通信事業から戦略的投資持株会社へと移行した「ソフトバンクグループ」の決算を見ていきます。
2020年3月期第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し減収減益となっています。
130億円の営業赤字に転落し、純利益は前年同期比で7割減と厳しい結果となりましたが、代表取締役会長兼社長である孫正義氏は今回の決算を「潮目が変わった決算」と称しています。その理由は3つ。
1つ目が、第3四半期で黒字転換したこと。2つ目が、株主価値が5兆円増加したこと。3つ目が、合併差止訴訟に勝訴し、スプリントとTモバイルの合併手続きが最終段階へ入ったこと。
投資会社となったソフトバンクグループにとって、売上高や営業利益はもはや意味のない数字だと孫氏は重ねて強調しますが、まずは売上高から見ていきましょう。
ソフトバンク事業は増収となったものの、スプリント事業、アーム事業、ブライトスター事業はいずれも前年同期比で減収となっています。
なお、ソフトバンク事業にはZホールデングスやZOZOが含まれており、その他にはアーム事業、ブライトスター事業のほか、福岡ソフトバンクホークス関連事業 、スマートフォン決済事業等が含まれています。
営業利益は、ソフトバンク事業は好調だったものの、ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業の営業損失が響き、130億円の営業赤字に転落。Uberや WeWorkおよびその関係会社3社などへの投資の公正価値の減少に伴い、当第3四半期末においてソフトバンク・ビジョン・ファンドが保有する投資の未実現評価損失は7,273億2,700万円となりました。
一方、当第3四半期においてはソフトバンク・ビジョン・ファンド事業がやや回復したことにより、第3四半期単独では営業黒字に転換。さらに、12月からの1ヶ月間で3,000億円の投資成果があったとのこと。
ビジョン・ファンド1は当第3四半期末現在、88銘柄保有。累計で8.8兆円の投資を行い、それに対して1.3兆円の投資利益というのはなかなか立派な成績ではないかと孫氏は自信を見せています。
売上高や営業利益よりも株主価値を見てほしいという、その株主価値は2019年9月末からは5兆円増の25兆円に。これは、約4兆円増となったアリババ株が貢献したことによるものです。
なお、ソフトバンクグループの連結有利子負債は19兆2,500億円。うちスプリントの有利子負債は4.9兆円ですが、純有利子負債の中には含まれていません。そのスプリントは、Tモバイルとの合併がいよいよ最終段階に入りました。
ソフトバンクグループは2月12日、子会社スプリントのTモバイルとの合併に対する差し止め訴訟に勝訴したと発表。
スプリントとTモバイルの合併については、特定の州とコロンビア特別地区の司法長官による本取引の完了を禁止する差し止め訴訟が行われていましたが、2月11日、ニューヨーク州南部地区の米国連邦地方裁判所が当該司法長官の申し立てを棄却したことを表明。
これを受け、スプリントの株価が大きく反転。
合併手続きは最終段階となり、取引が終了するとスプリントは子会社ではなくなり、統合後の会社は持分法適用関連会社となる見込みです。
懸念事業のWeWorkに関しては、5ヵ年成長計画を発表。2021年には調整後EBITDA黒字化を目指すとしています。また、最高経営責任者(CEO)に不動産のプロであるサンディープ・マサラニ氏が2月18日付で就任しました。
ビジョン・ファンド 2については、規模を縮小することも選択肢の一つとして考え始めているとのこと。
株価低迷が続いていたソフトバンクグループでしたが、物言う株主として知られる米エリオット・マネジメントがソフトバンクグループの株を25億ドル(約2,700億円)以上保有していることが2月6日明らかになったことで、ソフトバンクグループの株価は急騰。
ソフトバンクグループの株価推移
画像出典元:SBI証券
エリオットは、約2.2兆円の自社株買い、社外取締役の増員、SVFの情報開示拡大の3点を要求。これに対し孫氏は「これらは既に検討している事項であり、またガバナンスと透明性についてもより深めていく」と述べています。
なお、ファーストリテイリングの会長兼社長の柳井氏は本業に専念するとし、2019年12月31日付で社外取締役を退任しています。
