ヤフー株式会社の決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

記事更新日: 2019/05/15

執筆: 山中恵子

純利益4割減!PayPayキャンペーン費用がかさみ3年連続の減益となった「ヤフー」の通期決算

2019年3月期 通期決算

  • 売上収益:9,547億円(前年比+6.4%)
  • 営業利益:1,405億円(前年比△24.4%)
  • 当期利益:778億円(前年比△42.1%)

2019年3月期通期(2018年度)の業績は、前年度に対し増収減益となりました。

増収の主な要因は、広告売上収益や、アスクルグループの売上収益が増加したこと、前年度第4四半期のジャパンネット銀行の子会社化が寄与したことによるものです。

営業利益は、販売促進費、減価償却費および人件費が増加したこと、子会社であるアスクルにおいて36億円、シナジーマーケティングにおいて23億円の減損損失をそれぞれ計上したこと、前年度第1四半期にアスクルの保険金収入があったこと等により、前年比で減少しました。

上記要因に加え、PayPayへの積極的な投資の結果、183億円の持分法投資損失を計上したこと等により、当期利益は前年比で4割減に。3年連続の減益です。



各セグメントの業績

メディア事業

メディア事業は、検索連動型広告やディスプレイ広告等の広告関連サービスで構成され、全売上収益に占める割合は31.8%。

  • 売上収益:3,034億円(前年比+4.4%)
  • 営業利益:1,410億円(前年比△9.6%)

検索連動型広告における売上収益が、表示デザインの改善や新機能の提供開始により5年ぶりに2桁成長を達成

一方、Yahoo! JAPANトップページをはじめ各サービスにおいて動画コンテンツを充実させるための調達費用等が増加したことに伴い、営業利益は前年比で減少しました。

動画コンテンツにおいては、ヤフーオリジナル動画により若年層の取り込みに成功。スマートフォントップページ動画視聴時間は前年比2.4倍、スマートフォン動画広告売上収益は前年比2倍となりました。

動画コンテンツの進捗

コマース事業

コマース事業は、「ヤフオク!」や「Yahoo!ショッピング」、アスクル等のコマース関連サービス、「Yahoo!プレミアム」等の会員向けサービス、クレジットカード等の決済金融関連サービスで構成され、全売上収益に占める割合は68.0%。

  • 売上収益:6,496億円(前年比+9.7%)
  • 営業利益:557億円(前年比△32.7%)

アスクルグループやワイジェイカードにおける売上収益が増加したことや、ジャパンネット銀行子会社化が寄与したことなどにより、前年に対し増収となりました。

eコマース取扱高(物販)は、前年比8.7%増の1兆9,515億円となり、ショッピング事業取扱高は4年連続+20%の高成長を維持しています。

「Yahoo!トラベル」「一休.com」を含むeコマース取扱高(物販以外)も拡大しました。

一方、コマース事業拡大のための積極的な販売促進活動等により、営業利益は前年比で減少しました。

モバイルペイメント

2018年10月にリリースしたPayPayは、サービス開始6ヶ月で累計登録者数約600万人、加盟店舗数は営業開始7ヶ月で50万店を突破。

第1弾キャンペーンではセキュリティ上のトラブルがありましたが、強烈なインパクトによりモバイル決済普及のきっかけを作り出すことに成功。PayPayはいきなり認知度No.1に。

第2弾キャンペーンでは、普段の買い物でのキャッシュレス化の機会を着実に増加させ、5月13日には還元総額が100億円相当に達したとして5月末を待たずにキャンペーンは終了。

今後も引き続き、利用者数と決済回数の拡大に向けてさまざまなキャンペーンを実施するとともに、6月よりヤフーのECサービスにも対応予定。オンラインでも利用が可能になります。

PayPayの利用拡大は進んでいますが、ではPayPayはどのように収益化を図っていくのか。

データの蓄積とPayPay残高拡大により基盤を極大化することはPayPayの注力領域で、収益化を図っていく領域はヤフーが担うとしています。

具体的には、蓄積されたデータをもとにターゲティングを行い広告効果を上昇させたり、PayPay残高を利用しての投資信託やローン、保険などの金融サービスの提供などにより収益化を図っていくとのことです。

10月に新組織体制へ

ヤフーは、より迅速に事業戦略を推進するため、10月より持株会社体制に移行し、社名を「Zホールディングス株式会社」に変更すると発表しました。

金融事業の強化、またガバナンスの透明性を図るため、金融中間持株会社を設立予定です。



2020年3月期の業績予想

2020年3月期(2019年度)は、売上高初の1兆円超えを目指します。

  • 売上収益:1兆円超(前年比+5%~+7%)
  • 営業利益:1,406億円〜1,500億円(前年比0%~+7%)
  • 当期利益:790億円~850億円(前年比0%~+8%)

