エステサロンを開業する5つの手順!必要な資格や費用を解説

エステサロンを開業する5つの手順!必要な資格や費用を解説

記事更新日: 2022/03/14

執筆: 太田繙

エステサロンを開業する場合、どんな資格が必要で開業費はどれくらいかかるのでしょうか?

自分でビジネスをやるとなると、集客や資金繰りの問題は避けて通れません。

この記事では、エステサロン開業に必要な資格、費用、開業までの手順、失敗事例、資金調達や集客などをわかりやすく解説します。

エステサロンの開業方法

エステサロンを開業するにも方法はいろいろあります。

一般的には、店舗を開設して開業しますが、工夫次第では、自宅サロンや出張サロンとして開業することも可能です。

そこで、開業方法によるメリット・デメリット、費用の目安、開業で利用できる助成金・補助金についてもまとめました。

自宅サロンで開業

自宅サロンで開業する場合、必要なものはベッドや家具など備品の購入費用です。

メリットは初期費用を抑えられ、通勤する必要がなくなります

デメリットは間取りの関係上、空間的な演出や専用機材の導入が難しいことがあげられます。

【自宅開業に必要な費用】
費用の内訳 目安となる金額
備品の購入費用 10~30万円

 

店舗開設で開業

店舗を開設して開業する場合、専用機材に加えて、物件を借りるための「不動産費用」と内外装を工事する「工事費用」がかかります。

不動産費用は、初期費用として敷金・礼金・仲介手数料などが必要で、おおむね家賃の6〜8ヵ月分の資金が必要です。

メリットは、空間演出による顧客満足度の向上、専用機器の導入が可能なこと、デメリットは、その分多くの費用が必要になることです。

資金調達や不動産契約もそれぞれ審査が必要で、場合によっては審査に通らず、契約が難航する可能性もあります。

【店舗開業に必要な費用】
費用の内訳 目安となる金額
備品の購入費用 10~30万円
不動産費用 90~120万円(家賃月額15万円で算定)
設計・監理料 50~90万円
内装工事費用 30~70万円
外装工事費用 50~100万円
専用機材費用 50~400万円
合計 280~810万円

(注)居抜き物件を利用する場合は工事費用は不要。(※居抜き物件とは、前の借主が改装して使っていた内装をそのまま引き継いで使用する契約の物件のこと)

出張サロンで開業

店舗を持たず、顧客の指定する場所に赴いて施術する出張サロンという方法もあります。

出張サロンのメリットは、初期費用や店舗の維持費用がほぼ不要なことと、リスクなく手軽に始められることです。

デメリットは施術が限られてくるので、顧客満足度が高めにくく、移動が長距離や頻繫になると効率が悪くなることです。

使用できる助成金・補助金

エステサロンの開業にあたっては、費用も高額になるため、助成金・補助金の活用も視野に入れましょう。

助成金・補助金は国や地方自治体が一定の要件に該当する事業者に対して資金を支援する制度です。

申請により承認されれば、所定の金額が給付され、返済不要なので開業時の資金として大きな支えとなります。

ここでは、エステサロンの開業に関連する助成金・補助金を具体的に3つ紹介します。

1. 創業助成金(各地方自治体)

地方自治体においての創業に対し支給される助成金です。

多くは都道府県単位で支給されます。

東京都では創業5年未満の事業者に対して、人件費、賃借料、広告費など上限300万円までの経費について、助成率が3分の2の助成金があります。

対象事業 都内に本店又は主たる事業所等を有し、活動を行う事業等
助成対象経費 創業初期に必要な経費(賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費)

※「創業助成事業募集」を基に編集部で作成
東京都「創業助成事業

2. 人材開発支援助成金(厚生労働省)

厚生労働省所管の助成金です。

雇用した従業員に対し、計画的に専門知識・技術の習得を訓練した場合に、訓練中の賃金と、かかった経費の一部が助成されます。

開業後、未経験のスタッフを雇う場合には、大変有益な助成金です。

OFF-JT
(通常の業務と区別した訓練)の場合
一般訓練コース
(訓練20時間以上)
特定訓練コース
(訓練10時間以上)
賃金助成
(1人1時間あたり)
380円(上限1200時間)
※大企業も同じ
760円(上限1200時間)
※大企業は380円
経費助成
(対象経費に対する割合)
30%
※大企業も同じ
45%
※大企業は30%

