株式会社ぐるなびの決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

記事更新日: 2019/08/01

執筆: 山中恵子

純利益85%減!新社長に楽天創業メンバー杉原氏が就任した「ぐるなび」の第1四半期決算

2020年3月期 第1四半期 累積業績

  • 売上高:75億5,100万円(前年同期比△8.0%)
  • 営業利益:8,000万円(前年同期比△86.6%)
  • 経常利益:9,000万円(前年同期比△85.0%)
  • 四半期純利益:6,100万円(前年同期比△84.7%)

飲食店検索サイトを運営する「ぐるなび」の決算を見ていきます。

2020年3月期第1四半期の連結業績は、前年同期に対し減収、利益面ではすべての項目で8割を超える減益となっています。

前期において、加盟飲食店による大幅な契約の減額・解約が発生し、ストック型売上の減少が続いていることが減収の主な要因です。

【グラフ】売上高推移

大幅な減益の要因は、売上原価の増加によるものです。

前期より提供開始した広告出稿やSNSをはじめとした外部メディアの運用など飲食店業務を代行する業務支援サービスに係る費用の発生が響き、当第1四半期の売上原価は前年同期比12.5%増の26億8,400万円に。

売上原価が年々増加する一方で、販売費及び一般管理費は業務委託費や人材派遣費が減少したことにより前年同期比で8.4%減となっています。

営業利益率は前年同期比で6.2ポイント低下し、まさかの1.1%。赤字寸前ですが、今期は赤字になる見込みなので計画どおりということでしょう。

新社長は楽天から

6月19日付けで、ぐるなびの社長に楽天創業メンバーである杉原章郎氏が就任しました。楽天を退職し、退路を断っての就任です。

既に、ぐるなびと楽天とは2018年7⽉に資本業務提携を締結し、会員ID連携により一定の成果を上げています。今後、どのように業績を回復させていくのか注目です。

なお、業績予想に変更はありません。

画像出典元:「株式会社ぐるなび」決算補足説明資料

 

 

2019年3月期 通期決算(19年6月更新)

  • 売上高:327億2,800万円(前期比△9.7%)
  • 営業利益:12億1,600万円(前期比△74.4%)
  • 当期純利益:5億8,100万円(前期比△81.8%)

2019年通期の業績は、前期に対し減収減益、特に利益面は大幅な減益となりました。

主力事業である飲食店販促サービスにおいて、受注を上回る大幅な契約の減額・解約が発生したことからストック型サービスの売上が積み上がらず、減収となりました。

営業利益率は前期比9.4ポイント減の3.7%、総有料加盟店数は前期比1,822店減の5万9,660店に。

当期純利益は、繰延税金資産の一部を取崩し法人税等調整額が増加したことにより前期比81.8%減となりました。

ぐるなびは、業績悪化の要因として、以下の3点を挙げています。

① ネット予約・ポイントに対するニーズの高まりへの対応遅れ
② 情報検索手段・販促手段の多様化への対応遅れ
③ 幅広いお店に対する自社メディア商品に留まらない総合提案型営業へのシフト遅れ


3~4 年前から消費者行動の変化への対応に遅れが生じていると認識していたものの、Google やInstagram、Smart News、トリップアドバイザーなどの外部サービスとの連携がようやく形になったのが昨年あたりだったとのこと。

また、一部の高額取引先への売上に依存していたことを反省し、今後は加盟店の裾野を拡大していくとしています。

売上高は2017年3月期をピークに減少していますが、コストは年々増加しています。なかでも売上原価は、10年で2倍近く増加。

2019年3月期の売上原価は、店内業務ICT化ツールの導入拡大に伴う機器の仕入れ・運用コスト等の増加、業務代行サービスに係る外部メディアの運用費用の発生を主因に前期比5.0%増の106億4,500万円円となりました。

楽天が筆年頭株主に

5月22日、ぐるなびは楽天と資本業務提携の強化に係る契約を締結したと発表しました。この発表を受け、ぐるなびの株価は翌23日に一時ストップ高に。

5月31日付けで代表取締役会長である滝久雄氏が保有する株式の一部(233万9,700株)を市場外の相対取引により楽天へ譲渡。保有率が10%から15%に上がり、筆頭株主が楽天へと異動しました。

