起業の始め方を徹底解説 | 凡人でも成功できる起業の3ステップと失敗する人の特徴を教えます!

起業の始め方を徹底解説 | 凡人でも成功できる起業の3ステップと失敗する人の特徴を教えます!

記事更新日: 2019/09/05

執筆: 栗島祐介

この記事を書いた人

 栗島 祐介
プロトスター株式会社創業者。早稲田大学商学部卒。アジア・ヨーロッパにおいて教育領域特化型のシード投資を行う株式会社VilingベンチャーパートーナーズCEOを経て、当社を設立。起業家支援コミュニティ「StarBurst」の運営総括、起業家・投資家の情報検索サービス「StartupList」の運営を行う。これまで1,000人以上の起業家支援実績を持つ。


私自身、過去1,000社以上の起業家を支援していく中でさまざまな声を聞いてきました。

「起業には興味あるけど、起業の仕方がよくわからない。」

「起業を成功させるためにはすごい才能が必要だから、凡人の自分には無理だ。」

「起業して失敗したらどうなるんだろう、人生終わってしまうのではないか。。」

「私は学歴が低くて頭もよくないから、起業なんてだいそれたこと出来ないよ。。」

家族や子どもがいるし、家のローンもあるから起業したくても出来ない。」

「起業したいけど今はお金が無いからできない。」

こう言って、始める前から最初の一歩を諦めてしまう方が多くいます。

起業することは誰にでもできます。日本には260万社以上の会社があり、260万人以上の社長がいます。ざっくり日本人の50人に1人が社長です。街を歩けば社長に当たります。本当に誰でも、簡単に、起業することができるし、社長になれます。

ただ、起業をしても「継続する(成功する)」ことは難しいと言われます。

起業の世界では1年後の継続率は60%強、3年後の継続率は40%弱、5年後の継続率は25%程度とされています(出典:中小企業白書「開業年次別 経過年数生存率」)。5年間で4人中3人は起業の道を諦めている計算になります。

なぜ起業しても継続することは難しいのでしょうか。主な要因は「経営に関する知識・経験不足」「売る仕組みの不十分さ」が原因に挙げられています。

しかし、私個人の意見としては「一発勝負を仕掛ける人が多く、勝負できる回数が少ない」ことが失敗の原因だと感じています。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉があります。運任せのような博打をするのではなく、何度も打席にたつことで成功する確率をあげることが、成功する秘訣です。

そこで本記事では、どうすれば挑戦をし続けられるか、凡人でも起業に失敗しない起業の始め方を紹介します。

起業に必要な「ヒト・モノ・カネ・情報」は後からついてくる!まずは踏み出そう!

起業するために必要なものとして、以下の4つの経営資源が必要と言われます。

1. ヒト:創業メンバー等の仲間

2. モノ:事業する上で必要なオフィスや販売する商品等

3. カネ:事業を運営する上で必要となるお金

4. 情報:顧客データや人脈、ネットワーク等


しかし、実はこの4つが起業時に必要かというと必ずしもそうではありません。

「ヒト・モノ・カネ・情報」以上に必要なのが、起業家として前に進もうという挑戦心です。

起業家自身が挑戦しようという心構えが無い状態だったら、「ヒト・モノ・カネ・情報」がいくらあったって何も進みません。

また、この4つが揃うのを待っていては、いつまでたっても起業に踏み切れません。

RPGにおいて勇者は、最初は貧弱な装備と、レベルの低い仲間と一緒に冒険にでています。そして旅をする中で仲間と共に徐々に成長して強くなり、装備を整えて、強敵を倒し、また新しい世界に進んでいきます。

RPGの勇者たちと同じように、起業家も事業の成長と共に「ヒト・モノ・カネ・情報」を集めて成長していけばよいのです。

前に進んで、会社経営をしていけば「ヒト・モノ・カネ・情報」の問題に直面していきます。

この問題を乗り越え続けることで、会社も起業家自身も成長していけば良いのです。

当たり前ですが、みんなが知っているような偉大な起業家も、最初は初心者です。まずは最初の一歩を踏み出しましょう。

失敗しない起業を始めるための3つの手順

起業家として前に進もうという挑戦心をもったなら、次は起業の準備です。

最初の一歩は大切ですが、勢いだけで事業は成り立ちません

事前に勝算を立てるためにも、起業までのステップを詳しく説明します。

起業までの3ステップ

1. なぜ起業したいのか、起業の目的・方向性を決める

2. 具体的に何をするか決める

3. 事業を進めるために必要なおカネを集める

この順番に沿ってビジネスについて考えてみてください。

1. なぜ起業したいのか、起業の目的・方向性を決める

起業は「目的」を達成するための「手段」でしかないとよく言われます。

たまに「社長になりたい」だけの、起業すること自体が目的となっている方もいますが、それだけだとモチベーションが続かなくなりますので注意しましょう。

「起業して何を実現したいのか」
「成し遂げたい夢は何なのか」
「そもそも起業しないと達成できないことなのか」


目的を明確にすることは、自分自身の軸を決めることに繋がります。

軸が決まっているなら、あとはやるだけです。

「若くして億万長者になりたい」
「成功して異性にモテたい」
「身近な友だちの課題を解決したい」
「歴史に名前を残す偉業を実現したい」
「事業を成長させる経験が楽しいから、何度も事業を作りたい」


