サントリーグループとして外食事業を展開する「ダイナックホールディングス」の決算を見ていきます。
2019年12月期第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し売上高は+4.2%成長したものの、最終3億3,600万円の赤字で着地しています。
売上高はほぼ計画どおりに推移し、営業利益は出店に伴う一時費用の減少により赤字幅が縮小。
一方、経常利益は、店舗にかかる営業補償金の受入の減少により赤字に転落。また、一部店舗の減損損失等を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は赤字幅が拡大しました。
当第3四半期連結累計期間末のグループ店舗数は、新規に9店舗を出店し、業態変更やブランド価値の向上を目指した店舗改装を積極的に実施する一方で、11店舗を閉店したことで252店舗(業務運営受託店舗6店除く)に。
足元の業績を踏まえ、通期の業績予想を下方修正しています。最終3億円の黒字予想が一転、赤字となる見込みです。
当初は増収増益予想でしたが、売上高については増収を確保するものの、すべての利益項目で減益見込みに変更。
採用・教育を積極的に強化したほか、アルバイト・パートの時給単価上昇による人件費の増加や、原価率の高い物販関連の売上増により想定以上に原価が増加したことに加え、第3四半期以降における天候不順・自然災害等の影響もあり、業績回復が見込めないとのことです。
外食事業を展開する「ダイナックホールディングス」の決算を見ていきます。
2019年12月期第2四半期連結累計期間の売上高は+4.1%成長したものの、利益項目はすべて赤字、最終1億6,000万円の赤字となっています。
売上高は前年同期比で増加しましたが、来客数が伸び悩み、計画を下回って推移。
【グラフ】売上⾼前年⽐の状況
黒字予想だった営業損益及び経常損益が赤字となったのは、売上高が計画を下回ったことに加え、採用・教育を積極的に強化したことによる人件費の増加等によるものです。純損益は、一部店舗の減損損失を計上したこと等により予想値を大きく下回る結果に。
店舗展開においては、新規出店2店鋪、業態変更4店舗、ゴルフクラブレストランとその他受託をそれぞれ新規に1店舗ずつ受託する一方で、10店舗を閉店し、当第2四半期連結会計期間末のグループ店舗数は248店舗(業務運営受託店舗6店除く)に。
業績予想に変更はなく、前期比で増収増益、最終3億円の黒字を見込んでいます。下半期で大幅な業績アップを図るようです。直営ビジネスでは、人材教育や⾼付加価値化を積極的に進め、受託ビジネスでは業容を拡大させていくとのこと。その効果が下半期に現れるの注目です。
画像出典元:「株式会社ダイナックホールディングス」決算説明会資料
2018年12月期第3四半期より四半期連結財務諸表を作成しているため、対前年同四半期増減率については記載されていませんが、前年同期の非連結業績と比較すると、2019年12月期 第1四半期連結累計期間の業績は前年同期に対し+4%の増収となったものの、経常利益・四半期純利益の赤字幅は拡大しました。
さらなるグループの成長の実現に向け、高付加価値業態の開発・展開、既存業態においてはリ・ブランディングを積極的に進めました。また、人手不足対策と接客・サービス力向上による既存店の強化にも努めました。
店舗展開においては、3月に新名神高速道路・鈴鹿パーキングエリアの商業施設『PIT SUZUKA(ピットスズカ)』の受託運営を開始したほか、直営のバー・レストランでは、ワインビストロ「ラ・ブーシェリー・エ・ヴァン」、鉄板料理の「肉バル ガブル」の2店舗を新規に出店。
一方で、8店舗を閉店し、当第1四半期連結累計期間末のグループ店舗数は249店舗(業務運営受託店舗7店除く)となりました。
ダイナックは継続的に成長し続ける企業を目指すため、直営ビジネスでは高付加価値業態へのシフトを加速し、受託ビジネスでは業容拡大に取り組むことを中期経営方針として打ち出しています。
そのため今期は、魅力ある店舗・料理・人材の基盤整備への積極投資を行っていくとのと。
出足は赤字拡大となりましたが、新規出店や業態変更を行った店舗の収益化を見込んでおり、通期の業績予想については変更ありません。