また、代表取締役社長は楽天の創業メンバーの一人、杉原章郎氏が6月19日付けで就任。

既に10月より会員ID連携・楽天スーパーポイント付与施策をスタートさせていますが、開始直後よりぐるなび会員数・ネット予約件数は順調に拡大しています。

楽天との資本業務提携の強化により、経営の立て直しに期待がかかります。

2020年3月期の業績予想

2020年3月期の業績は減収減益、赤字となる見込みです。

  • 売上高:308億円(前期比△5.9%)
  • 営業利益:△35億円
  • 経常利益:△35億円
  • 当期純利益:△35億5,000万円

来期の黒字転換に向け、今期は固定費削減、経営資源の集中、不採算事業の廃止・縮小を行うとしています。

本格的な売上拡大は2022年3月期からの見込み。楽天傘下に入ったぐるなびが今後、どのように再構築を行っていくのか注目です。

画像出典元:「株式会社ぐるなび」決算説明会資料

 

 

2019年3月期 第3四半期 累積業績(19年4月更新)

  • 売上高:245億1,300万円(前年同期比△9.5%)
  • 営業利益:11億2,400万円(前年同期比△71.8%)
  • 四半期純利益:7億5,400万円(前年同期比△72.2%)

2019年第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し大幅な減収減益となりました。これは、加盟飲食店における契約の減額・解約の増加と新規・増額受注の伸び悩みによるものです。

業績悪化は前期から見られ、背景には飲食店の人手不足と消費者行動の変化があります。

飲食店側は、人手不足により販売促進に対して慎重姿勢が高まりました。消費者側は、「食べログ」などの他社グルメサイトの利用はもちろん、SNSの利用などにより飲食店検索手段の多様化が進んでいます。

「ぐるなび」もこの状況に手をこまねているわけではなく、ユーザーアプローチ手法の拡充として、楽天・Instagram・Google・スマートニュースといった他サービスと提携するなど様々な取り組みを行い、第3四半期には受注や減解約の状況に改善が見られました。

2019年3月期 業績予想

  • 売上高:330億円(前期比△8.9%)
  • 営業利益:13億円(前期比△72.6%)
  • 経常利益:13億円(前期比△73.0%)
  • 当期純利益:9億円(前期比△71.8%)

2019年通期の業績予想は、前期に対し減収減益、特に利益面では大幅な減益となる見込みです。

契約の減額・解約は例年第4四半期に膨らむ傾向があること、また他社連携商品には利益率の低い商品が多く含まれるため、業績回復の見通しは立っていません。

ぐるなびの事業内容

1996年、交通広告代理店である株式会社NKBの一事業部として飲食店検索サイト「ぐるなび」をインターネット上に開設したことが始まりです。

2000年に事業を分社化し、「株式会社ぐるなび」を設立。

事業内容

インターネット上で飲食店情報検索サイト「ぐるなび」を運営し、利用者(ユーザー)にさまざまな飲食店情報を無料で提供。飲食店向けにはインターネットを活用したPR及び販売促進等のサービスを販売しています。

「ぐるなび」は、飲食店をサポートすることで成り立つビジネスモデルとなっています。具体的には、① ITを用いた事業基盤(オンラインのインフラ)と ② 1,000人のサポート体制(オフラインのインフラ)による飲食店支援を行っています。

【1,000人のサポート体制とは】

  • 加盟店営業 500人
    販売促進をはじめとしたお店が抱える課題の解決案をアドバイス
  • 巡回スタッフ 300人
    定期的に飲食店を訪問し、加盟店をきめ細かくサポート
  • コールセンター 150人
    飲食店が困ったときにすぐに相談でき、経営に役立つ情報提供も行う
  • ぐるなび大学 50人
    年間3,000回以上開催するセミナーを通じて成功事例やノウハウを経営者に共有

画像出典元:「株式会社ぐるなび」決算説明会資料

 

 

2019年第2四半期 連結業績(18年10月更新)

  • 売上高:160億400万円(前年比-8.9%)
  • 営業利益:10億3,000万円(前年比-63.5%)
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益:6億7,200万円(前年比-65.1%)

加盟飲食店の解約が続いたこと、新規加盟店舗数が伸び悩んだことで営業利益は前年比-63.5%となりました。

ぐるなびの基本情報

  • 有料加盟店舗数:58,747店(前年比-3.1%)
  • 月間アクティブユーザー数:6,500万人(2017年12月現在)
  • ぐるなび会員数:1,625万人(2018年10月1日現在)

有料加盟店推移

ぐるなび会員数推移

会社概要

会社名 株式会社ぐるなび
事業内容 パソコン・携帯電話・スマートフォン等による飲食店のインターネット検索サービスその他関連する事業
所在地 東京都千代田区有楽町1-2-2 東宝日比谷ビル6F
設立日 2000年2月
代表 取締役会長 滝 久雄 / 代表取締役社長 杉原 章郎
資本金 23億3,400万円

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