目的に貴賤はありません

あなた自身の内側から湧き上がる声に従ってみてください。

Will(やりたいこと)・Can(できること)・Must(するべきこと)の3つが重なることをするのがベストです。

ここがズレていると、

「稼げるけどつまらない(Willが無い状態)」

「今の自分が挑戦するには重すぎる/修業が必要(Canが無い状態)」

「好きなことを仕事にして楽しんでいるけど稼げない(Mustが無い状態)」

に陥ります。

最初は自分自身でできる範囲は限られているので、成長してCan(できること)を増やしていきましょう。

最初はなりたい自分、達成したい目的が明確でなくても、進みたい方向性は見えるはずです。

初めて起業する方の場合、解決しようとする課題の理解がズレていたり、やってみたら意外と興味をもてないと気付くことも多くあります。

事業が成長していく中で、自分自身の見えている景色が高くなって、さらに上の目標をもてたりもします。

まずはとりあえずでもよいので、起業の目的・方向性を決めて進めていきましょう。

2. 具体的に何をするか決める

起業の目的・方向性が決まったら、具体的な事業を考えていきます。

最初に事業を考える上で重要なのは「自分たちの出来る範囲」で「稼げるビジネスプラン」であるかどうかです。

起業したのだから、自分のやりたいことをする!というのも良いですが、それだけではお金を稼ぐことができず、すぐにお金もなくなり、やりたいこともできない状態になります。

もちろん、やりたいことだけをした結果、稼げるのが一番です。

でも、いきなり金脈を掘り当てるのはかなり難しいため、できる限り稼げる目途のたつビジネスプランの立案を目指しましょう。

例えば起業ログを運営するプロトスターの場合、「挑戦者と共により良い世界を創る」というミッションをもっています。

この場合、対象として定めている事業は、挑戦する人が必要とする「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つに関わる領域となります。

この中から、今自分たちにできることを試行錯誤していった結果、ウェブメディア「起業ログ」や起業家・投資家・事業会社の情報検索サービス「StartupList」などのサービスが生まれました。

これらの事業は会社設立から1年以上が経過してから生まれています

その裏側では、継続を諦めた新規事業が何個もあり、会社の運転資金は事業会社向けの経営・新規事業コンサルティングを行うことで稼いでいます。

一度の挑戦で諦めず、何度も挑戦し続けることができる状況を作るのが大切です。

起業のアイディアの考え方

起業の目的が明確にある方の場合は、その目的を突き詰めて事業を考えるとよいでしょう。

強いWill(やりたいこと)のある事業であれば、事業を立ち上げるのもスムーズです。

しかし、起業の方向性はみえているけど、まだそれほど明確にはないという方もいると思います。

そういう方は最初のとっかかりとなる事業の種探しをオススメします。

例えば以下のようなことを考えてみましょう。

  • 自分自身が感じている課題を解決するものを考える
  • 友人や家族、会社内にある課題を解決するものを考える
  • 未来にあると良いなと空想するけど、今はまだ実現できていないものを考える
  • 既に海外で顕在化している課題と解決策を日本に当てはめて考える
  • 市場調査をしてみて、課題の大きそうな領域に絞って課題と解決策を考える


また、アイディアを考える際は「自分自身に根差したものか(1人称視点)」「身近な人に根差したものか(2人称視点)」「社会に根差したものか(3人称視点)」を意識する必要があります。

特に初めて起業する方は、自分のやりたいこと、思い込んでいることをやりがちです。

1人称視点に近いほど自分ごとにして行動しやすくなりますが、社会課題とはほど遠い自己満足なサービスができてしまうこともあります。

といっても、すぐに良いアイディアが浮かぶのであれば誰も困りません。

まずは、アイディアを毎日書き出してみましょう。

日常生活をする中でも、SNS上でも、閃きに繋がることは無いかアンテナを立てることが大切です。

他にもじっくり市場調査をして、慎重に起業アイディアを見つけたい方は、仮でも良いので興味のある市場を決めて、その市場にいるプレイヤーたちを洗い出して、市場においてどのような役割をもっているかバリューチェーン(一連の事業活動)を考えてみることをオススメします。

