株式会社ファーストリテイリングの決算/売上/経常利益を調べ、世間の評判を徹底調査

記事更新日: 2019/03/11

執筆: 山中恵子

暖冬で国内ユニクロは大幅減益!海外ユニクロが最大セグメントとなった「ファーストリテイリング」の第1四半期決算

2019年8月期 第1四半期 累積業績

  • 売上収益:6,444億6,600万円(前年同期比+4.4%)
  • 営業利益:1,046億6,500万円(前年同期比△8.1%)
  • 税引前四半期利益:1,110億8,600万円(前年同期比△5.7%)
  • 四半期利益:734億7,600万円(前年同期比△6.4%)

2019年第1四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し増収減益となりました。増収の主な要因は、海外ユニクロ事業が好調に推移したことによるものです。

減益の主な要因は、国内ユニクロ事業が暖冬の影響で売上が計画を下回ったことによるものです。売上総利益率は前年同期に対し1.0ポイント低下し50.4%に、売上高販管費率は1.3ポイント上昇し34.4%となりました。

国内ユニクロ事業は大幅な減益

国内ユニクロ事業の売上収益は2,461億円(前年同期比4.3%減)、営業利益は379億円(前年同期比29.9%減)と前年同期に対し大幅な減益となりました。

大幅な減益となった要因は、暖冬の影響で売上が計画を下回ったことによります。特に気温の高かった10月や11月は、ヒートテック、ウルトラライトダウン、カシミヤセーター、メリノセーターといった冬のコア商品が全般的に苦戦しました。

販売に苦戦し、値引販売を強化したことにより、粗利益率も計画に対して下回りました。

一方、Eコマースの売上は237億円(前年同期比30.9%増)、売上構成比は7.0%から9.7%へと上昇しました。経費に関しては、削減努力により計画の範囲内におさまっています。

海外ユニクロ事業が最大セグメントに

海外ユニクロ事業の売上収益は2,913億円(前年同期比12.8%増)、営業利益は525億円(前年同期比12.6%増)と前年同期に対し増収増益となりました。

海外ユニクロ事業は年々拡大し、2018年度では国内ユニクロ事業の売上収益を超え、この第1四半期では売上収益、営業利益ともに国内ユニクロ事業を大きく上回り、最大の事業セグメントとなりました。

地域別では

  • 中国大陸:増収増益(営業利益は2桁増益)
  • 香港・台湾:暖冬により減収減益
  • 韓国:減収増益
  • 東南アジア・オセアニア:大幅な増収増益
  • 米国:増収増益
  • 欧州:増収増益(特にロシアが好調)

海外ユニクロ事業では、グレーターチャイナ(中国大陸・香港・台湾)、東南アジアが事業の柱となっています。米国は、今期の黒字化達成に向けて着実に前進しています。

2018年9月にはオランダ初の店舗をアムステルダムに出店、10月には東南アジア最大規模のグローバル旗艦店をフィリピンのマニラに出店しました。

ジーユー事業は前年並み

ジーユー事業の売上収益は654億円(前年同期比7.7%増)、営業利益は85億円(前年同期比4.9%減)と前年同期に対し増収減益となりました。売上は計画通り、前年並みとなりました。

前期は第2四半期に在庫処分を実施しましたが、今期は第1四半期から在庫処分を行ったため、粗利益率が前年同期比で0.3ポイント低下しました。また、広告宣伝を強化するなど経費が増加した結果、減益となりました。

ジーユー事業は、国内市場の出店に加え、グレーターチャイナ及び韓国を中心とした海外市場での事業の拡大も図っていきます。

グローバルブランド事業

グローバルブランド事業の売上収益は407億円(前年同期比1.8%増)、営業利益は27億円(前年同期比9.9%減)と前年同期に対し増収減益となりました。コントワー・デ・コトニエ事業が計画以上の減益となりました。

  • セオリー事業:増収増益(米国セオリーの売上が好調)
  • プラステ事業:増収減益
  • コントワー・デ・コトニエ事業、プリンセス タム・タム事業、J Brand事業:赤字

通期の業績予想

上期は国内ユニクロが計画以上の減益となる見込みですが、海外ユニクロが計画を上回る増益を維持する見込みであるため、通期の業績予想に変更はありません。

  • 売上収益:2兆3,000億円(前期比+8.0%)
  • 営業利益:2,700億円(前期比+14.3%)
  • 当期利益:1,650億円(前期比+6.6%)

ファーストリテイリングの事業内容

ファーストリテイリングは、衣料品販売を主たる事業として「国内ユニクロ事業」「海外ユニクロ事業」「ジーユー事業」「グローバルブランド事業」を主なセグメントとして区分しています。

なかでも、「情報製造小売業」として世界No.1のアパレル小売企業となることを中期ビジョンに掲げ、海外ユニクロ事業、ジーユー事業の拡大に注力しています。

主力のユニクロは1984年に1号店をオープンし、現在では日本のアパレル市場の6.5%のシェアを占めるほど拡大しました。

さらに、2001年9月に英国への海外進出を皮切りに軸足は海外へと移り、2018年11月末時点の店舗数は国内832店舗に対し海外1,295店舗と海外店舗数は国内店舗数の1.5倍にまで拡大しました。

収益も国内を上回り特に中華圏(中国大陸・香港・台湾)、韓国、東南アジア・オセアニアでの出店により、高成長が続いています。

1

国内ユニクロ事業

日本で展開するユニクロ事業(衣料品)

 

売上高構成比:約38%

(国内は頭打ち)

 

2018年11月末時点での店舗数:832店舗

  • 直営店:788店舗
  • FC:44店舗
2

海外ユニクロ事業

海外で展開するユニクロ事業(衣料品)

