株式会社チームスピリットの決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

執筆: 編集部

マザーズ上場企業の15%が利用するプラットフォーム「チームスピリット」の2020年第1四半期

2020年8月期 第1四半期 決算

  • 売上高:5億5,200万円
  • 営業利益:4,400万円
  • 経常利益:4,300万円
  • 当期純利益:1,400万円

働き方改革プラットフォーム 『TeamSpirit』の企画・開発を行う「株式会社チームスピリット」の決算を見ていきます。

2020年8月期通期の業績は、売上高は5.5億円で前年同期比の約1.4倍と順調に成長し、営業利益は0.4億円で前年同期比約4.2倍と大幅に増加しました。

【グラフ】売上高・営業利益の四半期別推移

GB/EBU企業の受注好調により、売上高は順調に推移し、中期的な成長のための投資(広告宣伝費・開発人件費)を継続的に実施し、さらに成長のための投資をさらに加速する予定です。

2020年8月期の業績予想には変更はありません。
2019年12月には今後のビジネス拡充、自社の働き方改革のためのオフィスをリニューアルし、2023年までには売上100億円、契約ライセンス数100万を目指す予定としております。


画像出典元:「株式会社チームスピリット」決算説明資料

2019年8月期 通期決算(19年10月更新)

  • 売上高:18億2,000万円(前期比+47.7%)
  • 営業利益:2億4,300万円(前期比+249.1%)
  • 経常利益:2億4,400万円(前期比+349.2%)
  • 当期純利益:2億2,300万円(前期比+144.8%)


働き方改革プラットフォーム 『TeamSpirit』の企画・開発を行う「株式会社チームスピリット」の決算を見ていきます。

2019年8月期通期の業績(非連結)は、前期に対し大幅な増収増益となっています。

【グラフ】売上高・営業利益の四半期別推移

全体の売上高と営業利益は順調に推移しています。
中期的な成長のための投資(広告宣伝費・開発人件費)は継続的に実施しており、人員拡充によるコストが増加していますが、大幅な増収に伴い営業利益は前期比250%増を達成しました。

【グラフ】売上区分別内訳

売上区分別の内訳をみると、リカーリングレベニュー(解約の申し出がない限り毎年継続される売上)が前年比約1.5倍と大幅に成長。
また、プロフェッショナルサービスでも、プレミアサポートの売上が前年比約2.1倍と大幅に成長しています。

契約ライセンス数は、前年比約1.5倍の20万ライセンスを突破。契約社数は1,232社。

マザーズ上場企業のうち約15%が利用しており、2019年1月~9月に上場承認を受けた企業のうち約22%が利用しているとのこと。

 

2020年8月期 業績予想

  • 売上高:26億円(前期比+42.8%)
  • 営業利益:2億5,000万円(前期比+2.7%)
  • 経常利益:2億4,500万円(前期比+0.3%)
  • 当期純利益:1億1,500万円(前期比△48.7%)


2020年8月期の通期の業績予想は、前期に対し増収増益を見込んでいますが、当期純利益は減益を見込んでいます。
チームスピリットは、同期から連結決算に移行予定。営業人員やPRを中心としたマーケティング活動を強化するとしています。

画像出典元:「株式会社チームスピリット」決算説明資料

 

 

2019年8月期 第3四半期 累積業績(19年7月更新)

  • 売上高:12億9,900万円(前期比+46.6%)
  • 営業利益:1億4,800万円(前期比+103.8%)
  • 経常利益:1億4,800万円(前期比+105.9%)
  • 当期純利益:1億1,600万円(前期比+136.5%)

働き方改革プラットフォーム 「TeamSpirit」 の企画・開発を行うチームスピリットの決算を見ていきます。

2019年第3四半期累計期間の業績は、前年同期に対し大幅な増収増益となっています。

【グラフ】売上高・営業利益の四半期別推移

グラフを見ると、18年第4四半期に営業利益が一時的に減少したものの、全体の売上高と営業利益は順調に推移していることが分かります。

一方、開発人件費・広告宣伝費への投資は継続的に実施しており、従業員数はプロダクト開発・サポート員の積極採用により前年同期比+27.0%の80名に。

セグメント別の業績

次にセグメント別の業績を見ていきましょう。
セグメントは、1社における契約ライセンス数で、以下のように分かれています。

  • GB/EBU:500名以上の企業
  • MM:100名~499名の企業
  • SMB:99名以下の企業


【グラフ】純増契約ライセンス数/セグメント別割合

純増契約ライセンス数は、第3四半期累計で、18年8月期の年間純増ライセンス数の約1.3倍の19万1,054人に
またセグメント別割合を見ると、GB/EBU(500名以上の企業)の割合が18年8月期末比で+5.5%の増加しています。