 

課題を探す、課題を発見する

アイディアは「誰かの課題」「誰かの期待」から生まれます。重要なのは常に必要としている「誰か」がいることです。

必要としている緊急度・重要度が高いものであるほど、解決すると良い課題、生み出せると素敵な期待になります。

この課題・期待設定がうまくできると、良い事業アイディア(サービス)に繋がります。

逆にこの課題設定を間違えると「顧客の欲しがらないものを作る」ことになります。

これは経営者が最も避けないといけない失敗です。

課題設定が間違っていたら、そもそもの解決策がズレてしまいます。開発費用は無駄になり、人件費も馬鹿にならず、時間も浪費します。

頑張り方を大きく間違えないようにしましょう。

本当に顧客課題があるか検証する

日々アンテナをたてて、事業アイディアに繋がる課題が見つかったら「課題の検証」をしましょう。

良い課題が浮かんだからすぐにサービスを作ろう!と焦る気持ちもわかりますが、先に以下の質問を考えてみてください。

  • 目の前の顧客候補にとってその課題は優先度トップ3に入りますか?
  • その課題を解決したら、本当にお客さんはお金を払ってくれますか?
  • その課題は、目の前の方だけがもつ特殊な問題ではないですか?

上の質問は主に「顕在化している課題」に対してものとなります。

FacebookやInstagramのようなサービス、社会期待から生まれるものはちょっと毛色が違ってきます。

まだ表にでていない、潜在的なニーズを掘り起こすものであるため、このサービスができると「なぜ人が熱狂するのか?」「おもわず人にオススメしたくなるか?」などの視点で考えてみると良いでしょう。

解決策(事業内容)を決める

顧客の課題を検証してみて、この課題を解決しよう!と決断できたなら、解決策を実際に紙に落としてみて(言語化してみて)、顧客候補に話してみましょう。

こういう話をすると「私の素晴らしい事業プランが真似されるんじゃないか」とか気にされる人もいますが、まったく気にする必要はないと断言します。

初めて起業する方のアイディアはほとんどが的外れなアイディアですし、仮に良いアイディアだったとしても同じアイディアを考えている人は意外とたくさんいます。

でも「思いつく人10,000人、やってみる人100人、続ける人1人」という言葉のとおり、実際にやってみる人は少なく、継続できる人なんて万に一人くらいです。

重要なのは、実行し続けられるかどうかです。

積極的に解決策を話してみて、磨き上げていきましょう。その中で、最初は的外れだった解決策が、良い事業プランに繋がっていきます。

解決策のレベルを高めるためにも、ぜひ以下の質問に答えてみてください。

  • 現実的に実現できる解決策ですか?
  • 解決策を実現させるのに莫大な費用や時間がかかりませんか?
  • その課題を既に解決しているサービスがあるのではないですか?
  • 既存サービスがあるなら、なぜそのサービスで課題が解決していないのですか?
  • 昔からある課題を解決しようとしているなら、なぜ今なら解決できるのですか?


稼ぐ仕組み(ビジネスモデル)を決める

顧客課題も明確になり、提供するサービス(解決策)も決まったなら、ビジネスモデルを考えましょう。

ビジネスモデルは事業から利益を稼ぐ仕組みです。

ビジネスモデルを考える上で役立つものとして「リーンキャンバス」の利用をオススメします。

リーンキャンバスは、ビジネスモデルキャンバスを応用して作られたものです。

リーンキャンバスは以下の9つの要素で作られており、シリコンバレーの起業家の多くも利用しているビジネスモデルを考える際のフレームワークです。

1. 課題:優先すべき上位3つの課題に絞る。既存の代替品が無いかも調べる

2. 顧客セグメント:解決を必要としている詳細な顧客像を設定する

3. 独自の価値提案:シンプルで分かりやすい差別化要因や注目すべき価値

4. ソリューション:課題解決に繋がる解決策を3つまで絞る

5. チャネル:サービスをどのように広げるかを書く。複数のアプローチを考える

6. 収益の流れ:解決策をどのようにお金に変えるのか。商品単価等も書く

7. コスト構造:解決策を提供するために必要なコストを計算する

8. 主要指標:最終的な目的を達成するために必要なマイルストーンを設定する

9. 圧倒的な優位性:他社が参入しづらい優位性を設定する

これらをA4一枚程度の紙に埋めることで、要点がまとまったビジネスモデルを簡単に完成させることができます。

リーンキャンバスの番号は、事業リスクが高い順番になっています。

リスクが一番高いのが「課題」であり、課題が間違っているならすべての土台が崩れてしまいます。

そのため、捕らぬ狸の皮算用にならないよう、リーンキャンバスの全体像を考える前に「課題」「顧客セグメント」「解決策(ソリューション)」のみに焦点を当てて考えていきましょう。