※「人材開発支援助成金(特定訓練コース/一般訓練コース)」を基に編集部で作成
厚生労働省「人材開発支援助成金

3. 事業再構築補助金(中小企業庁)

コロナ禍で売上減少などの影響があった中小企業向けの補助金です。

今後の経済社会の変化に対応するため、新分野展開、業種・業態転換などを支援してくれます。

他業種分野からエステサロンを開業する場合に適用できる補助金です。

通常枠 中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数20人以下】100万円~4,000万円
【従業員数21~50人】100万円~6,000万円
【従業員数51人以上】100万円~8,000万円
補助率 中小企業者等 2/3(6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等 1/2(4,000万円を超える部分は1/3)
大規模賃金引上枠 中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数101人以上】8,000万円超~1億円
補助率 中小企業者等 2/3(6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等 1/2(4,000万円を超える部分は1/3)
卒業枠 中小企業者等:6,000万円超~1億円
補助率 中小企業者等 2/3
グローバルV字回復枠 中堅企業等:8,000万円超~1億円
補助率 中堅企業等 1/2 
緊急事態宣言特別枠 中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数5人以下】 100 万円~500 万円
【従業員数6~20 人】100 万円~1,000 万円
【従業員数21人以上】100万円~1,500万円
補助率 中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3
最低賃金枠 中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数5人以下】 100 万円~500 万円
【従業員数6~20 人】100 万円~1,000 万円
【従業員数21人以上】100万円~1,500万円
補助率 中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3

※「事業再構築補助金公募要領(第5回)」を基に編集部で作成
中小企業庁「事業再構築補助金

開業に必要な6つの手順

実際に開業するといっても、初めてだとイメージがわきにくいかもしれません。

そこで、店舗開設の場合を例に開業までの手順をまとめました。

1. 資格取得の検討

エステサロンを運営していくのに、必ずしも資格は必要ありません。

ただ、資格があることで、初めてエステを利用する顧客には、一定の安心感を与えられる効果もあります。

エステに関する資格には以下のものがあります。

①一般社団法人 日本エステティック協会

キャリアに応じて以下の資格を付与しており、輩出したエステティシャンは100,000名を数えます。

  • AJESTHE認定エステティシャン
  • AJESTHE認定上級エステティシャン
  • AJESTHE認定トータルエステティックアドバイザー
  • AJESTHE認定フェイシャルエステティシャン/AJESTHE認定ボディエステティシャン

出典:一般社団法人 日本エステティック協会公式サイト

②一般社団法人 日本エステティック業協会

キャリアに応じて、以下の段階的な資格を付与しています。
資格取得には、AEA認定校にてカリキュラムを履修するか、エステティックサロンでの実務経験が必要です。

  • AEA認定エステティシャン(基礎資格)
  • AEA上級認定エステティシャン(上位資格)
  • AEA認定インターナショナルエステティシャン(最上位資格)

出典:一般社団法人 日本エステティック業協会公式サイト

③一般社団法人 CIDESCO-NIPPON


1946年にベルギーで設立され、70年の歴史を誇る世界的に認められたエステティックの教育期間であるCIDESCO(シデスコ)が認可する日本支部です。

キャリアに応じて段階的に次の資格を付与しています。

  • Beauty Therapy Diploma
  • Aroma Therapy Diploma
  • Spa Therapy Diploma

出典:一般社団法人 CIDESCO-NIPPON公式サイト

 

2. 立地の検討

エステサロンの開業で店舗の立地は非常に大事なポイントです。

都市部なら公共交通機関からアクセスできますが、郊外なら車での来店を想定して駐車場も検討しなければなりません。

店舗を開業するうえで、居抜き物件を使用する場合にも注意が必要です。

もし居抜き物件が過去に同業種で廃業していた場合、金融機関はその情報を把握している可能性があり、融資が受けにくくなります。

3. 店舗の開設準備

店舗を開設する場合、資金調達前に開設準備をします。

資金がいくら必要かは、店舗の内外装のプランがないと決まらないからです。

店舗開設費用という名目で融資を利用するためには、工事業者の見積りを提出する必要があります。

資金調達前に店舗のデザイン、プランなどを検討しておきましょう。

4. 運転資金を用意する

店舗を開設するには、改装費などの設備資金や不動産費用が必要になります。

創業してしばらくは収入の見込みが立たないこともあるため、一定の運転資金を準備しておきましょう。

開業後すぐに事業を軌道に乗せるためには、早期の集客がカギとなり、集客でスピードを重視するなら広告費も検討しておきます。

助成金や補助金も資金調達の選択肢となりますが、基本的には「使った経費の一部分を支援する」主旨であるため、後払い精算する仕組みです。

5. 融資を検討する

自己資金が足りない場合、開業の段階で融資を検討する必要があります。

開業時の融資といえば、定評があるのが日本政策金融公庫の創業融資です。

日本政策金融公庫は、中小企業や小規模事業者の支援を主旨とする政府系金融機関で創業融資を積極的に行っています。

開業時の資金調達として利用するのも選択肢の1つです。

対象者の要件 新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方
自己資金の要件 新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金をいいます。)を確認できる方。

