自宅サロンを開業するにあたって、最低限必要な予算はどのくらいなのでしょうか?
自宅サロンを開業したいけれど、準備は何をすればいいのか、どんなことからはじめたらいいのか悩んでしまいますよね。
今回は、自宅サロンに向く職種や自宅サロン開業のメリット・デメリット、開業に必要な手続き・予算に加えて、失敗例や注意点も紹介します。
このページの目次
自宅サロンではどんな仕事ができるのでしょうか。
おなじみのヘアサロンや料理教室などのほかにも、海底や地底から採取した泥を使うクレイパック、人気のネイルなど、自宅サロンの選択肢は広がりつつあります。
心と体を癒すエステ・美容系サロンでは、落ち着いた雰囲気を好み、まわりの音に敏感なお客様も多いものです。
プライベート空間を演出できる自宅サロンなら、お客様との距離も近く、寄りそったおもてなしも実現できます。
英語や音楽だけでなく社交の場で役立つマナーや、ビジネスなどでモチベーションを上げるためのコーチングも広く浸透してきています。
教育・メンタル系サロンにも注目してみましょう。
技術を学んだり、心の調子を整えたりする教育・メンタル系サロンは、マンツーマンでの指導や悩みごとを気兼ねなく話せるような空間が必要です。
食事や応接などのマナーでは細部へのこだわり、ハンドメイド作品では手作業に集中できる環境、心の内を吐き出すコーチングやカウンセリングでもリラックスできる空間が求められます。
自宅サロン開業のメリット1つめは、”時間にしばられないこと”です。
通勤や移動時間、満員電車や人の列などの苦痛から解放され、自分の思うままにスケジュールを組むことができます。
これまで出かけることで後回しにしていたことも、効率よくこなせる機会に恵まれるでしょう。
時間に追われることも減り、自身の体調管理にもよい影響が期待できます。
自宅サロン開業のメリット2つめは、”自由に内装ができること”です。
雇われの身では、変えたくても変えられないことのほうが多いものですが、自宅サロンなら自分の思い描く方向性や雰囲気を重視できます。
壁紙やインテリア、小物に至るまでこだわることも可能です。
納得のいくものを選ぶことで、サロン経営者としてのモチベーションも上がります。
その気持ちをお客様にもプラスαとして還元でき、料金以上の価値を提供できるのではないでしょうか。
自宅サロン開業のメリット3つめは、”家庭とのバランスを実現できること”です。
移動時間に時間がとられると、どうしても自分の時間を切りつめなくてはなりません。
自分の時間をムダにしたと思うと、心も体も元気がなくなっていきます。
これまで何となくムダにしていたと思う時間を、家族や自分を大切にする時間として過ごせるなら、それに越したことはないですよね。
家族との時間を確保できるようになれば、仕事への向き合い方にも変化が生まれます。
自分の大切な人たちが笑顔でいてくれることは喜ばしく、また明日も頑張ろうという気持ちも湧いてくるのではないでしょうか。
自宅サロン開業のデメリット1つめは、”立地が選べないこと”。
居住する場所の多くは、駅や繁華街から少し離れた場所が候補地となるためです。
住宅街では道が複雑でなかなか辿りつけなかったり、似た建物が多くどの家かよく分からないケースもあります。
駅から遠い場合は、車での送り迎えが必要なこともあるかもしれません。
気軽に足を運んでもらうための工夫をしていくことも大切です。
自宅をサロンにする時にためらってしまうこと、それは住所の公開ではないでしょうか。
家族の安全や近所のことを考えると、思い切った行動には出にくいかもしれませんし、そうなれば広告宣伝も難しいものです。
住宅街は人通りも少ないため、看板を出したとしても、飛び込み客など新規の顧客獲得はあまり望めないといわれています。
自宅サロンを開業すれば、自宅にお客様が出入りします。
家族や自身の生活環境が、少なからずお客様の目にふれることになるのです。
これまではあまり気にしていなかった生活感や物音、室内の消臭などにも気を配る必要が出てきます。
自宅サロンを開くために必要な資格は、業種によって民間資格でよいもの、国家資格が必要なもの、経験や実績のみでできるものがあります。
自宅サロンで開業できる職種の多くは、民間資格や経験・実績のみで開業可能です。
国家資格が必要な理・美容師やあん摩マッサージ指圧師は、受験資格として専門学校での知識・技術習得が定められています。
民間資格は、個人や企業、民間の団体によって独自のカリキュラムが組まれ、認定されるものです。
自宅サロンを開業する際には、開業1ヵ月以内に個人事業主となるための開業届を税務署に提出します。