参考までにリーンキャンバスの9つの要素(縦軸)と事業フェーズ(横軸)を現した図を以下に掲載します。

考えている事業が今どの段階にいるか確認してみてください。

1.~4.までが完成しているなら、あとはその事業からどう稼ぐか、その事業をどう広げるかの話になります。

例えば、顧客ニーズが明確な課題解決型の法人向けサービスであれば、利用料数万円の月額課金モデルを前提に、展示会等で対面営業をしかけて広げていくのもよいでしょう。

他にも、広告掲載やアフィリエイトで稼ぐモデルであれば、ある一定数以上のユーザーが求められるためSNS広告やリスティング等を用いてユーザー獲得を目指すのもよいでしょう。

提供しようとしているサービスや顧客層によって稼ぎ方も広げ方も大きく変わってきます

リーンキャンバスを作りながら、試行錯誤してみてください。

3. 事業を進めるために必要なおカネを集める

事業のビジネスモデルが固まったら、事業を進めるために必要となるお金を集めましょう。

起業するとオフィス費用や給料、社会保険料等が発生します。

法改正により資本金ゼロ円でも起業は可能となりましたが、現実的にはある程度のまとまったお金が必要となります。

自分自身で貯めたお金があるのがベストですが、最近は起業初期からお金を投資してくれるエンジェル投資家や、ベンチャーキャピタル、政府機関の創業融資などもあります。

お金が無いからといって、挑戦を諦めるのはもったいないです。

事業を始める際に用意すべき金額

起業する前に用意すべき金額には

1. 開業準備に必要な資金

2. 開業後に必要となる運転資金

の2つがあります。

どちらも業種によって必要な金額は大きく変わってきますが、基本的には事業を軌道に乗せるために必要な金額を計算しましょう。

特に2の運転資金は6か月分以上あるとよいです。

例えば、固定費の少ないWebサービスの開発会社であれば、1. の開業費用は「オフィス費用」「PC等の備品」などの少額で開業が可能です。

2. の運転費用は主に人件費・社会保険料・家賃の6か月分を想定することになります。

私が個人的にヒアリングした限りですと、創業時の給料平均は20万~30万円レンジですので、仮に役員・従業員3名の会社であれば600~900万円の資金を準備する計算になります。

最近ではコワーキングスペース等の敷金礼金ゼロのオフィスや、無料利用が可能な創業支援施設もありますので上手く活用すれば費用を抑えることも可能です。

他にも起業をすると発生する費用は数多くあります。

参考までに以下に発生する費用例を記載します。

1. 開業準備に必要となる支出例
  • オフィス/店舗費:仲介手数料、敷金・礼金、内装費、外装費等
  • 備品購入費:パソコン、プリンター、机、椅子、棚、専門器具類、専門衣類等
  • 人材採用費:紹介手数料、開業前の研修費用等
  • 広告宣伝費:HP作成、リスティング、チラシ等

2. 開業後に必要となる支出例(1か月間想定)
  • 役員報酬
  • 従業員給与
  • 社会保険料
  • 水道光熱費
  • インターネット回線費用
  • ITインフラ費用(AWS費用等)
  • システム開発費用(外注費)
  • 通信費
  • 広告宣伝費
  • 人材採用費
  • オフィス/店舗家賃
  • 銀行借入金の返済額
  • 交際費/会議費
  • その他雑費(日用品等)