画像出典元:「ソフトバンクグループ株式会社」プレゼンテーション資料
2020年3月期第2四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し減収減益となっています。営業利益は156億円の赤字、純利益は前年同期比で半減。なかでも、営業利益は前年同期比で1.4兆円も悪化しています。
売上高については、ソフトバンク事業は増収だったものの、スプリント事業、アーム事業、ブライトスター事業はいずれも減収。
営業利益は、ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業においてUber(ウーバー )、WeWork(ウィーワーク) およびその関係会社3社を含む25銘柄への投資の公正価値減少により合計1兆1,275億7,900万円の投資の未実現評価損失を計上したことが響き、赤字に転落。
投資先のUberやSlack(スラック)は上場以降、株価下落が続いており、WeWorkに至っては上場延期により公正価値が大幅に下落。前年同期ではグループの業績を牽引していたソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業が5,726億円の営業損失を出し、足を引っ張るかたちとなっています。
代表取締役会長 兼 社長である孫正義氏は、投資の判断がいろいろな意味でまずかったと反省の弁を繰り返したものの、3勝1敗の成績であり、UberやSlackも投資した段階から見ると上がっている。また、世界のベンチャーキャピタルの平均の倍近いIRR(内部収益率)を出していると強気の姿勢は崩していません。
なお、第2四半期末において、投資の公正価値は25銘柄が減少、25名柄が増加、38銘柄は変動なしでした。
前回の決算説明会で孫氏は「WeWorkが上場します」と誇らしげに語っていましたが、今回の決算説明会では冒頭、「今回の決算はボロボロ。真っ赤っかの大赤字で、四半期でこれほどの赤字を出したのは創業以来初めて」という言葉で始まり、大幅な減益要因となったWeWorkに関しての説明が中心となりました。
孫氏は、コワーキングスペースサービス「WeWork」を手がけるThe We Companyの共同創業者であるアダム・ニューマン氏に惚れ込み、2017年に巨額な資金を投資。
WeWorkおよびその関係会社3社に、ソフトバンク・ビジョンファンドとソフトバンクグループから2019年9月末現在、合計103億ドル、日本円にして1兆円超の投資を行っています。
内訳は、
●ソフトバンクグループ100%子会社であるSB WW Holdings (Cayman) Limitedからの投資
●ソフトバンク・ビジョン・ファンドからの投資
企業価値470億ドル(約5兆円)とも言われていたWeWorkは、8月14日に米国証券取引委員会にForm S-1(証券登録届出書)を提出し、株式上場を目指していましたが、提出した新規株式公開(IPO)の目論見書をきっかけに、巨額な赤字を抱えていることが発覚。
事業内容も、AIを活用するテクノロジー会社ではなく、日々赤字を垂れ流しているただの不動産又貸し業であり、5兆円という企業価値は過大な評価ではないかと疑問視する声も。また、ガバナンス問題も噴出し、アダム・ニューマン氏はCEO辞任に追い込まれるという事態に。そして、WeWorkは9月30日、コアビジネスに集中するため株式上場を延期することを決定しました。
その結果、2019年9月末のWeWork株式全体の公正価値は78億ドルまで下落し、WeWorkの公正価値を反映したSB WWの純資産と簿価(取得価額)との差額である4,977億円をSB WWに係る関係会社株式評価損として特別損失に計上。
なお、ソフトバンクグループはWeWorkに対し大規模な資金コミットメントを行うと10月23日に発表。これには、約50億ドル(約5,426億円)の新規資金調達と、WeWorkの既存株主を対象としたソフトバンクグループによる最大30億ドル(約3,255億円)の株式公開買付けの開始が含まれます。また、2020年4月に実行を予定していた15億ドル(約1,627億円)の資金コミットメントは、行使価格を10分の1に引下げ、半年前倒しで10月30日に実行。
これは泥沼に沈みゆく船を救済したのではなく、高く買い過ぎた調達価格を4分の1にするための、あくまで株価の洗い替えであることを孫氏は強調。
