セルソース株式会社の決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

記事更新日: 2020/01/29

執筆: 山中恵子

売上高32%増!乳房再建にも応用される再生医療関連事業で増収増益を続ける「セルソース」の通期決算

2019年10月期 通期決算

  • 売上高:16億1,100万円(前期比+32.9%)
  • 営業利益:3億2,600万円(前期比+10.8%)
  • 経常利益:3億300万円(前期比+3.0%)
  • 当期純利益:1億9,900万円(前期比+3.2%)

再生医療関連事業を展開する「セルソース」の決算を見ていきます。

2019年10月期通期の業績は、前期に対し増収増益となっています。創業以来、増収増益を続け、当期は計画上振れで着地。好調です。なお、セルソースは2019年10月28日に東京証券取引所マザーズに上場しています。

増収となった主な要因は、再生医療関連事業において加工受託数、提携医療機関数ともに順調に拡大したことによるものです。脂肪由来幹細胞加工受託件数は806件(前期比217件増)、血液由来加工受託件数は4,422件(前期比2,691件増)、提携医療機関数は296院(前期比163院増)と着実に増加。今後、さらに増加する見込みです。

一方、コンシューマー事業は前期比で減収となっています。

【グラフ】売上高推移

営業利益に関しては、再生医療関連事業、コンシューマー事業ともに増益を確保。コンシューマー事業は広告宣伝費抑制が奏功しました。営業利益率は前期比で4ポイント低下の20.3%となりましたが、これは上場に伴う人員・管理体制強化により販管費が増加したため。

財政状態は、現預金が13億3,300万円、自己資本比率87%、有利子負債ゼロと安定しています。

2020年10月期の業績予想

2020年10月期は、前期に対し2桁増収増益となる見込みです。

  • 売上高:19億7,200万円(前期比+22.4%)
  • 営業利益:3億6,500万円(前期比+11.9%)
  • 経常利益:3億6,500万円(前期比+20.6%)
  • 当期純利益:2億3,400万円(前期比+17.6%)

再生医療関連事業においては、再生医療に対する社会的認知度の一層の高まりにより、引き続き堅調な成長を継続していく見込みです。コンシューマー事業においては、2019年7月より化粧品「シグナリフト」シリーズがドラッグストア「トモズ」で店頭販売開始となりましたが、今後も販路を拡大しながら利益も確保していくとのことです。

また、2019年11月26日、住商ファーマインターナショナルと脂肪組織由来幹細胞の分譲契約を締結し研究用途での提供を開始したと発表。今まで輸入に頼っていた脂肪由来幹細胞をセルソースが提供することになりました。

再生医療の研究は進んでおり、整形外科領域・形成外科領域に加え、さらなる対象領域の拡大が見込まれます。今後の動きに目が離せません。

セルソースとは

セルソースは、創業者である山川雅之氏(医師・現筆頭株主・元代表取締役)と裙本理人氏(現代表取締役社長)により、再生医療の産業化推進を目的として2015年に創業されました。

創業のきっかけは、2014年に再生医療等安全性確保法が施行されたこと。

裙本社長は神戸大学卒業後、約10年間住友商事でロシアの資源ビジネスを担当していましたが、この法律施行により再生医療周辺の新たなビジネスチャンスが創出されたと考え、趣味のトライアスロンを通じて知り合った山川医師とともに翌2015年にセルソースを創業。山川医師は現在経営から離れていますが、自由診療クリニックを多数創設しています。

これまで、薬機法(「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」)のもと、保険診療を目指し、多くのバイオベンチャーは赤字を掘りながら治験や研究開発を先行させてきましたが、再生医療等安全性確保法が施行されたことにより、国に届出をして認可を受けた治療に関しては自由診療で再生医療を推進できるようになりました。

セルソースの事業領域は、再生医療市場誕生による新しい領域であり、取引先はすべて医療機関。再生医療等安全性確保法により、医療機関は再生医療に用いる細胞の加工作業を外部企業へ委託することが認められるようになったため、セルソースはその細胞加工を一手に引き受けています。