今後はオンライン上だけでなく、オフライン上の生活を便利にすることにも注力していくとのこと。その一つがPayPay。

2018年度から2022年度までの5年間を投資フェーズとし、2023年度には過去最高益を目指すとしています。

画像出典元:「ヤフー株式会社」決算説明会資料・公式HP

 

 

2019年3月期 第3四半期 累積業績(19年3月更新)

  • 売上収益:7,075億円(前年同期比+7.4%)
  • 営業利益:1,196億円(前年同期比△19.0%)
  • 四半期利益:701億円(前年同期比△32.0%)

2019年第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し増収減益となりました。

増収の主な要因は、広告売上収益やアスクルグループの売上収益が増加したこと、ジャパンネット銀行の子会社化が寄与したことによるものです。

減益の主な要因は、販売促進費、減価償却費、人件費などが増加したこと、前年度第1四半期はアスクルの保険金収入があったことなどによるものです。

各セグメントの業績

【グラフ】セグメント別売上収益 推移

メディア事業の売上収益は2,236億円(前年同期比+4.9%)、営業利益は1,085億円(前年同期比△4.8%)、全売上収益に占める割合は31.6%となりました。

特に検索連動型広告は、表示デザインの改善や新機能の提供開始により売上収益が前年同期比+12%と好調に推移し、3四半期連続で2桁成長を達成しました。

コマース事業の売上収益は4,824億円(前年同期比+11.1%)、営業利益は467億円(前年同期比△30.7%)、全売上収益に占める割合は68.2%となりました。

eコマース取扱高(物販)は、前年同期比で+8.6%の1兆4,535億円となりました。

モバイルペイメント

ソフトバンクとヤフーが出資して設立したPayPay株式会社においては、2018年12月4日から「100億円あげちゃうキャンペーン」を実施当初は2019年3月31日までの予定でしたが、予算消化により12月13日に終了しました。

約115億円のPayPayボーナス付与は完了しましたが、約2億円 (1/31時点)が付与保留となっています。

PayPayはキャッシュレス決済としては出遅れていましたが、このキャンペーンにより一気に認知度が向上し、累計登録者数はサービス開始4ヶ月で400万人を突破しました。また、このキャンペーンは、キャッシュレス決済の普及のきっかけともなりました。

第一弾で不正利用されたことを踏まえ、より強固なセキュリティ対策を取り入れ、現在第2弾キャンペーンを実施中です。

営業利益を上方修正

営業利益について、第2四半期決算発表時には通期業績予想を1,330億円~1,430億円と見込んでいましたが、1,400億円~1,430億円と変更しました。

コマース事業におけるモバイルペイメントの立ち上げやメディア事業に関連する費用投下の進捗や、広告関連売上収益の軽微な上振れ等を勘案したことによるものです。

ヤフーの事業内容

ヤフーの強みは、国内インターネット市場において最大級の利用者数を有することです。月間ログインID数は4,000万を超える規模に拡大しています。

グループが提供するサービス数は100以上にのぼり、メディア、eコマース、決済金融など様々な領域においてサービスを提供しています。

主な事業内容は、メディア事業とコマース事業です。

1

メディア事業

  • 検索連動型広告やディスプレイ広告等の広告関連サービス
2

コマース事業

  • 「ヤフオク!」や「Yahoo!ショッピング」、アスクル等のコマース関連サービス
  • 「Yahoo!プレミアム」等の会員向けサービス
  • クレジットカード等の決済金融関連サービス

画像出典元:「ヤフー株式会社」決算説明会資料

 

 

2019年第2四半期 累積業績(18年11月更新)

  • 売上高:4,650億円(前年比+8.6%)
  • 営業利益:831億円(前年比-12.5%)
  • 税引前純利益:834億円(前年比-18.5%)
  • 純利益:554億円(前年比-19.3%)

2019年第2四半期累積業績は、売上高は前年比+8.6%の4,650億円、営業利益は前年比-12.5%の831億円となりました。

各セグメントの四半期業績

検索連動型広告の売上収益は、表示デザインの改善や新機能の提供開始によって増収に。また、コマース事業は、アスクルグループの売上収益が増加、ジャパンネット銀行を子会社にしたことに加え、広告売上収益が増加したことにより増収となりました。

モバイルペイメント

今後は2018年10月5日にSoftBankとYahooが出資して設立した「PayPay株式会社」にも注目です。



会社概要

会社名 ヤフー株式会社
事業内容 インターネット上の広告事業、イーコマース事業、会員サービス事業 など
所在地 東京都千代田区紀尾井町1-3
設立日 1996年1月
代表 川邊 健太郎
資本金 89億3,000万円

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