塾開業のための完全ガイド!気になる年収やメリット・デメリットも

塾開業のための完全ガイド!気になる年収やメリット・デメリットも

記事更新日: 2021/04/13

執筆: 編集部

教育が好き、子どもに教えるのが生きがいという方にとって、塾の経営は夢のある仕事ですよね。

実際に塾を開業しようと思うと、どんなことに気を付ければいいのでしょうか。

気になる開業資金や年収まで、塾の開業に必要な知識を詳しく解説していきます。

塾の開業に必要な資格と届け出

特別な資格は必要なし

塾の開業に必要な資格はありません。教員免許を持っていたり、塾講師としての指導経験があれば、開業の際に役に立ちますが、未経験でも塾を経営することは可能です。

しかし、教育に対しての熱意や子どもに対して真摯に向かいあう姿勢は必須でしょう。

教育方針に対してビジョンのない経営者では、生徒や保護者からの信頼は得られません。

塾開業の届け出は開業届1枚のみ

塾を開業するにあたって必要な届け出は「開業届」のみです。

開業届は、個人事業主として経営を始める際に税務署に提出します。

届け出は難しいものではないので、税務署のHPを参考に様式をダウンロードして、最寄りの税務署に提出しましょう。

どんな塾を開業するのか?塾のタイプと特徴

塾を開業したいと思ったら、まずは自分がどんな塾を運営したいのか考えてみましょう。

進学塾か補習塾

まずは、受験の指導に力を入れる進学塾か、子どもたちの苦手分野をサポートする補習塾のどちらの方針で運営するか決めましょう。

進学塾にするか補習塾にするのか、塾のタイプによって経営戦略も変わってきます

たとえば、進学塾にする場合、優秀な講師を集める必要がありますし、他の塾との差別化を図る必要もあります。

進学塾にする場合は、塾が集中するエリアで、特色を出し他の塾に負けないメリットを押し出していきましょう。

そのようなエリアだと、質の高い授業を提供することで、受験に対して意識の高い富裕層向けに授業料を高く設定することも可能です。

一方、補習塾にする場合は、子どもたちが通いやすいエリアに開業し、保護者が通わせやすい授業料の設定をする必要があります。

宿題のサポートなど、指導の幅は広くなりますが、大学生のアルバイトの講師も指導にあたることができるので、人材は比較的集めやすいと言えます。

個別指導か集団指導

塾の教育方針が決まれば、それに合った指導方法が決まります。

補習塾の場合、通いやすい授業料で運営できる集団指導がよいでしょう。進学塾の場合は、きめ細やかな指導ができる個別指導がよいかもしれません。

ただ、集団指導はライバル心で生徒同士高めあえる側面もあるので進学塾に適している面もありますし、個別指導は苦手分野をピンポイントで克服したい生徒に適しているので補習タイプの塾に合うといった考え方もできます。

いずれにせよ、教育ビジョンがしっかりとあれば、どのような指導がよいかおのずと決まってくるでしょう。

また、経営の面から考えると、個人塾の方が必要なスペース、必要物品なども少なく済むので運営資金を抑えることができます。

生徒あたりの客単価も高く設定できるので、運営はしやすいと言えます。

個人経営かフランチャイズ

経営形態にも、個人で始めるか、フランチャイズで始めるかの選択肢があります。

フランチャイズのメリットは、ネームバリューが生かせる、蓄積されたノウハウがあるというところです。

一方デメリットは、開業資金の高さとロイヤリティが発生する点です。教育方法や経営方法について制約が出てきてしまうのもデメリットでしょう。

個人で始める場合は、何から何まで自分で用意する必要があり、集客もイチからのスタートになるというデメリットがありますが、開業資金の低さ、自由な形態で塾が開業できるといった点でメリットが大きいでしょう。

開業を決意した方には、自分の思い通りの教育ができ、運転資金も低く抑えることができる個人経営がおすすめです。

それでも、ゼロから始めるのは不安だという方はフランチャイズを検討してみてもいいかもしれません。

有名なところだと、明光義塾や個別指導学院フリーステップなどがフランチャイズ経営です。

フランチャイズで始める場合は、各塾で説明会を開いているので何社が聞きに行くとよいでしょう。

自分の運営したい塾と、理念の合うところを選べば、その後の価値観のズレがないかと思います。

塾の開業に必要な資金はどのくらい?