これは、2019年4月に施行された労働基本法改正に向け、チームスピリットが大企業の働き方改革を支援する事業を本格的に始動したことによるものです。
第1弾として三菱地所の採用が決まり、話題となりました。1万人を超える大企業に採用されるのは今回が初です。



19年第3四半期事業サマリー

契約社数は、1,174社 (18年3月期末比20.7%増)となり、かなり順調に伸びています。

【グラフ】売上区分別内訳

売上区分別にみると、ライセンス売上は9億9,500万円(前年同期比47.4%増)、プロフェッショナルサービス売上は3億300万円(前年同期比43.9%増)とそれぞれ大幅に増加。

また、ライセンスとプレミアサポート合計のリカーリングレベニュー(解約の申し出がない限り毎年継続される売上)は11億円(前年同期比52.7%増)と、こちらも大幅に増加しています。

2019年8月期 業績予想

チームスピリットの2019年通期目標は、年平均成長率を50%で維持しながら

  • 売上高:18億6,200万円(前年比+51.7%)
  • 営業利益:2億5,000万円(前年比+259.7%)
  • 経常利益:2億5,000万円(前年比+361.5%)
  • 当期純利益:2億3,100万円(前年比+152.7%)

を達成すると発表しています。中長期的な成長を目指しながら、次世代プロダクト開発にも投資を継続すると見られます。


しかしながら、通期計画に対する第3四半期時点での進捗率は純利益ベースでまだ50.2%。
通期に対する進捗率が低水準にとどまっており、通期計画の未達懸念がされています。

画像出典元:「株式会社チームスピリット」決算説明資料

 

 

2019年8月期 第2四半期 累積業績(19年4月更新)

  • 売上高:8億4,300万円(前年同期比+51.9%)
  • 営業利益:9,000万円(前年同期比+159.4%)
  • 経常利益:9,000万円(前年同期比+161.5%)
  • 四半期純利益:6,700万円(前年同期比+199.9%)

2019年第2四半期累計期間の業績は、前年同期に対し大幅な増収増益となりました。

GB/EBU(契約ライセンス数が500名以上の企業)の受注が好調で、売上高・営業利益が順調に成長しました。
一方、開発人件費・広告宣伝費への投資は継続的に実施しています。

【グラフ】売上高・営業利益の四半期別推移

各セグメントの業績

セグメントは、1社における契約ライセンス数で、以下のように分かれています。

  • GB/EBU:500名以上の企業
  • MM:100名~499名の企業
  • SMB:99名以下の企業

2019年第2四半期末時点での契約ライセンス数は17万5,000人となりました。
2018年通期の純増ライセンス数が4万271人であるのに対し、2019年は今期時点で既に3万6,315人純増しています。

また、契約社数は1,118社となり、引き続き、契約ライセンス数・契約社数ともに右肩上がりに増加しています。
特にGB/EBU(契約ライセンス数が500名以上の企業)の増加は前期末比40.5%増となり、セグメント別割合は5.0ポイント増となりました。

売上区分別内訳

売上区分別にみると、ライセンス売上は6億2,900万円(前年同期比46.6%増)、プロフェッショナルサービス売上は2億1,400万円(前年同期比69.6%増)とそれぞれ大幅に増加しました。

ライセンスとプレミアサポート合計のリカーリングレベニュー(解約の申し出がない限り毎年継続される売上)は6億9,500万円(前年同期比53.1%増)と持続的に成長しています。