WeWork株式に対する経済的持分比率は最大80%(SB WW:最大 60%、ソフトバンク・ビジョン・ファンド:20%)となる予定ですが、子会社ではなく関連会社となります。
既に行った投資を含め、WeWorkに注ぎ込む資金はトータル2兆円。今後は、ソフトバンクグループの取締役副社長 COO のマルセロ・クラウレ氏がWeWorkのExecutive Chairmanに就任し、企業統治の適正化とV字回復を目指した施策を実行していくとしています。
第1四半期末では保有株式25.8兆円、純負債4.9兆円でしたが、第2四半期末では純負債は6,000億円増加し5.5兆円となりましたが、アリババ株2兆円増が貢献し、保有株式は27.9兆円となり、株主価値は1.4兆円増加。
投資会社として生まれ変わったソフトバンクグループにとって、会計上の利益よりも株主価値のほうが適正な物差しであり、こちらを評価してほしいとはいうものの、WeWorkの件で投資会社化への不安は拭きれないものとなりました。
上半期の決算を受け、投資戦略や孫氏の眼力への批判が高まっていますが、今後の方針に変更は一切なく、予定どおりビジョン・ファンド2はビジョン・ファンド1と同規模で粛々と進めていくとのこと。また、ビジョン・ファンド3についても意欲を見せています。
孫氏は「反省はするが萎縮する必要なし」「大波ではなく、さざ波である」と、今後もユニコーンに投資を続け、毎年上場する企業は生まれるだろうとしています。
WeWorkについては、まず新規ビルの増加を一時停止し経費を削減。さらに新規事業や本体に関係ないものはすべてカットし、損益分岐点を前倒しすることによってV字回復させるという計画ですが、やはりそれなりの時間はかかるだろうと思われます。
WeWorkの件では大いに損失を被りましたが、次に狙っているのはLINE。ますます目が離せません。今後の動向に注目です。
画像出典元:「ソフトバンクグループ株式会社」プレゼンテーション資料
通信事業から戦略的投資持株会社へと移行した「ソフトバンクグループ」の決算を見ていきます。
なお、当第1四半期においてソフトバンクがヤフーを子会社化したことに伴い、「ヤフー事業」は「ソフトバンク事業」に含まれることになり、報告セグメントは「ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業」「ソフトバンク事業」「スプリント事業」「アーム事業」「ブライトスター事業」の5つに変更となっています。
2020年3月期(2019年度)第1四半期の連結業績は、純利益が前年同期比3.6倍の1兆1,217億円となっています。四半期ベースの純利益として、初めて1兆円を突破。国内最大の四半期純利益となりました。
戦略的投資持株会社となったソフトバンクグループ にとって、売上高は意味を持たない数字ですが、増減だけざっと見ると、ソフトバンク事業、スプリント事業、アーム事業はいずれも増収、ブライトスター事業は減収となっています。
営業利益が前年同期比4%減となったのは、アーム事業において前年同期に中国子会社の合弁事業化に伴う一時益計上があったことによるものです。
一過性の利益を除くと、営業利益は24%の増益に。
これは、ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業において、Uber(ウーバー)などへの投資の公正価値減少があったものの、OYO(オヨ)およびその関係会社、Slack(スラック)、Doordash(ドアダッシュ)などの投資先の公正価値増加に伴う未実現評価益4,085億円が貢献したことによるものです。
一方、ソフトバンク事業、ブライトスター事業は利益が改善したものの、スプリント事業、アーム事業は利益が悪化しています。
純利益が前年同期比3.6倍となったのは、アリババ株の売却益相当額及びデリバティブ金融負債の取り崩しによる利益等、合計1兆2,185億円を税引前利益として計上したことによるものです。アリババ株の保有率は28.9%から26.0%に下がりましたが、筆頭株主であることに変わりはありません。
ソフトバンクグループの保有株式は26兆円と、前期末より1兆円減少しています。
有利子負債は17兆円ありますが、うち返済義務のない有利子負債と現預金等を引くと、純負債は5兆円。よって株主価値は、26兆円ー5兆円=21兆円とのこと。
