LINE株式会社の決算/売上/経常利益を調べ、世間の評判を徹底調査

記事更新日: 2019/02/07

執筆: 山中恵子

過去最高の売上を達成するも最終損益△37億円の赤字となった「LINE株式会社」の通期決算

2018年12月期 通期

  • 売上収益:2,071億8,200万円(前期比+24.0%)
  • 営業利益:161億1,000万円(前期比△35.8%)
  • 税引前利益:33億5,400万円(前期比△81.5%)
  • 当期利益:△57億9,200万円
  • 親会社の所有者に帰属する当期利益:△37億1,800万円

2018年通期の業績は、前期に対し増収減益となりました。売上収益は過去最高を達成しましたが、積極的な投資が響き、最終損益は37億1,800万円の赤字となりました。

売上収益が増加した主な要因は、広告売上の増加によるものです。営業利益が減少した主な要因は、人件費、AIやシステム等の開発費、外注費が増加したことによるものです。

今期、特に注力したPay・Fintech分野ではグローバルLINE Pay決済高が1兆円を超え、日本国内のスマホ決済箇所は100万箇所を達成しました。

アジア主要4ヶ国合計の月間アクティブユーザー数(MAU)は前期比で微減となりましたが、日本・台湾・タイの3ヶ国合計のMAUは、前期比で5.7%増加しました。インドネシアのみ減少しました。

ユーザーのエンゲージメントを示すDAU/MAU比率は、主要4ヶ国では77%、主要3ヶ国では80%を超え、非常に高い水準を維持しています。

日本国内のMAUは前期比7.7%増の7,900万人となり、そのうちの85%が毎日利用しています。

各セグメントの業績

コア事業

コア事業の売上収益、セグメント営業利益は以下のとおりです。

  • 売上収益:1,783億9,800万円(前期比+14.0%)
  • セグメント営業利益:265億5,900万円(前期比△22.5%)

コア事業の増収の主な要因は、ディスプレイ広告やアカウント広告が好調だったことによる広告売上の増収が貢献したことによるものです。

一方、セグメント営業利益はコミュニケーション・コンテンツの売上収益の減少、LINEバイトやLINEマンガなどのマーケティング費用の増加などにより前期に対し減益となりました。

営業利益率は、コンテンツサービス拡大のためのマーケティング費用や広告プラットフォームの移行費用が増加したことにより14.9%となりました。

広告売上収益は、1,082億円(前期比29.9%増)となりました。

アカウント広告では、従来の月額固定方式から従量課金方式への変更を行いました。その結果、アカウント広告の売上は567億円(前期比24%増)となりました。

ディスプレイ広告では、より拡張性の高い新広告プラットフォームへの移行を8月から順次開始し、年内に移行を完了させました。タイムラインおよびNEWSのインプレッションが引き続き増加し、ディスプレイ広告の売上は362億円(前期比34%増)となりました。

さらに新しい取り組みとして、「LINE Sales Promotion」の提供を開始しました。

コミュニケーション売上収益は285億円(前期比5.6%減)、コンテンツ売上収益は382億円(前期比4.8%減)と、それぞれ前期に対し減収となりました。

コンテンツ事業においては、ゲーム事業で新規タイトルのヒットと従来タイトルの安定運用によって収益の安定化が進むとともに、LINEマンガやLINE MUSICが大きく決済高を伸ばしています。

戦略事業

戦略事業の売上収益、セグメント営業損失は以下のとおりです。

  • 売上収益:287億8,400万円(前期比+59.5%)
  • セグメント営業損失:△349億3,100万円(前期は176億7,400万円の損失)

戦略事業の売上収益の主な増収要因は、FriendsやEコマースに関連する売上収益が増加したことによるものです。営業損失の主な増加要因は、Clova AIの開発費用やFintechに関連する開発やマーケティング費用の増大によるものです。

2018年4月に経済産業省は「キャッシュレス・ビジョン」を発表し、日本国内のキャッシュレス化は本格的にスタートを始めました。そのような環境下、多くの事業者の参入によってモバイル決済の認知度は格段に上がり、市場が大きく活性化しました。

LINE Payにおいては、加盟店拡大に向けて店舗用アプリのリリースや自社決済端末の提供開始に加え、決済手数料を3年間無料にするキャンペーンを開始しました。さらに11月からは、QUICPayとの連携によるNFC決済への対応も開始し、一気に加盟店拡大が加速しました。

これらの取り組みにより、スマホ決済対応箇所は12月末時点で133万箇所となりました。

ユーザー向け施策としては、コード決済時の最大5%還元施策や、最大20%還元の「Payトクキャンペーン」などを実施しました。

これらの結果、2018年度のグローバル決済高は2.2倍(前期比126%増)となり、1兆円を超えるまでに成長しました。

コマース事業では、LINEショッピングとLINEデリマの取扱高が順調に拡大しました。AI事業では、トヨタ自動車との連携など、企業パートナーとの連携が拡大しました。

金融サービス事業では、LINEスマート投資、LINE保険をリリースしました。

LINEのこれから

来期は、特に広告とLINE Payに注力していく予定です。

広告事業では、「LINE Sales Promotion」という販促ソリューションを本格展開することで、広告価値の最大化と事業拡大を進めていきます。

2019年は、キャッシュレス化に向けてさらなる追い風が吹くと考えられます。消費税増税対策としてデジタル決済へのポイント還元や、ラグビーワールドカップ・東京オリンピック開催による多くの訪日観光客を受け入れるためにも、キャッシュレス社会の早期実現の必要性が高まっています。

このような事業環境下、LINE Payにおいては加盟店の拡大とユーザーの利用活性化に注力していきます。

画像出典元:「LINE株式会社」決算説明会資料

 

 

2018年第3四半期 累積業績

  • 売上収益:1,512億1,100万円(前年比+24.7%)
  • 営業利益:67億4,500万円(前年比-72.4%)
  • 税引前利益:△2億2,600万円
  • 四半期利益:△76億9,000万円
  • 親会社の所有者に帰属する四半期利益:△60億6,800万円

2018年第3四半期連結累計期間において、売上収益は前年比+24.7%と増加したものの営業利益は前年比-72.4%と大幅な減益、最終損益は△60億6,800万円の赤字となりました。

広告サービスやLINEゲームなどを含むコア事業は安定した収益を確保しましたが、LINE Payを起点としたFintech新サービスやLINE Clovaなどの戦略事業への投資が響きました。

戦略事業の拡大のため、9月に1,480億円の転換社債を発行しました。調達した資金は、今後3年間の戦略事業への投資に充当する予定です。

コミュケーションアプリ「LINE」やゲーム事業は成熟期となり、Fintech、AI、Friends、Eコマースといった戦略事業に軸を移しつつあります。

特に、キャッシュレス後進国の日本ではキャッシュレス決済の利用はまだまだ浸透していません。多様化するキャッシュレス決済が進む中、SNS事業で獲得してきたユーザーをモバイル(スマホ)決済「LINE Pay」に取り込めるか期待するところです。

画像出典元:「LINE」決算説明会資料

会社概要

会社名 LINE株式会社
(2013年4月1日 NHN Japan株式会社より商号変更)
事業内容 コミュニケーションアプリ「LINE」およびLINEプラットフォーム上で展開するコンテンツ・サービス、その他ウェブサービス事業、AI事業、Financial事業の提供・運営
所在地 東京都新宿区新宿四丁目1番6号 JR新宿ミライナタワー23階
設立日 2000年9月4日
代表 出澤 剛
資本金 957億3,200万円(2018年9月末時点)
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