飲食店検索サイトを運営する「ぐるなび」の決算を見ていきましょう。
2020年3月期第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し減収増益となっています。売上は概ね計画通り、利益は計画を⼤幅に上回り⿊字で着地。
減収となった主な要因は、加盟飲食店による契約の減額・解約によるストック型売上の減少が続いていることに加え、新規獲得が進んでいないことによるものです。
一方、第3四半期単独では、ネット予約拡大(送客力拡大)施策の推進、業務支援商品の提案等が奏功し、減額・解約金額は低水準で推移し、前四半期比で増収に。
また、ぐるなび会員数は、楽天とのID連携効果などにより新規登録者が順調に拡大しています。楽天とのID連携会員数は12⽉末で約210万⼈となり、当初想定200万⼈を10万⼈上回り、年度末250万⼈予想も上振れる見込みです。
【グラフ】売上高推移
営業利益は、下期に予定していた先⾏投資のタイミングを来期へ先送りしたことを主な要因として大幅な増益を達成。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、投資有価証券に係る減損処理により投資有価証券評価損2億9,300万円を計上したことから、7億9,000万円(前年同期比4.8%増)となりました。
10月に上方修正された通期業績予想が再び上方修正され、赤字予想から一転、黒字着地見込みとなりました。
下期に想定していた中期事業方針に基づく構造改革や先行投資の本格的な実施を次期に先送りすること、また各商品の変動費の適切なコントロールにより変動費が想定を下回る見込みであること等から売上、利益ともに上方修正されました。
なお、来期は利益計上よりも構造改革・先行投資を優先していくとしています。
画像出典元:「株式会社ぐるなび」決算説明会資料
楽天から杉原章郎氏が社長に就任して4ヶ月、飲食店検索サイトを運営する「ぐるなび」の決算を見ていきます。
2020年3月期第2四半期連結累計期間の業績は前年同期に対し減収減益となったものの、売上高・各利益ともに予想を大きく上回って着地しています。特に利益に関しては最終20億円の赤字予想が一転、黒字を確保。
これは、売上⾼がネット予約⼿数料及びプロモーション事業分野で当初予想を上回ったほか、広告宣伝・販売促進費等の予算執⾏を⼀部下期へ先送りしたこと、業務効率化等による固定費の削減が前倒しで進んだことにより、費用が当初計画を⼤幅に下回ったためです。
加盟飲食店の減解約によるストック型売上の減少は続いていますが、スポット型売上はネット予約手数料売上の拡大が牽引し前年同期比で+37.8%成長。
楽天IDとの連携に注力したことが奏功し、ネット予約件数は前年同期比で増加しています。なかでも会員リピート予約数が大幅に増加。一方、未ログインでの予約、つまり会員ではない予約は微減となっています。
なお、ぐるなびは楽天スーパーポイントを除き、2020年2月2日(日)来店分をもって、提携ポイント・マイルの付与を終了すると発表。今後は、楽天スーパーポイントと「ぐるなびポイント」に集約されます。
楽天IDとの連携を拡大させているぐるなびですが、第2四半期連結累計期間末のID連携会員数は160万人を突破。年末には190万人、2020年3月末には250万人を見込んでいます。
ぐるなびの株価推移
画像出典元:SBI証券
ぐるなびの株価は、赤字予想が一転黒字で着地したことから、一時ストップ高となりました。
利益が期初予想を大きく上回ったため、各利益の通期予想を上方修正しました。売上高については据え置かれています。
決算発表とあわせて中期事業方針 (2021年3月期 ~ 2023年3月期)も発表されました。
長期ビジョンとしては、ただの「販促支援企業」ではなく「飲食店経営サポート企業」へと進化し、飲食店の “ 経営そのもの” を支えるプラットフォーム・日本最大級の飲食店ネットワークを構築していくとしています。
中期事業方針としては、2023年3月期に予約件数を2020年3月期比で3倍という目標を掲げています。
なお、株式会社カカクコムが運営する「食べログ」のレビュー点数評価操作疑惑がTwitterの投稿を発端として炎上しましたが、公正取引委員会は10月9日の定例会見で、飲食店向けのポータルサイトに関して調査を行っていることを明らかにしました。
ぐるなびも公正取引委員会からアンケートへの回答依頼を受け協力していますが、調査を受けて困るようなこともネガティブな影響もないとのことです。
杉原社長は就任後、2ヶ月で全国の営業拠点(21拠点)すべてに赴き、各地の営業員とミーティングをし現状を把握することと並行して、飲食店経営者とも直接対話し、どのようなニーズや課題があるか確認したとのこと。今後の手腕に期待がかかります。
画像出典元:「株式会社ぐるなび」決算説明資料(中期事業方針)
飲食店検索サイトを運営する「ぐるなび」の決算を見ていきます。
2020年3月期第1四半期の連結業績は、前年同期に対し減収、利益面ではすべての項目で8割を超える減益となっています。
前期において、加盟飲食店による大幅な契約の減額・解約が発生し、ストック型売上の減少が続いていることが減収の主な要因です。
【グラフ】売上高推移
大幅な減益の要因は、売上原価の増加によるものです。
前期より提供開始した広告出稿やSNSをはじめとした外部メディアの運用など飲食店業務を代行する業務支援サービスに係る費用の発生が響き、当第1四半期の売上原価は前年同期比12.5%増の26億8,400万円に。
売上原価が年々増加する一方で、販売費及び一般管理費は業務委託費や人材派遣費が減少したことにより前年同期比で8.4%減となっています。
