となっています。
レンタルパレットで躍進する「ユーピーアール」の決算を見ていきます。
2019年8月期通期の業績は、前期に対し増収増益となっています。売上高・経常利益ともに過去最高を達成。
増収となった要因は、物流事業、コネクティッド事業ともに堅調に推移したことによるものです。なかでも主力事業であるレンタルパレット事業が成長を牽引。
営業利益は2桁増益となっていますが、パレット紛失の弁済金が営業外収益として入ってくるため、ユーピーアールは本業の儲けである営業利益より経常利益を判断の基準としています。例年、貸し出したパレットの2〜3%は紛失され、その弁済金として入ってくる額は年間で約2億円。その弁済金でまた新たなパレットを購入するとのことです。
その経常利益は、売上増による粗利増が要因で2桁増益となっています。
【グラフ】売上高推移
ユーピーアール は、株式の流動性を高めるとともに投資家層の拡大を図ることを目的に、2019年11月30日を基準日として普通株式1株を5株にする株式分割を行うと10月15日に発表。加えて、2020年8月期の業績予想が大幅増益となる見込みを受け、株価は一時ストップ高となりました。
ユーピーアールの株価推移
画像出典元:SBI証券
セグメント別の業績を詳しく見ていきましょう。
物流事業は、前期に対し増収増益と好調に推移しています。主力事業であるレンタルパレット(保管・輸送)の売上高が前期比14.9%増と成長を牽引。
増収となった要因は、家庭紙パレットの共同利用サービスが一定の成果をあげたことに加え、GWが10連休と長かったこと、各社が消費税増税前に在庫の積み増しをしたこと、ラグビーワールドカップに向けて消費財の作りだめをしたこと等によりパレット保管用が伸長したことによるものです。
また、西日本豪雨災害で鉄道の貨物輸送網が遮断され、トラックによる代行輸送が実施されたことも要因です。なお、2019年8月期末においてユーピーアールが保有するレンタルパレットは424万枚となりました。
一方、物流機器の販売は、前期に大口販売の案件があったことの反動により前期比で減収となっています。
アシストスーツ事業は、2018年9月に発売を開始したサポートジャケット(Bb+FIT)の販売が順調に推移し大幅な増収に。
従来からアシストスーツはニーズがあったものの、価格が高い、商品自体が重いということでなかなか普及が進んでいませんでした。そこで、ユーピーアールは軽くて、かつ価格を抑えたアシストスーツを自社で開発。2016年9月にサポートジャケット(Bb+PRO)を発売し、さらに機能アップしたサポートジャケット(Bb+FIT)を2018年9月に発売。とても好評で、累計で1万着以上売れているとのこと。
コネクティッド事業は、前期に対し2桁増収、黒字に転換しています。
IoTサービスは、位置情報ソリューションや遠隔監視ソリューションの販売案件の受注が増加。ビークルソリューションサービスは、カーシェアリングシステムのレンタル・販売が想定を上回るペースで推移しています。
全体の売上高に対してまだまだシェアは低いですが、この中からレンタルパレットに続く中核事業が生まれることが期待されます。
2020年8月期も引き続きレンタルパレット事業を中心に成長し、前期に対し増収増益となる見込みです。
国内には5億枚のパレットが流通していると言われていますが、このうち業界全体でのレンタルパレット保有枚数は2,200万枚と5%弱に過ぎません。今後は業界共同での利用・回収を推進することによって、レンタルパレットの需要は2割程度まで伸びると考えられます。
少子高齢化でトラックドライバー不足が深刻さを増すなか、物流クライシス解決のため国土交通省策定の「総合物流施策推進プログラム」でもパレット活用を推進しています。レンタルパレット市場はまだまだ成長し続けると言えるでしょう。
アシストスーツ事業においても新商品を投入し事業を拡大していくとのことです。海外にも進出し、アジアNo. 1を目指しているユーピーアールの今後の成長に注目です。
画像出典元:「ユーピーアール株式会社」決算説明資料
2019年6月12日に東京証券取引所市場第二部に上場した、パレットを中心とした物流機器のレンタル・販売を行う「ユーピーアール」の決算を見ていきます。
2019年8月期第3四半期連結累計期間の業績は、計画を上回って推移しています。
これは、主力事業であるレンタルパレットおよびパレット販売の売上が予想を上回って推移したことによるものです。
理由は3つ挙げられます。1つ目は、トラックドライバーの⾼齢化や⼈⼿不⾜が深刻化するなか、積み込みの時間や待機時間が長いバラ積みはドライバーに敬遠されるため、パレット輸送を導入する輸送会社が増加していること。
レンタルパレットの仕組み
ユーピーアールでは、ただパレットをレンタル・販売しているのではなく、パレットの共同利用・回収を行ったり、クラウド型パレット管理システム「スマートパレット」等を提供することで業界全体の物流改善を図っています。
2つ目は、2018年7月に起きた西日本豪雨災害で鉄道の貨物輸送網が遮断され、トラックによる代行輸送が実施されたこと。復旧には3ヶ月かかり、この間代替輸送確保に追われたり、トラック運賃急騰など物流は一時混乱しました。このときも運送会社がバラ積みを敬遠したため、パレット輸送が急拡大しました。
3つ目は、10月の消費税増税前の駆け込み需要へ対応するために各社が在庫を積み増したことに伴い、レンタルパレットの需要も増加したこと。
このように、もともと人手不足等でパレットの需要増があったことに加え、災害によるトラック代行輸送、消費税増税前の駆け込み需要への対応が加わり、レンタルパレットおよびパレット販売の売上が予想を上回ったというわけです。
そのほか、アシストスーツ事業、コネクティッド事業(IoTサービス、ビークルソリューションサービス)も順調に推移しています。
業績好調により、今期の業績予想を上方修正しています。
レンタルパレットおよびパレット販売の売上が予想よりも上回って推移し、デポへ⽀払う保管料等の売上原価も減少したことから営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともすべての予想値が前回発表の予想を上回る見込みです。
画像出典元:「ユーピーアール株式会社」公式HP
第40期の決算は
となりました。
ユーピーアール株式会社は、パレット等物流機器のレンタル及び販売を主たる業務としています。
パレットとは、荷物の保管や構内作業、輸送に使用される薄い箱型の荷台のことです。
UPRグループは、ユーピーアールを含む連結子会社7社で構成されています。
パレットなど物流機器のレンタルおよび販売のほか、アクティブタグを搭載しクラウド上でパレットの管理を可能とする「スマートパレット」のレンタル、現場でのあらゆる作業に従事する作業者の身体的負担を軽減する「アシストスーツ」のレンタルおよび販売を行っています。
位置情報端末とデータ閲覧のWEBサイトをパッケージにした「なんつい」や「ワールドキーパー」を主力商品に据え、物流業界を中心に位置情報ソリューションを提供しています。
5月9日、東証2部への新規上場が承認されました。2019年6月12日に上場予定です。
出典:公式HP・有価証券届出書
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