塵も積もれば山となりますので、できる限り費用を抑えた経営を目指しましょう。

起業したからといってすぐに事業が軌道に乗ることはほぼありません。

予想外のことが起きたり、事業開始が遅れるのはよくあることですので、ある程度資金に余裕をもって事業を始めることをオススメします。

事業の運転資金の集め方

事業資金の集め方には主に以下の5つの方法があります。

1. 自己資金を貯める

2. 親族・友人から借りる

3. エンジェル・VC・CVC等の投資家からの出資

4. 金融機関などから融資

5. クラウドファンディングでの募集

ここからはそれぞれの具体的な資金調達方法について詳細を説明します。

1. 自己資金を貯める

自己資金とは、起業のために創業者が準備してきたお金です。

自分で貯めたお金ですので出資や融資と違い、株式(経営権の一部)を渡したり、利子が発生しませんので自由に事業運営ができます。

ただし、自己資金といっても創業者個人の生活もありますので、生活費とは別に準備しておくことをオススメします。

また、自己資金をすべて会社に投入するのではなく、ある程度の資金を創業者の口座に残しておくとよいでしょう。

会社の創業メンバーが途中で離脱し、創業メンバーの株式を買い取る等の対応が必要な場合もあります。

最近では日本政策金融公庫のような銀行融資でも、自己資金が重要視される傾向が強くなっているようです。

起業の本気度をみる指標でもあるので、少しずつ計画的に貯めておいてください。

2. 親族・友人から借りる

家族や友人からお金を借りるというと悪い印象をもつ人も多いと思います。

後々に身近な人との禍根を残す可能性も高いのがこの方法です。

その一方、家族が経営者である、資本家であるといった有利な環境を生かせるのもこの方法です。

例えば2018年に話題になった暗闇ボクシング『b-monster』を21歳で創業した起業家は、創業時に2億円の借金を両親からして事業を始めています。

その後、事業は2年間で売上18億円の規模にまで成長させることができています。

起業家として自分の持つ手札を最大限に生かすのは悪いことではありません。どうしても実現したい目的があるのであれば、家族や友人を頼るのも考えてみてもよいかもしれません。

ただし、常に事業に向き合い、誠実に対応するようご注意ください。

3. エンジェル・VC・CVC等の投資家からの出資

短期間で急成長して株式上場(IPO)・M&Aを目指すのであれば、投資家からの出資を検討してみてください。

ここ数年間で成功した起業家が個人投資家(エンジェル)となる事例も増え、事業会社のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)や、独立系のベンチャーキャピタル(VC)が急増しています。

基本的にIT領域の起業家を対象とする投資家が多く、3年~7年以内にIPO・M&Aしそうな先に投資が行われます。

投資家によって、創業初期に投資する方もいれば、上場間近に投資をする方もおり、投資家によって方針は大きく違います。

経営者に寄り添うパートナーとして、事業戦略の整理やファイナンス支援、採用支援、マーケティング支援、営業支援など多岐にわたって事業成長の支援をする方もいます。

短期間で急成長してIPO・M&Aを目指したい方であれば是非検討することをオススメします。

4. 金融機関などから融資

創業初期に使える融資制度について詳しく説明します。

  • 新創業融資(日本政策金融公庫)

政府系の金融機関である日本政策金融公庫が提供する少額融資制度です。

融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)であり、大きな特徴は「無担保」「代表者の連帯保証が不要(無保証人)」という点です。

創業1期目の決算を過ぎていない方の場合は自己資金要件が設定されており、事業に使われる資金総額の10分の1以上の自己資金が必要とされます(例外要件もあります)。

創業直後の事業実績が無いビジネスでも融資を受けることが可能であり、起業家の多くはこの融資を活用しています。

  • 中小企業経営力強化資金(日本政策金融公庫)

同じく日本政策金融公庫による中小企業向けの融資制度です。

融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)であり、事業計画次第では融資額2,000万以内までは「無担保」「代表者の連帯保証が不要(無保証人)」で融資を受けられます。

認定支援機関による指導及び助言を受けている方が対象となりますので、この融資制度を利用したい方は該当する認定支援機関にご相談してみてください。

  • 都道府県毎の制度融資(保証協会付き融資)

制度融資は、自治体が主導している融資制度です。

主に地方自治体、民間金融機関、信用保証協会が連携して融資が行われます。500万円から3,000万円程度の融資上限が設けられている場合が多いようです。

信用保証協会が融資の保証人となるため、通常の銀行融資に比べると審査ハードルが低く、融資を受けやすいという特徴があります。

5. クラウドファンディングでの募集

クラウドファンディングは、Web上で不特定多数の個人・法人向けに対して資金調達の募集が可能です。

クラウドファンディングには「購入型」「寄付型」「株式型」「融資型」の4パターンが存在しており、主に起業家に利用されるのは「購入型」「株式型」になります。最近では「融資型」も増えてきているようなので、融資型もみてみるとよいでしょう。

購入型は、出資者に対してイベントの参加権や物品等の対価を提供する募集方法です。

今後提供するサービスの先行利用権など事業のテストマーケティングやPRに繋げやすいやり方になります。

株式型は、出資者に対して「株式や新株予約権」を対価として提供する募集方法です。

基本的に未上場企業の資金調達を「公募」することは法律上規制されています。

しかし、昨今、資格を保有する株式型クラウドファンディング業者を通すことで募集が可能となりました。

クラウドファンディングは主に一般消費者向けのサービスと相性がよいです。

上手に活用できると資金調達だけではなく、大きなPR効果も見込め、顧客獲得にも繋がります。

起業する前の3ステップまとめ

ここまでの3ステップが準備できたなら、もう事業を始める準備はできています。

いきなり個人事業主や会社設立をしないでも開始できる内容なら、今の会社にいながら副業・サイドプロジェクトとして開始してもよいでしょう。

会社設立をしないでも可能なやり方で進めるなら、煩雑な会社経理などを気にせずに事業に集中できます。

実際に今の会社にいながら、サイドプロジェクトとして活動を始めて、軌道に乗ってきたら起業するパターンの方は意外と多くいます。

特に家族や子どものいる方、家や車のローンが残っておりいきなり起業するのが難しい方の場合、まずは後戻りできる形でサイドプロジェクトを初めてみて、プロジェクトが軌道に乗りそうなら挑戦するとよいでしょう。

