Zホールディングス(旧ヤフー)株式会社の決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

執筆: 山中恵子

ZOZO連結効果で増益!LINEと経営統合を進める「Zホールディングス」の第3四半期決算

2020年3月期 第3四半期決算

  • 売上収益:7,596億円(前年同期比+7.4%)
  • 営業利益:1,235億円(前年同期比+3.2%)
  • 四半期利益:750億円(前年同期比+7.0%)

LINEとの経営統合を進めている「Zホールディングス」の決算を見ていきます。なお、2019年11月よりZOZOを連結の範囲に含めています。

2020年3月期第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し増収増益となっています。

増収となった主な要因は、ZOZOを連結子会社化したことや、アスクルグループの売上収益が増加したこと、広告売上収益が増加したこと等によるものです。

営業利益は、ZOZOの連結効果が寄与し増益を確保。なお、当第3四半期は、ZOZOの連結を除いても前年同期比で増収増益を達成しています。

第3四半期の業績を詳しく見ていきましょう。

当第3四半期において特筆すべき点は、eコマース取扱高とクレジットカード取扱高が大きく成長したこと。

eコマース取扱高の成長はZOZO連結子会社化(2ヵ月分)が寄与し、クレジットカード取扱高はキャッシュレス還元による新規会員数増加が寄与しました。

Zホールディングスはコマース事業とメディア事業を展開していますが、近年コマース事業が大きく成長しています。そのコマース事業について、当第3四半期の営業利益構成比が公開されました。

【グラフ】コマース事業営業利益の構成比(第3四半期)

営業利益はヤフー単体が約半分を占め、それ以外のグループ各社が残りの半分を占めています。ヤフー単体以外ではZOZOの貢献度が最も高く、次いで一休、アスクルと続きます。

なお、アスクルとは対立が続いていましたが、今は正常化しており、Zホールディングスとの業務・資本提携関係は維持・継続されています。また、ZOZOはZOZOTOWNが、アスクルはLOHACOがPayPayモールに出店し、好調に推移しているとのことです。

モバイルペイメント

次にPayPayですが、キャッシュレス推進を追い風に当第3四半期では加盟店数、登録者数ともに急増。加盟店数は1月末で約191万箇所、決済回数は1月単月で1億回を超えました。登録者数も2,400万人を突破し、キャッシュレス利用率ランキングはクレジットカードに次ぎ利用率2位に。

知名度においては断トツですが、まだ投資フェーズで、第4四半期においても投資は続けていくそうです。

LINEとの経営統合

2019年11月18日、ZホールディングスとLINEは両社グループの経営統合について、資本提携に関する基本合意書を締結すると発表。同日、Zホールディングスの川邊社長とLINEの出澤社長は共同記者会見を行いました。

本経営統合に至った理由として、「日本・アジアから世界をリードするAIテックカンパニー」の早期実現を挙げていますが、LINEは2019年12月期通期決算で最終468億8,800万円の赤字を計上。相乗効果が期待できる反面、大幅な赤字を抱える企業との経営統合に危惧する声もあります。

2019年12月23日には経営統合に関する最終合意の契約を締結。3月17日に臨時株主総会を開催後、各種手続きを経て、2020年10月には経営統合完了予定です。

Zホールディングス傘下にヤフーとLINE承継会社がぶら下がるかたちとなり、LINEは上場廃止に。LINEはソフトバンクグループ入りを果たします。

 

今後の見通し

通期業績予想については、ZOZOの連結子会社化により、売上収益は前回発表予想より増加、営業利益は前回発表予想の上限に着地する見込みです。

一方、親会社の所有者に帰属する当期利益は、引き続き第4四半期においてもPayPayへの積極的な投資を行う予定であることを踏まえ、前回発表予想の下限前後の見込みとなります。

  • 売上収益:1兆円超 → 1兆400億円(前期比+9%)
  • 営業利益:1,406億円〜1,500億円 → 1,500億円(前期比+7%)
  • 当期利益:790億円~850億円 → 770億円〜800億円(前期比△2%~+2%)

事業別では、コマース事業はZOZO連結効果により、eコマース取扱高(物販)が2桁増となる見込み。

一方、メディア事業は、 上期出遅れたこと、また新型肺炎に伴う出稿減を一定織り込んだこともあり、広告関連売上収益は期初の予想よりも下回り、3~6%増にとどまる見込みです。

画像出典元:「Zホールディングス株式会社」決算説明会資料

 

 

2020年3月期 第2四半期決算(19年11月更新)

