ノーコードツールを使って勤怠管理システムを自作できる?作る手順や費用を解説!

ノーコードツールを使って勤怠管理システムを自作できる?作る手順や費用を解説!

記事更新日: 2024/07/17

執筆: 遠藤亜美

勤怠管理システムは、ノーコードツールを活用すれば、専門的な知識がなくても割と簡単に自作することが可能です。

この記事では、ノーコードツールなどを使った勤怠管理システムの作り方を解説します。

勤怠管理をもっと効率化したい企業や担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

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勤怠管理システムを作成可能にする3つのツール

続いて、勤怠管理システムを自作できるツールを具体的に3つ紹介します。

  • エクセルを使用する
  • プログラミングで作成する
  • ノーコードツールを使用する

エクセルを使用する

エクセルを使えば、手書きだった勤怠管理をコストをかけずにデジタル化し、ミスを少なく抑えることができます。

具体的には、関数やマクロ、テンプレートを活用します。

マクロは、あらかじめ設定した集計作業などを自動化のうえ、いつでも呼び出すことができる機能です。

また、関数やマクロが備わったテンプレートをベースに自作するのもよいでしょう。

ただし、全従業員の出勤・退勤時刻を集める手間と、入力ミスが起きる可能性は否定できません。

また関数やマクロに誤りがあれば、システムが正常に稼働しないため、社内に関数やマクロの詳しい知識がある専用人材を確保する必要があるでしょう。

エクセルで勤怠管理の自作を検討している方はこちらの記事もご覧ください。

プログラミングで作成する

「Python」「JavaScript」「PHP」「Ruby」といったプログラミング言語を使って自作する方法もあります。

エクセルの場合は、ソフト内の機能しか利用できません。

しかし、プログラミングなら、自社にあった最適な機能を自在に搭載できるうえ、システム連携やセキュリティ面でも優位性が高まるでしょう。

ただし、システムを作成のうえ、保守・運用できるIT人材が必要になります。

ノーコードツールを使用する

専門業者が提供するノーコードツールを活用する方法もあります。

あらかじめ搭載されている機能をドラッグ&ドロップするだけのため、ソースコードやプログラミングのスキルは不要です。

しかし、初期費用や月額費用、サポート料金などがかかるので、予算や機能に合わせて選択する必要があります。

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勤怠管理システムを作る手順

ノーコードツールの導入を前提に、勤怠管理システムを作るために必要な事項について確認しておきましょう。

  • 管理目的と欲しい機能を決める
  • 打刻方法を決める
  • 管理するデータ項目の決定

管理目的と欲しい機能を決める

まず自社に適した勤怠管理システムを自作するには、どのような項目について管理したいかという目的と機能を明確にします。

一般的に勤怠管理システムのおもな目的や機能には、以下の項目が挙げられます。

  • 法令・就業規則を遵守した労働時間の管理
  • 残業時間の管理(アラート機能も含む)
  • 出退勤時間の管理
  • 年次有給休暇の取得状況の管理や振替休日の付与
  • 給与システムとの連携
  • シフト管理
  • 休暇申請

仮に現在、紙による手書き作業が中心なら、何を、どのように効率化できると従業員の負担が軽減でき、ヒューマンエラーをなくせるのかについて、ヒアリングしながらしっかり議論する必要があります。

打刻方法を決める

毎日の出退勤において打刻は必須となります。

そのため、正確かつ従業員の負担が少ない方法が理想です。

打刻方法には、以下のようなものが挙げられます。​​

  • PC打刻
  • QRコード・バーコード打刻
  • タブレット打刻
  • モバイルGPS打刻
  • ICカード打刻
  • 生体認証打刻
  • LINEやSlackを使った打刻

PC打刻やタブレット打刻は、パソコンやスマホ、タブレットから打刻してデータ送信できるのでとても便利です。

また、QRコード打刻は、QRコードやバーコードを印刷して社内に掲示し、従業員が自身のスマホで読み取れば打刻できます。

スマホによる打刻は、不正申告も可能ですが、会社に到着しなければ打刻できないQRコード・バーコード打刻は不正ができないためより安心といえるでしょう。

管理するデータ項目の決定

勤怠管理システムで管理する具体的な項目を決めます。

労働基準法においては、とくに勤怠管理の項目は規定されていません。

ただし厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では「使用者は、労働時間を適正に把握するため、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること」とされています。

そのため、この条件を満たす管理項目が最低ラインとなります。

具体的には、以下のような項目が基本です。

  • 出勤・退勤時刻
  • 休憩の開始と終了時刻
  • 正確な労働時間
  • 残業時間(時間外労働・休日労働)
  • 有給休暇の日数や残数
  • 振替休日
  • 欠勤

働き方改革に対応した勤怠管理について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

他システムとの連携を決める

勤怠管理システムは、給与や人事管理、プロジェクトや予算管理といったほかのシステムとの連携ができると利便性が高まります。

勤怠管理システムは、従業員全員のリアルな動きを明確にできるので、ほかのシステムと連携させなければもったいないでしょう。

給与計算や人事評価、プロジェクトにおける人員配置や予算最小化のためのシフト調整など、業務効率化と企業価値向上に成果が出るシステム構築を目指しましょう。

作成ツールの選択

最後に、目的と必要な機能を全てカバーした勤怠管理作成ツールを決定します。

具体的なツールについては後述しますが、ツール選択の際には、機能に加えて、導入予算や社内で作成、管理、アップデートが可能か、無理なら専用人材を採用することも含めて検討する必要があります。