ただし、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」、「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方」等に該当する場合は、本要件を満たすものとします。
資金の使いみち 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金
融資限度額 3,000万円(うち運転資金1,500万円)

※「新創業融資制度」を基に編集部で作成
日本政策金融公庫「新創業融資制度

6. 集客

開業前に集客のための準備も必要です。

どんな広告媒体に広告を出すか?」「予算はどれくらいにするのか?」を検討しておきましょう。

集客は売上の根幹に関わる部分なので、熟考すべき重要課題です。

エステサロンの開業で本当にあった失敗例

開業すれば、思わぬところで事業が窮地に陥ってしまうこともあります。

ここでは資金繰りと利益についての失敗例を紹介します。

運転資金の不足で融資に失敗

開業資金に比べ、開業後の運転資金は見積りが甘くなってしまいます

その理由として、開業後困ったときには融資を受けられると考えていることがあげられます。

ある事業者は開業からしばらくして、運転資金が枯渇しそうになり融資を申し込みました。

事業を開始して一定期間が経過しての融資において、金融機関は試算表などの財務諸表、または開業後の売上げ推移などの提示を求めます。

このケースでは業績不振のため融資は断られ、廃業する結果となりました。

集客の費用対効果が悪く自転車操業

ある事業者は、開業当初から集客に注力しました。

大手企業が運営する美容ポータルサイトに広告を発注し、集客は上々だったのです。

ところが、広告費が高いこと、クーポン目当ての一見客が多いことから、思うように利益が上がりません

想像以上の集客で多忙となり過ぎ、スタッフを雇うなどの支出によって開業1年間は自転車操業だったというケースもあります。

エステサロンを成功させる秘訣は?

どんなにエステの技術が優れていても、サロンとして開業すれば、ビジネスとしての経営手腕が求められます。

「エステサロンを成功させるにはどうすればよいか?」上述の失敗例をもとに分析してみると、資金計画と集客というポイントが見えてきます。

資金計画をしっかり練り、資金を調達する

開業資金と同様に開業当初からの運転資金は非常に重要です。

上述の失敗例にもあるように、開業して業績が芳しくなければ融資は難しくなります

融資は基本的に、事業を開始すれば、その事業の収益性、安定性など「結果」に着目せざるを得ないからです。

創業当初のほうが融資は受けやすい

一方、創業時であれば、事業がスタートしていないので業績はありません。

当然、試算表などの財務諸表が提出できず、その場合の融資の審査は、事業計画をもとに行われることになります。

つまり事業を開始してからよりも、創業当初のほうが融資は受けやすいといえます。

開業時の準備資金だけではなく、「集客のための広告費」「軌道に乗るまでの運転資金」など、必要になりそうな資金を見積って融資を受けておくのが得策です。

広告に頼りすぎない独自の集客方法の確立

大手の美容ポータルサイトなどの広告で新規顧客ばかりを追うと、集客のたびに広告費が必要となり利益率の低いビジネスから抜け出せません。

その改善策として、SNSを使うのが効果的です。

一度足を運んでもらったら、SNSで繋がり、店独自のクーポンや割引、美容に関する有益情報やキャンペーン情報を発信するなど、つねに顧客目線を意識しましょう。

そこからリピート客になってもらい、来店回数を増やして収益化につなげることが大事です。

まとめ

エステサロンの開業は、やり方によって初期費用が大きく変わってきます。

リスクを最小限にするなら提供できるサービスは限られ、一方で、やりたいサービスや顧客満足度を高めるならリスクも大きくなります。

開業時のリスクは売上や資金面であることがほとんどで、これらは事前の準備で十分対応できます。

エステサロンの開業を考えるなら、開業当初からの融資も視野に入れ、当面の運転資金の準備もしておきましょう。

画像出典元:photoAC、Pexels

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