株式会社ZOZOの決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

記事更新日: 2019/08/05

執筆: 山中恵子

純利益28%増!ZOZOSUIT配布減で大幅な増益となった「ZOZO」の第1四半期決算

2020年3月期 第1四半期 累積業績

  • 売上高:281億9,700万円(前年同期比+6.2%)
  • 営業利益:77億8,600万円(前年同期比+32.6%)
  • 経常利益:76億1,800万円(前年同期比+30.0%)
  • 四半期純利益:53億2,600万円(前年同期比+27.9%)

ファッション通販サイトZOZOTOWNを運営する「ZOZO」の決算を見ていきます。

2020年3月期第1四半期の連結業績は、前年同期に対し売上高は+6.2%成長し、すべての利益項目で2桁増益となっています。

ZOZOTOWN事業、PB事業、BtoB事業、広告事業、その他事業、すべての事業で増収に。

主力のZOZOTOWN事業では、商品取扱高、出店ショップ数、年間購入者数ともに増加。一方、既存会員の年間購入金額、平均商品単価は前年同期比で減少しています。

【グラフ】売上高の推移(四半期)

営業利益が大幅に増加したのは、取扱高の増加に加え、ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)配布数の減少、ZOZOSUIT配布減少に伴う荷造運搬費の低下等によるものです。

MSP事業を展開予定

今秋にはMSP(マルチサイズプラットフォーム)事業をローンチ予定。マルチサイズとは、身長と体重を選択するだけで、理想のサイズが見つかる新しい洋服の買い方だそうです。

なお、ビジネススーツなどのフォーマルアイテムについては、引き続きZOZOSUITによる体型計測データを基に受注生産するとのこと。

2018年第2四半期決算説明会で、ZOZO前澤友作社長はZOZOSUITを廃止の方向に進めていると発表しましたが、現段階では完全廃止となっていません。

体型計測デバイスとしては、足の形の3Dデータ化を行い靴選びに必要な複数部位の計測を可能とするZOZOMAT(ゾゾマット)の先行予約の受付(2019年秋冬より順次発送予定)を6月24日に開始しています。

こちらも無料配布なので費用がかさむと思われますが、今後ZOZOは靴カテゴリーの販売強化に取り組んでいく模様です。

なお、業績予想に変更はありません。

画像出典元:「株式会社ZOZO」決算説明会資料・決算説明会補足資料

 

 

2019年3月期 通期決算(19年7月更新)

  • 売上高:1,184億500万円(前期比+20.3%)
  • 営業利益:256億5,400万円(前期比△21.5%)
  • 経常利益:257億1,700万円(前期比△21.4%)
  • 当期純利益:159億8,500万円(前期比△20.7%)

2019年3月期通期の業績は、前期に対し増収減益となりました。

商品取扱高が前期比19.4%増となり、売上高も伸長しました。期初計画は達成できませんでしたが、1月に下方修正した修正後計画においては0.3%上回りました。

【グラフ】売上高の推移

営業利益は、販売費及び一般管理費が793億800万円(前期比37.2%増)と大幅に増加したことから、大幅な減益に。上場以来、初の減益となりました。

販管費上昇の要因は、「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」の無料配布に伴う広告宣伝費の増加、荷造運搬費の増加、人件費の増加等によるものです。

営業利益の増減分析(対前期比)

なお、第4四半期において、特別損失として総額21億800万円を計上しています。

PB事業の赤字、ブランド離反等あり、株価も営業利益率も低下しましたが、営業利益率は21.7%、ROEは50.5%と依然高い水準を維持しています。

事業別の業績

フリマ事業は、2017年6月30日をもってサービスを終了しています。

ZOZOTOWN事業

  • 売上高:991億9,100万円(前期比+13.6%)

ZOZOTOWN事業は「受託ショップ」「買取ショップ」「ZOZOUSED」の3つの事業形態で構成され、全体の売上の約8割を占めます。

当期においてZOZOTOWNへ新規出店したショップ数は213ショップ、退店したショップは79ショップとなり、出店ショップ数は前期末比134ショップ増の1,245ショップに。

