スマートフォンやパソコンでの活用例が増えている「生体認証」。
近年は企業における勤怠管理への導入が急激に進んでいます。
セキュリティ効果が高く、管理負担が少ないなどメリットが大きい反面、デメリットもあるので注意が必要です。
そこで今回は、生体認証による勤怠管理について解説します。
メリット・デメリットに加え、機種の選び方や導入をおすすめする業種についても紹介します。
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このページの目次
まず生体認証による勤怠管理システムについて、どのような種類があるのか解説します。
具体的には、主に4つあります。
それぞれの特徴について見ていきます。
手の指紋を利用したもっともオーソドックスな生体認証になります。
スマホやパソコンで多用されているので馴染みが深い方も多いでしょう。
機器が安いので導入の際に経済的負担が少ないのがメリットです。
しかし、皮膚の状態は日によって異なります。
とくに指先は肌荒れや乾燥、キズなどを負いやすく、場合によってはセンサーが反応しにくくなることがあるので何度もやり直さなければならないことがあります。
指先や手のひらの静脈を読み取って認証する方法です。
皮膚の表面ではなく、その奥にある静脈が対象となるため、乾燥や肌荒れを気にする必要がありません。
ただ機器が高額になる場合もあるので、まとまった予算の確保が必要です。
空港やイベント会場といった大規模施設での導入例が多い生体認証です。
輪郭や目、鼻、口といったパーツの特徴やバランスをとらえて認証します。
タブレットやパソコンの内蔵カメラを利用できるため、専用機器を導入しなくて済む点がメリットです。
その反面、マスクやサングラス、帽子などで顔の一部が隠れている場合は認証に失敗することもあります。
幼少期から大人になってもほぼ変化しない虹彩(目の中心である瞳孔の周囲を囲む色の薄い部分で光の量を調整する役目がある)を読み取る生体認証です。
数ある生体認証の中でもっともセキュアな技術といわれています。
非接触で済むうえ、コンタクトレンズやメガネ、一部のサングラスを装着していても認証できる点がメリットです。
初期費用に加えて維持費もかかるため、他の生体認証システムに比べると高額になります。
生体認証を導入するメリットは以下の4点です。
それぞれについて解説します。
生体認証以前の勤怠管理といえば、IDとパスワードを利用したり、タイムカードを使ったりする方法が主流でした。
しかし、とくにタイムカードの場合、その気になればなりすましも可能になります。
その点、生体認証は本人でなければ打刻できないため、不正を防止することができます。
生体認証を導入すると部外者の侵入を防止することができます。
IDやパスワードは盗めても生体認証のデータは盗めません。
事前にデータ登録していない人物については認識できないため、セキュリティ面でのメリットも非常に大きいでしょう。
IDカードやパスワードは忘れたり、紛失したりするリスクがあります。
しかし生体認証は、そのようなミスやイレギュラーな事態に左右されることがありません。
カードや記憶に依存するのではなく、本人の生体データを活用できるのは非常に強みとなります。
タイムカードの場合、データを手入力しなければならなかったり、紙が大量に必要となったりするため、その分の人件費や購入費用が要ります。
その点、生体認証の場合はこれらの作業や手間が省けるので、コスト削減に寄与するでしょう。
続いてはデメリットです。主に以下の3点が挙げられます。
とくに指紋認証の場合は、指先の状態によって認証できないことがあり得ます。
傷ややけど、肌荒れなどによって通常の状態とコンディションが異なると、本人だと認識できないことがあるので、必ずしも精度が100%とは言い切れないのです。
生体認証システムはあらかじめデータを登録し、本人が入館する際にマッチングする仕組みになっています。
よって、データベースがハッキングされるとその情報を使って不法侵入されたり、なりすましされるリスクがあるでしょう。
テレワークや長期出張、直行直帰などにより直接オフィスに立ち寄ることがない場合は、生体認証システムを使った本人確認ができません。
GPSを使って打刻可能なシステムもありますが、すべてではないので外部での打刻ができない場合の対策を講じる必要があるでしょう。