ソフトバンクグループの決算は好決算でしたが、株価は軟調に推移。投資先であるウーバーの株価下落の影響を受けたかたちとなっています。なお、ウーバーの2019年4-6月期決算は、最終損益が52億3,600万ドル(約5,500億円)の赤字でした。
アメリカ4位の通信キャリアSprint(スプリント)と、3位のT-Mobile US(Tモバイル)の合併について、2019年7月に米国司法省(DOJ)から条件付き承認を取得。連邦規制当局からの最終的な承認は9月までに得られ、本取引のクロージングに必要なすべての規制当局の承認は2019年下半期に得られる見込みです。
合併後は、スプリントは連結から外れ、持分法適用関連会社となります。
なお、この合併は反トラスト法に違反するとして、一部の州では合併差し止めを求めた訴訟を起こしています。9月4日現在、16州とコロンビア特別区が訴訟を起こしています。
7月26日、ソフトバンクグループは私募ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド2」を新たに設立したと発表。出資者の中には、Appleや Microsoftも名を連ねています。
現段階での出資予定額は11.7兆円ですが、話し合い中の出資者もまだ複数いるため、金額はさらに増加する見込みです。なお、ソフトバンクグループは4.1兆円の出資を行うことを機関決定したのこと。
もちろん、投資先はAIのユニコーン企業一本です。
画像出典元:「ソフトバンクグループ株式会社」プレゼンテーション資料
2019年3月期通期(2018年度)の業績は、前年に対し増収増益となりました。
営業利益は前年比で81%増と大幅な増益。これは、ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの利益が前年比4倍の1兆2,566億円と大きく伸びたことによるものです。
2017年に開始したソフトバンク・ビジョン・ファンドが急成長しています。
最終利益は3期連続の1兆円超えとなりました。
一方、ソフトバンクグループの有利子負債は15.7兆円。うち返済義務のない有利子負債9.0兆円、現預金等2.3兆円を引くと、純負債は4.4兆円と試算。
保有株式は27兆円であるため、「(保有株式)27兆円ー(純負債)4兆円=23兆円が株主価値である」とソフトバンクグループ取締役会長兼社長の孫正義氏は強調。
株主価値である23兆円という数字が最も大事な数字であるとこのことです。
昨年上場したソフトバンク株式会社の時価総額は4.5兆円。それを大きく上回るのが中国・アリババグループの13.1兆円。ソフトバンクグループが保有する株式の約半分はアリババ株となっています。
売上高においては、ソフトバンク事業、スプリント事業、ヤフー事業が増収となった一方、アーム事業とブライトスター事業はほぼ横ばいとなりました。
営業利益においては、ソフトバンク事業、スプリント事業、アーム事業、ブライトスター事業はセグメント利益が改善。
一方、ヤフー事業、その他のセグメント利益が悪化しました。主に、スマートフォン決済サービスを手掛ける PayPay㈱がユーザーやサービス利用可能店舗の拡大に積極的に取り組んだ影響で営業損失を計上したことによるものです。
孫氏は、5月9日の決算会見で第2のビジョン・ファンドを近々立ち上げると発表しました。規模は現ビジョン・ファンドと同規模の10兆円。既に、ビジョン・ファンドの出資者や世界中の投資家が関心を寄せているとのこと。
サウジアラビアの政府系ファンドからの出資を受けて設立されたビジョン・ファンドは2年を経て投資先が80社を超えました。
AIに特化したユニコーン、かつそれぞれの分野でナンバーワンの企業に投資し、高い収益を上げています。ライドシェアリング・サービス最大手のウーバー・テクノロジーズも投資先の一つです。
5月10日にニューヨーク証券取引所に上場したウーバーは、当初株価が低調に推移し、筆頭株主であるソフトバンクグループの株価にも影響を与えましたが、6月5日には上場して以来初めて公開価格(45ドル)を上回りました。
アリババに次ぐ規模の大型上場となったウーバーの今後の株価推移に注目です。
今後は、AI 群戦略によりソフトバンクグループの株主価値を増やしていくとのことです。なお、2020年3月期の業績予想は非開示となっています。