右肩上がりに増加していたZOZOTOWN出店ショップ数ですが、第4四半期では10ショップ純減となりました。

これはブランドの終了、統合又は売上不振による退店に加え、「ZOZOARIGATOメンバーシップ」の実施に伴う一部ショップの退店が主な要因です。

【グラフ】ZOZOTOWN出店ショップ数推移

ZOZOARIGATOメンバーシップとは

入会すると、商品を税抜き価格から10%OFFのARIGATO価格で購入でき、割引した金額で各支援団体や購入したショップの応援をすることができる会員制サービス。

割引分はZOZOが負担し、年会費は3,000円(税抜)、または月間費500円(税抜)。

2018年12月25日より開始したサービですが、2019年5月30日をもってサービスを終了しました。

半年も経たずにサービスを終了した「ZOZOARIGATOメンバーシップ」ですが、背景には大手アパレルの出品停止が続いたことがあります。

常時割引によるブランド価値の低下を懸念し、オンワードホールディングスは全ブランドの出品停止をいち早く決定しました。続いて、ミキハウスも撤退。数は少ないですが、他にも退店が続いたことにより「ZOZO離れ」という言葉も生まれました。

通期で見ると退店以上に新規出店が多いため、今のところ業績に与える影響は軽微なものとなっています。

PB事業

  • 売上高:27億4,600万円

2018年1月よりプライベートブランド「ZOZO」の展開を開始したPB事業は143億7,600万円の赤字となり、ZOZOTOWN事業の足を引っ張る形となっています。

採寸用ボディースーツ「ZOZOSUIT」の開発費や無料配布に伴う広告宣伝費の増加に加え、計測および購入率が想定を下回ったことが要因です。

また、「ZOZOSUIT」で採寸したビジネススーツの発送の遅れや、サイズが合わないという計測精度の問題も露呈しました。

結果、「ZOZOSUIT」は廃止の方向となりました。

【グラフ】営業利益・営業利益率(対商品取扱高)の推移

従来「ZOZO」の商品を購入するためには「ZOZOSUIT」による計測を行う必要がありましたが、2018年9月より「ZOZOSUIT」なしで購入できるようになりました。

理由は、これまで計測された豊富な体型データを活用した体型推測アルゴリズムにより、計測を行うことなく、最適なサイズの商品購入ができる新たな計測手法を導入したためとのこと。

PB事業の海外展開については見直しを行い、ドイツとアメリカを拠点に展開していた海外事業から撤退することに。

これに伴い、固定資産に係る減損損失として9,800万円、たな卸資産評価損として6億9,100万円、事業整理損失として8億2,200万円を計上しました。

BtoB事業

  • 20億5,600万円(前期比+25.2%)

ブランドの自社ECサイトの構築及び運営を受託しており、2019年3月末現在で受託サイト数は23サイト(2018年12月末は18サイト)になりました。

今期はユナイテッドアローズが自社主導での開発・運営体制に切り替える影響により、BtoB事業は減収となる見込みです。

広告事業

  • 14億2,600万円

2018年9月より本格的に広告事業に参入。初年度の2019年3月期は30億円を目指すと謳っていましたが、乖離した数字となりました。

今期は21億円の売上予想となっています。中期経営計画策定時の50億円と比較して大幅なダウンとなっているのは、 ZOZOTOWN事業への集中を最優先事項と考えているためとのことです。

2020年3月期の業績予想

2020年3月期は、前期に対し増収増益となる見込みです。

  • 売上高:1,360億円(前期比+14.9%)
  • 営業利益:320億円(前期比+24.7%)
  • 経常利益:320億円(前期比+24.4%)
  • 当期純利益:225億円(前期比+40.8%)

月旅行計画や1億円ばらまき、剛力彩芽さんとの交際など、本業以外で何かと話題となった代表の前澤氏ですが、業績予想を大幅に下回ったことで「本業に集中します」と一時ツイッターを休止したことは記憶に新しいのではないでしょうか。

2018年4月27日付で発表した中期経営計画の数字と、2019年3月期の業績、2020年3月期の業績予想ともに乖離した数字となりました。

そのような中、新規事業としてZOZOTOWNの中国進出を決定。ファッションメディアECとして、今期中のサービス開始を目指すとしています。

ZOZOTOWNは、2011年10月にも中国向けのECサイトを展開しましたが、2013年1月にクローズしています。同じ失敗を繰り返すのか、それとも成功するのか今後の動向に注目です。

ZOZOとは

株式会社ZOZOの前身は、代表の前澤友作氏がバンド「SWITCH STYLE」のドラマーとして活動していたかたわらで始めた、輸入CD・レコードの通信販売を目的に1998年に設立した有限会社スタート・トゥデイ。同時期にメジャーデビューも果たしています。

