時価総額22兆円、国内トップを維持し続ける「トヨタ自動車」の決算を見ていきます。
2020年3月期第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し増収増益となっています。
まずは、販売台数から見ていきましょう。グローバルの自動車市場が縮小するなか、2019年4月から12月までの販売台数は前年同期比12万9,000台増の683万台に。これは、RAV4やカローラなどの新型車の販売が日本、北米、欧州などで好調だったことによるものです。
一方、アジアの販売台数は米中貿易摩擦の影響もあり落ち込んでいます。
なお、ダイハツ、日野ブランドを含むグループ総販売台数は前年同期比14万台増の814万台となっています。
営業利益は、為替差損2,500億円計上したものの、原価改善の努力、営業面の努力が奏功し前年同期比で増益を確保。
地域別の営業利益推移を見ると、日本は販売台数が前年同期比で6万台増加したものの、為替変動の影響を受け減益に。
一方、北米では販売台数が2万台増加したことに加え、営業面での努力等が奏功し1,648億円の増益と好調に推移。
欧州ではハイブリット車が人気で、今では購入者の半分以上がハイブリット車を選ぶようになったそうです。
なお、中国の会社は12月決算のため、1月から9月の数値を第3四半期の連結決算に取り込んでいるとのこと。
中国事業における販売台数は前年同期比9万台増の118万台と販売台数を伸ばしていますが、これは新型コロナウイルス感染拡大前の状況です。新型コロナウイルスの影響はさまざまなところで見られます。
トヨタ自動車は3月20日、愛知県豊田市高岡工場に勤務している従業員が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表。
感染疑義が発覚した3月19日時点で消毒作業を実施し、稼働を再開したものの、同工場で勤務していた別の従業員にも感染が確認されたため、再度消毒作業を実施。
また、世界的な自動車需要縮小により、国内の5工場7ラインで4月3日より一定期間の稼働停止を予定しています。
2月6日には、利益に関して通期の業績予想を上方修正していますが、計画達成に暗雲が広がっています。
3月24日、トヨタ自動車と日本電信電話(NTT)は、スマートシティビジネスでの協業を目的として業務資本提携を締結。
トヨタ自動車はスマートシティ事業を今後注力する重要な領域の一つとするとし、1月7日に「コネクティッド・シティ」プロジェクトを米国ネバダ州ラスベガスで開催されたCES 2020において発表しています。
本プロジェクトは、2020年末に閉鎖予定のトヨタ自動車東日本株式会社 東富士工場(静岡県裾野市)の跡地を利用して、人々の暮らしを支えるあらゆるモノやサービスがつながる実証都市を作るというもの。着工は、2021年初頭予定。
自動運転、モビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム技術、人工知能(AI)技術などを導入・検証する、この実証都市を「Woven City」(ウーブン・シティ)と名付け、初期はトヨタの従業員やプロジェクトの関係者をはじめ、2,000名程度の住民が暮らすことが想定されています。
Woven City
今回の提携では、「スマートシティプラットフォーム」を共同で構築し、静岡県裾野市東富士エリア(Woven City)と東京都港区品川エリア(品川駅前のNTT街区の一部)にて実装。その後、連鎖的に他都市へ展開を図っていくとしています。
スマートシティプラットフォームの概要
スマートシティの運営を共同推進するための資金調達として、2,000億円ずつ相互に株式を取得。株式取得日は4月9日予定となっています。
事業内容はもちろん、自動車事業が基幹事業ですが、金融事業や住宅事業も展開しています。
セダン、ミニバン、2BOX、スポーツユーティリティビークル、トラック等の自動車とその関連部品・用品の設計、製造および販売。
自動車ローンやリースを中心に金融サービスを提供。
国内ではトヨタファイナンス等が、海外ではトヨタ モーター クレジット等が、これらの販売金融サービスを提供しています。
住宅の設計、製造および販売、情報通信事業等。
住宅は、主にトヨタホーム、ミサワホーム、その関係会社が製造、販売を行っています。
画像出典元:「トヨタ自動車株式会社」決算説明会資料
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