ソフトバンクグループは、「ソフトバンク事業」「スプリント事業」「ヤフー事業」「アーム事業」「ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業」および「ブライトスター事業」の6つを報告セグメントとしています。
ソフトバンク・ビジョン・ファンドは2017年に活動を開始。
次世代のイノベーションを引き起こす可能性のある企業やプラットフォーム・ビジネスに対して、大規模かつ長期的な投資を行うことを目指しています。
画像出典元:「株式会社ソフトバンクグループ」決算説明会資料
2019年第3四半期連結累計期間の業績は、増収増益となりました。
前期に引き続き、ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業が好調です。
ソフトバンクグループは「ソフトバンク事業」「スプリント事業」「ヤフー事業」「アーム事業」「ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業」「ブライトスター事業」の6つを報告セグメントとしています。
売上高は前年同期比5%増の7兆1,685億円となり、ソフトバンク事業、スプリント事業、ヤフー事業、ブライトスター事業が増収となった一方、アーム事業は減収となっています。
営業利益は前期に引き続き、ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業が、前年同期比242.1%増の8,087億9,200万円と大きく貢献しています。
2018年9月にFlipkart Private Limited株式売却により1,466億8,200万円を計上したほか、第3四半期にソフトバンクグループから移管したUber Technologies,Inc.をはじめ、Oravel Stays Private LimitedやWeWork Companies,Inc.などの投資先の公正価値が増加したことにより、未実現評価益6,932億100万円を計上しています。
ソフトバンク事業で290億5,700万円、アーム事業で1,590億7,000万円、ブライトスター事業で429億700万円とセグメント利益が増加しました。
一方、スプリント事業で365億2,300万円、ヤフー事業で251億5,800万円、セグメント損益が悪化しました。
アーム事業のセグメント利益には、アームの中国子会社が合弁事業化により持分法適用関連会社となったことに伴い計上した、子会社の支配喪失に伴う利益1,762億6,100万円が含まれています。
2018年12月19日、子会社のソフトバンク(株)が東京証券取引所市場第一部に上場しました。
上場において、ソフトバンクグループの100%子会社であるソフトバンクグループジャパン(株)は、所有するソフトバンク(株)株式の一部を売出し、手取金2兆3,498億3,200万円を受領しました。これにより、ソフトバンクグループのソフトバンク(株)に対する間接所有割合は99.99%から66.49%となっています。
ソフトバンク(株)は引き続きソフトバンクグループの子会社のため、今回の売出しにおける税金考慮後の売却益相当額は、資本剰余金として要約四半期連結財政状態計算書に計上されています。
2019年上半期の累積業績は、売上高は前年比+6%で4兆6,539億円、営業利益は前年比+62%で1兆4,207億円、当期純利益は前年比+719%で8,401億円となりました。
営業利益の推移をみると、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの利益が急激に増加していることが分かります。
主に、Flipkart Private Limitedの株式売却により1,467億円を計上したほか、NVIDIA Corporatoinや Oravel Stays Private Limitedの公正価値の増加により未実現評価益 5,038億円を計上したことが背景にあります。
ソフトバンクグループのソフトバンク株式会社は12月に新規上場を予定しています。上場が実現すればソフトバンク・ビジョン・ファンドの資金が潤沢になるので、更なる成長が期待できるでしょう。
画像出典元:「ソフトバンク」決算説明会資料
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