確定申告を青色申告で行う場合は、「青色申告承認申請書」も提出しましょう。
青色申告が承認されると、確定申告の際に最大55万円の「青色申告特別控除」が受けられます。
令和2年分の所得税確定申告から、これまで65万円だった特別控除額が55万円に変更されました。
引き続き65万円の青色申告特別控除を受けるためには、「55万円の青色申告特別控除」の適用要件のほか、e-Taxによる申告(電子申告)もしくは電子帳簿保存が必要です。
理・美容室を開業する場合は開業の10日前を目安に、店舗を管轄する保健所へ「美容所開設届」も忘れずに提出しましょう。
自宅サロンを開業すれば、思わぬ事故に見舞われないとも限りません。
サロン内での施設事故、施術中に起こる事故、お客様の荷物を損失する事故、地震や火災での事故などが想定されます。
サロン向けの店舗賠償責任保険に加入することで、もしもの時に備えておきましょう。
自宅に賃貸マンション(分譲賃貸含む)を利用している場合は、自宅サロンを開業することができません。
自宅として借りる賃貸マンションは、「住居用」として契約締結がされているため、営業を目的とした自宅サロンを開業すると契約違反になってしまいます。
引越し先で自宅サロンの開業を考えている場合は、事務所(SOHO)可の物件を検討してみるとよいでしょう。
自宅サロンを開業して、人の出入りが多くなることも予想されます。
手続きではありませんが、近所の方とのトラブル防止のためにも、自宅サロンを開業することは事前に伝えるようにしましょう。
何か事故が起こった時に、協力をお願いすることになるかもしれません。
自宅サロンの開業に必要な予算は、一般的に30〜50万円といわれています。
内訳を見ていきましょう。
機材など、設備投資が必要な職種はその分予算の額も増えますが、エステサロンの開業で100万円ほどの予算が見込まれます。
自宅サロンの住所公開は控えたいなどの理由で、宣伝がしにくいことは先にも述べました。
ホームページ制作にかけられる予算がそれほどないということもあるかもしれません。
集客に十分な予算をかけられるに越したことはありませんが、必ずしも多くの予算が必要なわけではなく、低予算で集客につなげる方法もあります。
集客にあまり予算をかけられない時は、SNSを利用してファンや口コミを増やす方法も有効です。
どれもおなじみのSNSですが、主に作品などの写真を公開するならインスタグラム、文章中心の情報発信ならツイッターやフェイスブックと使い分けてもよさそうです。
プロフィールや料金に加えて、自宅サロン開業のストーリーやお客様の声なども載せると親しみや安心感を持ってもらえます。
低予算で困った時にはSNSや口コミを利用して、自宅サロンを紹介してもらえる仕組みを作るようにすると、集客につながりやすくなるでしょう。
自宅サロン開業の最低予算は、おおむね初期費用(必要機材含む)+30万円といえます。
紹介した予算の内訳で、どの部分を自分で行い、何を外注するのかをイメージすると必要な予算がわかるのです。
外注したい部分はどのぐらい費用がかかるのかをリサーチし、見落としがちな雑費も忘れず予算に組み込みましょう。
自宅サロン開業の失敗例1つめは、ホームページなどに載せた”アクセス情報不足で行き方がわかりにくかった”ケースです。
いつも通っている人が道を説明すると、初めての人にとって必要な情報を気づかぬうちに省略していることがあります。
アクセス情報を見た人に、行き方が分かりにくいという印象を与えてしまうと選択肢から外されてしまうでしょう。
写真つきで道順を説明する、住所公開をしない場合でも、最寄り駅やバス停までは公開するなど、できる範囲で多くの情報を提供するのがベターです。
自宅サロン開業の失敗例2つめは、”大手と似たようなことをして独自のサービスが欠けていた”です。
大手のサロンを参考にした結果、本来の強みを出せずに集客につながらなかったケース。
”ここは他のサロンに負けません!”というような、”このサービスならこのサロン!”と思ってもらえる魅力や特徴を発信しましょう。
その強みがサロンのキャッチコピーとなって、口コミでの紹介にもつながりやすくなります。
自宅サロンを開業するには、多くのハードルを乗り越えなければなりません。
それでも、テナントを借りるよりそのハードルは低く、無理のない範囲で工夫して乗り越えられるものもたくさんあります。
これまで紹介したメリット・デメリット、解決手段を参考に、自分の思い描く自宅サロンを一歩ずつ実現していきましょう。
画像出典元:Pexels
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