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自作の勤怠管理システムに求められる機能

勤怠管理システムを自作する場合に求められる機能についてさらに掘り下げていきましょう。

打刻・勤務時間の修正や承認が可能

従業員による打刻のし忘れや打刻時間の誤りなどがあった場合には、申請のうえ修正できるようにしておく必要があります。

その際は、一方的な修正ではなく、担当者や上司による承認や、必要に応じた修正が可能であることも欠かせません。

残業時間や休暇の管理

法令や就業規則に反した労働時間を放置することは許されないので、残業や休日出勤といった時間外労働や休暇の管理も必須です。

そのためには、だれが、どれだけ働き、休んでいるかを常にリアルタイムで把握することが求められます。

労働基準法では、「法定の年次有給休暇付与日数が10日以上の全ての労働者に対し、毎年5日、年次有給休暇を確実に取得させること」と定められています。

時間外労働についても、働き方改革関連法によって、以下のように定められています。

  • 年720時間以内
  • 複数月平均80時間以内(休日労働を含む)
  • 月100時間未満(休日労働を含む)
  • 原則である月45時間(1年単位の変形労働時間制の場合には42時間)の時間外労働を上回る回数は年6回まで

こうした枠組みから逸脱しないための正確な機能が欠かせません。

エラーチェック機能

どんなシステムでも、従業員による打刻忘れや手入力の打刻情報に誤りが生じる可能性は否定できません。

そこでエラーチェック機能が必要になります。

エラーチェック機能によって、どの従業員の、どの日の情報にミスや欠落があるかが瞬時に把握できます。

上記の修正機能と併用できれば、より正確性と利便性が高まるでしょう。

参照・集計・データの出力が可能

上述のように、勤怠管理システムは、給与、人事、予算、プロジェクトなどさまざまな目的で活用されます。

そのため、目的に応じて特定の従業員やデータ項目を抽出、グラフ化するといった参考値や集計などさまざまなデータを出力できることも大切です。

あらためて勤怠管理の基本を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

勤怠管理システムを自作するメリット

ここでは、勤怠管理システムを自作するメリットについて見ていきます。

  • ある程度のカスタマイズが可能になる
  • 他システムへ連携が簡単にできる

ある程度のカスタマイズが可能になる

勤怠管理システムを自作すると、自社のルールに合わせて自由にカスタマイズすることができます。

勤務体系は、業態や業界、また各企業によってかなり異なります。

そのため、ある企業で使用している勤怠管理システムをそのまま自社に持ち込んでも使い勝手が悪かったり、実用性にかけたりするケースが少なくありません。

その点、自作の勤怠管理システムは、自社特有の条件や多彩な勤務パターンにも柔軟に対応できます。

他システムへ連携が簡単にできる

給与、人事、プロジェクト、予算といったシステムへの連携ができる点も、勤怠管理システムを自作する大きなメリットです。

これによって業務効率化やコスト削減、省人化、競争力強化にも寄与します。

勤怠管理システムを自作するデメリット

続いて勤怠管理システムを自作するデメリットを解説します。

エクセルの場合、改ざん・不正のリスクがある

エクセルで勤怠管理システムを自作した場合は、データが担当以外の従業員などによって改ざんされたり、不正に入力されたりする恐れがあります。

故意に不正な関数やマクロが埋め込まれるリスクもないとは言えません。

法改正があった場合、対応に時間がかかる

勤怠管理は、労働基準法と密接に関わります。

従業員の勤怠情報を把握のうえ、客観的な記録による管理が義務化されているため、法改正の内容や施行日などについて正確に把握する必要があります。

その上で、改正内容をシステムに反映させなければならないので、その対応に手間と時間がかかるでしょう。

開発スキルや知識が必要なため、属人化しやすい

とくにエクセルやプログラミングによる自作については、専用の知識やスキルが求められます。

すると、特定の従業員に作業を依存する傾向が強まるため、属人化するリスクがあります。

その人材が退職や転職をした場合は、適切な対応ができなくなる恐れがあるので、業務平準化や社員教育といった対策が必須となるでしょう。

勤怠管理システムを自作するのにかかる費用は?

自作の勤怠管理システムなら、自社に合わせたシステム構築ができるため、コストを最小限に抑えられます。

さらに、月額の利用料も発生しません。

しかし、実際にはシステムを開発・保守・運用する従業員の人件費がかかっています。

コストを少しでも抑えるうえで、補助金制度を利用するのも一つの手です。

  • ものづくり補助金
  • IT導入補助金
  • 小規模事業者持続化補助金
  • 事業再構築補助金

 このほかにも、地方自治体の補助金制度が用意されている場合もあります。

それぞれの条件や金額などを比べて、自社に適した補助金制度を選びましょう。

勤怠管理システムは既存製品の利用がおすすめ

近年、働き方改革や法改正の影響により、勤怠管理はますます複雑化しています。

そのような中、自作の勤怠管理システムに限界を感じ、多くの企業が既存製品の勤怠管理システム導入を検討しています。

既存製品の勤怠管理システム導入には初期費用やランニングコストがかかりますが、人件費やミスの削減、法令遵守によるリスク回避、生産性向上などの効果を考えると、十分コストに見合う価値があります。

とくに、従業員数が多い企業や、複雑な勤怠管理が必要な企業にとっては、既存製品の勤怠管理システム導入がおすすめです。

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まとめ

勤怠管理システムは、エクセルやノーコードツールを活用して自作することが可能です。

自作すれば、自社向けにカスタマイズできるうえ、他のシステムと連携したり、ヒューマンエラーや不正を減らしたりできるので大変有効でしょう。

ただし、法改正への対応に時間がかかり、セキュリティ管理や属人化対策に万全を期す必要があります。

総合的にもっとも費用対効果の高い方法を選択し、ノーコードツールの導入を検討してはいかがでしょうか。

画像出典元:photoAC、unsplash

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