定である点も特徴的です。
個人の方や安価にロゴ作成を外注したい人におすすめです。
購入者側の手数料は 0円です
法人個人に関わらず、プロに依頼する上で必ず決めておかなければいけない問題はあります。それは「著作権」について。
制作してもらったロゴは、名刺に記載したり、商品に加工したりと様々な活用がされます。その際、ロゴの著作権が依頼元である会社になければ、何かと不便に感じることも。
そのため、ロゴを発注する際には、著作権等の契約についても、しっかりと取り決めておくことが大変重要です。
賞金を設定して、コンペ形式でロゴのデザインアイディアを募集するサービスです。
賞金によっては、案がまったく集まらないリスクもあります。
logo.jp コンクールは、100名を超えるプロのデザイナーにオリジナルロゴを提案してもらえるロゴデザインコンペです。
複数のプロデザイナーから多種多様なアイデアを募集できるという点で、他サービスにはない特徴をもっています。
画像引用元:logo.jp コンクール公式HP
最低料金(30,000円)以上であれば、予算に合わせて値段設定を行うことができます。
自分でロゴを作ろうと考えた時、デザインについて精通している方、イラストが得意な方であればまだしも、果たしてしっかりとしたデザインが完成するのか不安に感じる方も少なくはありません。
そもそもどうやって作ればいいのか、スタートから手の付け方に悩まされる方もいらっしゃるかもしれませんね。
この際活用できるのが、ロゴが作成できるアプリやフリーソフト。ご自身でイメージするロゴがあれば、こちらを活用して作ってみてはいかがでしょうか?
またアプリやフリーソフトはその場でダウンロードすれば、すぐに制作できるので、急ぎでロゴを作りたい方にもお勧めできる選択肢です。
ちなみに、プロに依頼する際にも、アプリなどを活用して自分のイメージを作り、伝えるというのも効果的な方法かと思います。
丸や四角などの基本的な形状はもちろん、食べ物や動物のデザインが組み込まれているため、それらを組み合わせた本格的なオリジナルデザインを手軽に作成することができます。
写真に英語や形状を組み合わせることで、ロゴデザインを作れるアプリです。インパクトのある写真や会社(サービス)のマスコットキャラクターなどを使って、オリジナルに加工してみてはいかがでしょうか?
料理をするにも、「下ごしらえ」はとても大事ですよね。これは、ロゴ制作でも同じです。
ロゴをプロに制作を依頼するにしても、自分で作るにしても、下準備となる「イメージ作り」は欠かせません。
では、何を参考にイメージを作るべきか。実は近年、インターネット上や書籍でも、あらゆる企業のロゴ一覧が公開されています。
様々な企業のロゴを見つめ、ビジュアルはもちろん、様々な企業のロゴに込める想いを知ることは自社のロゴを作成する上でも非常に重要です。
既存ロゴを作成のヒントにすることも、失敗しないロゴ制作のために大事なステップです。
logo stock
LOGOPEDIA(ロゴペディア)
ロゴデザインの見本帳
国内外の企業や団体などのロゴデザイン700点以上の実例がまとめられています。ロゴデザインの発想のヒントになること間違いなしです。
著者:遠島 啓介 / 編集:フレア
出版社:エムディエヌコーポレーション
ロゴライフ 有名ロゴ100の変遷
アップル、スターバックス、ナイキなど、世界の有名企業100社の創業時から現在までのロゴの変遷を紹介した本です。おなじみのロゴの変遷が企業の歴史とともに解説されているので、ロゴの考え方のヒントを得られるはずです。
著者:ロン・ファン・デル・フルーフト
出版社:グラフィック社
また、自分ではどうにもイメージが浮かばない場合には、初めからプロとじっくり相談して決めるのも良いです。
一方、イメージがはっきりしているのであれば、アプリなどを活用して自分で作ってみるなど、自分に合った後悔のないロゴ作成方法を選んでください。
繰り返しになりますが、ロゴは「会社の顔」です。
広告やホームページ、名刺など、企業を表すあらゆるツール、場所に掲載されます。そのため、そこに込める会社の理念やメッセージをしっかり考えること、そしてそれが伝わるデザインを生みだすことが会社の認知度を高めるカギとなることでしょう。
だからこそ、大事なトレードマークとなるロゴ制作する上で、今回代表的な有名企業3社のロゴから学んだ3つのポイントをお忘れなく。
「表記」「ブランド力」「親しみやすさ」
これらのポイントを大事にしながら、あなたの会社に利益を生み出す、オンリーワンのロゴを作り上げてくださいね。
画像出典元:Pixabay
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