営業利益率は前年同期比で6.2ポイント低下し、まさかの1.1%。赤字寸前ですが、今期は赤字になる見込みなので計画どおりということでしょう。
6月19日付けで、ぐるなびの社長に楽天創業メンバーである杉原章郎氏が就任しました。楽天を退職し、退路を断っての就任です。
既に、ぐるなびと楽天とは2018年7⽉に資本業務提携を締結し、会員ID連携により一定の成果を上げています。今後、どのように業績を回復させていくのか注目です。
なお、業績予想に変更はありません。
画像出典元:「株式会社ぐるなび」決算補足説明資料
2019年通期の業績は、前期に対し減収減益、特に利益面は大幅な減益となりました。
主力事業である飲食店販促サービスにおいて、受注を上回る大幅な契約の減額・解約が発生したことからストック型サービスの売上が積み上がらず、減収となりました。
営業利益率は前期比9.4ポイント減の3.7%、総有料加盟店数は前期比1,822店減の5万9,660店に。
当期純利益は、繰延税金資産の一部を取崩し法人税等調整額が増加したことにより前期比81.8%減となりました。
ぐるなびは、業績悪化の要因として、以下の3点を挙げています。
① ネット予約・ポイントに対するニーズの高まりへの対応遅れ
② 情報検索手段・販促手段の多様化への対応遅れ
③ 幅広いお店に対する自社メディア商品に留まらない総合提案型営業へのシフト遅れ
3~4 年前から消費者行動の変化への対応に遅れが生じていると認識していたものの、Google やInstagram、Smart News、トリップアドバイザーなどの外部サービスとの連携がようやく形になったのが昨年あたりだったとのこと。
また、一部の高額取引先への売上に依存していたことを反省し、今後は加盟店の裾野を拡大していくとしています。
売上高は2017年3月期をピークに減少していますが、コストは年々増加しています。なかでも売上原価は、10年で2倍近く増加。
2019年3月期の売上原価は、店内業務ICT化ツールの導入拡大に伴う機器の仕入れ・運用コスト等の増加、業務代行サービスに係る外部メディアの運用費用の発生を主因に前期比5.0%増の106億4,500万円円となりました。
5月22日、ぐるなびは楽天と資本業務提携の強化に係る契約を締結したと発表しました。この発表を受け、ぐるなびの株価は翌23日に一時ストップ高に。
5月31日付けで代表取締役会長である滝久雄氏が保有する株式の一部(233万9,700株)を市場外の相対取引により楽天へ譲渡。保有率が10%から15%に上がり、筆頭株主が楽天へと異動しました。
また、代表取締役社長は楽天の創業メンバーの一人、杉原章郎氏が6月19日付けで就任。
既に10月より会員ID連携・楽天スーパーポイント付与施策をスタートさせていますが、開始直後よりぐるなび会員数・ネット予約件数は順調に拡大しています。
楽天との資本業務提携の強化により、経営の立て直しに期待がかかります。
2020年3月期の業績は減収減益、赤字となる見込みです。
来期の黒字転換に向け、今期は固定費削減、経営資源の集中、不採算事業の廃止・縮小を行うとしています。
本格的な売上拡大は2022年3月期からの見込み。楽天傘下に入ったぐるなびが今後、どのように再構築を行っていくのか注目です。
画像出典元:「株式会社ぐるなび」決算説明会資料
2019年第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し大幅な減収減益となりました。これは、加盟飲食店における契約の減額・解約の増加と新規・増額受注の伸び悩みによるものです。
業績悪化は前期から見られ、背景には飲食店の人手不足と消費者行動の変化があります。
飲食店側は、人手不足により販売促進に対して慎重姿勢が高まりました。消費者側は、「食べログ」などの他社グルメサイトの利用はもちろん、SNSの利用などにより飲食店検索手段の多様化が進んでいます。
「ぐるなび」もこの状況に手をこまねているわけではなく、ユーザーアプローチ手法の拡充として、楽天・Instagram・Google・スマートニュースといった他サービスと提携するなど様々な取り組みを行い、第3四半期には受注や減解約の状況に改善が見られました。
2019年通期の業績予想は、前期に対し減収減益、特に利益面では大幅な減益となる見込みです。
契約の減額・解約は例年第4四半期に膨らむ傾向があること、また他社連携商品には利益率の低い商品が多く含まれるため、業績回復の見通しは立っていません。
1996年、交通広告代理店である株式会社NKBの一事業部として飲食店検索サイト「ぐるなび」をインターネット上に開設したことが始まりです。
2000年に事業を分社化し、「株式会社ぐるなび」を設立。
インターネット上で飲食店情報検索サイト「ぐるなび」を運営し、利用者(ユーザー)にさまざまな飲食店情報を無料で提供。飲食店向けにはインターネットを活用したPR及び販売促進等のサービスを販売しています。
「ぐるなび」は、飲食店をサポートすることで成り立つビジネスモデルとなっています。具体的には、① ITを用いた事業基盤(オンラインのインフラ)と ② 1,000人のサポート体制(オフラインのインフラ)による飲食店支援を行っています。
【1,000人のサポート体制とは】
画像出典元:「株式会社ぐるなび」決算説明会資料
加盟飲食店の解約が続いたこと、新規加盟店舗数が伸び悩んだことで営業利益は前年比-63.5%となりました。
有料加盟店推移
ぐるなび会員数推移
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