  • 売上収益:4,841億円(前年同期比+4.1%)
  • 営業利益:756億円(前年同期比△9.0%)
  • 四半期利益:511億円(前年同期比△7.2%)

2019年10月1日に持株会社体制に移行し、ヤフー株式会社から商号変更した「Zホールディングス」の決算を見ていきます。なお、開示セグメント情報に変更はありません。今までどおり、コマース事業とメディア事業の2区分です。

2020年3月期第2四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し増収減益となっています。計画に対する進捗率は売上収益48%、営業利益50~54%、当期純利益60~65%と、利益に関しては計画を上回って推移。

増収となった主な要因は、広告売上収益や、アスクルグループおよび一休の売上収益が増加したことによるものです。なかでも、新体制となったアスクルが消費税増税前の特需もあり売上収益に貢献。

営業利益については上半期は前年同期比で減益となっていますが、当第2四半期はコストコントロールが奏功し前年同期比11.2%増と2桁増益を達成。第2四半期での増益を受け、低迷していたZホールディングスの株価は1年ぶりの高値をつけました。

セグメント別の業績

セグメント別の業績を見ると、コマース事業は前年同期比で増収増益、メディア事業は横ばいとなっています。また、売上収益の約7割がコマース事業ですが、利益に貢献しているのはメディア事業となっています。

●コマース事業

Yahoo!ショッピングやアスクルなどが好調に推移し、eコマース取扱高(物販)は前年同期比で7.1%増の9,580億円に。物販以外のトラベル事業、飲食予約事業も好調です。なかでも、一休は買収後、取扱高が約6倍、営業利益は約15倍に伸長しています。ただ、第3四半期は台風19号の影響により成長が鈍化する見通しです。

コマース事業の中で一番伸長したのは、クレジットカード取扱高。当第2四半期では前年同期比57%増の4,600億円超に。これは、eコマース取扱高が伸びたことと、PayPayの規模が大きくなり、ワイジェイカードを持つ人が増えたことによるものです。

10月にはPayPayモールとPayPayフリマをリリースしたので、第3四半期はプロモーション費用が増加する見込みです。

PayPayモールにはLOHACOも出店し、12月にはZOZOTOWNも出店予定です。PayPayフリマは初速が好調で、無料アプリランキング「ショッピングカテゴリ」でメルカリを抜いて1位を獲得しています。

●メディア事業

メディアの顧客基盤は、スマートフォンを中心に順調に成長しています。特にプレミアム広告は、代理店との営業強化、ソフトバンクとの営業強化が奏功し大幅に伸長。今後は、オフラインコマース広告やヤフーセールスプロモーション、いわゆる統合マーケティングソリューションに注力するとしています。


Zホールディングスのビジネスモデル

モバイルペイメント

サービス開始1年を経たPayPayは、消費税増税後の政府のキャッシュレス・消費者還元事業が後押しとなり、予想を大幅に上回る展開となっています。

決済回数は当第2四半期の3ヶ月間で9,612万回となりましたが、消費税増税後は10月単月で約8,500万回を達成。急激な利用促進が見られます。また、消費税増税を跨いで加盟店数、登録者数も激増しています。

現状、PayPayはユーザーを増やすことに注力しており、マネタイズは規模が整ってから。イメージとしては、クレジットカードのように後払いによる手数料収入や金融商品の販売等などで将来、収益化を図っていくとのこと。

PayPayは、100億円キャンペーンのような大盤振る舞いはもうないそうですが、「まちかどペイペイ」など決済回数や認知度アップに向けた施策は今後も実施予定です。

このほか、金融事業において戦略的な取り組みとして10月10日、SBIグループと金融サービス事業における業務提携を行うと発表。証券事業、FX事業、銀行事業において協業していくとしています。

ZOZOを買収

Zホールディングス(当時ヤフー)は9月12日、ZOZOTOWNを運営する株式会社ZOZOをTOB(株式公開買付け)により買収すると発表し、世間を驚かせました。買付予定数および上限は1億5,295万2,900株(50.1%)、買付代金は4,007億3,659万8,000円で、TOBは9月30日より開始。買付期間は11月13日(30営業日)までとなっています。

50.1%の株式取得で、ZOZOはZホールディングスの連結子会社となります。なお、TOB終了後もZOZOの上場は維持されます。

なお、業績予想に変更はありません。PayPayモールなどのキャンペーンを行った上で、かつZOZOを加えずとも、営業利益下限に変更はないとのことです。

画像出典元:「Zホールディングス株式会社」決算説明会資料

 

