ソフトウェア開発事業を展開する「東海ソフト」の決算を見ていきます。
2020年5月期累計期間の業績は、前年同期に対し2桁増収増益と好調に推移しています。上期として、過去最高の売上と経常利益を達成。特に利益に関しては、計画上振れで着地しています。
増収となった主な要因は、組込み関連事業、製造・流通及び業務システム関連事業が好調に推移したことによるものです。組込み関連事業においては、AUTOSAR関連開発売上が増加。製造・流通及び業務システム関連事業においては、製造実行管理システムパッケージ(Apriso)関連開発が拡大しました。
営業利益は、増収効果で販管費増を吸収し大幅な増益に。
【グラフ】業績推移
2035年には新車の9割がコネクテッドカーとなると予測され、車載組込みソフトウエアの市場は今後も拡大すると見られます。また、製造・流通及び業務システム関連事業においては、製造工程の進捗状況をリアルタイムに監視するためのシステム「+FORCE 」を発表。今後の売上貢献に期待がかかります。
なお、通期の業績予想に変更はありません。前期に対し増収増益となる見込みです。
画像出典元:「東海ソフト株式会社」決算説明資料
2020年5月期第1四半期の業績は、前年同期に対し大幅な増収増益となっています。第1四半期として、売上高・経常利益ともに過去最高を達成。
増収となった要因は、すべての事業が堅調に推移したことによるものです。なかでも、組込み関連事業、製造・流通及び業務システム関連事業は前年同期比で2桁増収と好調に推移しています。
販売費及び一般管理費も増加していますが、増収効果で吸収し営業利益は前年同期比3.2倍に。好調なスタートを切りました。
通期の業績予想について変更はありません。過去最高の業績となる見込みです。
【グラフ】売上高の推移
リーマンショック後の景気低迷から大きく業績を回復させた東海ソフトは、売上増に比例して開発要員も増加し、ソフトウエア開発に必要な事業所の増床が急務であることに加え、開発要員を集約できる開発拠点の開設が喫緊の経営課題となっていました。
そこで、2027年のリニア中央新幹線開通によりさらにインフラ整備が進むと予想される名古屋駅近辺に、本社及びソフトウエア開発センター(仮称)を開設する目的で用地を取得。着工は2020年3月、竣工は2021年3月予定となっています。
また、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的に、2019年10月31日を基準日として普通株式1株を2株にする株式分割を行うと9月30日に発表。この発表を受け、株価は急騰。さらに、東京証券取引所及び名古屋証券取引所市場第1部への市場変更申請を行う準備も進めているとのこと。
東海ソフトは1970年、 産業向けコンピュータシステム開発を目的として名古屋市に設立されました。独立系ソフトウエア開発会社ですが、多くのソフトウエア開発の協力会社を活用し、ソフトウエア受託開発及びソフトウエア開発に係る役務の提供を主たる事業としています。
セグメントはソフトウエア開発事業の単一セグメントですが、事業戦略上、「組込み関連事業」「製造・流通及び業務システム関連事業」「金融・公共関連事業」の3つの事業に区分されています。
自動車をはじめ船舶・工事及び農業用特殊車両等に搭載されるECUのソフトウエア開発に係る車載関連開発及びデジタル家電から自動販売機やATM(現金自動預け払い機)等の制御ソフトウエアの開発に係る民生・産業機器関連開発を主たる事業としています。
工場の生産ラインや物流システムの搬送装置等を監視・制御するソフトウエア開発を中心とした製造・流通システム関連開発及び製造業向けの生産管理、在庫管理、品質管理等を中心とした業務システム関連開発を主たる事業としています。
大手SIerの協力会社として、主に大手金融機関向けのソフトウエア開発及び各種省庁、地方自治体、大学、公益法人等のソフトウエア開発を主たる事業としています。
(※大手SIerは日立グループが100%となっています)
画像出典元:「東海ソフト株式会社 」決算説明資料・公式HP
2019年2月27日に東京証券取引所市場第二部及び名古屋証券取引所市場第二部に上場した「東海ソフト」の決算を見ていきます。
2019年5月期通期の業績は、前期に対し増収増益、過去最高の売上と経常利益を達成しています。
東海ソフトはソフトウエア開発事業の単一セグメントですが、事業区分別の業績も開示されています。
1970年の設立当初からの事業、製造・流通及び業務システム関連事業が成長を牽引した一方で、金融・公共関連事業の売上高は前期比で微減となっています。
れでは、事業別区分の業績を見ていきましょう。売上の構成としては、製造・流通及び業務システム関連事業が45%占めています。
【グラフ】売上の構成
車載組込み関連開発、民生・産業機器関連開発ともにメーカーの新製品や新技術に関する開発需要増により、売上高は前期比8.9%増の24億1,900万円に。
主な取引先は、車載関連ではトヨタグループが62.0%、民生・産業機器関連では富士電機が62.9%となっています。
国内製造業・物流業からの引合いが好調に推移し、売上高は前期比13.3%増の28億2,500万円に。
年間取引先は174社にのぼり、上位10社売上が全体の約50%を占めています。
大型金融機関向け開発は終了。顧客である国内大手SIerから公共関連開発の発注が増加したものの、売上高は前期比1.3%減の10億6,100万円に。大手SIerとは日立グループのことです。
2020年5月期は、前期に対し増収増益の見込みです。
今期は、サブスクリプションビジネス(課金収益モデル)にも挑戦するとのことです。
画像出典元:「東海ソフト株式会社」決算説明資料
FAや組込み、ソフト開発、ネットワークインフラの技術を中心に幅広く事業を展開する会社です。
2018年7月に株式会社ネクスティがエレクトロニクスオートモーティブ社会における車載ソフトウェア領域の開発強化を目的に、東海ソフトに出資をしています。
株式会社東京証券取引所及び株式会社名古屋証券取引所より、両証券取引所市場第二部への新規上場が承認され、2019年2月27日に上場する予定となりました。
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