ただし、飲食店や医療関係のように事業内容によっては、許認可や届出等の手続きが必要になる場合があります。

気になる場合は弁護士さんに事業の適法性について相談してみてください。

また、資金調達や起業をする際に学歴を気にされる方もいますが全く気にする必要はありません

特にスタートアップ企業の場合、投資家も全く学歴をみておらず、その人自身の起業家としての素質をみています。

実際に私が支援している起業家の中にも、中卒・高卒の起業家も、大学中退の起業家も数多くいます。

自分自身の可能性を狭めず、挑戦してみてください。

絶対に起業家が知っておくべき基礎知識

初期の営業は必ず創業者が行うべし

営業を単に商品・サービスを売るだけと考えていませんか?

優れた製品を作れば売れる、お店を開けばお客がきてくれると思っていませんか?

残念ながらどんなに優れたサービスでも、顧客に知られなくては売れることはありません。逆に、ありふれた製品でも営業と販売が優れていれば独占を築くことはできます。

起業家は、自ら営業マンとして「顧客と話をしてビジネスモデルを検証」する必要があります。

1. 課題をもつ顧客を探して会話して顧客像を明確にする

2. 顧客と対話しながらサービスを開発し、課題の解決に繋がっているか確認する

3. 顧客が喜んでサービスを継続できるだけの金額を支払ってくれるか検証する


初期の営業は単なる物売りではなく、「顧客の欲しがらないものを作る」という最大のリスクを無くすための活動です。

それだけでなく、顧客と積極的に話すことで適切な顧客との会話の仕方や売り方の発見にも繋がります。

顧客との会話を通じて顧客像が明確になることで、どんなメッセージを打ち出すと良いか、何を特徴とすると価値を感じてもらえるかなど今後の戦略に繋がるヒントを見つけることができます。

また、営業をしていく上でPEST分析やFive forces分析、SWOT分析、3C分析などさまざまなマーケティング手法もあります。

このような手法も活用しながら顧客と会話してみるとよいでしょう。

ただし、分析するのも良いですが、あくまでも答えは「目の前の顧客」の中にあることを忘れないようにしてください。

初期の営業は必ず創業者が行うことをオススメします。

お金の流れは常に把握するべし

会社を経営していく上で、決算書の読み方やPL・BSなどを理解することは大切です。健全に経営をしたいのであれば、最低限でよいので知識をつけるようにしましょう。

特に起業初期はお金の流れ(キャッシュフロー)が重要になるので、常に把握するようにしてください。

事業によっては売上がたってもお金の振込自体は数か月後であったりします。

お金の流出はできるだけ後ろ倒しに、お金の流入はできるだけ前倒しにすることが基本です。

このお金の流入・流出を把握していない場合、PL上は黒字でも手元資金が無くなり、黒字倒産してしまうこともあります。

お金の流れを把握しておけば、いつ資金が必要になるか予想がつきます。

事業戦略を進めるために必要となる人員や広告費用を把握し、必要なタイミングには資金調達ができるようにするのが経営者です。

人間の身体に例えると、ビジネスモデルが頭脳であり、組織が手足・内臓、お金が血液です。

このバランスが崩れないよう常にお金の流れを把握するようにしてください。

継続して挑戦し続けるためには、お金の流れを把握して、会社のコア事業(お金の生る木)となるものが見つかるまでは出来る限り節約することです。

コア事業が見つかるまではひたすら我慢し、何度も何度も事業を作ってみて、挑戦し続けることが成功の秘訣です。

起業をオススメする人・オススメできない人の違い

私自身が多くの起業家・起業家候補をみてきた中で起業をオススメする人、オススメできない人がいます。

以下に具体的な特徴を説明します。

 起業に向いている人

これから紹介するような特徴を持つ人は、起業をオススメできる人だといえます。

競争相手をよく分析する人

事業を成長させていくと、事業を真似されたり、先に開始していた方と事業がぶつかるようになってきます。

その際、競争相手との差別化をするにせよ、ガチンコでぶつかり合うにせよ、競争相手を理解することが必要です。

孫氏に「彼を知り己を知れば百戦殆からず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し」という言葉があります。

これは「敵と味方の実情を熟知していれば、百回戦っても負けることはない。敵情を知らないで味方のことだけを知っているのでは、勝ったり負けたりして勝負がつかず、敵のことも味方のことも知らなければ必ず負ける」という意味です。