 

2020年3月期 第1四半期決算(19年8月更新)

  • 売上収益:2,386億円(前年同期比+2.9%)
  • 営業利益:361億円(前年同期比△24.0%)
  • 四半期利益:273億円(前年同期比△16.2%)

eコマース事業、インターネット上の広告事業を行う「ヤフー」の決算を見ていきます。

2020年3月期第1四半期の連結業績は、前年同期に対し増収となったものの利益は2桁減益に。増収の要因は、広告売上収益や、アスクルグループおよび一休の売上収益が増加したことによるものです。

営業利益は、減価償却費、販売促進費、人件費の増加に加え、前年同期にIDCフロンティアの売却益があったこと等により大幅な減益に。純利益は、PayPayへの積極的な投資が響き、前年同期比16.2%減の273億円にとどまりました。

事業別では、コマース事業は増収増益となったものの、メディア事業は増収減益に。

ヤフーが重要視するコマース事業においては、eコマース取扱高が前年同期比+8.8%の5,840億円に

うちショッピング事業取扱高は、Yahoo!ショッピングが約+20%成長、LOHACO(Yahoo!ショッピング店含む)が6%のマイナス成長となっています。

メディア事業は、スマートフォンアプリのプロモーション費用の増加等により、営業利益が前年同期比で減少しました。

画像出典元:SBI証券

ヤフーは減益が続き、株価も低迷しています。第1四半期の2割を超える減益決算を受け、株価は急落。なお、通期の業績予想に変更はなく、増収増益を見込んでいます。

モバイルペイメント

PayPayの進捗について詳しく見ていきましょう。

PayPayは順調に拡大しており、8月には登録者数950万人突破。6月末累計で、加盟店舗数は70万店、決済回数は7,400万回を超えました。

第1弾の大型キャンペーン後は、トラブルの影響もあり決済回数は伸びませんでしたが、第2弾キャンペーンでは決済回数を大幅に伸ばすことに成功。7pay(セブン・ペイ)の不正利用問題も特に影響は受けなかったとのことです。

PayPayとの連携はさまざまな方向で進んでおり、6月にはヤフーのeコマースサービスにも対応。PayPay経由でのYahoo! JAPANカード利用も増加し、クレジットカード取扱高は前年同期比+48.8 %増加しています。

秋にはPayPayモール、PayPayフリマをリリース予定です。

資本構成の変化

6月27日より、ヤフー株式会社はソフトバンク株式会社の子会社となりました。

アスクルとの対立

ヤフーは、2012年にアスクルと業務・資本提携契約を締結。2015年にはアスクルの株式を約45%(議決権ベース)保有し、アスクルを連結子会社としています。

その子会社であるアスクルとヤフーとの間で対立が深まっています。背景にあるのがLOHACO事業の業績不振。アスクルの決算を見るとわかりますが、2019年5月期のLOHACO事業は92億円の赤字となっています。

2019年1月、業績不振を理由にヤフーがアスクルへLOHACO事業の譲渡要請を行ったことから始まります。アスクルは要請を拒否しましたが、ヤフーはアスクルの業績回復のためには抜本的な変革が必要であるとし、アスクルの定時株主総会にて岩田社長の再任に反対の議決権を行使すると表明。

岩田社長は、LOHACO事業の業績不振は火災や物流クライシスという特殊要因であり、業績は回復基調であると抵抗を試みたものの、8月2日の定時株主総会で再任を否決され、代表取締役社長を退任することとなりました。

これで対立が収束に向かうのかわかりませんが、ヤフーの決算説明会冒頭では、常務執行役員 最高財務責任者(CFO)坂上氏が、「新アスクルの業績の早期回復と企業価値向上に最大限協力していく」と述べています。

LOHACO(ロハコ)トップページ

ヤフーとアスクルの対立は収束するのか、またLOHACO事業は赤字脱却できるのか、今後の動向に注目です。

画像出典元:「ヤフー株式会社」プレゼンテーション資料

 

 

2019年3月期 通期決算(19年5月更新)

  • 売上収益:9,547億円(前年比+6.4%)
  • 営業利益:1,405億円(前年比△24.4%)
  • 当期利益:778億円(前年比△42.1%)