 

売上高構成比:約45% 

(注力事業。今後も海外に続々と出店予定あり)

 

2018年11月末時点での店舗数:1,295店舗

  • 中華圏:中国(658)/香港(28)/台湾(67)
  • 韓国(186)
  • 東南アジア:シンガポール(28)/マレーシア(48)/タイ(44)/フィリピン(55)/インドネシア(21)
  • オセアニア:オーストラリア(16)
  • 北アメリカ:米国(49)/カナダ(9)
  • 欧州:英国(11)/フランス(26)/ロシア(33)/ドイツ(9)/ベルギー(3)/スペイン(2)/スウェーデン(1)/オランダ(1)
3

ジーユー事業

日本・海外で展開するジーユー事業(衣料品)

 

売上高構成比:約10%

(注力事業。トレンドと低価格を重視。海外出店を加速させている)

 

2018年11月末時点での店舗数:409店舗

4

グローバルブランド事業

セオリー事業、プラステ事業、コントワー・デ・コトニエ事業、プリンセス タム・タム事業、J Brand事業(衣料品)

 

売上高構成比:約6%

 

2018年11月末時点での店舗数:1,003店舗

  • セオリー事業:461店舗
  • プラステ事業:97店舗
  • コントワー・デ・コトニエ事業:319店舗
  • プリンセス タム・タム事業:126店舗

画像出典元:「株式会社ファーストリティリング」決算説明会資料

 

 

2018年8月期 通期決算(18年10月更新)

  • 売上収益:2兆1,300億円(前年同期比14.7%増)
  • 営業利益:2,362億円(前年同期比33.9%増)
  • 税引前利益:2,426億円(前年同期比25.5%増)
  • 当期純利益:1,548億円(前年同期比29.8%増)

2018年8月の通期決算は過去最高の業績を達成しました。特に国内・海外ユニクロ事業が好調で、営業利益は前年同期比33.9%増を記録。

各セグメント別の業績を見てみましょう。

赤い四角で囲ってある箇所が国内・海外ユニクロ事業です。

国内ユニクロ事業の業績は

  • 売上収益:8,647億円(前年同期比6.7%増)
  • 営業利益:1,201億円(前年同期比24.1%増)

海外ユニクロ事業の業績は

  • 売上収益:8,963億円(前年同期比26.6%増)
  • 営業利益:1,188億円(前年同期比62.6%増)

となっており、海外ユニクロ事業の営業利益は前年同期比が62.6%増と急成長しています。

各セグメントの収益構造を円グラフで表すと以下のようになります。国内・海外ユニクロ事業で全体の90%以上を占めており、海外ユニクロ事業が国内ユニクロ事業と同じぐらい業績を上げています。

国内ユニクロ事業

国内ユニクロの業績が好調だった理由としては、1年間の天候が理由にあります。上半期の冬は、例年に比べて寒くなったことによりヒートテックやダウンなどの防寒衣料の売上が好調に。それに伴い増産対応がスムーズに進んだため増益に繋がりました。

5~7月は売上が伸び悩みましたが、8月は猛暑に伴って夏物の衣類販売が順調でした。

海外ユニクロ事業

海外ユニクロ事業では、中国、香港、台湾、シンガーポールを含めたグレーターチャイナの売上収益が前年同期比26.9%増、営業利益が前年同期比47.1%増と好調となりました。各国にユニクロブランドが浸透していることやeコマース販売が追い風となっています。

アジアを中心にシェアを獲得している

2019年8月期の業績予想

2019年の業績予想も引き続き過去最高の業績を更新する予定です。

気候の影響を受けやすい衣類小売業ですが、順調に成長を続けているところがファーストリテイリングの底力を感じます。

2018年8月期 第3四半期決算

2018年7月12日に発表された第3四半期の業績は、

  • 売上収益:1,612億円(前年同期比25.4%増)
  • 営業利益:1,285億円(前年同期比67.6%増)

となりました。第3四半期までの累積業績は

  • 売上収益:1兆7,041億円(前年同期比15.3%増)
  • 営業利益:1兆4,779億円(前年同期比3.0%増)

です。

それでは、第3四半期の国内・海外ユニクロ事業、ジーユー事業の業績を見ていきましょう。

1.国内ユニクロ事業

  第3四半期 前年同期比
売上収益 2,017億円 +6.3%
事業利益 314億円 +32.2%
(売上比) 14.9% +2.9%
営業利益 313億円 +31.3%
(売上比) 14.9% +2.9%

売上収益は2,107億円、前年同期比6.3%増、営業利益は313億円、31.3%増となりました。

2.海外ユニクロ事業

  第3四半期 前年同期比
売上収益 2,086億円 +23.7%
事業利益 317億円 +61.9%
(売上比) 15.2% +3.6%
営業利益 316億円 +63.7%
(売上比) 15.2% +3.7%

売上収益は2,086億円、前年同期比23.7%増、営業利益は316億円、63.7%増となりました。

特に、グレーターチャイナ、韓国、東南アジア・オセアニア地区では大幅に増益となっています。

3.ジーユー事業

  第3四半期 前年同期比
売上収益 608億円 +3.3%
事業利益 59億円 △21.4%
(売上比) 9.8% 3.0%
営業利益 59億円 20.0%
(売上比) 9.7% 2.9%

売上収益は608億円、前年同期比3.3%増、営業利益は59億円、20.0%減と、増収減益となりました。

会社概要

会社名 株式会社ファーストリテイリング
事業内容 株式または持分の所有によるグループ全体の事業活動の支配・管理等
所在地 山口県山口市佐山 717-1
設立日 1963年5月1日
代表 柳井正氏
資本金 102億7,395万円

 

 

 

 

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