現在行っている細胞加工サービスは、脂肪由来幹細胞加工受託サービスと血液由来加工受託サービスの2つで、ターゲットとする市場は、国内の推定有病者数2,530万人以上と言われる変形性膝関節症。今後、高齢化社会によりマーケットは拡大すると思われます。

そのほか、既に臨床応用しているのが乳房再建で、乳がんの患者が乳房を全摘出した後、再建手術の選択肢として幹細胞を用いた乳房再建を提案しています。

なお、報告セグメントは「再生医療関連事業」と「コンシューマー事業」の2つ。

1

再生医療関連事業

① 脂肪・血液由来の組織・細胞の加工受託サービス

  • 脂肪由来幹細胞加工受託サービス
  • 血液由来加工受託サービス
  • FatBankサービス

② コンサルティングサービス

  • 再生医療等法規対応サポートサービス
  • 経営管理支援サービス

③ 医療機器販売

 

2

コンシューマー事業

再生医療センターでの脂肪由来幹細胞の研究に基づき開発された化粧品の製造販売を行うほか、美顔器の通信販売を行っています。

画像出典元:「セルソース株式会社」決算説明資料

 

 

第3期決算公告(2019年10月更新)

  • 売上高:12億1,273万円
  • 経常利益:2億9,455万円
  • 当期純利益:1億9,340万円

となりました。

業績推移

決算期
(百万円)
16/10
(第1期)
17/10
(第2期)
18/10
(第3期)
売上高 140 519 1,213
経常利益 8 159 295
当期純利益 6 111 193

 

医薬品の研究開発には多額の初期投資を必要とし、その投資資金回収も他産業と比べ長期に及ぶため、ベンチャー企業の場合、一般的に期間損益のマイナスが先行する傾向にあります。しかしながら、セルソースの創業は2015年11月とまだ新興の企業ですが、バイオベンチャーの中で初年度から黒字化し、その後も急速に拡大しているので、今後の業績にも期待が膨らみます。

事業内容

セルソース株式会社は、再生医療に用いる細胞等加工や研究開発を行うバイオベンチャーです。

1

医療機関の再生医療参入を支援

医療機関が再生医療を提供するためには、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」で 規定される各種申請ならびに運用が必要となります。 再生医療を提供する際に必要な厚労省への申請業務と、参入後の各種運用手続きを「再生医療等安全性確保法」に基づいて一括サポートします。

2

化粧品開発・販売

コンシューマー事業では、再生医療の研究にもとづき開発した、複合成分「Signa-Peptide®(シグナペプチド®)」を配合した美容液をはじめ、人生、二度目の美肌へと導く、エイジングケア化粧品シリーズ「Signalift(シグナリフト)」を展開しています。

3

再生医療センター

厚生労働省許可の特定細胞加工物製造施設 再生医療等の安全性の確保等に関する法律のもと、特定細胞加工物の製造許可を受けた専門施設「セルソース再生医療センター」にて細胞等の加工・培養を行っています。

2016年5月、世界的に実績のあるMedikan社(韓国)と独占的販売の契約を締結しました。

2017年2月には、厚生労働省より「特定細胞加工物製造許可」を取得、企業が設立され1年と3ヶ月で取得したことは、業界で最速となります。

2018年11月、箱根駅伝で“3代目山の神”と呼ばれていたプロランナーの神野大地選手と所属契約を結び、2020年東京オリンピックに向けてサポートしていくと発表しています。

世界の再生医療の市場規模は、2012年に3,400億円だったものが2050年には53兆円、国内でも260億円が3.8兆円まで成長すると予測されています。
巨大市場での成長が楽しみな企業です。

東証マザーズ上場へ

2019年9月19日、東京証券取引所マザーズへの新規上場が承認されました。

上場日は2019年10月28日の予定です。

出典:公式HP

会社概要

会社名 セルソース株式会社
事業内容 再生医療事業、医療機器販売事業、コンシューマー事業
所在地 東京都渋谷区渋谷1-19-5 渋谷美竹ビル2F
設立日 2015年11月
代表 裙本 理人
資本金 5億9,300万円

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