1958年に飲食店の経営等を目的として創業して以来、施設などのレストランの受託運営や各種イベント・パーティの企画運営に至るまで事業を拡大してきました。
1979年にサントリー株式会社(現・サントリーホールディングス)の100%子会社に。
1988年には株式会社サントリーレストランシステムを吸収合併し、商号を株式会社ダイナックに変更。2006年に東京証券取引所市場第二部に株式を上場。
事業内容は外食事業という単一セグメントですが、直営ビジネスと受託ビジネスの2つの事業モデルを展開しています。
経営のスピード化を図るために2018年に持株会社体制へ移行するとともに、商号を株式会社ダイナックホールディングスに変更。
さらに2019年、事業会社を分割し、外食事業を株式会社ダイナックに、受託事業を株式会社ダイナックパートナーズに承継させました。
●直営ビジネス
店舗数:155店舗(2018年12月末)
和食レストランの「響」や「燦」、鳥料理の「鳥どり」など、50以上の多彩なブランドを首都圏・関西圏を中心に展開する直営のバー・レストラン事業
主な展開ブランド
祝賀会やパーティなどのケータリングのほか、イベント全体のトータルプロデュースまで行う
●受託ビジネス
店舗数:73店舗(2018年12月末)
店舗数:4店舗(2018年12月末)
店舗数:22店舗(2018年12月末)
【文化施設/劇場・ホール】
【レジャー施設・その他】
画像出典元:「株式会社ダイナックホールディングス」公式HP
2018年連結会計年度の業績は、前期に対し増収減益となりました。天候不順や自然災害の影響があったものの、新規出店・業態変更の寄与に加えて、創業60周年記念キャンペーンなど様々な販売促進活動を行った結果、売上高は360億9,600万円(前期比0.5%増)となりました。
一方、採用難による人件費の増加に加え、前年を上回る積極的な新規出店や業態変更を実施したことにより、営業利益は2億7,100万円(前期比63.2%減)となりました。
営業利益と経常利益の差は、営業外収⽀において店舗の改装等に伴う営業補償⾦の受⼊が発生したことによるものです。
店舗展開においては、新規出店を14店舗、業態変更を7店舗実施する一方で、17店舗を閉店し、当連結会計年度末のグループ店舗数は254店舗(業務運営受託店舗7店除く)に。
直営のバー・レストランでは6ブランドを新たに開発し、新規に7店舗を出店するとともに既存の7店舗を業態変更しました。直営ビジネスでは、新業態への挑戦と、リ・ブランディングを積極的に行いました。
受託運営事業では、ゴルフクラブレストランを新規に6店舗受託するとともに、指定管理者として岐阜県大野町に県内最大級の道の駅「パレットピアおおの」の地域振興施設の管理・運営を開始しました。受託ビジネスは拡大傾向にあります。
ダイナックグループは、和食レストランの「響」や「燦」、鳥料理の「鳥どり」など、50以上の多彩なブランドを首都圏・関西圏を中心に展開する直営のバー・レストラン事業と、ゴルフ場・リゾートレジャー施設等のレストランや道の駅・サービスエリアの受託運営事業の2つの事業を中心に展開しています。
2018年7月1日には、企業価値向上の実現に向けた最適な事業運営体制を確立するための施策として持株会社体制へ移行しました。これに続き、受託運営事業のさらなる事業拡大スピードの向上を図るため、株式会社ダイナックより同事業を分割し、連結子会社とする方針を決定しました。
株式会社ダイナックを分割会社とし、株式会社ダイナックパートナーズ(2019年2月1日付で株式会社ダイナック分割準備会社から商号変更・4月1日効力発生日)を承継会社とする簡易吸収分割です。
今後も、⼈材不⾜による⼈件費の上昇や⾷材価格の⾼⽌まり、物流関連コストの上昇など、引き続き厳しい事業環境が想定されます。そのような環境下にあっても、付加価値の高い分野の業容拡大並びに高収益構造への変革など、同業他社との差別化を図りながら収益基盤の強化に取り組む予定です。
2018年の利益落ち込みは一時的なものと考え、2019年は新規出店や業態変更を行った店舗の収益化等により増収増益を見込んでいます。
2019年12⽉期の業績予想は以下の通りです。
画像出典元:「株式会社ダイナックホールディングス」決算説明会資料
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