コスト構造

人件費が全体の48.8%を占めています。プロダクト開発・サポートの従業員の積極採用により、従業員数は前年同期比25.9%増の73名となりました。

売上に直接連動する費用はプラットフォーム仕入のみで、全体の21.8%。広告宣伝費としては、Salesforceイベント出展など、継続的に実施しました。

 

チームスピリットとは

チームスピリットは、働き方改革プラットフォーム 「TeamSpirit」 の企画・開発を行っており、勤怠管理・工数管理・経費精算など、複数の機能をワンストップサービスで提供しています。「TeamSpirit」 はマルチデバイス対応となっており、PCやスマホアプリからクリック一つで出退勤打刻が完了するのも特徴です。

1996年に有限会社デジタルコーストを設立し、2008年に株式会社へ組織変更したあと、2010年から「株式会社セールスフォース・ドットコム」とパートナー契約を締結。

2012年に「TeamSpirit」のサービス提供を開始。翌年2013年、商号を「株式会社チームスピリット」へ変更しました。

同年、プロジェクト原価管理システム「TeamSpirit Leaders」のサービス提供を開始。

2017年には、シンガポール子会社「TeamSpirit Singapore Pte. Ltd.」を設立しました。

2018年8月、東京証券取引所マザーズ市場に上場しています。

チームスピリットのビジネスモデル

チームスピリットが取り扱っているのは、サブスクリプション型のB2B SaaS事業で、契約ライセンス数に比例して、売上も増加する仕組みとなっています。

ソフトウェアを所有せず、常に進化するサービスとして利用でき、企業規模を問わず月額課金で利用可能となっています。
また、シングルソース・マルチテナントでニーズ変化を継続的に収集し、機能に反映しています。

画像出典元:「株式会社チームスピリット」決算説明資料

 

 

2019年8月期 第1四半期(19年2月更新)

  • 売上高:3億9,400万円(前年同期比+45.3%)
  • 営業利益:1,000万円(前年同期比△19.6%)
  • 経常利益:900万円(前年同期比△23.0%)
  • 当期純利益:400万円(前年同期比△36.1%)

2019年第1四半期の業績は、前年同期に対し増収減益となりました。前期から受注が堅調に推移し、売上高は3億9,400万円(前年同期比45.3%増)と順調に成長しました。

一方、積極的なプロモーション実施や計画以上の受注増による賞与計上等、一時的な費用が発生し、営業利益は1,000万円(前年同期比19.6%減)となりました。

売上区分別内訳

ライセンス売上は2億9,600万円(前年同期比44.5%増)、プロフェッショナルサービス売上は9,700万円(前年同期比47.9%増)とそれぞれ大幅に増加しました。

ライセンスとプレミアサポート合計のリカーリングレベニュー(解約の申し出がない限り毎年継続される売上)も3億2,600万円(前年同期比51.7%増)と順調に成長しています。

2019年第1四半期末時点での契約ライセンス数は16万1,000人、契約社数は1,052社となり、契約ライセンス数・契約社数ともに右肩上がりに増加しています。

顧客満足の向上により解約率が減少し、リカーリングレベニューの比率が上昇し82.8%となりました。

契約ライセンス数のセグメント別割合は、契約ライセンス数が500名以上の企業(GB/EBU)が34.9%、100名~499名の企業(MM)が45.7%、99名以下の企業(SMB)が19.4%となり、MM以上の利用率が80.6%となりました。

特にGB/EBUの受注が好調で、前期末よりセグメント別割合が4.6ポイント増となりました。大手企業の中でも勤怠管理や経費精算に費用対効果の高いSaaSを利用する企業が増えてきました。

大手企業へシフト

株式会社チームスピリットは、2016年、2017年、2018年と3年連続でテクノロジー企業ランキング「テクノロジー Fast50」を受賞した成長率の高い企業です。事業内容は、サブスクリプション型 B2B SaaSの単一事業で、提供サービスは働き方改革プラットフォーム「TeamSpirit」となります。

「TeamSpirit」は、勤怠管理、就業管理、経費精算、工数管理、電子稟議、SNS、カレンダー機能といった、従業員が毎日使わなければいけないものをクラウドで一つにまとめたサービスです。これにより従業員の活動内容が可視化でき、長時間労働の是正やホワイトカラーの生産性向上が実現可能となります。

