株式会社ブシロードの決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

記事更新日: 2019/10/10

執筆: 山中恵子

祝マザーズ上場!『バンドリ!』IPの成長で過去最高の売上・利益を達成した「ブシロード」の通期決算

2019年7月期 通期決算

  • 売上高:321億7,500万円(前期比+11.4%)
  • 営業利益:30億5,800万円(前期比+4.4%)
  • 経常利益:30億3,100万円(前期比+1.2%)
  • 当期純利益:17億9,900万円(前期比+9.9%)

トレーディングカードゲームやキャラクターグッズの展開・販売のほか、プロレスリングの興業も行う「ブシロード」の決算を見ていきます。なお、ブシロードは、2019年7月29日に東京証券取引所マザーズに上場しています。上場後、初の決算です。

2019年7月期通期の業績は、前期に対し売上高は11.4%成長、すべての利益項目で過去最高を達成しています。

エンターテイメント事業、スポーツ事業ともに増収となりましたが、なかでもエンターテイメント事業の音楽部門とMD部門がそれぞれ前期比で59.8%増、58.8%増と売上高を牽引。この牽引を支える要素の1つが「バンドリ(BanG Dream)!」IPの成長であり、「バンドリ!」IPは年商100億円にあと一歩のところまで迫ってきています。

営業利益は、スポーツ事業が先行投資により前期比で減益となりましたが、主力のエンターテイメント事業が前期比で2桁増益と貢献し全体での増益を確保しています。

株価も続伸しています。「IPディベロッパー」戦略が評価されているようです。

ブシロードの株価推移画像出典元:SBI証券

セグメント別の業績

セグメント別の業績を詳しく見ていきましょう。

エンターテイメント事業

  • 売上高:266億7,500万円(前期比+11.8%)
  • セグメント利益:24億5,000万円(前期比+13.5%)

エンターテイメント事業は、TCG(トレーディングカードゲーム)部門、MOG(モバイルオンラインゲーム)部門、音楽部門、MD(マーチャンダイジング)部門、メディア部門の5部門で展開されています。

2019年7月期の業績は、TCG部門は売上減、MOG部門は横ばいとなったものの、音楽部門とMD部門の伸びが支え、全体では2桁増収となっています。

①TCG部門

  • 売上高:94億3,200万円(前期比△7.3%)

「ヴァイスシュヴァルツ」は11年の歴史のなかで過去最高の売上高を達成しましたが、「カードファイト!! ヴァンガード」「フューチャーカード バディファイト」は前期比で減収に。

一方、海外のカードゲーム事業は年々売上が伸びており、TCG部門の売上高に占める海外売上比率はおよそ26%に。海外の大会参加人数も前大会比で148%と非常に伸びている状況です。

②MOG部門

  • 売上高74億3,300万円(前期比+0.5%)

「少女☆歌劇 レヴュースタァライト –ReLIVE-」 (配信元:エイチーム) 、「名探偵コナンランナー 真実への先導者」のゲームを配信開始しましたが、売上高は横ばいで推移。

一方、売上の柱である「バンドリ!ガールズバンドパーティ!」(配信元:Craft Egg)はApp Storeセールスランキングにおいて初の1位ランクインを達成し、国内ユーザー1,000万人を突破と健闘しています。なお、MOG部門の海外売上比率は14%です。

③音楽部門

  • 売上高:32億6,000万円(前期比+59.8%)

音楽部門は、「バンドリ!」の好調により売上高が前期比で大きく伸長。「バンドリ!」関連のCDは100万枚を突破2019年2月に同時発売された6タイトルのCDシングルは、すべてがオリコン週間ランキングの10位以内に入る結果に。

また、ブシロードミュージック主催の音楽イベントにはおよそ19万人が来場(ライブビューイング含む)と、とにかく音楽部門は好調です。

④MD部門

  • 売上高:45億5,300万円(前期比+58.8%)

MD部門は、立ち上げ3年で売上高は前期比1.6倍と大きく成長。商品開発と流通において、自社のイベント物販、ライブ物販はもちろん、一般のキャラクターグッズの流通、ゲームセンターのプライズの流通、街中のガチャポンの流通において、通年でしっかりと商品を供給したことが大きく寄与した模様です。

また、全世界・全店舗のアニメイト125店舗にて業界史上初となるアニメイトワールドフェアを開催し、およそ120万人が「バンドリ!」グッズを購入。

MD部門は他社IPの利用も積極的に行っており、「Re:ゼロから始める異世界生活」や「名探偵コナン」などの商品も好調に推移しています。

⑤メディア部門

メディア部門の売上高は資料に明記されていませんが、年末年始特別番組「24時間 バンドリ!TV」の放送や音響制作事業をスタートさせるなど新たな試みによってビジネスの幅を着実に広げているとのこと。

スポーツ事業

  • 売上高:55億円(前期比+9.6%)
  • セグメント利益:6億800万円(△21.1%)

ブシロードは、2012年に新日本プロレスを⼦会社化し、2016年にキックスロードを設⽴しています。新日本プロレスは1972年に旗揚げをした歴史あるプロレス団体で、キックスロードはキックボクシング興行会社であり、キックボクシングイベント「KNOCK OUT」を運営しています。

なぜブシロードは新日本プロレスを買収したのか?