ここからはおすすめの生体認証つき勤怠管理システムを4つ紹介します。
各システムの詳細や口コミが気になる方は記事リンクをチェックしてください。
画像出典元:「ジョブカン勤怠管理」公式HPより
専用の機器を購入し指の静脈パターンを読み取って認証を行います。
打刻用にはWindowsのパソコンが必要です。
給与計算ソフトとの連携が可能で、打刻漏れがあると管理画面に赤で表示されるので非常に便利です。
他にもPC/タブレット打刻、GPS打刻、ICカード打刻、LINE/Slack打刻などもあります。
1人につき月額200円
画像出典元:「Touch On Time」公式HPより
1台で指紋認証だけでなくIDパスワード、ICカード認証にも対応可能です。
出退勤のみならず外出打刻や休憩打刻、他店舗に臨時出勤する場合のヘルプ打刻にも対応できます。
1人につき月額300円
画像出典元:「free勤怠管理Plus」公式HPより
生体認証は指静脈認証と、指紋と指静脈の両方を読み取る指ハイブリッド認証の2種類があります。
他にICカード認証やスマホ・タブレットからの打刻も可能です。
1人につき月額300円
画像出典元:「KING OF TIME」公式HPより
生体認証は、顔・指静脈・指紋・指ハイブリッドの4種類の中から選ぶことができます。
他にもモバイルGPS、ICカード、PC/タブレットなど合計16の打刻方法があります。
1人につき月額300円
生体認証つき勤怠管理システムを選ぶ際のポイントは以下の3点になります。
各項目について解説します。
業種や職場の規模、施設の使用目的などを総合的に考慮して最適なシステムを選択することが大切です。
病院や介護施設のように衛生面の対策が求められる職場なら、非接触の顔認証や虹彩認証がよいかもしれません。
荷物などで両手がふさがっていることが多い場合もおすすめです。
いっときに多くの社員が出・退社するケースの場合は、逆に顔認証だと時間がかかることがあるので、指紋認証の方が適しているでしょう。
生体認証つき勤怠管理システムは、費用対効果を考えて導入することも重要です。
例えば、顔認証なら専用機器が不要で、スマートフォンやタブレット端末、パソコンがあれば事足りるので低予算で導入できるでしょう。
しかし虹彩認証になると、初期費用に加えてランニングコストがかかるためかなりの高額になります。
したがって、どのシステムを利用するかを検討する際には予算についても細かく見積もる必要があるでしょう。
機密情報を扱っているとか、外部からの侵入が絶対にあってはならないという場合は、生体認証の正確性を重視する必要があるでしょう。
指紋認証や顔認証は正確に読み取れないケースがあるので、それよりは静脈認証や虹彩認証の方が適しているといえます。
生体認証による勤怠管理システムは、正確性やセキュリティに優れ、事務負担も減るのですべての業種におすすめできます。
ただ、その中でもとくにメリットが見込める業種を3つ紹介します。
個人情報や企業の機密情報、さらに多額の資産を管理する金融機関では厳重なセキュリティ管理が求められます。
そのため、勤怠管理についても安全性の高い生体認証が非常に適しているでしょう。
病院は、患者の病状、既往歴、薬歴、また保険情報といった機密情報を多数管理しています。
加えて持ち出し厳禁の劇薬などを保管しているケースも少なくありません。
よってセキュリティに優れた生体認証の導入が極めて望ましいでしょう。
看護師などの医療スタッフは、医療器具やカルテなどを両手に抱えているケースも多いため、ハンズフリーで利用できる顔認証や虹彩認証は非常に便利です。
製造業においても、とくに工場では秘匿性の高い技術を活用した機械や、それらを使って作る部品や製品、危険性の高い資材、極めて高い安全性が求められる食材や加工食品といったものの厳重管理が必須となります。
また、手を酷使する職業は傷や肌荒れなどによって情報が正確に認識できない場合があるので、顔認証や虹彩認証がおすすめです。
精度の高い勤怠管理は、自社の機密情報を管理し、部外者の侵入を防ぐとともに、ルール内の勤務時間を厳守して社員のワークライフバランスを向上させるためにも、非常に重要です。
そこで生体認証を活用すれば上記の項目を高い確率で満たすことができるので、導入を強くおすすめします。
画像出典元:Pixabay
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