開業資金の目安

フランチャイズで開業する場合、会社によってまちまちですが、1,000万円ほどの初期費用を考えておくといいでしょう。

ほとんどの場合、開業資金とは別に加盟金が必要なので、そちらも確認しておきましょう。

塾名 開業資金 加盟金
明光義塾 1,000万~ 300万
京進スクール・ワン 798万円~ 150万
ITTO個別指導学院 652万円 なし
個別指導学院フリーステップ 800万円~1,000万円 150万


個人で始める場合は、自宅で開業するか、テナントで開業するかによって資金が異なります

自宅で開業する場合は、資金が必要ないか、小規模な改装で済みます。

たとえば、12畳の和室を板張りにリフォームする場合なら20万円~30万円、12畳の洋室のクロス張替えで6万~8万円といった具合です。

その他、看板の設置も必要となります。

・和室リフォーム 20万~30万円

・洋室リフォーム 6万~8万円

・壁面看板 3万円~

・ライト付き看板 14万円~

・ウィンドウサイン 10万円~


テナントの場合、立地によって異なりますが、300万円くらいが初期費用の目安となります。

たとえば、学校が多くあるエリアであり、1日の利用者数が50万人にもなる東京の町田駅周辺でテナントを借りる場合を考えてみましょう。

駅から徒歩2分、80㎡のビル内にある事務所を借りるとします。

賃料は30万円、管理費等が8万円です。敷金なし、礼金1ヵ月分、保証金が8ヵ月分とすると、308万円の初期費用が必要ということになります。

300,000×(1(礼金)+8(保証金))+300,000+80,000=3,080,000


また、机や事務用品、機器類などの設備に200万円ほどが必要です。

塾経営に必要な物品

塾経営に必要な物品は以下の通りです。

資金を抑えたい場合は、ネットショップで価格の低いものを集めたり、リサイクルショップなどで必要なものをそろえるとよいでしょう。

学習のために必要な物品

テキスト/机/椅子/ロッカー/靴箱/本棚/黒板もしくはホワイトボード/コピー機など

運営に必要な物品

・電話/パソコン/エアコンなど

・施設費:敷金・保証金・前家賃など


その他、外装費や宣伝費も必要なってきます。

塾経営に必要な運営資金

初期費用のみならず、運転資金も十分に用意しておく必要があります。

経営が軌道に乗るまでの、賃借料、光熱費、宣伝費。

講師を雇う場合の人件費などです。売り上げが上がらないうちの自分の生活費も忘れなく計算しておきましょう。

はじめのうちは、生徒もなかな集まらず経営が苦しいことが予想されます。

その時期をうまく乗り越え、塾経営を成功させるためにも、事業計画書はしっかりと作りこんでいきましょう。

塾の運営に宣伝は必須

HPを作成

今の時代、WEB上での発信と情報公開は不可欠です。

塾を開業するにあたって、HPも作成しましょう。無料でHPを作れるサービスもありますので、簡単なものでいいのでひとつ作っておきましょう。

HPには基本情報として、塾の概要、授業料や指導できる授業、アクセスなどを記載しましょう。

教育方針や、どんなことを教えられる塾なのかを書いておくことでアピールにもなります。

HPにはブログを掲載できる機能もありますので、授業風景や生徒の体験談などを掲載するとよりいっそう、信頼感が高まります。

写真もきれいなものを使うことで、きちんとした印象を与えることができるでしょう。

チラシ作成

紙の宣伝媒体準備しておきましょう。HPと違い、チラシは紙面が限られているので、塾のPRポイントをわかりやすく掲載する必要があります。問合せ先も忘れず明記しましょう。

口コミ効果

生徒が増えてくると口コミも期待できます

紹介制度を作って割引をしたり、特典を付けたりすることも効果的です。体験授業があると、それがきっかけで塾通いを始める生徒さんも出てくることでしょう。

塾の経営者の年収はどのくらい?

規模により年収はまちまち

気になる塾の経営者の年収ですが、経営の規模によりまちまちなので一概には言えません。

小規模なところや軌道に乗る前の塾では、年収は100万~250万円くらいです。経営が安定してきた塾の平均的な年収は500万~600万円くらいでしょう。

年収1,000万円を目指すことは可能か

中には塾の経営で年収1,000万円を稼ぐ経営者もいます。

そのような経営者は、まず第一に子どもや保護者からの信頼も厚く、実力のある経営者と言えます。経営形態も、生徒を100人以上抱えていたり、複数の塾を運営していたりします

塾の経営で年収1,000万クラスを目指すためには、実績を上げ、塾の規模を拡大していくことで、利益を拡大していく必要があるでしょう。

まとめ

塾の開業にいたるまでのイメージが持てたでしょうか。

塾の開業といってもさまざまな方法があります。

学習塾を開業したい!という強い想いをお持ちであれば、ロイヤリティもなく、制約に悩まされず思い描いた教育ができる、個人経営での開業に挑戦してみてはいかがでしょうか。

教育ビジョンをしっかりもって開業すれば、生徒からも信頼され、事業も軌道に乗ってくるはずです。

この記事を参考に塾の開業に向けて準備を始めましょう!

画像出典元:Burst、O-dan

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