クラウド化に二の足を踏んでいた大手企業にもクラウド化の波が訪れており、GB/EBU企業の契約状況は、契約ライセンス数が前期末比33.1%増、契約社数は23.8%増となりました。利用業種はシステム開発が31%と最多ですが、製造業、人材派遣、建設業など多岐にわたります。

また、2018年に上場承認を受けた企業のうち約20%が「TeamSpirit」を契約しており、成長企業からも支持されています。

今後の見通し

政府の働き方改革推進が追い風となり、「TeamSpirit」の需要はますます高まると考えられます。今四半期は広告宣伝費や人件費が一時的に増加しましたが、2019年度の業績予想に変更はありません。年平均成長率も50%を維持していく予定です。

さらに、グローバル対応などGB/EBU向け機能を充実させた、次世代プロダクト「TeamSpirit WSP」のサービス提供を2019年春に予定しています。

画像出典元:「株式会社チームスピリット」決算説明資料

 

 

2018年8月期 通期決算

  • 売上高:12億3,200万円(前年比+59.4%)
  • 営業利益:6,900万円(前年比+56.7%)
  • 経常利益:5,500万円
  • 当期純利益:9,100万円

2018年通期業績は、売上高は前年比+59.4%で12億3,200万円、営業利益は前年比+56.7%で6,900万円、当期純利益は9,100万円と前期のマイナス9,700万円から黒字に転換しました。

チームスピリットは、勤怠管理・工数管理・経費精算・電子稟議・SNSなどの機能を1つにまとめたサービスをSaaSで提供しています。売上構成は、利用者単位で課金する「ライセンス」と顧客企業への導入サービス「プロフェッショナル」の2つです。

ライセンス売上は前年比+47.1%で9億4,200万円、プロフェッショナル売上は前年比+119.1%で2億8,900万円とどちらも好調です。

契約ライセンス数の増加

チームスピリットの営業の特色は、見込み客へ電話営業をしないこと。これまでの顧客はWeb サイトで製品に対する見積りやデモンストレーションの依頼に対応して獲得しました。契約社数と契約ライセンス数の推移を見てみましょう。

契約ライセンス数は、2012年の2,811人から2017年には98,900人へ、契約社数は34社から795社に拡大しています。ライセンス数の伸びが急増していることから、社員数の多い大企業との契約を獲得したと推測できます。

今期の通期決算は、大型契約を獲得して売上が伸びたこと、販管費が減少したことが黒字化に繋がりました。販管費では、「プロフェッショナル」のエンジニアの経費が減少。さらに、2017年に実施した自社イベントの開催に比べて、今期のイベントは費用が掛からなかったことが主因とされています。

中長期的戦略

チームスピリットの今後の戦略は大きく分けて3つあります。

1

営業及びマーケティング活用

マーケティング活動においてはなるべく広告宣伝は行わず、「働き方改革」をテーマとした自社イベント等によって潜在顧客の獲得を目指す。

2

新サービスのリリース

従業員のビックデータを活用して、生産性向上を図る新サービスを2020年にリリース予定。

3

海外展開

2021年に向けて、海外現地企業の商習慣にあった新商品を開発予定。2017年11月にシンガポールに子会社を設立しており、海外展開の準備を進める。

東証マザーズに上場

チームスピリットは、2018年8月22日に東証マザーズに上場。上場初値は2,417円。時価総額は131億5,100万円となりました。上場時点のベンチャーキャピタル及び投資事業組合が保有する株式は、2,936,600株と発行済株式総数の40.2%に達します。業務提携を結んでいるセールスフォースは13.3%の973,400株を保有。

業績がようやく黒字に転換したチームスピリットですが、競合は「アマノ」や「ラクス」など数多くいます。今後、どのような戦略でシェアを獲得していくのか、注目していきたいです。

画像出典元:「チームスピリット」決算説明会資料

会社概要

会社名 株式会社チームスピリット
事業内容 勤怠管理や経費生産を一括管理するサービス「TeamSpirit」の開発・提供
所在地 東京都中央区京橋二丁目5番18号 京橋創生館4階
設立日 1996年11月
代表 荻島 浩司
資本金 9億3,510万円(資本準備金含む)

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