起業も同じことが言えます。

自社の顧客に向き合い、競争相手を良く分析し、負けない状況を作ることが必要です。

周囲に独立している友人が多い人

人間は周囲の環境の影響を強く受けます。

成功する起業家が多く生まれる居場所は「ホットスポット」と言われますが、交流している友人たちが成功していく姿を通じて、起業家向きの性質に変化していくようです。

「自分でも出来るはずだ!という”素敵な勘違い”」
「あいつに負けてられない!という”ヘルシーな嫉妬”」
「なんで自分は出来ないんだ!という”怒り駆動”」

このような感情をもてる、独立している友人を多つ方はぜひ起業家になることを検討してみると良いでしょう。成功者の周りには成功者が集まる傾向があるため、企業の成功を目指すのであれば、成功している起業家の近くにいるとよいでしょう。

専門的なネットワークや知識をもっている人

業界の構造・知識をよく理解している方は、顧客課題や顧客セグメントなどをよく理解しています。

その業界で成り立つビジネスモデルやマーケティングを早期に打ち出せる可能性も高くなります。

米ノースウェスタン大学のベンジャミン・F・ジョーンズ氏の研究調査では「20歳の起業家と比較して45歳の起業家は、トップ0.1%以内の急成長スタートアップを創業する確率が18倍も高かった」という結果がでているそうです。

 

拘りや執着心のある人

起業をすると難しい問題に多くぶつかります。

人から否定されることも多いため、始めた事業を信念をもって、やり続ける拘りや執着心が必要です。

「世の人は我を何とも言わば言え 我なす事は我のみぞ知る」と坂本龍馬は言いました。

自分自身で決めて、これをやり切るんだ!と思って行動しているなら、恥じることは何もありません。

好奇心旺盛な人

起業をすると毎日が変化の連続となります。

時代とともに消費者のニーズが変わったり、新しい技術やサービスの影響を受けたりします。

何事にも興味関心をもち、柔軟に、前向きに向き合うことが必要です。

 起業に向かない人

これから紹介するような特徴に心当たりがある人には、起業は向かないかもしれません。

批評ばかりしている人

残念ながら口だけの批評ばかりでは起業は成功しません。サラリーマンでいた方がおそらく幸せに過ごせます。

顧客と話すこと、サービスを検証すること、実際に行動しないとわからないことがほとんどです。

百聞は一見に如かずという言葉のとおり、思考をしながら行動する人が報われるのが起業です。

人の意見を鵜呑みにする人

起業をすると色々な方が善意のアドバイスをしてきます。

大変ありがたいことではありますが、事業の舵取りをしているのはあくまでも起業家本人です。事業を一番真剣に考える必要があるのも起業家本人です。

他人の意見を鵜呑みにするのではなく、顧客に向き合いながら、参考程度に留めることが必要です。

自分のオールを他人に任せないでください。

タイプ別起業のススメ

凡人起業

既に成功しているモデルを徹底的に真似することをオススメします。

奇をてらう必要はまったくありません。着実に収益をあげることができる事業を狙いましょう。

特に最初に固定費のかかる事業はオススメできません。いきなり起業するのではなく、最初は副業やサイドプロジェクトという形で興味のある事を始めるとよいでしょう。

副業禁止でも、お金を貰わない形でサービスを作って提供することは可能です。

サービスを提供してみて、事業として成立する見込みが立ってから起業すれば良いのです。

若者起業(中学生・高校生・大学生)

若者起業の強みは圧倒的に低コストで時間も余っている点、そして時間のある暇を持て余した仲間候補が周囲にいっぱいいる点です。

その一方でお金の面では弱いので、出来る限りお金のかからないインターネットを使った事業をオススメします。

SNSマーケティング事業だったり、イベント事業、学生向けの採用・PR事業あたりは王道です。

エンジニアリングを学んでいるなら、ちょっとした受託開発をしてお金を貯め、身近な課題解決に繋がるサービスを作るのも良いでしょう。

実際の例として、小中高生のためのやりたいこと支援事業を運営するクリスタルロードを創業した加藤さん(中学生起業家)や、レシート買い取りアプリ「ONE」などを運営するワンファイナンシャルの山内さん(高校生起業家)のような若手起業家もいます。

主婦起業

本格的な起業は時間や場所の制約があるため、主婦起業の多くはプチ起業、もしくは個人事業主としての起業がほとんどです。

小物を作ってBASEなどのネットショップで販売したり、カフェの運営をしたり、学習塾や料理教室を開いたりと、地域に根差した起業をする方が多くいます。

他に個人事業主の場合、インフルエンサーやデザイナー、フリーのコンサルタントとして活躍する方も多く存在します。

スタートアップ起業

スタートアップは「新しい切り口で、社会に変化を起こす」ことを目的に、短期間でIPO・M&Aを目指して急成長しようとする会社です。

世の中に変革を起こす変革者(イノベーター)を目指したいならこのパターンになります。

今までにない新しいマーケティング手法や、まだ確立されていない新しいビジネスモデル、新しい技術を使って事業を作っていきましょう。

新しいやり方であるからこそ、大きく世の中を変える可能性があります。その一方で事業を成り立たせるのはより困難となる茨の道です。

起業をし続ける(失敗しない)ためにはどうしたら良い?