2019年3月期通期(2018年度)の業績は、前年度に対し増収減益となりました。

増収の主な要因は、広告売上収益や、アスクルグループの売上収益が増加したこと、前年度第4四半期のジャパンネット銀行の子会社化が寄与したことによるものです。

営業利益は、販売促進費、減価償却費および人件費が増加したこと、子会社であるアスクルにおいて36億円、シナジーマーケティングにおいて23億円の減損損失をそれぞれ計上したこと、前年度第1四半期にアスクルの保険金収入があったこと等により、前年比で減少しました。

上記要因に加え、PayPayへの積極的な投資の結果、183億円の持分法投資損失を計上したこと等により、当期利益は前年比で4割減に。3年連続の減益です。



各セグメントの業績

メディア事業

メディア事業は、検索連動型広告やディスプレイ広告等の広告関連サービスで構成され、全売上収益に占める割合は31.8%。

  • 売上収益:3,034億円(前年比+4.4%)
  • 営業利益:1,410億円(前年比△9.6%)

検索連動型広告における売上収益が、表示デザインの改善や新機能の提供開始により5年ぶりに2桁成長を達成

一方、Yahoo! JAPANトップページをはじめ各サービスにおいて動画コンテンツを充実させるための調達費用等が増加したことに伴い、営業利益は前年比で減少しました。

動画コンテンツにおいては、ヤフーオリジナル動画により若年層の取り込みに成功。スマートフォントップページ動画視聴時間は前年比2.4倍、スマートフォン動画広告売上収益は前年比2倍となりました。

動画コンテンツの進捗

コマース事業

コマース事業は、「ヤフオク!」や「Yahoo!ショッピング」、アスクル等のコマース関連サービス、「Yahoo!プレミアム」等の会員向けサービス、クレジットカード等の決済金融関連サービスで構成され、全売上収益に占める割合は68.0%。

  • 売上収益:6,496億円(前年比+9.7%)
  • 営業利益:557億円(前年比△32.7%)

アスクルグループやワイジェイカードにおける売上収益が増加したことや、ジャパンネット銀行子会社化が寄与したことなどにより、前年に対し増収となりました。

eコマース取扱高(物販)は、前年比8.7%増の1兆9,515億円となり、ショッピング事業取扱高は4年連続+20%の高成長を維持しています。

「Yahoo!トラベル」「一休.com」を含むeコマース取扱高(物販以外)も拡大しました。

一方、コマース事業拡大のための積極的な販売促進活動等により、営業利益は前年比で減少しました。

モバイルペイメント

2018年10月にリリースしたPayPayは、サービス開始6ヶ月で累計登録者数約600万人、加盟店舗数は営業開始7ヶ月で50万店を突破。

第1弾キャンペーンではセキュリティ上のトラブルがありましたが、強烈なインパクトによりモバイル決済普及のきっかけを作り出すことに成功。PayPayはいきなり認知度No.1に。

第2弾キャンペーンでは、普段の買い物でのキャッシュレス化の機会を着実に増加させ、5月13日には還元総額が100億円相当に達したとして5月末を待たずにキャンペーンは終了。

今後も引き続き、利用者数と決済回数の拡大に向けてさまざまなキャンペーンを実施するとともに、6月よりヤフーのECサービスにも対応予定。オンラインでも利用が可能になります。

PayPayの利用拡大は進んでいますが、ではPayPayはどのように収益化を図っていくのか。

データの蓄積とPayPay残高拡大により基盤を極大化することはPayPayの注力領域で、収益化を図っていく領域はヤフーが担うとしています。

具体的には、蓄積されたデータをもとにターゲティングを行い広告効果を上昇させたり、PayPay残高を利用しての投資信託やローン、保険などの金融サービスの提供などにより収益化を図っていくとのことです。

10月に新組織体制へ

ヤフーは、より迅速に事業戦略を推進するため、10月より持株会社体制に移行し、社名を「Zホールディングス株式会社」に変更すると発表しました。

金融事業の強化、またガバナンスの透明性を図るため、金融中間持株会社を設立予定です。



2020年3月期の業績予想

2020年3月期(2019年度)は、売上高初の1兆円超えを目指します。

  • 売上収益:1兆円超(前年比+5%~+7%)
  • 営業利益:1,406億円〜1,500億円(前年比0%~+7%)
  • 当期利益:790億円~850億円(前年比0%~+8%)

今後はオンライン上だけでなく、オフライン上の生活を便利にすることにも注力していくとのこと。その一つがPayPay。

2018年度から2022年度までの5年間を投資フェーズとし、2023年度には過去最高益を目指すとしています。

画像出典元:「ヤフー株式会社」決算説明会資料・公式HP

 