2000年に株式会社スタートトゥデイへ組織変更。アパレル商材を中心としたインターネット通販に切り替え、2001年にバンド活動は停止。本社を千葉に移転。

2004年にインターネット上のショッピングサイト「ZOZOTOWN」の運営を開始。

2007年に東京証券取引所マザーズ市場に上場。2012年に東京証券取引所市場第一部に市場変更。

2018年にプライベートブランド 「ZOZO(ゾゾ)」を販売開始し、株式会社ZOZOへ商号変更しました。

グループは、ZOZOのほか、主要連結子会社であるZOZOテクノロジーズ、ZOZOUSED、アラタナ、ZOZO Apparel USA, Inc.によって構成されており、ファッションECサイト「ZOZOTOWN」、ファッションメディア「WEAR」等の運営を主な事業として行っています。

なお、ZOZO Germany GmbHについては、2019年2月開催の取締役会において会社清算の決議を行っています。

事業内容はEC事業の単一セグメントですが、各事業区分の事業内容は以下のとおりです。

1

ZOZOTOWN事業

「受託ショップ」「買取ショップ」「ZOZOUSED」の3つの事業形態で構成され、全体の売上の約8割を占めます。

 

  • 受託ショップ

「ZOZOTOWN」に各ブランドがテナント形式で出店を行い、出店後の運営管理を行う事業で、各ブランドの掲載する商品を物流拠点に受託在庫として預かり、販売を行っています。

 

当事業と買取ショップとの大きな違いは、基本的なマーチャンダイジングをテナント側が実施することと、受託販売形態であるため在庫リスクを負担しないことです。

 

当事業に係る売上高は、販売された商品の手数料を受託販売手数料として計上しています。

 

 

  • 買取ショップ

各ブランドからファッション商材を仕入れ、自社在庫を持ちながら販売を行う事業です。

 

 

  • ZOZOUSED

個人ユーザー等から中古ファッション商材を買い取り、自社在庫を持ちながら販売を行う二次流通事業です。ZOZOUSEDが主体となって手掛けています。

2

PB事業

ユーザー個人の体型に合わせた自社企画アパレル商品を販売する事業。2018年1月よりプライベートブランド 「ZOZO (ゾゾ)」を展開しています。

3

BtoB事業

アパレルメーカーが独自に運営するECサイトのシステム開発、デザイン制作、物流請負、マーケティング支援など、必要に応じて各種フルフィルメント関連業務を支援する事業。主に子会社のアラタナが担っています。

 

なお、当事業に係る売上高については、受託ショップと同様、販売された商品の手数料を受託販売手数料として計上しています。

4

広告事業

「ZOZOTOWN」及び「WEAR」が誇るユーザーリーチ基盤を活用し、取引先ブランドや広告代理業者に広告枠を提供し、広告収入を得る事業。2018年9月より本格的に広告事業に参入しました。

5

その他

ZOZOTOWN事業に付随した事業(有料会員収入、送料収入、決済手数料収入等)。

画像出典元:「株式会社ZOZO」決算説明会資料・公式HP

 

 

2019年第2四半期 連結業績(18年10月更新)

  • 売上高:537億6,400万円(前年比+25.9%)
  • 営業利益:100億5,300万円(前年比-27.3%)
  • 経常利益:100億700万円(前年比-27.7%)
  • 純利益:62億9,100万円(前年比-34.1%)

2019年上半期は売上高が+25.9%成長している一方で、営業利益は減益となっています。主に、

  • 「ZOZOSUIT」の無料配布に伴う広告宣伝費の増加
  • 運送費の上昇
  • 西日本豪雨の義援金

など、販管費が389億円と前年度に比べて52.4%増加したことが原因と考えられます。

セグメント別売上高

  • 受託ショップ:382億4,900万円(前年比+21.2%)
  • 買取ショップ:9,400万円(前年比+2.7%)
  • ZOZOUSED:75億700万円(前年比+14.5%)
  • PB事業:6億6,800万円(前年比+34.7%)
  • BtoB事業:8億9,800万円
  • 広告事業:2億3,600万円

会社概要

会社名 株式会社ZOZO
事業内容 ファッションショッピングサイトの運営
所在地 千葉県千葉市美浜区中瀬2-6-1WBGマリブウエス 16F
設立日 1998年5月
代表 前澤 友作
資本金 13億5,990千円

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