起業をし続ける(=失敗しない)ためには、何度も事業で勝負できるようにするのが重要です。

一度の挑戦で諦めず、何度も挑戦できるなら、いつかは成功する事業が作れます。

ではどうすれば何度も挑戦できるでしょうか?

1. 安易に開発しないこと

顧客ニーズの検証をほとんどしないでいきなり開発する方がいますが、オススメしません

顧客ニーズの確認は、プロダクト開発をせずとも検証できることがほとんどです。

できるかぎり開発する前に検証を進めるようにしましょう。

参考までに開発プロセスの詳細を掲載します。

画像出典元:株式会社ダラフ「プロトタイピング道場」公式HP

2. 安易に人員を増やさないこと

事業が軌道に乗って稼げる見込みがたつまでは、できるだけ役員や正社員などの採用は控えてください

軌道に乗ることを前提に大量の人員を採用したけど、思った通りに事業が立ち上がらずに毎月のコストだけが急増してしまった事例はよく聞きます。

事業が軌道に乗るまではグッとこらえることも必要です。

3. 安易に固定費を増やさないこと

大きなオフィスを作ったり、思い付きでWebサービスを導入することはできるだけ避けてください。

小さな金額でも積み重ねると意外と大きなコストになります。

特にオフィスは契約期間が定められていることもあり、中途解約をする場合は違約金を支払うこともあります。

4. 安易に資金調達に頼らないこと

最近ではスタートアップ企業への投資が増えていることもあり、豪快に資金を使って事業を一気に立ち上げる事例もでてきています。

一方で、ビジネスモデルが確立されないうちにお金を湯水のように投入することに慣れてしまうと、経営者としてのビジネス感覚を無くす恐れもあります。

親からお小遣いをもらっている子どもじゃないのですから、博打のような成功を目指すのではなく、失敗しないで続ける堅実さも経営者には必要です。

本当に資金調達が必要なのか、よく考えた上で事業を進めてください。

もし起業に失敗したら何が起きるのか?

事業の継続を諦めて、会社を倒産・整理することになると経営者はどうなるのでしょうか?

基本的に会社が破産しても、経営者が会社の借金を負うことはありません。会社の借金は、会社の破産と一緒に無くなります。

そのため、会社の破産=経営者の破産とはなりません。

ただし、経営者がオフィス賃貸や融資などの連帯保証人になっているような場合、金額によっては破産に追い込まれる可能性があります。

経営者が破産すると何が起きるのか?

以下の4つがデメリットとなります。

1. 自己破産者として信用情報に残る

5年から10年ほどの間、クレジットカードの審査やローン審査に通らなくなります。

2. 財産は現金化の上、債権者への返済にあてられる

車やバイク、保険の解約金、退職金などありとあらゆる財産が没収され返済にあてられます。

3. 「官報」に載る

国が発行している広報誌に手続きの内容や氏名、住所などが載ります。有料誌なので誰でも読める情報ではありません。

4. 資格制限がかかる

弁護士や司法書士など人の財産を扱う資格は取得できなくなります。また、既に資格を持っている人であっても、一定期間の間はその資格を行使することは出来ません。

実はこれだけです。

もう一度起業することは制限されておらず、破産後にすぐに起業もできます。

実際に私の身の回りにも一度破産を経験したけど、スタートアップ企業として事業を急成長させている方が何人もいます。

起業の最初の一歩に何をすると良いか?

起業を考えるなら、先輩の起業家に相談することをオススメします。

友人や家族に相談してもよいですが、やはり経験者の実際の声が一番です。

創業支援施設での相談や起業関係のイベント、知り合いの紹介を通じて先輩起業家を見つけてみてください。

起業関係のイベントはFacebookやPeatix上で頻繁に参加者の募集がされていますので、まずはそういったものに参加するのも良いでしょう。

私自身もスタートアップ向けの起業家コミュニティStarBurstや、起業家と支援者(投資家や事業会社など)を繋げるStartupListというサービスも運営しているので、スタートアップ企業を目指す方であればいつでもご連絡ください。

まとめ

今回は起業の一連の流れについて説明しました。

本記事が掲載されている起業ログでは、起業後も必要となる情報を多く発信しています。

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画像出典元:O-DAN

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