 

2019年3月期 第3四半期決算(19年3月更新)

  • 売上収益:7,075億円(前年同期比+7.4%)
  • 営業利益:1,196億円(前年同期比△19.0%)
  • 四半期利益:701億円(前年同期比△32.0%)

2019年第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し増収減益となりました。

増収の主な要因は、広告売上収益やアスクルグループの売上収益が増加したこと、ジャパンネット銀行の子会社化が寄与したことによるものです。

減益の主な要因は、販売促進費、減価償却費、人件費などが増加したこと、前年度第1四半期はアスクルの保険金収入があったことなどによるものです。

各セグメントの業績

【グラフ】セグメント別売上収益 推移

メディア事業の売上収益は2,236億円(前年同期比+4.9%)、営業利益は1,085億円(前年同期比△4.8%)、全売上収益に占める割合は31.6%となりました。

特に検索連動型広告は、表示デザインの改善や新機能の提供開始により売上収益が前年同期比+12%と好調に推移し、3四半期連続で2桁成長を達成しました。

コマース事業の売上収益は4,824億円(前年同期比+11.1%)、営業利益は467億円(前年同期比△30.7%)、全売上収益に占める割合は68.2%となりました。

eコマース取扱高(物販)は、前年同期比で+8.6%の1兆4,535億円となりました。

モバイルペイメント

ソフトバンクとヤフーが出資して設立したPayPay株式会社においては、2018年12月4日から「100億円あげちゃうキャンペーン」を実施。当初は2019年3月31日までの予定でしたが、予算消化により12月13日に終了しました。

約115億円のPayPayボーナス付与は完了しましたが、約2億円 (1/31時点)が付与保留となっています。

PayPayはキャッシュレス決済としては出遅れていましたが、このキャンペーンにより一気に認知度が向上し、累計登録者数はサービス開始4ヶ月で400万人を突破しました。また、このキャンペーンは、キャッシュレス決済の普及のきっかけともなりました。

第一弾で不正利用されたことを踏まえ、より強固なセキュリティ対策を取り入れ、現在第2弾キャンペーンを実施中です。

営業利益を上方修正

営業利益について、第2四半期決算発表時には通期業績予想を1,330億円~1,430億円と見込んでいましたが、1,400億円~1,430億円と変更しました。

コマース事業におけるモバイルペイメントの立ち上げやメディア事業に関連する費用投下の進捗や、広告関連売上収益の軽微な上振れ等を勘案したことによるものです。

ヤフーの事業内容

ヤフーの強みは、国内インターネット市場において最大級の利用者数を有することです。月間ログインID数は4,000万を超える規模に拡大しています。

グループが提供するサービス数は100以上にのぼり、メディア、eコマース、決済金融など様々な領域においてサービスを提供しています。

主な事業内容は、メディア事業とコマース事業です。

1

メディア事業

  • 検索連動型広告やディスプレイ広告等の広告関連サービス
2

コマース事業

  • 「ヤフオク!」や「Yahoo!ショッピング」、アスクル等のコマース関連サービス
  • 「Yahoo!プレミアム」等の会員向けサービス
  • クレジットカード等の決済金融関連サービス

画像出典元:「ヤフー株式会社」決算説明会資料

 

2019年第2四半期決算(18年11月更新)

  • 売上高:4,650億円(前年比+8.6%)
  • 営業利益:831億円(前年比-12.5%)
  • 税引前純利益:834億円(前年比-18.5%)
  • 純利益:554億円(前年比-19.3%)

2019年第2四半期累積業績は、売上高は前年比+8.6%の4,650億円、営業利益は前年比-12.5%の831億円となりました。

各セグメントの四半期業績

検索連動型広告の売上収益は、表示デザインの改善や新機能の提供開始によって増収に。また、コマース事業は、アスクルグループの売上収益が増加、ジャパンネット銀行を子会社にしたことに加え、広告売上収益が増加したことにより増収となりました。

モバイルペイメント

今後は2018年10月5日にSoftBankとYahooが出資して設立した「PayPay株式会社」にも注目です。



会社概要

会社名 Zホールディングス株式会社
事業内容 グループ会社の経営管理、ならびにそれに付随する業務
所在地 東京都千代田区紀尾井町1-3
設立日 1996年1月(※2019年10月1日に持株会社体制に移行し当社の商号を「ヤフー株式会社」より「Zホールディングス株式会社」へ変更
代表 川邊 健太郎
資本金 2,371億7,900万円(2019年6月30日)
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