そんな疑問が頭によぎる人も多いのではないでしょうか。選手たちのキャラクターや一人ひとりが紡ぐ物語が、IPとして魅力があったからだそうです。くすぶるIPも再燃させるという戦略は見事に成功。2019年7月期のIPランキングで、新日本プロレスは2位にランクイン。

スポーツ事業の売上高は、主に新日本プロレスの売上高が占めます。ということで、新日本プロレスの業績を見ていきましょう。

●新日本プロレス

  • 売上高:54億1,600万円(前期比+10.8%)

スポーツ事業の柱である新日本プロレスは、投資がかさみ減益となりましたが、売上高は好調に推移しています。2012年にブシロードが新日本プロレスを子会社化して以降、6年間で売上高は5倍以上伸び2018年7月期には新日本プロレス47年の歴史のなかで過去最高の売上・利益を達成。そして、売上高に関しては2019年7月期にこの記録をさらに更新しました。

興行数は前期に比べわずかに減少したものの、中規模~大規模の興行を連日同一会場で開催する施策により、集客数は増加。興行日程の効率化を図った結果、興行部門売上は前期比で12.8%増に。

ハイライトは、プロレスの聖地と言われているニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)で行った大会。約16,000席が即日完売し、盛況のうちに終了。

コンテンツ部門は、動画配信サービス「新日本プロレスワールド」が会員数10万人を達成。MD部門は興行集客数の増加に加え、積極的なキャンペーン展開、コラボアイテム等の新商品の開発・市場投入により堅調に推移しています。

2020年7月期の業績予想

2020年7月期の業績は、前期に対し増収増益となる見込みです。

  • 売上高:360億円(前期比+11.9%)
  • 営業利益:31億円(前期比+1.4%)
  • 経常利益:31億円(前期比+2.3%)
  • 当期純利益:18億円(前期比+0.0%)

エンターテイメント事業は、MOG部門において「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS (スクスタ)」や「カードファイト!! ヴァンガードZERO」等の新規タイトルをリリース予定。これにより売上が拡大する見込みです。

一方、「D4DJ」や「ARGONAVIS from BanGDream!」などの新規IPを育成・発展させるために開発費及び宣伝費への積極的な投資を行っていくため、費用は増加する見込みです。

スポーツ事業では、東京ドームでの2連戦など規模の拡大、そして米国を主とする海外展開も拡大していくとのこと。

試合自体は150試合から160試合が限界であるため、動画配信サービスやテレビ放映を通じて収入を得ようというのが基本的な考え方です。右下のグラフのとおり、世界一のプロレス団体であるアメリカのWWEの収益構造は映像配信等が64%と大きな比率を占めています。新日本プロレスも、将来的には映像ビジネスを拡大させ、映像配信等を中心としたポートフォリオを目指すとしています。

現在は映像配信等が20%と比率が低いですが、この比率が伸びていくと利益も拡大していくと思われます。今後の展開に注目です。

画像出典元:「株式会社ブシロード」決算説明資料

 

 

第12期決算公告(19年7月更新)

  • 売上高:186億9,795万円
  • 経常利益:17億6,110万円
  • 当期純利益:10億5,465万円

と、なりました。

業績推移

決算期
(百万円)
16/07
(第10期)
17/07
(第11期)
18/07
(第12期)
売上高 14,955 15,002 18,698
経常利益 804 △74 1,761
当期純利益 381 55 1,054 

ブシロードは2007年5月にトレーディングカードゲーム(TCG)事業会社として設立されました。
それまで十分開拓されていなかった国内TCG業界で基盤を作ることに成功し急成長を遂げました。
2018年7月決算の売上高は288億8,900万円、経常利益は29億9,600万円。三期連続黒字となり業績も安定しています。
直近3期の成長ぶりは特筆すべきで、2017年3月期の売上高150億円から、186億円、227億円、288億円と年々売上げを伸ばし、4年間でほぼ2倍になりました。

事業内容

近年の成長の要因には業態の変化が挙げられます。それまでの中核事業TCGだけでなく、音楽、スマホアプリゲーム、商品展開、アーティストマネジメントなど幅広いエンタテインメントに事業領域を広げて来ました。
2012年には新日本プロレスを子会社化、その事業立て直しでも注目を浴びました。

 

主要IP

中核事業をIP(知的財産)ビジネスに切り替えるとしています。その代表作には年間売上高40億円を超える『バンドリ!』、『カードファィト!!ヴァンガード』、さらに『少女☆歌劇 レビュースタァライト』などがあります。

・カードファイト!! ヴァンガード
2011年3月に初弾を発売したトレーディングカードゲームを中心に展開しているIP
アニメ、コミック、舞台、コンシューマーゲームなど多岐にわたったメディアミックス展開 

・BanG Dream!(バンドリ!)
キャラクターとライブがリンクする次世代ガールズバンドプロジェクト
アニメ、ゲーム、リアルライブ、コミックなど様々なメディアミックスを展開

・少女☆歌劇 レヴュースタァライト
ミュージカルを原点としたアニメとの二層展開式少女歌劇という発想から創出されたプロジェクト

東証マザーズ上場へ

6月24日、東証マザーズへの新規上場が承認されました。2019年7月29日に上場予定です。

上場にあたっては発行済株式約1,360万株のうち既存株主の所有する約225万株を売り出し、あわせて210万株を公募増資するもようです。
公募価格、公開価格が決定するのは7月19日ですが、かなりまとまった資金を調達できます

増資については下記、参照にしてください。

出典:公式HP

会社概要

会社名 株式会社ブシロード
事業内容 トレーディングカードゲーム(=TCG)部門
モバイルオンラインゲーム(=MOG)部門
IPの企画・開発・プロデュース
所在地 東京都中野区中央1丁目38-1 住友中野坂上ビル
設立日 2007年05月
代表 橋本義賢
資本金 9億2,981万5,887円
kigyolog_kessanの最新記事をチェック

この記事に関連するラベル

他企業の情報

決算、M&A、出資情報の最新記事

ページトップへ